映画版『仮面ライダービルド Be The One』文科省も応援だそう(追記あり)。

ヨシダヒロコです。

暑さの中試験勉強をしております。少し外に出るとあとは勉強できなくなることもあり、前途多難です。5日に解放されます。

build

恐らく初代のライダー以来、長いブランクを経て毎週見ているビルド、ライダーが天才物理学者という設定です。そろそろ話が終わりごろになってきましたが。TVの影響か、去年小学生だかに「将来なりたいもの」をアンケートした結果があり、かなり上位に研究者が入っていました。KAGRAのサイエンスカフェでこういう設定なんですよ、と簡単に質問でお話ししたこともあります(しかもノーベルウィークのすぐ後に偶然らしいけど重力波の式が来た)。

統計力学がご専門の白石直人さん(@Perfect_Insider)が物理学アドバイザーを務め、毎回出てくる式の解説をTwitterでしてくれます。式は番組の「第○回」の○のところにあったり、オープニングにもボルツマンの式その他がどーんと出てくるし、何気に出てくる黒板に長々と書いてあることも。

オフィシャルサイト  http://www.tv-asahi.co.jp/build/

最初放送を知ったのはこのツイートです。去年のKEK一般公開。第1回は見逃して後で何とか見たんですが、あんまり覚えてません。次は「仮面ライダージオウ」らしく、早速「漢方薬か!」と突っ込みが入っています。

物理が好きな人の間では盛り上がっているようで、わたしの知っているちびっ子にも「式がかっこいい」と言っている子がいたとか。ライダーがやっていることは果たして物理っぽいのだろうか?という感じです。

変わらない友情があったり、裏切ったかと思ったらまだ友達だったり、途中から味方になったり、敵になったり、いきなりキャラが笑かし系になった人がいたり色々な人間模様があります。主人公の戦兎(チャラいお兄さんだったのが天才物理学者の頭脳を受け継ぎ、真面目な性格になる→何か操作受けたんだっけ?)より、ライダーグリスのかずみんが友達思いだったり、ネットアイドルの美空のことになると急にデレデレするのが見てて可笑しいです。

他に笑えたのは、CMになると子供が欲しがりそうなおもちゃがここぞと宣伝されること。親御さんは大変だなあと。

アドバイザー白石さんの共同研究者、田崎さん(無料で役に立ちそうなテキストをいろいろ書いていらっしゃる)は、国際学会で「わたしの共同研究者は、仮面ライダーのアドバイザーです」とやりました。

そんな訳で、この仮面ライダーもとうとう映画化が決まり、トレイラーはこんな感じです。試験から解放されたら見てみたい。映画からでも分かるようになっているんじゃないかな。

政府も量子関係(量子ビームなど)で協力。前から主演の犬飼くんが文科省に呼ばれたりとかしていたんですね。

量子の力×劇場版仮面ライダービルド Be The One:文部科学省

乱暴に関係のあるリンクをざっと貼っておきます。もっと早く書けばよかった。

仮面ライダーの方程式 白石直人(慶応義塾大学)

仮面ライダービルド”勝利の法則”を導く物理学アドバイザー、白石直人さんに迫る!

(2020/04/21追記:書籍情報更新)

最後に、仮面ライダーはスタントマンの方々なくして成り立ちません。今も暑い格好して頑張っている方がいらっしゃるはずですが、現場に理解がありますように。

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告知:ILC推進国際シンポジウム「ノーベル賞受賞者に聞く『ILCが開く科学の未来』」(2018/08/05、お茶の水女子大学)。

ヨシダヒロコです。

暑いですけど読んでる皆さん、生きてますか。わたしはちょっとぐったりで、スポーツドリンク飲んで夜になるといつもの如くコウモリのように動き出します。放送大で試験控えた皆さんも大丈夫でしょうか(試験の検索が多い)。こちらは最近なかなか進みません。

さてこのシンポジウム、1ヶ月は前から情報つかんでて行く気でいたんですが、量子力学の試験の後必死こいて新幹線に乗らないと間に合わず、そんな金銭的余裕はないので見送ります。ちょっと決まるのが遅すぎたかも?

ILC(国際リニアコライダーという加速器)を日本で作ることにめでたく決まってくれたら、そのお祝いには行けますように。お手伝いの裏方に名前だけですがいます。ILCは日本政府に金銭面など最終決断を促しているところで、できたらすごいことになります。『天使と悪魔』(『ダ・ヴィンチ・コード』続編)に出てくるCERNみたいのが日本にできて、国際的な研究拠点になりますから。

加速器は色々なことができるので、知るとなかなか面白いです。

一般の方が応援できる「ILCサポーターズ」というのもやっていますけど、認知が低いのが問題だそうです。押井守さんなども応援してくれています。誘致候補地はわたしはあえて書きますが、東北の北上山地です。TVの紀行番組で見たら、山や川がとても清らかな場所でした。東北の自治体のILC誘致関連FBページは山ほどあって頑張っています。

ICL_A4_mini

バリッシュ博士は重力波望遠鏡LIGOのまとめ役でノーベル賞受賞者です。有名な方なので簡単に紹介しますが、『重力波は歌う』というノンフィクションに登場しています(レビュー書きました)。この博士はILCの初期に関わっていたそうで、『サイエンスZERO』の今年冬の重力波特集にご出演です。

グラショウ博士は素粒子物理学者。弱い力やチャームクォークのアイデアを出した方だそうで、ワインバーグ博士、サラム博士と共に1979年ノーベル物理学賞を受賞しています。90代だそうです。

ノーベル賞受賞の時のバイオグラフィです(英語)。

https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/1979/glashow-bio.html

日経サイエンス2008年より、いろんな有名人や研究者が飛騨市神岡にあるスーパーカミオカンデの入口の壁にメッセージを書いていきました。グラショウ博士のお名前を見たような気がするのはそれでかもしれません。今改装中の道の駅(宙ドーム)の宇宙物理スペースができたら、また飾られるのではないでしょうか。

短期集中連載:第2回 カミオカンデとスーパーカミオカンデ 物理学を変えた四半世紀

素粒子論の標準モデルを超えて

中島林彦(編集部)協力:戸塚洋二(東京大学)

 

中古のみですがこんな本もありました。

 

その他、ビデオでですが大隅先生と小柴先生が参加されます。英語は逐次通訳(少し話しては訳す)が入ります。対象は中学生以上、保護者がいれば小学生でもOKなので、夏休みの学生さんたちもお茶大に行ってみてはいかがでしょうか。申し込みが必要ですのでお忘れなく。

 

以下、KEKのサイトをコピペします。

 


 

ILC の実現に向けていよいよ重要な時期を迎えるにあたり、米国からシェルドン・グラショー博士とバリー・バリッシュ博士の2名のノーベル賞受賞者が講演するシンポジウム「ノーベル賞受賞者に聞く『ILCが開く科学の未来』」を8月5日(日)、お茶の水女子大学・講堂(徽音堂)で開催します。グラショー博士は、素粒子物理学の研究により1979年に、バリッシュ博士は重力波の発見により2017年に、それぞれノーベル物理学賞を受賞。今回、ILCの実現を応援するために来日します。

ILC とは国際リニアコライダー (International Linear Collider)の略称です。宇宙の誕生と進化の謎を解明するための次世代実験装置 (電子・陽電子衝突型加速器)です。シンポジウムでは、小柴昌俊博士(2002年ノーベル物理学賞)、大隅良典博士(2016年ノーベル生理学・医学賞)の日本人受賞者のインタビュー映像も上映し、高柳・多摩六都科学館館長をモデレーターとしてのパネル討論も計画されています。

グラショー博士、バリッシュ博士の講演は英語で行なわれますが、逐次通訳がつきます。

  • 日 時:8/5(日) 14:00〜17:00 (開場 13:00)
  • 会 場:お茶の水女子大学・講堂 (徽音堂)
  • 対 象:中学生以上 ただし、保護者が同伴する場合には小学生の参加も可能です。
  • 参加費:無料ですが、事前の参加登録が必要です。ilc-symposium.jpよりご登録下さい。

このシンポジウムは、KEK を含む 17 の機関が共同して開催しております。 皆様のご参加をお待ちしています。

https://www.kek.jp/ja/newsroom/2018/07/18/0900/     (アーカイブ

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そういう訳で、行けないながらも富山から旗を振っておきます。

豆知識ですがKEKは「ケック」や「ケーイーケー」など人によって呼び方が違うそうです(ジオスペースアドベンチャーで聞いてきました)。

告知(追記あり):講演『ニュートリノに聞く宇宙』(2018/08/26、富山国際会議場メインホール→申込8/16に延長)& マルチメッセンジャー観測によりIcecubeなどがニュートリノ検出した大ニュース。

ヨシダヒロコです。

(2018/08/08 23:06追記:講演会の申込受付が8/16まで延長されました)

 

ジオスペースアドベンチャーに暑い中神岡まで行ってきました。直前まで大雨で開催が危なかったようです。いろいろ大事なことが頭から抜けてて、バスにも酔い、とどめに荷物のひとつを会場に預けたまま忘れてきて後で着払いにて送ってくださいと電話しました。次回行けたらもう少し長くいたいです。

20180717

お知らせのひとつは、宇宙線研究所神岡施設長の中畑先生(スーパーカミオカンデなどの東大発の写真も撮っておられます)とT2K実験の実験責任者、京大の中家先生がお話される講演会。富山でキャパは800ありますが、申し込みがこの間始まりました。わたしは近所なのでもう応募し、抽選の場合もあるので結果を待っています。国際会議場はこんなに入るのですね。

お申し込みはこちらから。

http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/pr/event/2018/07/t2k.html
アーカイブ

講演のタイトルは、中畑先生が『超新星爆発ニュートリノで探る宇宙』、中家先生が『神岡に向けてニュートリノビーム発射』。中畑先生の講演は、いまスーパーカミオカンデで行っている大改造についてのお話でしょう。

もうひとつはニュートリノのニュースです。ぶ厚い氷に穴を掘ってそこで実験しているIcecubeという観測施設が南極にあります。40億光年のかなたにあるブレーザーと呼ばれる星(ブラックホール)からニュートリノが飛んで来たことを、さまざまな観測施設と協力したマルチメッセンジャー観測によって突き止めました。Icecubeには日本からも協力しています。ニュートリノはどこから来たのかなかなか分からないようで、小柴先生が初めて観測されました。
秋本さんの分かりやすいサイト「Higgstan(ひっぐすたん)」の漫画でご説明します。

icecubemm-180712

IcecubeのHPは英語です(リンク)。極地にあるので美しいオーロラも見られます。

Icecubeのプレスリリース(英語)

https://icecube.wisc.edu/news/view/586

オーロラと施設写真(Facebook)

毎日新聞:「銀河系外ニュートリノの発生源の天体、初特定」

https://mainichi.jp/articles/20180713/k00/00m/040/190000c    (アーカイブ

国立天文台・千葉大学・東京大学・広島大学プレスリリース

http://www.chiba-u.ac.jp/general/publicity/press/files/2018/20180713neutrino.pdf

20180713neutrino     (pdfコピー)

広島大学宇宙科学センター研究成果「宇宙ニュートリノ放射源天体の同定に成功」

https://www.hiroshima-u.ac.jp/hasc/kenkyuseika/neutrino_source_identify_2018

報道解禁が13日0時だったそうで、バタバタと記事が出てくるのをTwitter上で見ていました。今から考えると、このイベントは去年のことなのでニュートリノ研究者はすでに知っていた(過去のスライドもネット上から出てきました)はずで、名古屋大での梶田先生の講演はどんぴしゃな内容でした。梶田先生とほぼ同学年で一緒に研究していた中畑先生のお話も、一般向けの、これから面白くなる分野の話ですよね。

次はジオスペースアドベンチャーのレポートもですけど、国際リニアコライダー(ILC)関係で大きなシンポジウムがあるのをご紹介します(東京で8/5です)。わたしは物理の試験で行けそうもありませんが。暑くて何もできないのですけど試験大丈夫だろうか……。

日本農芸化学会 第113回 サイエンスカフェ in 広島「マッサンの故郷でお酒にまつわるサイエンスに触れよう」報告です。

ヨシダヒロコです。

Pouring a scotch whiskey into glass on a wooden table

Credit: Adobe Stock

せっかく夏らしくなったと思ったら、突然寒くなって大水害です。うちの辺りも警報が出ていて、少なくとも明日まで気が抜けません。これから話をする広島県竹原市をはじめとして広島県、西日本全域は特に大変なはずで、お見舞い申し上げます。

竹原へのサイエンスカフェは行けませんでした。バスを乗り継げば安く行けたのでしょうが費用体調共に厳しかったのです。先日、広島大の河本先生から、HPに報告が載りましたとのことで、遅れましたがこちらでもご紹介します。農芸化学会サイエンスカフェのSNSもご紹介頂きました。Twitterは既にフォローして見やすい場所に置いてあります。レポート読んで、「いいな、行きたかったな」と思いました。竹鶴酒造から何らかの粋な計らいがありそうと思っていたので。なかなか入れないところに入らせてもらえたのですね。今回の大雨で被害が出た酒蔵もあるそうですが、竹鶴酒造がまたこういう催しに関わってくれて、次は参加できることを願っています。

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一番上がサイエンスカフェのレポートです
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今余力がありませんが、右にリンクしてあるブログ「サイエンスカフェ・ポータル」を見れば結構いろんなものがあります。よろしかったらご覧になってみてください。面白そうなものは体力が回復したら定期的にまとめて告知したいです。

今日の『マッサン』再放送は、病床にあるマッサンの母・早苗がエリーと心を通い合わせて亡くなってゆく回でした。実際のマッサンのお母さんは、リタさんを歓迎し、彼女の慣れない日本語を「面白い嫁が来た」と笑って聞いていたそうです。泉ピン子さんは役の上ながら嫁いびりを心の中で謝りながらやっていたとか。

気づくと、シャーロットさんのTwitterのトップ画面はこうなっています。以前、『徹子の部屋』で彼女の台本が映され、シャーロットさんの日本語がその頃まっさらだったので、日本語のセリフ、その英訳、発音の3部構成となっていたのがすごく驚きでした。今でもときどきドラマで見かけ、『京都人』なども好きなドラマですけど、『マッサン』はこのツイート(というかInstagram)にあるようにやはり出発点だったのだろうなと思います。

charlotte

 

今日は余市でお祭りに参加していたそう。

マヤ・ルンデ著『蜜蜂』(ネットギャリー経由ゲラ、2018/06/30刊)。

蜜蜂の巣箱

蜜蜂が消えているという話を聞いたことがおありだろうか。数年前からか原因不明として報道されている不思議な話で、外国の記事で殺虫剤が原因かもと読んだことがある。原因が分かれば大ニュースだろうから、今のところ分かっていないのだろう。

この小説では、農業や園芸に欠かせない蜜蜂が全部いなくなり、文明崩壊(文中では「最終崩壊」)が起こって都市機能も失われ、食べるものもなくというアポカリプス的な状況が語られる。設定は2098年。

本書は、今まではヤングアダルト(YA)小説を書いていたノルウェー人作家が初めて書いた大人向け小説。ミステリーではしばらく前から北欧は人気で、本書にも謎解きの要素がある。本屋大賞を本国で取り、33か国語に訳されている。最近ジャンルが混じった小説が翻訳ものでは多いらしいが、SFのようでもあり文学のようでもある。『ステーション・イレブン』(読書会レポ)を思い出した。

話には3人の人物が代わる代わる出てくる。少しややこしいので書いておく。

  • 養蜂家で研究者であったが、種子店を営むことになってしまったウィリアムと家族。ヨーロッパの英語圏に住んでいるらしい。
  • 米国在住の養蜂家のジョージとその家族。
  • 中国で夫と幼い息子と暮らすタオ。「最終崩壊」後に生き、崩壊の歴史を語るのは彼女だ。

タオに引きずられて、後の2家族の話も同時に始まったのかと思っていたら、読み進むうち細かいところで矛盾が見つかる。要するにこの話は時間空間を超えて成り立っているのだ。それにはちょっと驚いた。

失われた文明という設定は宇宙もののSFなどにもよく出てくるはずだが、なにか懐かしいような寂しいような気持ちをそそるのはなぜだろう、と上の『ステーション・イレブン』の時もわたしは思ったようだ。今回も500ページ弱の本をほぼ毎日開きながら、「廃墟に行く人はそういう気持ちを味わいたいのかな」と考えていた。中盤でタオが荒れ果てた北京に行く。1軒しか開いていないホテル(逃げそびれたのだ)、誰も来ないのに係員だけがいて開いている図書館。他にも荒れた町の描写があり、うら悲しくうまく形容できない。この本全体を通して、穏やかな筆致ながらも大事なものが指の間からこぼれていくような、取り返しのつかないような感覚が甘美ですらあった。

図書館にあった『ミツバチの歴史』という本が重要な役目を果たすのだが、それが原題になっている。

みな困難の中にあり、負けじと戦っている3家族の行く末がどう出るか、おぼろげながら見えてくるのがやっとラスト30pあたりである。続きが気になって、最後の方は止まらず読んでしまった。文体もこういう話ながら短文をたたみかける感じで入っていきやすかった。行間があるせいか、ページ数も進む。毎晩開くのが楽しみな本だった。

いつもここのブログを読んでいる方は、わたしが科学技術の礼賛者だと思っているかもしれない。でもそれは違っていて、雪国に生まれ育っているので自然には勝てないと思っている。立山連峰なんて神々しい以外の何ものでもない(県内には見えやすいスポットが色々あって、うちの近くにもある)。もし本当に蜜蜂がいなくなってしまったら、虫の生態には未解明なことが多いはずで、きっと専門家でもどうすることもできないだろう。どうにかできるのなら今まで解決法が見つかっているのでは?そういう意味でこの本は怖かった。そのシナリオ通りにことが進むかは別として。

最後に翻訳を手がけられた池田真紀子さんについても触れておく。今回ノルウェーの作家というのにも惹かれたが、半ば翻訳家さんでこの本を選んだ。ジェフリー・ディーヴァが積ん読なので今度の本は最後まで読もうと思ったのである。パトリシア・コーンウェルを故・相原真理子さんから引き継いだ方でもある。

『蜜蜂』、堪能しました。マヤ・ルンデは昨年『ブルー』という小説も出しているようなので、『蜜蜂』が売れてくれて次の本も読めることを願っています。

レビューはまだネットギャリーで当分受け付けているようなので、ゲラを読んで感想を書いてみたい方はどうぞ。

『4コマで丸わかり!素粒子実験の世界』絵が可愛くて楽しい!オススメ!

ヨシダヒロコです。

black mathematics board with formulas

Credit:Adobe Stock, 式がどれだけ合ってるかは責任持てません。

この本は春頃に金沢のよく行く本屋さん(専門書も多いし便利な場所にある)でラッキーにも見つけた本です。今回のはそこそこ初心者向けだと思います。理屈分かる人もマンガ見て楽しいという。てっきりとっくにレビューしたかと思ってました。

「ラッキーにも」と書いたのは、この本が絶版らしいからです。入手した本屋さんではそのように聞きました。店頭に残っていることはあるそうです。近所の天文台の方が、「ニュートリノのことはひっぐすたんの本が分かりやすかった」と言っていたので探していたのです。AmazonではAmazon扱いではないけどまだ取り扱いがありますので、お早めに。あと、普段はつけないんですが「図書館」の選択肢を書誌情報につけました。

著者の秋本さんは素粒子物理を専攻して博士号を持つイラストレーターです。e-honに出版時の書籍情報がありました。

素粒子注目トピックス!!(梶田博士、ノーベル賞受賞!!重力波が見つかった!)
1 素粒子のキホン!(わたしたちは原子の集まり  原子は陽子と中性子と電子でできている! ほか)
2 ものスゴイ!素粒子実験(LHC、ILC ほか)
3 素粒子実験の向かう先(素粒子実験と素粒子理論、素粒子物理学が目指すもの ほか)
出版社・メーカーコメント

なんだか難しそ~なイメージの素粒子実験を 4コマでわかりやす~く解説しちゃいます! ノーベル賞で大注目の「スーパーカミオカンデ」から、ヒッグス粒子で一躍有名になった「LHC」、新顔の重力波望遠鏡「かぐら」まで! 素粒子実験をキャラクター化し、4コママンガで実験の特徴を解説。素粒子って、素粒子実験って、かわいいよね! 楽しいよね!
著者紹介

秋本 祐希 (アキモト ユウキ)
博士(理学)。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。専門は素粒子実験。現在はデザインの仕事をするかたわら、自らが描くイラストを使った素粒子物理学を解説するホームページ『HIGGSTAN(ひっぐすたん)』を開設・運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

HiggstanというHPは、割と最近に発見された素粒子の名前が付いていて、素粒子物理をほのぼのマンガやビジュアルで解説しています。TwitterとFacebook版、ブログでも見られます。英語バージョンもあり。わたしはなんでもゆるキャラがいいとは思ってないですけど、この本についてはスーパーカミオカンデちゃんとかぐらさん(髪飾りに注目)の会話とか面白いなあとくすくす受けながら読んでいました。全部意味は分からなくても絵やセリフが楽しいのではないだろうかと思います。XMASSくんなどなど男の子もいます。

スーパーカミオカンデは加速器ともお仕事してるし、そういうお話も出てきます。意外だったのは、加速器って医療材料作ったりするのにも使われるんですね。考えてみればそうですね。日本の東北に誘致しようと今頑張っている(今年が正念場!)国際リニアコライダー、ILCのキャラであるリナコちゃんもこの方が描きました。話が色々進んだら、またこういう本をバーションアップして欲しいなあ。

ニュートリノについて最近の作品は、

あと、スーパーカミオカンデちゃんのタンクオープン。見ることはできませんが綺麗ですね。YouTubeはBGMを含めたリズム感が絶妙です。スーパーカミオカンデのHPでも工事の様子が見られますよ。

http://higgstan.com/4koma-sk-tankopen/

後は余談です。

阪大・橋本先生の『超ひも理論をパパに習ってみた ―天才物理学者・浪速阪教授の70分講義』もマンガ版があるのを知りました。わたしはひも理論には慣れてないけど一応マンガでない本で先に読んでみます。
放送大の試験無事に終わったら積んであるのから順番に、ですけど。

橋本先生が式を書いたこの指輪は500円なので、キーホルダーとして持ったりお友達の坊やたちにあげたりしました(受けた!)。阪大がなんとAmazonで売り出したんですが、人気出すぎたのか在庫がありません。3種類あります。わたしのは塗装がはげてきてしまいました(アップしてすぐの追記:生協で売ってたのより値段は高くなってますが在庫復活してますね。いいなー)

Twitterで、「『我々はみな星の子である』と思えばいがみ合うことも少なくなるだろうに」という意味のことを言っていた方がいるのですが出典を知りません。そのうち調べることにして、今年まで京大におられた磯部先生の文章を引いておきます。長めですけど中学生対象です。

宇宙がいつか滅びるならなぜ進歩する意味があるのか

『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』を初めてのほとり座で(2018/06/29)(8/14追記)。

ヨシダヒロコです。

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ほとり座ができる前後はいろいろ書いていた割に、行くのがこんなに(2年)遅れました。今までも見たい映画いろいろやってましたけど、映画見にいくこと自体に使えるお金なかったり余裕なかったり。昨年末も『ドリーム』その他東京でジタバタしたあげく見られなかったり。まだ書いてませんが、『ドリーム』はDVDでですけどとても楽しませてもらいました。また書きます。

さて、ほとり座です。総曲輪(そうがわ)通りの向こうへ、電停中町(西町北)のそばを入っていくと繁華街としては寂しいのですが中央通りにあります(総曲輪とも賑わってた時代を知っているので寂しいです)。金沢と同じく、富山も中心部が駅から離れています。モータリゼーションの影響で、今は郊外の方が栄えているでしょう。

しばらく迷って控えめな看板を見つけ、少し遅れて入りました。ライブハウスも兼ねていると知ってましたが、椅子は普通のオフィスの椅子様のもので、大きなディスプレイに向かって20席ほど並べてあります。ワンドリンク制なので、普通の映画館くらいの料金で飲み物ついてきます。ウィルキンソンのジンジャーエール瓶(辛口も)があって嬉しく、迷わず選びました。わたしは服薬している都合でよく水を持ち歩いては飲むので、本当は飲みもの持ち込み禁止のところ、許可を取りました。

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今回の映画はどこで知ったのだったかな。研究員(どうやら教授でなくポスドクらしいですね)が予算出なかったりで頭脳流出したり、合法ドラッグ製造に手を染めたりして警察のご厄介になったりという話で、先月も書いたのですけど3部作のコメディです。監督は長編初めてで大ヒット。今作は2作めです。1作目は日本でDVD化されておらず、今夏イタリア映画祭『Viva! イタリア Vol.4』で上映します。

1作目(原語です)

今作

http://www.synca.jp/itsudatte/

筋は『ブレイキング・バッド』(未見)に似ているそうですけど、前科持ちの研究者たちが専門知識を生かし、「研究員ギャング」として捜査に協力します。1作目のあらましは2作目の冒頭にあったので助かりました。

ある人が「今まで20年以上研究者やってきてこんなに人の役に立ったと思ったことなかった」というようなセリフが泣けたと(多分研究者の方)ツイートしてるの流れてきました。わたしは、辞めた研究員が中華料理屋で働いて仕事に慣れずどつかれたりしてるのが物悲しかったです。

みな必要とされてると知り張り切って、終盤は「その車はやめた方が……」いう不謹慎な「クラシックカー」まで持ちだして(ローマは歴史があるし展示でもしてあったのでは)道路を疾走し、アクションもあるし大活躍します。個人的には不謹慎な「クラシックカー」、よく出したなと思ったけど笑ってしまいました。太っちょの化学専門家は存在感抜群でした。ものがドラッグなので、化学が分かる方はもっと面白いと思います。

「サピエンツァ」という言葉が数回聞こえましたが、ローマ・ラ・サピエンツァ大学が協力している模様です。なんと「協力したよー」と第3作の宣伝とかしてます。

https://www.uniroma1.it/it/notizia/smetto-quando-voglio-un-ponte-tra-il-cinema-e-la-sapienza

あと、日常会話ではこんなもんなの?と思うほど口が悪い。研究者も警察も。cazzo(発音はカッツオ)というのは男性の局部ですが、話してる間にバンバン言ってました。以前、「僕はかつよさんとかそういう名前の女性とは結婚できない」ということを日本在住のイタリア人が本に書いてました。だから映画の中の皆さんはきっととてもお上品なんですね。

聞きにくいけどわたしの先生にも質問しておきますので(そのためにSkypeレッスン入れるかなー物好きだな自分)、気になる人はまた追記を見に来てください。

(2018/08/14 19:32追記:やっとレッスン受けました。昔この単語は放送できなかったんだけど、今では全くどこでも流れているらしいです)

富山では上映期間もう終わるし、都市部ではほぼ終わってるし、早く書いておこうと急ぎました。久しぶりに映画館に行って楽しかったです。今月ほとり座は少し改装してカウンターやレジは1階になるとか。あと学生証を持っている大人(放送大学とか)も学割効きます。

パンフにはイタリアの研究者の日本と似てるように読める現状なども書いてあり、『旅するイタリア語』で音楽や映画のコーナーを持っている野村雅夫さんなども文を寄せています。

2018-07-03 04_Fotor

あと、チラシの裏も。

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ほとり座、ちっちゃいけど長く続いてほしいです。少し離れたMax Theaterも上映するものが違うので、お互いに映画好きなお客さんがたくさん来てほしいですね。

『やさしい花の撮り方』(2018/06/03:富山県中央植物園、講師は富山県写真家協会の皆さん)

ヨシダヒロコです。

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今回の写真教室も大変ためになりました。天気が変で身体が付いていくか心配でしたけど、行きだけ車で送ってもらって、無事に最初の講義が始まったばかりの頃に中に入りました。エントリーモデルのそこそこ使ったデジイチ(Canon EOS Kiss X50)と三脚持ってです。

レクチャーを受けてから実際フィールドに出て、教えてもらいながら撮ったりします。敷地がすごく広いんです。今回は若めの人も女性も多かったかな。これで3回目くらいですけど、カメラは立派でもどうしていいか分からないと見える年配の方を前は見かけたのに、今回はたまたまか、かなり場数踏んでますという感じの方に複数出会いましたし、先生方からいろいろアドバイス頂きました。

  • ど晴天(その日の天気)みたいなのは植物撮るのにあまり良くないそう。特にアジサイなどには
  • ミュゼふくおかカメラ館の方に出会う。また行ってみよう
  • 写真教室開いてる方とも会った。花の向こうにちょろちょろ小川がある風景を前に、さあどう撮る?とおっしゃる
  • 当たり前だけど、偏光フィルター(安いのつけてる)は回すと光の加減が変わる
  • ピントを端っこの方に合わせたり、ライブビューを切ってファインダーに切替えたりする操作(バッテリー消耗するので)、撮影モードのお薦めなど習う。マニュアルを読みましょう
  • カメラはそろそろ替え時かもと言われる
  • 最近のカメラはISOが高いよと言われ、帰って見たらほんとだった(上限がすごく上がっている)
  • マクロから望遠までピントが合うレンズを紹介され、たまたまキヤノンマウントを持っている人がいた。試すと快適(SIGMAの多分18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM、レンズが1つで済む。キヤノン純正は200mmまでしかない)
  • 撮りたいものにカメラが付いていかなくなったらそこが限界、レンズだけでも替えられたらと別の先生に言われる
  • 富士フイルムのデジイチも参加者の方に触らせてもらった。インスタでとても緑の発色がきれいなユーザーを見ていて、特にミラーレスに興味がある
  • わたしの知人にも詳しい人はいるが、カメラにはかなり好みがある(なので考え中)
  • 天文台ではTAMRONのレンズをお薦めされていて、キヤノン純正より安い

「もっと高いところを目指しているのでしょう」と見透かしたようなことを言われたのですが、誉められたのでしょうか。アマチュアで十分ですけどね。

今回まあ頑張ったのはこんな感じ。Instagramには似てるけどもっといい他の人の作品がありました。沢山教えてもらって収穫は多かったのですけどすぐには消化できない感じでした。

2018-06-03 14_Fotor_Fotor

アルパインストロベリーというらしい。

いろいろやってみたけど時間より早く上がって、また少しカメラのお話聞いて解散。よすぎる天気だったけど、てくてく歩いてよい運動と気晴らしになりました。

 

今年の「私の植物写真展」からは植物園内のみの写真となるそうです。納得いかないのでまた撮りに行きたいんですが、過去のものから何とかするか迷ってます。

今年春で担当の方が退職されていました。今までいろいろありがとうございました。

植物園の公式Instagramと、今回の講師の先生のおひとりのInstagramを紹介します。あと写真展応募要項(HPや植物園にあると思います)、行けなかったけど6/16-17にあった、今年が初の『ウチョウラン展』のチラシも。

PC買うまでカメラ周りはお預けですけど、まあそのうち何とかなったらいいな。

このアジサイすごく好きです。植物園のタグで検索すると、明度が高くボケたファンタジックな感じで写してる方もいて、それはそれで良い感じです。

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#アジサイ#竹林#行田公園#富山県

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Feedlyの登録数とこの頃のこと。

ヨシダヒロコです。

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分かる人には訳が分かる猫の写真。あちらで会ったらよろしくです。長いしっぽがチャームポイントのミケです。

ダラダラしつつ少し読書したり、少し勉強したりのこの頃です。

具合があまりいいわけではないですし、しばらく更新は止めて下書きを溜めようと思っていたのですけど。だってあんなことがあって1週間で割り切れるわけがないじゃないですか。

フェレットを亡くしたときの様子見てた人は分かるでしょうが、わたしは諦めの悪い人間です。いたちのことだって整理し切れてないのに(妹いたちのりりは元気で愛想を振りまいてます)。先週起こったことについてはもう1回何か書くかもしれません。普段通りに書いた他の下書きは、ぼちぼち出していきます。

自分の個人情報のうち、メールアドレスはだいぶ前からこのブログからはなくなっていたはずです(代わりにメールフォームがあります)。仕事についての”Works”ページは多少情報を削りました。

それで、さっき思うところあって、今まで全く調べたことなかったこのブログのFeedly登録数を調べたんです。2桁なかばくらいかな?と思ったらもう少しで300になっており非常に驚きました。同時に責任も感じました。「読まなきゃ」と思うのがしんどくて巡回にFeedlyは活用できてないのですけど、大事なブログについてはまた考えます。

無理はしませんが、わたしが面白いと思ったことをなるべく分かりやすいようにフィルターかけて、また書いていくつもりですのでよろしくお願いいたします。