stochinaiさんのご本です。2週間前に手に入れて読みました。
昔のK大生ならよく行っていたはずの「うつのみや」で、わたしの買ったのが最後の一冊でした。
以下、わたしの感想なので間違っているかもしれません。高校で生物未履修、しかも大学ではがん研の先生が来られていきなりウィルスの感染から話が始まったので、生物は独学なのです。バイオは苦手ですし。
さて、この本は「ダーウィン医学」についての本。遺伝したら子孫に不利なのでは?という病気がなぜ淘汰されないのか、ある病気が進化から見たらどんなメリットがあるのか、などということについて書かれています。
まず文体がとても読みやすい。わたしは自分の書くものについてずーっとコンプレックスを持っているのですが、こんな文章書きたい!と思いました。
「ダーウィン医学」については、まず風邪が例として出てきます。なぜ抗生物質や解熱剤などを使うと風邪がすっきりと治らないのか、発熱することによってどんな利点があるのか、そんなことが説明されています。細かく書くとネタばれになるので書きませんが、なるほどー、です。
ちなみに、医師の側から見た抗生物質を出すメリットとは、こんな感じらしいです。「転がるイシあたま」さんより 風邪に抗生物質[Link]つまり、風邪様の症状で病院に来られてもウィルス性の風邪とは100%断定できないし、細菌の二次感染が起こる場合もあるからのようです。
話を元に戻すと、「一見遺伝的に不利に見えるのに、実は役に立っている病気」の例がたくさん出てきます。印象に残ったのはうつ病と鎌型赤血球です。後者は結構驚きました。病気がどう役に立つのかは読んでみてください。
結構わくわくする本だったのですが、すこし頭が整理しきれなかったので、また読んでみたいと思います。類書も読みたく思いました。
最後になりますが、挿絵がところどころ擬人化されていてとてもキュートだったです。