ヨシダヒロコです。
この次の日は天文台の親玉である科学館主催のささやかな物理のサイエンスカフェがあり、面白かったのでまた書きますが、今回はずっと行きたかった天文台に昼間なので家族に送ってもらえたのが嬉しかったです。地理的には近くても、運転を控えているので特に夜には交通手段がなくて。
呉羽のコミュニティバスには頑張って欲しい。わたしはノーベル物理学賞発表前にもうここでする事が決まっていたニュートリノ関係のカフェに申しこんでいて、受賞後のカフェ当日、天文台から帰る最終便が土曜日は運休(タクシー代もなかった。田舎は高いのです)ことに最寄り駅で気がついて帰るしかなかったことありました。
そんな因縁の(?)天文台。車だとあっさり着き、結構鬱蒼とした古洞の森の中を10分ほど歩きます。春になって外出がしやすくなっていて、森の中は空気が綺麗な気もし、まだ水鳥がいて池で鳴いていました。こんな看板もありました。
入るとサイエンスカフェは始まったばかりで、春休みなのか親子連れが2組くらいと個人がちらほら。こじんまりしていましたが却っていい感じで、自身変光星の観測を長くしている学芸員さんのお話でした。
変光星は2つの星が近くで回っていて、片方が隠されるため明るさが周期的に変化するものがあり、そのタイプでは、別名「悪魔の星」と呼ばれる北斗七星のアルゴルが有名だそうです。以前星を知らずに天文台に勤めた人が、2年で「今日はアルゴルが暗い」と分かるようになったとか(肉眼です)。
変光する星にはいろいろな場合があり、爆発する前かもとか、カシオペア座で何か星でない物体が通った?(『コズミック☆フロントNEXT』でその謎の物体の話を見たような)など紹介されました。『コズミック~』はこの天文台も含め、かなりいろんな天文関係者に取材してるんですね。
はくちょう座のデネブや(太陽の200倍くらい大きい、遠い星)、オリオン座のベテルギウスは何が起こるか分からず、天文学とは何が起こるか分からない学問だそうです。例に挙がったのは他におうし座T型変光星、くじら座ミラ、はくちょう座カイ星などで、データを長く取ると変光の度合いが変わることがあるそうです。
変光星に限らず、天文学はアマチュア天文ファンの活躍が大きいのですが、変光星は日本人が多くを発見しているそうです。富山のように天気が悪い地域だと無理ですが、天気がいい地域では愛好家の会社員が屋根などにカメラをセットしてつけたまま寝る、起きてPCのデータ解析(ソフトは無料)という二重生活のようなことで探索していくそうです。東北の方で、天気悪いから群馬に観測所作った方もいるそうです(データは東北に飛ばす)。グループでブログに成果を発表して競い合っているそうです。
途中で、中学生くらいの女の子2人がどうも納得いかないことがあるらしく、ホワイトボードを出してもらって、2人でああたらこうたら絵を描きながら意見を交わしていたのが微笑ましかったです。
渡辺学芸員がお好きなのは激変星という明るさが激しく変わる星です。このサイエンスカフェの数日前に鹿児島の前田さんが発見したうしかい座OV星があるそうですが、検索して裏が取れませんでした。
サイエンスカフェの他には富山県天文学会会員の写真展があったり、ブラックホールのプラネタリウム(規模は小さいけど光ファイバー使った綺麗に光るドーム)があり、時間の関係で春の星座を省略し、学芸員さんにブラックホールのことで少し質問してました。
他に、展示写真がすごいので撮り方の質問もしました。わたしのCanon EOS Kiss X50は月には向いてないとメーカーに言われた気がするのですが、星を撮る方法や使うべきレンズがあるらしいのです。
望遠鏡は結構大きいのがあって、昼でも天気よければ観測があります。この日は残念ながら曇りでした。
デジカメで天体を撮るとかいろんなイベントをしているので、また森を歩いて、夜にゆっくり行ってみたいなあと思った1日でした。これから季節もいいですし。