ヨシダヒロコです。
木村大作監督が前作「劔岳 点の記」で立山連峰に惚れ込み、次作の設定地を変えてまで立山にこだわった「春を背負って」が今日6月14日から公開されます。わたしは明日見に行こうと思っています。普段シネコンにほとんど行かないから分かりませんが、地元シネコンは上映回数だけ見てもえらいプッシュぶりです。正直わたしも、子供の頃から天気が良ければ見て育った山なので、気分がいいです。「劔岳」の時はスクリーンで見られなかったので、今度こそと思って。
山崎まさよしライヴのレビューで、この人が主題歌歌うことが分かったので、あとでレビューに付け加えた予告編がこれです。
(2018/07/07追記:動画はすべてリンク切れのため差し替え、主題歌を追加)
主題歌
予告編
これがメイキング。地元TVでも見たのですが、せっかく山に登っても(途中の山小屋に泊まっていたらしいです)上まで登って天気が悪ければその日の撮影はアウトなんですよね。
さて、「劔岳」は1ヵ月ほど前?BSで再放送していたので2回目に見たのですが、多少なりとも雪の積もった山を一生懸命歩いたことがあると、感想が全然違う気がしました。Yahooなんかではいろんなことを言っている人がいました。山の映像が綺麗なことを書いている人は沢山いたけれど、富山や山好きの人たちの間では剣がどんな山なのか、分かって書いている人は少なかったと思います。昔も今も怖くて美しい山、そして憧れ、でしょうかね。作中では「死の山」とか、もっと怖い山になってましたが。
わたしは立山山麓をうろうろし出したばかりのひよっこで、体も丈夫な方じゃないし、人についてせいぜい日帰りの山登り(登山と呼ぶのもおこがましいですね)をしたい位なので、剣なんてとてもとても、なんです。だから、行けないであろう山があれだけ見られただけでも嬉しかったです。吹雪のシーンは沢山ありましたが、きっと体感温度はすごかったと思います。都会で暮らしている役者さんには大変だったでしょう。
原作と比べて、という意見もありました。基本的に原作のエッセンスを映画に取り込むのってすごく難しいですね。新田次郎の原作も是非読んでみたいですが、読んだらも一度映画を観てみたいです。
オフィシャルサイトはもうないですが、東映のサイトにこんなページが残っていました。
http://www.toei.co.jp/movie/details/1174254_951.html
ストーリーは、明治時代に陸軍の測量部が、唯一の空白地帯である剣岳を測量してこいと命令されます。しかし、今まで誰も登頂者はおらず、命を落としたものまでいるそう。キャストは、測量部のリーダーが柴崎(浅野忠信)、その妻が葉津よ(宮崎あおい)、柴崎の部下の測夫が生田(松田龍平)、富山側の案内人が宇治(香川照之)、ライバルとなって登頂を目指す日本山岳会のリーダーが小島(仲村トオル)、謎の行者(夏八木勲―亡くなられましたが)で、香川さんが朴訥な案内人を富山弁を操ってうまく演じていました。実際、富山生まれ/育ちでない人にはイントネーションが難しいらしいのです。その辺りも香川さんは頑張っていました。他の人夫たちは実際に富山県人を雇ったのかも、と思うほど言葉が達者で、他都道府県の人には雑談が聞き取りにくかったかもしれません。
他に、小島たち日本山岳会の装備は(明治にしては)かっこいいなあと思っていたら、アウトドアブランドのNorth Faceが協賛してました。リュックを安く買ったことがあります。
印象的なシーンとしては、一番驚いたところは割愛しますが、柴崎と宇治たちが吹雪の中で道に迷ったときに(「ホワイトアウト」という小説/映画がありましたが、前が見えなくなる。富山の平地ではほとんどないですが)、ライチョウの習性を利用してその場を凌ぐ、という場面が心に残っています。ガイドは本当に何でも知っていなければいけないんだなと。恐らくこの映画のロケでも宿として使われた山小屋のブログを読んでいますが、ライチョウって結構人を恐れないらしいです。あまりヒトに害を加えられたことがないのでしょうか。
映画は最後に意外な終わり方をするのですが、周りがどう言おうと山男の団結は強いのだな、と爽やかな気分になりました。
オフィシャルな予告編はもうないようなので、これを貼っておきます。メイキングなど色々あるようです。
(2018/07/08追記:張り直し)
「春を背負って」は現代劇ですし、皆さん共通語で喋っているようですね。しつこいですが、わたしは室堂の山小屋横で1年前に映画のクルーに会ってから楽しみにしてきたので、感想がどうであれ、見てきたらここに書きます。