石川近代文学館『「うたえ!□(詩歌句)街の仲間たち!』(2015/11/20, 29日まで)

ヨシダヒロコです。

連休直前、前に書いたようにスペイン語試験のDELEはブッチしたのですが、代わりに通院がてら金沢に行ってきました。金曜日、これから観光客で混み始めるかな?という時間。

北陸と大阪往復のJRバスは、クレジットカード決済しないと富山県人には払い戻しが面倒というのも学びました(郵送か金沢に行くしかない)。休みの日にバス取ると、最終便とか売り切れで大変なのです。

金沢行きで楽しみにしていたのが、毎度おなじみ石川近代文学館で2回目に見ることになる、マンガ『月に吠えらんねえ』の原画展、  『「うたえ!□(詩歌句)街の仲間たち!』でした。前回はマンガまだ読んでなかったけど、今回は1巻だけ読んでいきました。いま4巻まで出たところです。

わたしは逃しましたが、清家先生のサイン会も前にありました。

石川四高記念文化交流会館(石川近代文学館+石川四高記念館)

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チラシはpdfでも付けておきます。 チラシ表    チラシ裏

月に吠えらんねえ(1) (アフタヌーンKC)

清家 雪子

講談社

2014-04-23

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

このマンガには、昭和初期の詩人が親しみやすい形で沢山出てきます。1巻読む限りではメインは朔(萩原朔太郎)、それに犀(室生犀星)、白(北原白秋)、ちらっと出てくるのがチューヤくん(中原中也、なぜかいつも乱暴)、チエコさん(高村智恵子)、コタローくん(高村光太郎)、ミヨシくん(三好達治)、シキさん(正岡子規)、その他わたしが名前を知っている人は石川啄木、若山牧水、草野心平(なぜかカエル)、種田山頭火、立原道造、宮沢賢治(この人も動物)、与謝野晶子、斎藤茂吉など。

最初3人は何か結びつき強くて、実際に展示で書簡見てもそうでしたが、すごい親友のような感じだったらしいです。マンガでは一方向に見える思いもありますが、BL要素も入ってね?って感じ。でも軽快で読みやすく、所々入ってくる詩にもパンチが効いています。この時代の詩はわたしが高校生の時図書館で好んで読んでいて、今読むと懐かしさもひとしおです。

朔がなんだかとてもめんどくさくて憎めない若者になっています。面白いけど。

チエコさんとコタローくんは、『智恵子抄』でご存知のかたもいると思いますが、昔わたしの理想でした。しかし何の因果かわたしも精神を病んで(病気は違いますが重さでは負けてない)、あの詩集は光太郎の自己満足では?と思うように。『百年の誤読』(立ち読みですすみません)という本で大して智恵子のお見舞い行ってなかったって読んだし、そんなに大事な奥さんだったらプライバシーを書くだろうか?と。この辺の所もマンガの後ろの方で語られるらしい。さてどんなでしょうか。

展示は入口がこんなになっていました。いつのまにか、障害者と付添1名が無料になっていました。

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チューヤくんはこれから出番が増えるらしいのですが、『汚れっちまった悲しみに』で有名な、金沢にも縁のある一番好きな詩人です。子供の頃寺町辺りに住んでいたらしいです。『金沢の思い出』という文章のパネルでは、成人して金沢を再訪したという文章で、最後が『香林坊で酔いつぶれてしまった』みたいになっていたのがやっぱり中也でした(笑)。

中也については力作のパネルがあり、薮田由梨氏(徳田秋聲記念館学芸員)によるものです。中原中也記念館から移ってきた方だそうで、「そういうキャリアパスがあるんですね」と言われるんですが別組織です、と書いてましたが、1行目で「汚れっちまった悲しみを悲しみつくした人生は幸せだった」と(すいません、展示室出てから記憶で書いています)読者を惹きつけ、中也が面倒くさい人物であったこと、うろ覚えですが友人は「来られるのも嫌だけど帰られるのも嫌」みたいな感じで接していたことが書かれています。

清家先生所蔵の書簡、その他前回と同じく書簡や古い詩集が沢山あって、もちろん原画も沢山ありました。前回と量が違うので、ぐるっと展示室を囲む感じで。石川の詩人コーナーも隅っこにあり、広津里香、島田清次郎(母親が出てきてたから若いときのもの?)、表棹影(10代で亡くなったそう)が一編ずつありました。

広津については1年前このマンガ展と同時開催でした。島田清次郎については過去ログが沢山あります。今回行ったら、広津里香の詩集がミュージアムショップで売ってました。詩集販売はあと有名な人が1人いたんだけど、誰だっただろう。

石川近代文学館にて「『月に吠えらんねえ』刊行記念 室生犀星と□(詩歌句)街の仲間たち」および「広津里香展」(2014/09/30)

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今回『月吠え』と同じくらいインパクトがあったのは、石川ゆかりの詩人で(今のJR金沢車掌区勤務、福井県生まれ)東南アジアに従軍経験のある濱口國雄の詩でした。原稿展示は見そびれてしまいましたが、長い長い散文調の詩が一編展示してありました。ニューギニアでもう何も食べるものがなくなった日本兵が葛藤しながら、生きるためと敵を殺してその体を食べるという話です(2015/11/28追記:ちょっと検索してみたら、敵ではなく友軍の兵士を上官に命令されて殺すという話でした。だから詩の最初で主人公の若い兵士は「できません」と動揺していたんだ。全体は400行の長い詩だそう)。戦友も彼の帰り(と食べ物)を待っています。なかなか見られないものを見た、と思いました。こういう石川ゆかりの文学者の作品を集めた全集あるんですね。

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最後に、コラボグッズの詩集(500円、まだ在庫はあるそうでいつまで売るかは未定、HPにもありますが缶バッジ共に通販あり)を買って帰ろうと思ったら清家先生のご厚意で、くじに当たったらイラスト集がもらえると。で、引き当てました。詩集には確認した限り、作品で見かけた詩が載っています。

本当はこの投稿に間に合わせたかったのですが、展示の期限も迫ってますし。展示に影響されて翌日、犀星の詩集(古本で買った気がするがなかったので)を古本屋で注文しました。処女作『愛の詩集』復刻版と『我が愛する詩人の伝記』です。『抒情小曲集』は古いものは10万円ほど、割と最近の版でも4000円だったので延期します。

しばらくは疲れたときに詩でも読みますか。

マンガのファンにも、詩が好きな人にも楽しい展示ですので、あと1週間弱ありますから是非。週末の金沢は混み混みですが。

最後に戦利品です。

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