第1回JTF翻訳品質セミナー『誰も教えてくれない翻訳チェック~翻訳者にとっての翻訳チェックを考える~』齋藤貴昭(Terry Saito)さん(2017/05/22)に出席して。

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ヨシダヒロコです。

このエントリもっと早く上げたかったんですが、強行軍で東京と往復し、帰宅後しばらくして強烈な風邪を引き、熱出して寝込んだり、今月は気温が低く持病の頭痛がひどかったりして、やっと落ち着いてきました。この話はきちんと書きたかったですからね。

このセミナーは昨年JTFの翻訳祭で伝説になったものだったので、早々と希望を出していました。続く石黒さんのお話も聞きたかったのですが、予算の関係でアウトでした。JTF翻訳品質セミナーは旧「標準スタイルガイド検討委員会」から名前が変わってから今回が初めてで、HPには「本セミナーは、翻訳の品質を真剣に考え、その向上に実践的に取り組む方のための講座です」と書いてあります。

https://www.jtf.jp/jp/style_guide/styleguide_seminar.html

テリーさんのお話は4年前にWildLight出だしのころ大阪で聞きました(下のリンク)。このツールはWord上で動くマクロなのですが、TagEditorの仕事がその頃多く使いこなせずにいました。今回お話を聞いて、あの時の話をバージョンアップさせた感じだと思いました。JTFセミナーで同年末に似た主旨のお話があったようです。

関西通翻勉強会SKITに参加しました(2014/07/20)。

会場は東京の土地勘が少しあってもちょっと分かりにくく、まあまあ早起きしたのに早くホテルを出なかったためもあり、3駅からアクセスできる分複雑でした。少々遅刻。

会場では噂のチェックマトリックスがハンドアウトとともに渡されました。A3 くらいで大きいです。チェック工程の1例が表で細かく書いてありますが、使いやすいようにアレンジしてくださいということです。

入っていったときは、前振りの話をされていたと思います。何語か分からない文章と数字、その日本語訳では明らかに数字が違っているという例を出して、「お客さんにも翻訳が分かる人とか分からない人色々いる(知らない人の方が多い)けど、言葉が分からずとも数字の間違いなら分かる→翻訳が悪いと言われる」という話がありました。

翻訳に関わる要素に5M(Material, Machine, Method, Mesurement, Man)がありまして、他に5W2Hも付け加えられてた気がしますが、5つのMとは翻訳材料(原稿、参考資料、用語集など)、情報機器・ツール・書籍(PC、翻訳支援ソフト、Officeなど)、管理方法(工程管理、チェック手法など)、基準(仕様、スタイルガイドなど)、(経営者、コーディネーター、チェッカーなど)で、これは翻訳会社の場合なので翻訳者の場合は最後を翻訳者の能力とします。

また、「翻訳の質」についても話があり、テリーさんは何が翻訳の質なのかまだもっさりした印象だそうだけど、翻訳者さんは流暢さとか読みやすさを大事にしているようだと。それももちろん大事なんだけど、まず正確さが大事とおっしゃっていました。「ルールへの適合性」という言葉で表現していましたが、スタイルガイド、用語集、文献など。優先度でいうと、1.正確さ、2.用語集、3.スタイル、4.流暢さということでした。

流暢さとルールへの適合性はどちらも大事で両輪であり、翻訳祭のときはそこがよく分かってもらえなかったのか、それを理解してブログにレポートを上げた翻訳者Sさんが「言いたいことをよくここまでくみ取ってくれた」と賞賛されていました。なので今回は少し強調したのかもしれません。普通に考えてテリーさんではなくとも、コーディネーターさんが流暢さは別にいいと言うはずないですけどね。

参考資料がすごく多いときのTipがあり、「これはどういう位置づけですか?」と聞いてみるといいとのこと。

そして今回のお題はヒューマンエラー、ポカミスですが、気合いではどうしようもありません。人がチェックして気をつけてるとか大丈夫ですか?と。人間の能力を過信してはいけません、といわれました。

ポカミスの例。

  • 「Shift」の”f”を忘れて全世界に文章(マニュアル的なものだったかと)を出してしまった……。
  • 以下のツイート。

人は思い込むものです。文の意味を理解した途端に勝手に意味を補完します。ミススペルはケアレスではなく「誤訳」です。

  • ビスの忘れ。ビスを付け忘れたかをチェックするために、工場で赤ペンチェックを入れました。2000~3000回繰り返すと、赤ペンだけチェックしたものが現れます。反復動作は記憶されて定着しますが、精神作用は定着しません。ちなみに人の集中力が続くのはたった50分間だそうです。

脳の使い方が違う項目を一緒にしてはいけません。

エージェントの出してくるQAチェックシートはあまりよろしくないというお話しもありました。

こういうポカミスを避けるには、チェックを分解(参照照合、単純照合、読解:参照照合は造語で、用語集やスタイルガイドなどとの照合)し、チェックツールを使います。他に、これはいろんな人がやっていると思いますが、と前置きして客観性を持たせるため時間を置いたり、場所を変えたり、プリントアウトしたりする方法や、ツールではFUGO、WildLight、色deチェック、JustRightなどがあります。ツールは刃物と一緒なので、勝手をさせない、例えば数字を変えさせたりしないようにしましょう。

ここまでで「気をつける」ではチェックできないことが分かりましたが、Easy To Noticeとして、チェックのポイントを絞ることを推奨していました。

  • 『ウォーリーを探せ!』で探すときと同じように、意識を集中する場所を際立たせる
  • 数字色分け
  • 知覚・認識力を総動員。パターンなど
  • “2”と”two”が混在するとき、色分けすると簡単(間違えやすいですよねー:筆者)
  • WildLightでの数チェック(色分け)
  • 用語集も色分け→単純照合へ

ミスをなくすには、「まずミスをしない」という発想が大事です。もしミスしてもその場で修正できる方法を紹介していました。人の能力に頼らないものです。

  • 数字入力を音声でフィードバック
  • タイプミスの場合
  1. Wordオートコレクト 間違いをしやすいものを登録、「日本に来日した」と入力したら「日本に●」と爆弾が出るようにする(これはWildLightの機能らしいです)
  2. AutoHotKey HotString Helper 日本語対応していないがTradosに使える
  •  原稿に色づけ
  •  自己鍛錬

ハンドアウトにはチェックフローがあるのですが、人力でやるクロスチェック・リライトが一番強調されており、これとスペルチェック以外はだいたいチェックツールで行うのがいいそうです。クロスチェック・リライトはツールをかける前に行いますが、それは翻訳者が「職人」だからです。ここでも自己鍛錬。順番を決め、守り、問題があれば最初からが大切だそうです。

フローの決め方として、ミスの多いものは前にするとか、最終チェックをするなどあったのですが、耳が痛かったのは「(手を抜いて)納期短縮の矛先にしない」「チェックをしない条件は、他で担保できる場合のみ」でした。

あと、チェックの前に対訳表作成は大事です。Trados Studioなどでもバイリンガルrtfファイルで出してくれますので。

レファレンスにあった、今まで知らなかった辞書を挙げておきます。日英向きですかね。1冊目と2冊目は同じ辞書で、セミナーでは上のKindle版が紹介されました。

最初に「東京から帰って風邪引いた」と書きましたが、そのころちょうど新しいエージェントから化学系のお仕事をもらっていました。セミナー後にトライアル結果待ちの会社の方とお茶していて、名刺で「え、これできるんですか?」と。アピールできる仕事の分野や簡単な内容を名刺には書いてあるんですが、その会社ではちょうど先日そんな人がいないかなあと言っていたところだったのです。ここまで即役に立ったのは初めてです(顔写真もありブログURL、趣味、使用ツールも書いてますが、一般の方にはとっつきにくいのでシンプルなの作るつもりです)。

かくしてチェックの仕事が来て、前にWildLightのセミナーに出たときにTradosはXbenchでチェックって何?と思っていたのが氷解しました。今までそう指定してきたエージェントがなかったこともありやり方が分からなかったのです。原稿はかなり直すことになりましたが、ちょうどセミナーで言われたことを人様の原稿でしたけどある程度実行することになりました。Xbenchにすぐに慣れず困ったし、セミナーで言われたことはかなり今後の課題でした。

それでも、そういう視点でチェック作業してみて、「最初からミスしない」は確かに有効と思いました。ツールをかけたとしても1回だけ出てくる誤訳は通り抜けてしまうことがあるし、それがcriticalな場合もありますから。ただ、チェックを頼まれて時間が読めない場合は自分が翻訳したときよりも厳しいかもしれません……。

チェックツールに関しては、今後WildLight辺りから手を付けていきたいです。DVDはまだ出てないようですが、翻訳セミナーと同じ場所で売るのでしょうか?過去の例だとレジュメが付いているそうで、嬉しいですね。わたしも買いたいのがあります。

余談ですが、他に東京で見たものはこれでした。

JTFセミナー東京道中(セミナー以外)(2017/05/20~23)。

MBS情熱大陸 同時通訳 橋本美穂さん――笑顔が武器のプロフェッショナル(放送2017/06/04)。

ヨシダヒロコです。

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simultaneous interpretation by  The International Federation of Library Associations and Institutions (IFLA)  https://www.flickr.com/photos/ifla/20920627518/ CC BY-SA 2.0

ブログの上の方に書いてありますが、わたしは翻訳者で通訳はやりません。両方できる人もいるじゃない、という依頼が来ることはありますが、せいぜいできるとしたら外国人の友達(多少案内を間違えてもいい)を案内するときに説明するくらいです。でも金沢とか歴史のあるところは難しいです。

この番組は翻訳者・通訳者の間でSNSで話題になっており、うちはピコ太郎の好きな(日頃通訳ってどうやってできるのと疑問や興味を持っている)母が録画していました。でも消されてしまい、11日夜まであった見逃し配信でギリギリで見ました。オンデマンドには見当たらないようで、Dailymotionで放送日で検索するとあるかも。

番組ページ。

http://www.mbs.jp/jounetsu/2017/06_04.shtml

魚拓

感想はひたすら楽しかったです。橋本さんの通訳やキャラクターが暖かく温かくすがすがしかったから。ピコ太郎やふなっしーなど、ポップな通訳は難しいだろうけど、見ていて感心したりこちらも観客のように笑ってしまったり。

2年前に大好きなFoo Fighters(初めて)見にフジロック行ったんですが、ヴォーカルのデイヴがずいぶん長く英語で喋ったんです。ブログに再現できるだけしたけど、ああいうときに通訳さんいたらよかったなと番組見てて思いました。デイヴはライブ中に骨折したいきさつをみなに知って欲しかったようだから。

化学式の出てくる資料があったり(医療だったらしい)、マーケティング関連や手術針への投資など、月に仕事が30本も入っているそうです。通訳者さんの資料読みは翻訳者より時間が限られている場合が多いとわたしは思っているので、すごいなあと。英語がニュートラルで耳に心地よかったり、ピコ太郎やふなっしーの通訳では演技しているかのようで(北島マヤとかイタコのような……)、投資の話し合いでは通訳をコンパクトにし投資家に考える間まで持たせていました。通訳の前後はニコニコ雑談したり、見てて飽きなくて30分が短かったです。

ふだん仕事相手に会わない翻訳者のキャラクターも(実力ももちろんですが)重要なのに、通訳ではもっとダイレクトに出ると思いました。それは仕事への姿勢にも出ていて、「お客さんは何も言ってくれないから、自己批判精神を持つ」「(うるさい場所での資料読みで、集中できますか?と聞かれて)条件が整わないとか言ってたらいつまでも条件は整わないから、雑音を押し出す力で集中する」「(インド人の英語が分かりにくいのは)まず覚悟することです。もうそういう英語なんだってことを認める。そこに拒否反応を感じてるから、まず耳にバリアができてるんです」などのキッパリサッパリした割り切り方をしていて、きっとそこに行くまでいろいろあったんでしょうだろうと思いますがかっこいいなと思いました。わたしよりずいぶん年下なんですけどね。こういうことに年上年下は関係ないけどまぶしかったです。

最近大学の勉強でストレス・コーピングについて学びましたが、疲れることはあってもその辺が上手なんでしょうか。悩んでも仕方のないことは悩まない、とか。

同時通訳を一瞬でやれているメカニズムの説明も分かりやすかったです。今まで「ブラックボックス」と言われてきたんですよね。

あと疲労回復のメンテですが、(2017/06/12 2:02追記:橋本さんは)すごく疲れて鍼に通っていました。実は国家資格があるのは鍼灸師と柔道整復師だけです。わたしは考えて整体とか行かなくなりました。今は何もしてないですが、アロマ系の勉強を楽しみつつしようかなと(補助的なものと思っていますが)。

こういう番組を見た人は、まだ通訳は簡単、東京オリンピック・パラリンピックにボランティア通訳者ウェルカムっていいますかね。ボランティアなんて甘いとかどうとかTwitterで以前話題になったんですよ。通訳ガイド試験は内容変わるらしいけど、今のところかなりの難関です。ちょっと外国語をやったからできる仕事ではないんです。

そういう難しめのことも考えたけど、仕事の本番中以外何してても朗らかな方だなーと。こういう明るさをまずお手本にしたいと思いました。

医薬(臨床)トライアル参考書と思うこと。

ヨシダヒロコです。

11月から治験(臨床)分野その他のトライアル受けていて、治験ではやっと初めて受かったので、参考までに最後のトライアルで参照した本を出します。受かったのは文章の性質上、ひな形になるものが見つかったのが功を奏したのかもしれません。

 


前から言っていることですが、繰り返しておきます。わたしは20代終わり、およそ20年前から翻訳しないまでも翻訳業界を見ていて、10年ほど前から「治験(医薬)翻訳は文系で知識ゼロでもできます」と翻訳学校があっさり言うようになるのを見てました。その前はそういうことは言われなかったので、需要が増えたか何かしたのだと思います。

治験翻訳には「型」があるとよく言われますが、逆に言うと、基礎知識がなくてもできるということですか?と疑問に思っています。

医学なら生物、薬学絡むなら化学、医療機器なら物理も分かったほうがいい。生物・バイオはわたしは自分で勉強しました。理数科でないと理科3科目は高校の時取れなかったからです。大学の時も生化学は授業あったけど肝心の生物が抜けていたので、最近まで分からないことだらけ。今は学生になって生物や物理を主に勉強していますが、「キリがない」の一言です。

もちろん苦手な分野の文章が来ることもあると思いますが、易しいところから基本的なことも勉強しませんか。化学に関して易しい文章(『五感で感じる~』)を書いているのはその目的もあります。翻訳学校の言うことを甘く見過ぎずに、きちんと勉強しましょう。もうちゃんと考えて勉強している人には要らぬ心配ですけど。

JTFセミナー東京道中(セミナー以外)(2017/05/20~23)。

ヨシダヒロコです。

JTF翻訳品質セミナーに出席しに急に暑くなった東京まで行って、帰るくらいに調子をおかしくし、しばらくひどい風邪を引いていました。まだ喉が苦しいことがあります。病院行くと「風邪の人が多いです」とお医者が言っていたし、また気温の上下ありそうなのでみなさま気をつけて。

20日の夜行バスで東京に出て、朝の東京駅で探しておいたおそば食べました。ただ日曜だから八重洲の地下はお店のオープンも遅く、がらんとしてました。で、八重洲とは日本に住んでたオランダ人の名前から来た、というのが壁に貼ってあって驚きました。

宿に荷物放り込んで、高校時代に一緒の部だった友達と英国自然史博物館展へ。わたしの障害者手帳がかつてなく役に立ってしまって、すごい混んでいるのに「こちらへ!」みたいに並ばず入れてもらえ、申し訳なかったです。身体障害でないとはいえ、あの混雑の中見て歩くだけでバテましたけどね。

この博物館は昔ロンドンに1人で旅して気に入った場所でした。1人だったので、あと博物館を見たかったので治安のいい近場に泊まって、歩いて色々回りました。自然史博物館は長居できそうなゆったりした場所でしたが、上野はさすがに人が多くて。大英博物館から分かれたのを今更知りました。日英同盟の前に日本に研究・採集しに来ていた研究者(女性も)がいたのは驚きました。

今回見て新しかったのは、古代の動物、絶滅した動物をCGで生き返らせることでした。良くできてました。発生生物学の展示も別にあって見たかったのですが、午後の予定があったのでスペインご飯(前に科博行ったときもここになったのでしたが)。

友達は4年ほど会ってなかったので、ずっと手を振って駅で見送ってくれました。

下の写真は、昔の(20年前)自然史博物館パンフと、今回の展示を教えたら先に行ってきたお友だちがくれたお土産。CG見たら可愛らしくなってきたので、作らなきゃ。

そして向かったのが三鷹。放送大学の天文サークルがあるのですけど(顧問が天文台の先生らしい)、入会はまだだけど東京行くんですが一度行っていいですか、と言ったら集まりを設定してくれました。三鷹からバスで20分で国立天文台(「天文台前」)。とても広々とした敷地で、昔東京の真ん中(麻布だっけ?)から移ってきたそうですが、子供の時以来見たことないと思うような大きさの野っ原があり、ヘビイチゴ?が生えており、竹の子は職員の方が切っても切っても出てくるそうです。日本で最初の重力波望遠鏡になるのかな、TAMA300が地中に埋まっている辺りにも行きました。

文化財的な価値があるもの(古いもの)が沢山あって、太陽黒点を観察する望遠鏡をたまたま見ることができました。壁なども百葉箱の風雨に曝されたような感じで。話題ものどかだったしいいハイキングでした。入って守衛さんに名前など言えば誰でも入れます。4次元デジタルプロジェクトは予約制です。

http://4d2u.nao.ac.jp/

そして、東京駅に戻ってKITTEへ。去年よく見られなかったインターメディアテク。スーパーカミオカンデの超新星爆発ニュートリノ観測から30周年ということで、中畑先生の書いたノートと、それを観測した部品が飾ってありました。正確にはここに恐竜はいないけど、さっきの自然史博物館にもひけを取らないような大小の骨格標本、昆虫標本がかなりあり、生き物好きな人や子供には受けるかもなと思いました。

ほんとはミュシャ展とか見たかったんですが、ヒトを見に行くのはもういいと思い、帰ってのんびりしてました。

2日目、途中でくじけた結果になりましたが東工大すずかけ台キャンパスに向かいました。田園都市線で渋谷から1本。昔は駅を降りたら何もなくて、すぐに大学があったものでしたが(少しですがこっちで講義があったのです)予想通りすっかり住宅地になっていて、しかも町田市が隣接していてよく分からなくなり、ノーベル賞受賞者おふたりの(白川先生も)メダルのレプリカ自体は「1年くらい展示してますよ」と、電話したらこのなかに博物館があるらしいすずかけ台図書館の方がいうので、今回は諦めることにしました。

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この後風邪の前哨戦が起こったらしく調子が悪くなり、どうにかして夜のバスで帰りました。本屋さんとか見たかったので消化不良ではあります。次回セミナーの話を書きます。

五感で感じる化学(4)—モルって何?

ヨシダヒロコです。

前回はサイエンス界の大問題を取り上げてかなり脱線してしまったので、今回は普通に行きます。前の前に予告した通り「モルって何?」です。

他の連載 (1) (2) (3) (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12) (13) (14) (15)

この概念は高校化学の教科書では最初の方にあるのですが、わたし自身思い切りつまずいたというか。実はこれが分からないとその先かなりの部分が分からなくなってしまいます。自分がどうしたかというと、地道に教科書を読んで問題を解いて(計算です)、多分下のビデオにあるようなことを何となく理解したのだと思います。

アボガドロ数というマジックナンバーがあります。すごく桁の大きい数ですが、これがひとかたまりになっている、例えば「ダース」や「カートン」のような概念と考えてください、ということをどっちの動画でも言っています。

アボガドロ数の語源であるアボガドロという人は(ファーストネームはアメデオですが貴族なので本当の名前は長い)化学では超有名人で、トリノ出身のイタリア人です。次回どういう人だったのかを少し書きます。ここに写真が出ていますね。

The-Mole-2015

pdf欲しい方はこちらから。

http://www.compoundchem.com/wp-content/uploads/2014/10/The-Mole-2015.pdf

下の動画2つのうち、最初のスピーカーはプレゼンサイトTEDでも有名な人のようです。2つめは出所がはっきりしないですがイギリス発のようで、ものの例えに出してくるお菓子の違いが面白いです。

(TEDサイト https://www.ted.com/speakers/tyler_dewitt

この2つの動画では「モルとは原子のひとかたまり、その数を表すのがアボガドロ数。桁が大きいので10を23回かけたのは右上にまとめて書いてある」とあります。次回書こうと思っている周期表にも関係あるのですが、周期表にある数字は飾りではなくて、例えば「すいへーりーべ、ぼくの船」で6番元素である炭素には周期表で12と書いてあり、1モルが12gです。塩化水素(水に溶かすと塩酸になる=HCl)は1モルの質量がH=1.0、Cl=35.5なのでHCl=36.5gです。基本の基本はこんな感じです。なお、この1モルの質量(重さをきちんと表す言葉)は、教科書のもっと前で習う分子量と同じです。

また、「標準状態」と言われる状態があり、0℃、1気圧を指します。この状態で気体である物質は1モルの体積が皆22.4Lになります。この”L”はライフサイエンス分野では大文字になっていることが多いようですが、化学の教科書では小文字です。見やすくするために大文字にしました。

探したらこういう画像があったので、22.4Lがどれほどの大きさかお分かりでしょうか。

Un_mol_de_gas_ocupa_un_volumen_de_22.4_L

Description Español: Un mol de cualquier gas en condiciones normales de presión y temperatura tiene un volumen de 22.4 L
Date 26 October 2015
Source Own work
Author Viviana Rosalía Tello Mendoza

(スペイン語タイトル訳:標準気圧と温度にある気体1モルは22.4L

またモルに関連して、モル濃度(mol/l)という用語を翻訳者の方はよく見かけるかもしれません。モル数を水1Lとかで割ってあげればいいです。他に、化学反応式(たとえば2H2+02→2H2O)で表されるような化学反応はモルを理解しているととても分かりやすいです。

今書いたような話を英語で読んでみたい人、カリフォルニア大デイヴィス校が教育目的でこんなテキスト出しています。他の部分も基礎の確認に使えそうですね。

https://chem.libretexts.org/Textbook_Maps/Introductory_Chemistry_Textbook_Maps/Map%3A_Introductory_Chemistry_%28CK-12%29/10%3A_The_Mole/10.06%3A_Avogadro%27s_Hypothesis_and_Molar_Volume

思い切り簡単なものがいいという方、にはこれ。ブルーバックスは他にもマンガを出しています。この「モル」の本は結構使えるのでは。計算がセリフで沢山出てきますが、手を動かして計算するのも大事です。他に違う漫画家さんで「化学史」の本もあります。

次回は「周期表、原子、分子とは?その1」です。

おまけです。

イタリアの動画で、タイトルは「うちでできるすごい実験8つ」。画面のセンスがいいので、ゆるーく見ていただければ。それはうちではなくてバカンス先では?ってのも混じってます。YouTuber 2人による作品らしいです。監修の方によるとうちでできない危険な実験が混じっているとのことで要注意だそうです。

監修:原典行(元東京工業大学大学院 物質科学専攻助教)

2016年健康診断などについて(かなり次年度に持ち越し・フリーランス)。

ヨシダヒロコです。

 

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富山市にて。

 

別の所に書いたのですが、2016年は第1の持病であるメンタルがうちの事情などあって非常に悪く、外に出るのがおぼつかなかったため、自然と健康診断(開業医や市民病院に行っている)はおろそかになりました。特に夏にバテ、秋は気持ちが落ち込んで大殺界か!みたいな体調でした。

富山は車社会なので、出かける気力がない上に車が使えないとかなり行動が制限されます。

持病1.双極II型(躁うつ病)。春に2回ほど、遠方に出かけたときなどに軽い躁になって色々不都合が。秋は不安定に。好きな散歩ができなかったのも痛かったです(4.参照)。

持病2. 片頭痛+緊張性頭痛。1&2の通院は月1で欠かせない。片頭痛の薬は、古いタイプのクリアミンがメインです。ここで内科的なことも診てもらうかかりつけ医。

持病3.時々出てくる胃や腸の不調。20代の頃から胃や十二指腸に潰瘍をよく作り、40になった頃ピロリを胃腸科で除菌しました。それ以来年に1回は通院して、ついでに胃腸科の病気について先生に質問することも。なんだかストレスから来ているらしかったのですが、夏に複数の潰瘍ができてたそうで苦しかったです。頭痛薬を調整したり胃薬を足し、本当は胃カメラが必要だったのにずるずると今日まで。朝から動けなかったんです。来月行きます。

持病4. 一時的な脂肪肝。夏に中性脂肪が(前から高かったが)基準値の何倍かになっているのが分かり、それを見つけたのは5.を診てくれている外科のお医者さんでした。中性脂肪を下げる薬で、少し高い肝臓値もくっついて下がるかもと言われました(かかりつけにも)。2ヶ月ほど経って、そうだ近所で処方してもらえばいいじゃん、とかかりつけへ。スタチンではないものにしてもらいましたが、短期でかなりガタッと落ちました。脂っこいものなど、食べるものにも気をつけました。秋の住民健診では(1ヶ月後?)既に良い感じになっており、3月頃採血したら基準値内なので薬は終了。

その後、体は軽くなった気がします。

持病5. 30代に見つかった良性の甲状腺結節、半年に1回の健診。今は取らない方向らしい。ここのお医者さんには乳がん健診もやってもらっていて、夏に疲労が激しかったとき甲状腺刺激ホルモンを測ってもらった際に中性脂肪高値が分かりました。


他に、夏にはだるいしいい年なので婦人科クリニックに行ってホルモン値を調べ(正常)、ついでに子宮がん検診をしてもらったり。最近また来るものがないので行ったのだけど、「ない方が楽じゃない?」と。いやそれは……と半ば複雑でした。いわゆる更年期っぽい症状は今はありません。更年期とは平均閉経が50才なので、個人差があるけどその前後10年です。去年の夏は「リアルドクターG」を患者1人でやっている気分でした。

去年できなかったのは大腸内視鏡(これが得意な病院で、2年に1回来てねと言われている)、半年おきの歯の健診の2回目、さっき書いたけど年に1度の胃内視鏡。

肺のX線とか血液検査とかメタボ検査とか楽なのはやりました。体重は減らすべく努力はしていますが、現在体重計が壊れた可能性があり、壊れてないか別のと比べないといけなくなっています。今Eテレでやっている美筋なんとかというストレッチなどを無理がないようにやってたら、うわー、体動かしてなかったわとよく分かります。
バラの様子を見るのに庭までは出るようになったので、もうちょっとちょいちょい散歩したいですね。

スーパーカミオカンデ(東大)、カムランド(東北大)が見られるジオスペースアドベンチャー申し込みは20日まで(2017/05/08~2017/05/20)。

ヨシダヒロコです。

ジオスペースアドベンチャーことGSAの抽選申し込みが行われています。わたしはしばらく考えて、もう申しこみました。下の画像にもありますが、開催は7/15、16です。

http://gsa-hida.jp/

 

 

GSA

今回行けたら、ガッタンゴーに乗りたいです。

http://rail-mtb.com/

 

Excel翻訳用語集四苦八苦。

ヨシダヒロコです。

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以前翻訳スクール講師M先生のオンラインモデルレッスンを受ける機会があり、Excelで自分用の辞書を作っていると。別の所では「財産」とおっしゃっていた気がします。スクショを取ったのでまだあると思いますが、「それはいい!」と思い実行しようとしてもなかなか来るものをこなすだけで精一杯(今年は一昨年くらいからやろうと思ったことが実行に移せている気がします)でした。去年くらいから出たバイオ案件の時などに表現をメモるようになりました。上のものは医療機器用で、他に4ファイルほど分野ごとに分けています。

自分なりにしている工夫は、なにかの見てくれが分からないときなどに、説明を魚拓や画像で貼ってあることです。この用語、合っているかは分かりませんから!訳しながらさっさと書いておくのがいちばん早いようです。

こうやって作ったファイルを何かの検索ソフトで串刺ししようかなと思っていたら、最近便利なコラムを見つけました。井口富美子さんのものです。Windowsの検索機能で十分、と。辞書ソフトとブラウザをまとめて引くかんざしやAHKは、まだ導入できていません。

第4回 省力化の積み重ね – Windows、ブラウザ、スマホ/タブレットの機能を使いこなそう

今は無料のエディターしか持っていませんが、秀丸は昔から機能が多くて有名ですね。Grepをすっかり忘れていましたが、以前クライアントから来ていた巨大なWordファイル(表現集)が重くて。あれはエディターでGrepしたら早かったのでしょうね。
第5回 テキストエディタ ー 「秀丸」を使いこなす

さらに、テリーさんのブログより。わたしもやってみましたがこれでナントカ用語集というオフィシャルな用語集を自分用にExcelに落とせます。フォーマットによっては難しいかも?というのもありますが。

Web上の用語集をエクセルに取り込む

その他、医療機器やさらに機械の文書を訳していて、部品のビジュアルや役目が分からないとき、親切なサイトがありました。ここは簡単な手引き書(追記:無料pdf)も出しています。

「プランジャ」の項。

https://www.nbk1560.com/products/machine_element/plunger/

『情熱のシーラ』スペイン語版DVD3話(日本語版だと6話)まで。

ヨシダヒロコです。

冬にスペインからDVD(Blu-rayもあるけど、うちのPCが対応してない)買ったのを3話見ました。もともとは1話が90分なので、映像は綺麗なんだけどスペイン語について行けないと結構辛いです。2話まではテトゥアンで暮らすようになるまでで、話が非常にドラマチックでした。ここまではついて行けたのですが、3話は日本語を確認しなきゃ、と見てから思いました。字幕出してても全然頭に入ってこないので。

それなのに、DVDに落としておいたはずの日本語の放送が途中まで見当たらなくて。DVDを買うか、気がついたらHuluやNetFlix(字幕らしい)でやっているのでそれを見ながら探すか。

2回目見ても、言葉が違うせいか時間を空けたせいか結構新鮮です。

前にDELEB1に生かすと書きましたが、3年あけて受けてあまりにもレベルが届いていないので、秋にレベル1個落としてA2でいきます。原作本も読まなくちゃ。原作者のマリアは新しい本出すようですね。

日本のAmazonには今スペイン語版DVDはないし、スペインアマゾンはレビューも充実しているので勉強がてらこちらでどうぞ(再謁)。リージョンが合うプレーヤーかPCで再生できます。

https://www.amazon.es/tiempo-entre-costuras-Serie-completa/dp/B00H7VRDY6

『洗礼ダイアリー』――あちこちにぶつかりながら懸命に生きる詩人の姿。

ヨシダヒロコです。

去年の秋口、文月悠光(2017/06/06読み訂正:読みはふずきふづき ゆみ、だそうです)さんのコラムで女性詩人についてのもの複数が話題になっていたころにそれを読んで、わたしも「男らしさ、女らしさ」とか必要ないと思っている人間なので共感しました。「詩人」とかなんとかレッテルを貼られる馬鹿馬鹿しさも分かるし。そのころ前からnoteで連載していたらしいエッセイ集が出たのですぐに買ったのです。しかし去年は本当に体調が悪く、読めたのはつい最近です。女性詩人関係のエッセイ1編を所収。

詩集にも興味があるので(昨年9月には買おうにも売り切れてた)おいおい買います。ネットでご自身が公開していますが、「中原中也賞最年少受賞」の名に恥じない作品が読めます。最新刊を本屋で見かけたら、ページがうすいピンクで素敵でした。すいませんこれからおいおい買って感想書きます。

ただ、このエッセイは詩集の大人びたところとは違って、「実際はわたしイケてないですよ」とかなり赤裸々に書いたエッセイ集です。新聞でのインタビューでは「嘘がつけなくて」だそうです。

例えば学生の頃女子の間での身の処し方とか。わたしはグループ行動がめんどくさくなって、友達がいたこともありましたがよく1人で動いてました。言い寄ってきた男性に慎重になっていたら掌返された話とか(まあこれは男性にとって図星だったのでは)恋愛でもトホホだったり、文章は綺麗でつるっと読めるんだけど、痛いと言えば痛い、覚えがあるといえば結構ある。

わたしにとっては40過ぎても痛い人生まだ続いているようなものなので、「いやー人ごとではないわ」という感じでした。20代の頃にうつがひどく、院生としてもダメダメで、山手線の中で涙が止まらなくなったことがありました。普段は1人の時でもおよそ5分で泣き止むのに。日記も詩も書いていましたが、一定の時間後何もかも全部捨てたくなる(そして実際捨てる)のですが、このブログは表向きのことも多いけど一応12年分残っています。

他に、感想ツイートにカップルアプリについて突っ込んでいる人を見かけましたが、やったことはないけどわたしも存在は知っています。カップルのTwitter共同アカウントと同じく、止めるときのことを最初に話しておいた方が良さそう。

「1人で立てるようにならないとダメですよ。恋人と別れるたびに、頼れる人を探すんですか?そんなの嫌じゃないですか?」と年下の友達に言われてはっとしたとのことだけど、わたしの場合は「お前が言うな」みたいな人に言われた記憶があって、結局今では当たり前のことになっています。大体がかなりの男性不信(友達除く)なので、1人の方が楽な部分もある。まあ、そのうち何とかなるかなあ。

そんな訳で、昔のことや今のことも思い出しながら、楽しい読書の時間でした。

これが出た後に、(2017/06/06訂正:お姉さんと間違えました)『ジェーン・エア』『嵐が丘』のエミリー・ブロンテは実際に恋人がいた記録がないと習いました。帯が雨宮さんです。ツイート読んでて詩作とは地味で孤独なものなんだなあ、と思いました。

書誌情報は既に知っていましたが、翻訳関係のFBページで紹介されていました。辞書と言えば翻訳者の好物でもあるので、気になりますね(多分、読んでいるであろう同業者の方も)。