農水省と宮崎県はこれまで、感染拡大防止策として、消毒の徹底と感染の疑いがある家畜の殺処分を中心に行ってきた。新たな対策として、感染が広がる一定の区域内に限って健康な家畜も含め予防的に全頭殺処分することやワクチン接種によるまん延防止策なども議論する見通しだ。
時事ドットコム:殺処分対象11万頭=宮崎県が非常事態宣言-農水省、新たな感染防止策策定へ
口蹄疫が拡大を続けている。mixiのコミュニティや下のような記事に書かれているとおり、人手が足りず限界状態のようだ。豚の殺処分は比較的楽だけど、ウシは気配を察知して暴れるから抑える人手がいるそう。
口蹄疫、「生き地獄」の現場から 好転の兆し見えない宮崎県川南町から町職員が報告
ワクチン接種の可能性がようやく出てきた。とはいえ、このところうつでボケた頭ではこの記事を読むまで頭になかったのだが。広く参照していただきたい記事である。
5号館のつぶやき 口蹄疫アウトブレーク
口蹄疫の原因となっているピコルナウイルスは、我々がひく季節性の風邪の原因の一つであるライノウイルスや小児麻痺の原因となるポリオウイルスと同じようなRNAを遺伝子として持つウイルスです。
丈夫なウイルスなので、風邪やポリオを消毒によって封じ込めようとすることは誰も現実的な対処法だとは考えないと思いますが、口蹄疫ウイルスに対しては感染・発症動物を処分することによってウイルスを消滅させ、感染拡大を封じ込めることが可能であるということで、発症動物とその近辺にいる動物はすべて殺処分することが普通の対処法のようです。
(中略)
それにしても不思議なのは、我々ヒトはポリオウイルスに対してはワクチンを用いて抑え込むことに成功しているのに、同じようにワクチンが存在するにもかかわらず口蹄疫に関してはそれを使用しないということです。それは、経済動物としてワクチンを投与された動物は感染動物と抗体で判別する限りにおいては区別できないという理由で輸出入が制限されていたり、日本ではワクチン接種された動物は食品に使えないなどという理由があるからのようですが、感染拡大が起こる度にこんなパニックを繰り返すくらいなら、もっと真剣にワクチンの開発や使用を検討しても良いのではないかと思ってしまいます。
追記:Twitter上で獣医師の方が次のような発言をなさっていました。
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