こんなレビュー書いてて、しばらく自分の方が病んじゃって、1回休みでした。遅れまして済みません。
その1 その2
第5章「緊張場面で落ち着く方法」では、簡単なエクササイズの方法が書いてあります。ヨガとか自律訓練法を知っている人はそれでも、呼吸法など多少応用できるかも(私見ですが)。
その2で書いた、自動思考を横に置くやり方は落ち着いているときには使えますが、例えばOB・OG訪問などの緊張する場面には使えません。
そういうときにどうしたら緊張がほぐれるか、ですが、
★緊張のサインとは
上半身、特に横隔膜から上の部分に力が入る
肩が上がる
猫背気味になる
首が痛くなる
喉が詰まり、呼吸が浅く速くなる
汗が噴き出す
下半身の感覚がなくなる
つま先が浮く
顔を伏せる
ほおや口元に妙な力が入る
こういうサインに気付いたら、緩める努力をします。この後も、図ではなくほとんど文字で説明してあります。
★緊張を緩めるための対処(身体からの対処)
1.足をしっかり地面に付ける(特に座っているときにつま先が浮いている)
2.ゆっくり、深い呼吸をする。自分の呼吸に注目し、落ち着くところを確認。
3.顔を上げて周りを見渡す。思ったほど追い込まれていないかも。
4.緊張しているところを探す。確認して少しでも緩めばOK。
5.気が上から下へと流れるイメージ。緊張していると逆になっている
6.嫌なものが地面に流れていくイメージ。緊張感・不安感などを流し、大地により浄化されることをイメージ
7.足の裏の感覚を感じる。神経が集中しているので様々な感覚があり、そのどれかに気付くのみで良い。
練習すると、1.をイメージするだけで7.まで行ってしまいます(注:なんか自律訓練法と似ている気が)。
★緊張を緩めるための対処(コミュニケーション)
顔を上げて周りを見、面接官の非言語的メッセージを観察する。複数の人に話をする場合、まず最初に少しでも興味を持っていそうな人1人を選び、その人に向かって話しかけることから始めると良い。別の人が興味を持ったら、今度はその人にも話しかける。社会人になってプレゼンなどにも使えるテクニック。
★想定外に対する対応
変わった質問の例:「あなたを家電製品にたとえると?」
「1分間わたしを褒め続けてください」
このような変な質問には社会人でさえ答えられないので、就活生がうまく答える必要はない。しっかりと顔を上げて、うまく答えられなくてもいいので思ったことを答えよう。「考えてください」と即答しないのも手。著者によると無意味。
★圧迫面接に対する対応
これも著者は無意味と考えています。「就活生を精神的に追いつめ、自信を失わせ、結果的に深刻なダメージを与えてしまうこともあります。そこまでの圧迫面接を、企業側がする権利はないと、私は考えます」。
その攻撃パターンを知っておくことが大切
1.「社会人として通用しない」攻撃:ささいなことを責める。就活生は社会人ではないのでぐうの音も出ない。
2.「一方的な決めつけ」攻撃:「誰とでも仲良くやれるというのは、ある面、八方美人で底が浅いんじゃないの?」「あなたは当社には向いていませんね」など。面接官の主観的な思い込み。後者は特に失礼な言葉。
3.「無関心ジェスチャー」攻撃:エントリーシートを放り投げるなどのジェスチャー。
4.「カテゴリーエラー」攻撃:巧妙に話をすり替える。よくあるのは精神論へのすり替え。
就活生の発言そのものへの議論ではなく、いつの間にか「考えが甘い」とか、「社会人としては未熟である」というレッテルを貼られ、しかも、なぜ「甘い」のか、なぜ「社会では通用しない」のかについては、なんの説明もなく、就活生を精神的に追いつめます。
5.「コソコソ」攻撃:面接官同士で目くばせしたり、書類で口元を隠しながら、コソコソと話をする場合。
対処の仕方。面接官がどんな人か想像してみましょう。サディスティックな面接官は、職場や家庭で追いつめられて鬱憤が溜まっているのかもしれません。たいていの場合、本当に強いわけではない。ですから、就活生が顔を上げて堂々としていれば、目を合わせて圧迫することは困難です。微妙に目をそらしています。また、口元に力が入ったり、口角が下がったりしています。そういうことに気付くと少し気が楽になるでしょう。
圧迫面接のメカニズムはいじめと同じで、その目的は、ターゲットが「いじめられていることを認識し、恐れおののく」ことです。いじめられているそぶりを見せなければいじめが肩すかしになってしまうのと同じで、圧迫面接もそぶりを見せなければ、圧迫のパワーは落ちてゆきます。
(5/8追記:ダイヤモンド・オンラインより「面接官が寝ていた、彼氏の名前を聞かれた…就活生が感じた企業の「不快な対応」とは」)
★反省しない
採用に明確な基準がないのだから、落とされてもあまり反省し過ぎないこと。反省するのは「面接の時に落ち着いていたか」のみ。
★運動する
忙しくても、何かハードな運動をしよう。ジョギング、水泳、エアロビクスなど。自動思考が止まります。
第6章「『違い』を大切にする」
★怯えは入社後も続く
長期にわたる就活のため、他者からどう見られるか非常に敏感になっていて、ちょっと注意されただけでも極度な不安を見せる新人がいます。
過敏型自己愛
*他の人々の反応に敏感である。
*抑制的で、内気で、あるいは自己消極的(自分の意見や感情を述べようとしない)でさえある。
*自己よりも、他の人々に注意を向ける。
*注目の的になることを避ける。
*侮辱や批判の証拠がないかどうか、注意深く、他の人々に耳を傾ける。
*容易に傷つけられたという感情を持つ。羞恥や恥辱を感じやすい。
(参考:ギャバード・G・O, 『精神力動的精神医学 その臨床実践[DSM-IV版] 3臨床編:II軸障害』)
不安→「自分にはこの仕事をする能力がない」→うつ状態
★ストレスをリセット
これまでのまとめ
1.判断基準は不確定である(1章)
2.情報とノイズを仕分けする(3章)
3.感覚・感情に気付く(4章)
4.自動思考を横に置く(4章)
5.緊張を解く(5章)
6.反省しすぎない(5章)
7.運動する(5章)
★今後起こり得るストレスを予防する
入社後、1人で業務を担当するようになったら
1.”I Statement”で考える:周りがなんと言おうと、「自分はこう思う」と「私」を主語にしましょう。
時代が急変しても慌てることがありません。
2.「できない」という言葉を除いて考えてみる:「できない」→「したくない」にしてみる
例えば:「私は、この仕事をしたくない。なぜなら、このプロジェクトのマネージャーは、パワハラ傾向があり、彼の怒鳴り声が、私を萎縮させるからだ。そのような環境で仕事をすることは、不安だし、不愉快だ」。
不安だから避けたいという気持ち→「できない」と置き換えていることが分かる
3.自分に最も有利な行動を選択する:
この場合、
A: パワハラを回避する方策をマスターし、上司の怒鳴り声に耐え、仕事をする。あまりにパワハラがひどければ、会社のパワハラ相談室に相談する。
B: いろいろ理由をつけ、その仕事を断る。
パワハラで追い込まれない自信があればA、なければB。あくまで自分中心に考えること。それは長期的には会社の利益にもつながる。
4.少なくとも、ひとつ上の立場から考える:偏ったこと、理不尽なことが起こったときに多くの人は自分を曲げる→ストレス。それを「もし自分が責任者だったら」と考えてみましょう。
★レールに乗る人、降りる人
降りるときの覚悟:さまざまなリスクを引き受ける、失敗を自分の責任として引き受ける。もし選択した方向で失敗しても、自分の人生に満足できれば良いのです。
★やり直しのきく社会
日本の社会→減点主義、成果主義。小さいころからの競争、勝ち組・負け組
中年期になってキャリアチェンジした人がいい顔をされない社会、違うコースを経て来た人たちが歓迎されないという傾向、排他的→望ましくない
違いがあるからこそ「なぜだろう」という疑問が浮かび、創造性へとつながるのに、今の就活は金太郎飴のような社員を作り出しているだけでは?多種多様な社員の採用を。
就活生は、自分と人が違っていたからといってその部分を捨てないようにしてください。大事な個性かもしれません。
(あとがき)
不安、うつについて。就活生では不安→うつが多い。症状がでたらなるべく早く学校カウンセラーに相談しましょう。または外部機関(心療内科、カウンセリングオフィス)など。大事なのは疑問点(薬の量など)をはっきりと聞くこと。嫌な顔をするカウンセラーや医師は変えて良いです。
* * * *
ここからは最初のころに書いて置いた自分の後書きを編集したものです。
このレビューは、通常のレビューアの主観が入るレビューとは異なり、諸事情で読んでいる時間や余裕がない人のために、本のダイジェストのような形でお送りしました。途中で体調不良のためお休みしてすいません。
この3つのエントリを今就活中の皆さん、とりわけ、いつもどこから持ってきたかさっぱり分からないリツイートでわたしを死ぬほど笑わせ、間接的にでもブログのネタを複数回提供してくださっている、敬愛する某ネット知人に、感謝とともに捧げます。いつからなのか思い出せないほど昔からの知り合いなんですが、いまは事情があって就活をお休みしています。早いご復帰をとはいいません。事情の許す限り好きなことをして、なるたけ何も考えずゆっくり休まれますよう。 でもそれが難しいんですよね……。
#就活生らしき方のかなり切羽詰まった検索結果もありました。