4月からのNHKラジオ語学講座(英語)あと趣味のテキストなど。

ヨシダヒロコです。

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ここ2年ほどはTVのスペイン語・イタリア語で映像で分かることを見ていました。BSなどでこれらの国の紀行・料理なども見てました。ドイツ語は流すだけ、今期の最後の方はプロヴァンスなど南の方に興味があるのでフランス語も眺めていました。

春からですが、TVの再放送はテキストも買ってそのまま見ます(その前のシリーズ読めてません(^_^;))。英語ラジオ講座のレベルチェックをたまたまやったら、なんとCEFRのレベルでB1が出たのでこれはまずいとテキスト買いました。ビジネス英語両方です。

気が向いたときにやっていた、”Sherlock”を英語版で買って英語字幕で見てたのは結構行ける気がするので、他の映画やドラマでもやってみたいです。2カ国語で録り溜めたBSドラマが結構ありますし。洋楽もまた聴きたいなー。

趣味的なかばお勉強としては、オーロラ研究者、片岡龍峰先生の「カルチャーラジオ科学と人間」『太陽フレアと宇宙災害』があり、これは1000円位するだけあってもう書籍ですね。5回くらいまでらじる☆らじるの聞き逃しを「ラジ録11」で録音しながら聞いてます。オーロラを見に行くときこうしたらいいとアドバイスがとても役に立ちそうです(でも、いつ?)。今5回からの放送が聞き逃しであって、あと2回放送が残ってます。

「私と昭和史」というシリーズもカルチャーラジオにあって、湯川秀樹先生の番組を録音しました(逃したのでようつべで)。こっちは公開終わっているので、片岡先生のもようつべ探してすぐに録音するしかないような気がします。前にあったの消えちゃったようですけど……。1回間違えて.flvで録っていたのにさっき気がついて、泡くってオンラインで.mp3に変換しました。

片岡先生はあと2、3冊本書いてらして、存じ上げているこの分野の科学者に宮原ひろ子さんもいらっしゃいます。

ラジ録はこんなの。放送大学でラジオ講座を取る予定があったので。前もっていたVer.2からだいぶ進んでいて、YouTubeをすぐに.mp3にしてくれますし、らじる☆らじるの聞き逃しにα版で対応してくれたらもっと嬉しいです。シェアウェアです。画面の色はもうちょっとグレーです。

https://pcshop.vector.co.jp/service/catalogue/radiroku/index.php

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趣味は『趣味の園芸』、サンドイッチとスープが美味しそうだった『きょうの料理ビギナーズ』(放送は5分間)。そして、去年だったかに放送していた筋トレの番組を春からまた放送するので、興味のある方はどうぞ。わたしはAYAさんのパートで腕立てがもっとできるようになりたいのですが、何もなく疲れているか仕事でぐったりするかで、運動できるときは簡単にヨガのポーズ取って終わってしまうことが多いです。前よりは筋トレできるようになりましたけどね。

いつの間にかKindleに対応しています。ものによってはいいかもしれません。NHK出版は、毎月のテキスト定期購読を毎月払うことができるようになったそうで、立ち読みもできますし今回はそちらで注文しました。

 

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英文メールの結びの言葉で絶賛感謝中。

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去年は何かの罰ゲームかと思うような発注量でしたが、翻訳祭で担当者さんに会っていろいろ何でもない話で盛り上がったのが良かったのでしょうか、少しはマシになってきました。この辺については思うことがあり、また書くかもしれません。調子に乗ってあまり喋りすぎてはダメだとは思いますが。

ずっと沈黙していた海外エージェントからも、小さなお仕事がぽつぽつ来ています。今は、工場の製造工程フローチャートみたいなものに書かれた手書き文字を判読してタイプしてます。

今の担当者さんのほとんどが(日本の会社も)外国人で、メールは当然英語です。コーディネーターさんは忙しいのでかなりコンパクトな文章であることが多く、納品の受領確認も来る人と来ない人がいます。

去年末に少し仕事が増えてきてから、”Regards”みたいなメールの結びの言葉をちょっと変えました。”Thanks and regards”としているのですが、英語には「毎度ありがとうございます」的な言い回しは少なかったと思います。なので「いつもありがとう」という感じで使っています。

ただ、英語で検索すると英語を使う人々が上のも含め結句に迷いまくっているので、分からなくなってきました。よく発注してもらっている人には”Warm Regards,”とか”Many Thanks”とかくだけてもいいかも。

英語を仕事以外で書いているのはInstagramくらいで、「日本のことを紹介」するつもりで2カ国語で書いています。今日はこんな変わったカップラーメン食べた、でも多分説明すれば珍しいはず。オリンピック・パラリンピックだけが理由ではなく、インバウンド翻訳は難しいけど面白そうと思っています。

今はお休みの英訳もそのうちバリバリできるようにがんばらないと、です。「お仕事」タグの話もストックあるので、ときどき書きますね。

富山市天文台サイエンスカフェ「重力波で『聞く』宇宙の神秘」(東京大学宇宙線研究所 助教 宮川治さん、2018/02/25 富山市天文台)。

ヨシダヒロコです。

9月のサイエンスカフェのレポをしたばかりですが、先月末に次のに行ってきました。先週大事なサファイアの鏡が搬入されたばかりのKAGRAから宮川さんという研究者さんが来られて、後で分かりましたが夏に神岡であった重力波サイエンスカフェでのゲスト、4人の研究者さんたちのひとりでした。今回のサイエンスカフェと前後して、飛騨でも行われました。今後各地で増えたらいいですね。富山では多分初めてかと思います。天文台サイエンスカフェの開催は年1回です。

重力波捉えるサファイア鏡 「かぐら」の心臓部を公開(2018/03/19)共同・日経           魚拓(リンクが切れていたらどうぞ)

今回は全書き起こしに近い形にはしません。今後KAGRAについての講演や今回のようなくだけた集まりが増えそうな気がするので、あえて文章量を少なめにします。

天文台が森の中ということもあり一眼を持っていったのですが (2018/03/19 3:53青字部分、校正ミス訂正)SDカードを忘れ、タブレットで撮影。数があるのでGoogleフォトでアルバム作りました。本当はもうちょっと修正かけたかったんですが。

https://photos.app.goo.gl/qQ3MzHBFqCwzTFA52

前日になって、「駐車場に雪が多くてスペースがなく、すぐに一杯になるかも」みたいなメールが来て急いで行きました。そこで話聞いて驚いたんですが、天文台とちょっとした温泉、少し離れてライチョウの飼育している富山ファミリーパークがあるだけの本当の森なのに、何を思ったか誰かが(2018/03/19 4:16 青字部分校正)婚活パーティーをやるので駐車場が足りないと。ここで一体何するんだろうと思いながら、送ってくれた親の車を降りました。

森はこんな感じで、池が凍ってました。

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駐車場から10分ほど歩いて天文台に着き、展示品を見てサイエンスカフェに出て、また展示品を見て帰りました。ゆるキャラKAGRAさんは初めて知りましたが、職員の方曰く、この絵を描いた「ひっぐすたん」(は知ってる)の本は絶版になったけどとても分かりやすいそうです。たぶんこれ。

去年ここに行ったときにKAGRAに出向いて見せてもらい、模型を作る予定だと聞きました。今回見たら何と自前で作ってました、ジオラマまで。器用な職員さんがいるそうです。

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カフェは意外にも子供が多く、KAGRA見学会にも行って興味を持ってやってきたみたいでした。応募多数で抽選があるかもしれなかったのですが、定員オーバーでもそのまま聞いてもらうことにしたと。カフェでは話を遮って質問してもいいのですが、宮川さんは2、3回「子供たちの質問が少ない」と言ってました。幸い、話の終わった後に中学生くらいの子に捕まって質問受けていました。

宮川さんは名古屋出身、家族で富山在住だそうです。都立大→宇宙線研→カリフォルニア工科大(カルテク)でLIGOの基礎設計(ポスドク)→宇宙線研、という経歴だったと思います。何とあの「鳥人間コンテスト」で優勝経験があるとか。

スライド写真はKAGRAの最深部だそうです。経歴紹介の後はLIGOの大発見のお話から。号外が出たとか(日本で)、アインシュタインの宿題(1916年)を100年かかって解いたというお話がありました。3000km離れた2つの波形が一致し、あまりに理論値とも一致していて「ウソでは?」という話になったくらいだったそうです。

宮川さんはそのLIGOで研究していたので、ノーベル賞取った3人も知ってると。「実験屋のレイ」、「プロジェクトリーダーのバリー」、「理論家のキップ」と言われていて、レイは高齢だけどMITでまだバリバリ回路組んでるそうです。人をまとめる立場の人が(バリー氏のこと)受賞するのは珍しくて、それだけ大変なプロジェクトだったとの事でした。あと観測から1年で受賞も珍しいと(梶田先生は20年かかっている)。

生きていたら受賞したであろうロン・ドレーヴァー氏は観測当時認知症でしたが、重力波が来たことは理解したそうです。干渉計は『重力波は歌う』を読むと書いてありますよと言ってました。確かによく分かります。あと(キップ・ソーン氏が監修した)『インターステラー』見た人?と挙手を募ってました。

実際にブラックホール合体の時の重力波の音を出したり、動画を出して「ここで合体しました」など分かりやすかったです。もしブラックホールがもっと大きかったら音は低かったそうです。

↑「可愛い音」と言われてました。

去年の中性子星合体も、合体の時の音や複数の望遠鏡の動画も聞いたり見たりできました。貴金属がこの合体でできることが分かったので、NASAが元素周期表を書き換えているそうです。

中性子星合体の音。

こういう話でよく聞く「ベテルギウスの超新星爆発」もそろそろかという観測が、2017年6月30日、チリのアルマ望遠鏡が星の変形を捉えたため言われているそうで、でも明日か1000年後かは分かりません。

KAGRAの見学会はレアになりつつあり、そのうち振動を避けるため研究者さえほうり出されてリモート操作になるというお話。わたしは2016年に当選して行けましたが、その年の運を使い果たしたかと思いました。

わたしが苦労している一般相対性理論、KAGRAの原理の話も色々あったのですが、

KAGRAのトリビア(まとめてみました)

  • パイプの直径は80m。
  • レーザーは赤外線で、クリーンルーム中でも出ている。腕時計に反射して目に入ったりすると失明
  • 赤外線を使うのは、設計するときに安定だから。
  • ビームスプリッターは水晶(合成石英)
  • 鏡のサファイアはホワイトサファイア、機械的損失が少ない(ブルーサファイアやルビーとの区別の話がありました。不純物で色が変わる)
  • 感度が10の-19乗とすごく小さいため、いろんなノイズと研究者さんは戦っているそう。
  • 地球上で重力波は作れても小さすぎ、大きなものは人工的に作れず、直接何かに役に立てるのは無理

簡単なしくみがpdf1枚でここにあります。

http://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp/KAGRA_Nobel/data/KAGRA2_panel.pdf

重力波観測前のですけど、国立天文台ニュースがここに。

https://www.nao.ac.jp/contents/naoj-news/data/nao_news_0247.pdf

宮川さんのKAGRAでの仕事は干渉計の制御(コントロールルームの設計:リモート操作が大変)で、直属の上司は梶田先生だそうです。

わたしが疑問だったのは、イタリアにあるVirgoをどう発音するのかだったのですが、ヴァーゴとヴィルゴ(それぞれ英語、イタリア語)とあっちとこっちで表記が違うので。実はKAGRAも海外ではGにアクセントが付いて「かぐーら」とか呼ばれちゃうらしくて、みんな呼びたいように呼んでいるらしいです(多国籍のチームですし)。VirgoのTwitterアカウントの中の人にも質問して答えもらったことあったのですが、もっと時代が前だったらどう読むかとか煙に巻かれたような感じでした。

もうひとつ、鏡はなぜサファイアなのかという質問は、寺の鐘を鳴らしたらずーっとゴンゴン響いてるような性質がサファイアにはあるとのこと。おぼろげにしか理解できなかったので、今後の宿題とします。

重力波観測成功が解禁になったときに号外が出た話から始まり、スーパーカミオカンデと『君の名は。』の糸守村の関係、富山県人や岐阜県人なら知っている「ノーベル街道」こと国道41号線の話など、とっつきやすい話もありました。ノーベル街道に縁がある研究者さんたちが子供時代を振り返って言うのは、「自然の中でよく遊んだ」が共通しているようです(田中耕一さんは2ヶ月かそこら前にまた大発見をしたそうですがまだ概要を読んでません)。

今後どんな面白いこと(©大隅先生)があるかということについては、よく聞かれるそうですがまず新しい観測手段であること。宇宙の新事実(4次元以上が発見されるとか)、宇宙初期の星の進化やブラックホールの研究などなどがあります。宇宙初期の話は、論文を分からないながら眺めたことがありますが、昔々のブラックホールがあって重力波がまだ飛んでいるのではという話があるらしいです。

「今日は最後に何かある」と聞いてましたが、職員の方がひとり春で退職になるそうです。その簡単な送別会というか、最近星が好きな宮川さんが星つながりでも交友があったのでしょうか。KAGRAトンネル掘削の最後に出た砂で砂時計を作ってあって、そんなレアなものをプレゼントされてました。とても親切な職員さんなのでいらっしゃらないとつまんないですが、長いことお疲れ様でした。

アルバムにあるスーパーカミオカンデグッズはここではなく街中の科学博物館にあります。わたしはノート狙ってます。

もうさすがに雪は解けたと思いますので、職員さんが退職になる前に夜にでも行けたらいいなあ。

※間違いの訂正を歓迎します。関係者の方は特にありがたいです(メールフォームからでもOKです)。

サイエンスカフェとやま第25回「新しいお花を作りたい!」(2017/9/23、とやま健康生きがいセンター1Fカフェゴッコ)その2(2018/03/14, 17訂正)。

ヨシダヒロコです。

その1はこちらです(リンク)。いろんなお話があって全部リンク先を読むのも難しいでしょうから、好きなところだけどうぞ。

前回書いた青いキク、バラは青い色素を入れます。重イオンビームで変異を起こすより、遺伝子組換えの方が成果がよいというお話だったと思います。青いカーネーションは「ムーンダスト」(サントリーのサイト)、青いバラはサントリーの「アプローズ」(サントリーのサイト)です。アプローズはまだ紫っぽく見えます。薄い紫のバラは風情があり、香り高いのが多くて好きですけど。

青いキクは野田さんという方が2013年に作りました(下のリンクにもありますが写真ではちゃんと青でした)。

「青い菊」咲いた サントリーなど開発(産経)           (魚拓)

プレスリリース (研究成果) 「青いキク」が誕生

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nivfs/076531.html

遺伝子組換えは既にご存知の方もいるでしょう。モンサント社が自社製品グリホサート(商品名ラウンドアップ、200ml 2300円)に耐えられるように作物を作りました。遺伝子組換え作物の環境への影響が懸念されています。

次は雑誌の表紙にもなった(Plant&Cell Physiology)トレニアというお花の話です。多弁咲きシクラメンで、夏の花壇花です。組換え開始から5ヶ月で開花します。

雑誌の表紙がこれです。

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動画を見せられ、クリーンベンチでパートさんが実験作業をしています。葉の一片を植えて育てると、培養室で幼植物体となり、土に植えると温室内で開花します。

培養の様子はこんな感じでした(これがガラスの壁の向こうにあって、人間と接触せずに作業します。写真は発芽の実験なので多少違いますけど……)

512px-Kiemtafel_(germination_table)

From “Plant physiology” in Wikipedia, germination table by Rasbak

花が大きくなる過程で遺伝子セットを入れます。時期をずらしてひとつの遺伝子を抑制すると、花のパターンがいろいろできます。それぞれの遺伝子は発現場所やパターンが違います。

色の出方については、細胞の形が変わるから?とか、色々な要素があってまだ分かっていません。

プレスリリース 「花の形・配色パターンだけを効率的に多様化」

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nivfs/070829.html

次は遺伝子導入、アグロバクテリウム法を使った遺伝子組替えでの育種です。アグロバクテリウムは土中の細菌で、あるDNAを植物に感染させてこぶを作ります。この時感染=組替えがされていない細胞は殺されます。遺伝子組換えにはよく使われる方法と本で読みました。

これで作られたのが青いキク、バラ、カーネーションです。カーネーションはわたしも買ったことあり、紫に近いと思いました。バラは上に書いたサントリーの「アプローズ」です。キクは農研の成果です。光る花も作りました。花だけで遺伝子機能を抑制し、これは組換えでないとできません。TVに取材されたり、国立科学博物館「ヒカリ展」に出品したりしたそうで、TV用に夜咲いているところを撮った写真を見せてもらいました。一面蛍のようで綺麗で、それが花畑なので不思議な感じでした。

光る花の写真は前発言のチラシにもありますが、多少はっきりしたのは農研機構のHPにあります。

ルシフェラーゼ(ホタル)などの化学発光とGFPなどの蛍光(GFP:下村先生が見つけたオワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質)はメカニズムが違い、GFPでの組換えの前例はありましたがうまく行かなかったため、富山湾に住む海洋プランクトンChiridius Poppeiからの蛍光タンパク質を使っています。ちょっとブログ書きながら検索してみたら、「キリディウス・ポッペイ」でいろいろ出てきました。

プレスリリース「光る花の研究開発に成功」

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/flower/048489.html

プレスリリース「遺伝子組換え技術により開発された『光る花』の論文を公開」
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/flower/054854.html

国立科学博物館 ヒカリ展の魚拓(リンク切れていたらご覧ください)

(余談:以前買った青いカーネーションの写真です。2016年5月に、ネットの花問屋「はなどんやアソシエ」で濃淡3種あるのを買い、その後金沢の花屋さんにもあるのを見かけました。これはたしか真ん中ほどの濃さの色で、咲き具合で色が変わった気もするし、写真は西日が当たっています。上に書いた「ムーンダスト」のサイトをもう一度貼りますが、1輪ずつ咲くタイプが4色、スプレーが2色あるそうです)
http://moondust.co.jp/

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盛り上がったのでずいぶんいろんな話をしてもらったのですが、最後にゲノム編集のお話。導入だけだったので、いいことはこんなところ、というのを聞きました。クリスパーとか何だろう、と前から思っていたいましたのでちょうど良かったです。

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ゲノム編集は、お話しされた時点でここ3年ほどの技術ということでした。育種の問題を解決してくれるもので、遺伝子を2ヶ所一度に切ることができます。交配だと(2018/03/14 13:39追記:いろんなところが切れるので)いろんな植物ができるのですが、ゲノム編集だと1つしかできません。

農業の課題として、例えばリンゴでは温暖化、担い手不足、病害虫などがあります。その解決や、ジャガイモの芽に含まれる毒をゲノム編集で取り除いて、食中毒リスクを低減することができます。

CRISPER-Cas9(クリスパー・キャスナイン)というものがあり、受精卵などに注入するだけで作業できます。業者さんにこのガイドDNAが欲しい、この配列でなどと頼むと、次の日に送ってくるそうです。

生産コスト減で美味しいトマトもでき、受粉を行う必要がありません。アレルゲンを抑えた米や、養殖しやすい(おとなしくて共食いが少ない)マグロ(2018/03/17 0:32追加:すいません抜けてました)も作れます。

農研機構では世界で初めてキクのゲノム編集を行いました。キクは6倍体だから難しいそうです(2倍体だと楽)。

研究内容はこんな感じで、再び雑誌の表紙になりました(キクが光っているのは、「光る花」の技術も使っているようです)。

プレスリリース
世界で初めてゲノム編集によりキクの性質を変えることに成功

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nivfs/074039.html

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最後の方、よく思い出せない箇条書きメモが書いてあるのですが、覚えているのは、花きはペットと同じくらいの産業規模があり、プレゼントしたりメンタル的に癒しになるとおっしゃっていたかと。

少なめ人数でも活発だったので、「スライドとか今後は工夫しないと」みたいなことをお話の後で感想としてお話ししていました。またお花のお話聞きたいです。

これを書くために農研機構のサイトには何回か行きましたが、最近はウンシュウミカンのゲノム解読に成功したそうです。

※今回のサイエンスカフェは特に内容が濃かったこともあり、間違っていることがあればご指摘お願いします。関係者の方は特にありがたいです(メールフォームでも構いません)。

もうすぐミントの月命日&残されたりり。

ヨシダヒロコです。

先月18日におよそ6才半のフェレットを亡くしました。体調悪いときや忙しいとき除いて、お線香あげたり話しかけたりしています。祖父母くらいしか亡くなっていないので初めて自分でお線香買ったら、結構いい香りのがあるんですね。最初は鳩居堂に行ったとき買って余ってたライラックのお香だったのですが、普通のお香にもラベンダーとか桜とかあり、今は桜のを焚いてます。

うちは真宗なので、厳密には動物は「畜生」らしいですが誰も硬いことは言わないので。遺品を入れる小さな可愛いキーホルダーは前から見つけてあって、さらに猫用だけど「ひげケース」もありました。猫飼ってるとよくその辺にひげが落ちてて、飼い主がふと拾ったりするんです。遺品としても使えるでしょうが、普段ペットがひげを落としたときにコレクションできます。買ってみてよかったらお知らせします。

あと、お供え花は良く持ちましたが、今日なんかは結構暑かったですし段々枯れてきてます。ドライになる花があったので一部乾かし、今流行りのハーバリウム(作ってみたかった)の材料を注文してあります。中に入っているのは可燃性の油で、花の組み合わせを考えています。お供え花でドライにならなかった色の花で何か入れたいと思っています。あと、動物のしっぽみたいなラグラスを入れたいかな。もしうまくできたらこういうのは楽しいです。

↓よく作品を見せてもらっている宮崎さんのハーバリウム。

妹分りりはひとりぼっちになりましたが、獣医さん曰く「仲間がいなくなったことは分かるけど切り替えが早い」そうです。最初はミントを探しているような様子が2,3回ありました。この子は少し訳があって、血液検査を早めるつもりです。問題なければいいな。

フェレットは寝言をいうこともあります。この子は寝息やいびきが大きくて和みます。夜はお布団に入れてることが多いです。わたしが宵っ張りなので机に遅くまで向かってて、さあ寝るか、りりはケージでよく寝てるから起こさずにと思ったら急に起きてきたりします。わたしが布団で本読んでたりして起きすぎて、朝の5時に寝ようとしていたらベッドからどーんと落ちて、打ち所悪くなかったかと気になって寝るどころではなくなったり。

朝は鶏肉もらうと嬉しそうで、ひと切れ加えてくわえてとことこ歩いていきます。ミントも隠すことありました。あとで食べるつもりでそうするらしい。フードは下のリンクの「フェレットセレクションプロ シニア」なのですが、これも少しずつくわえては運んで食べてて、多分美味しいのでしょうね。獣医さんに他のフードと混ぜる必要はないといわれました。食べてくれるか、獣医さんで最初サンプルをもらってから購入。最初はミントのためにお薦めしてもらって、りりは正確には「もうすぐ4才」なんだけどまあいいでしょうということになりました。

http://www.yeaster.co.jp/d/fspro/

ちょっとはしゃぐと飛び跳ねて喜びます。ごはんドロボー(でもないか)の瞬間。部屋がバタバタです……。

和む本(6)と今さら2018年カレンダー、すべて星関係。

ヨシダヒロコです。

車だろうが電車(第三セクター)だろうがまともに走ってくれず、こんなの小学校以来のことなのでびっくりの冬でした。北陸の人はこれで完全に春になるとは思わずまだ警戒していると思います。なので、富山市の本屋で取り置きしてもらったカレンダーが2月下旬まで買いに行けず。

まあ、お金持って富山市に行って、別の本を買ったこともあるからわたしも悪いんですけど。

このカレンダーは天文系の検定用で、暦の部分は星の運行などがこまこま書いてあります。写真はとても美しく、3月はもう消えていきつつある冬の星座オリオンです。ただおばちゃんのわたしが近くを見る用の眼鏡で見上げると全然字が見えず、写真も値段高くしてもいいからもう少しサイズが欲しかったかな。これは寝る前の和み用です。検定については今のところあまり考えてません。

仕事部屋にはNewtonの11月号付録を貼っています。ハッブルがとらえた”Mystic Mountain”とのことです(わたしの写真、綺麗に撮れてないですが)。上と同じく装飾的に使っています。在庫がなくなるのがすぐなので、Newtonは昨年末からFujisankei経由で定期購読していますが、沢山読むのはなかなか難しく、日経サイエンスも読みたいなーと思うのに追いつきません。このカレンダーについては付録つき中古はもうないかも。

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実務的なものは、この間3月からのものが届いたGE Healthcareの卓上カレンダーです。めくるの忘れるくらい最近見てないですけど、手近にあると便利です。応募は研究者ではなく翻訳者と書いても通ります。過去ログに書きました。

写真集的な本と、写真集が続きます。

Amazonだったかでお薦めされたものを覚えておいて、本屋さんに注文かけたのを年末に買いました。綺麗な星の写真と豆知識が書いてあります。知らなかったこともありました。

この写真集は見ての通り2016年刊で、第3写真集が2017年末に出ています。処女写真集については前に告知のみ書いていると思います。こんなすごいのは撮れそうにないですが、KAGAYAさんはホタルイカの時期にうちの県にも来ています。撮影条件も書いてありますので、頑張ればホタルイカ撮れますかね?

確か『趣味の園芸』バックナンバーも買ってきた覚えがあるので、またお花の写真でもぬくぬくしながら見ることにします。

放送大学冬のオープンセミナーその3『和漢薬の成り立ちと服用時の注意点』(2018/02/17 富山学習センター、富山大学附属病院薬剤部 加藤敦准教授)

ヨシダヒロコです。

2018-02-17 13_Fotor

行きはこんな感じでした。

このオープンセミナーはオープンキャンパスを兼ねており(4回目の魚津会場は除く)、富山県内の放送大学に関係がある先生やお初の先生がいろんなお話をされます。今まで申し込んでも用があったりでなかなか行けませんでした。今回は前に別の場所で逃した漢方の話でしたし、植物園が好きで富山大学薬学部付属薬用植物園にも行ったことがあります。年2回ほど一般公開があり、また行きたく思っています。

学習センターが近くても今年は豪雪でしたし、3日は予想外の土曜発注でバタバタ、10日は別の用で金沢行く予定だったのをバテてキャンセルし、その金沢の会ではキャンセルがすごく出たと後で知りました。学習センター付近の天気は良かったのですけど。17日は吹雪、折しも平昌オリンピック・男子フィギュアでの日本勢大活躍中で、心配な重病のペットのそばから1時間半離れての参加でした。

加藤先生のスライド表紙には、あとで『千と千尋』に出てきたと説明があった巨大な生薬の薬棚(百見百味だんす)が写真でありました。「羽生選手が活躍しているのに、こちらに来てくださってありがとうございます」みたいなのが自己紹介のすぐ後に続きました。参加者は結構講義室を埋めていましたので、30~40人でしょうか。

先生はここで初めて講義されたのですが、受講者の反応もよく「また今度続きを」とおっしゃっていたので、ネタばらしはほどほどにします。

まずは百味百見だんすですが、225種の薬を入れることができ、600種類の組み合わせができます。富山と千葉にしかないそうで、今回大きな収穫だった、漢方薬を調合して14日分に計り分ける操作を動画で見ました。そのはかりは近畿大にもあるそうです。

まず、漢方とは何かについて。江戸時代までは漢方だけしかなく、オランダから医学が入って来たときに区別して蘭方とか漢方とか呼んだそうです。そして富山といえば薬とか薬売りで有名です。富山の人はみな知っている話でしょうが、広貫堂のサイトを貼っておきます(この反魂旦(はんごんたん)は別の店からお菓子にもなっていて、広貫堂では丸薬丸める体験ができます)。このような話の紹介がありました。
http://www.koukandou.co.jp/ayumi/

病院の薬剤部の方ならではの話に、和漢薬は女性がすごく飲んでいる(40才くらいから増え、更年期と関係?)とか、不定愁訴や冷え症が病気として多いというものもありました。東洋医学は体質を変え、病人を理解するのに対し、西洋医学は困りごとが分かっている場合、病気を標準化・原因解明して病気を理解します。

「証」の話ももちろんあり、体調がバイオリズムのように動くことです。あと、お薬の説明書ですが、例えば葛根湯の説明書は詳しくありません。風邪の他に肩こりなどいろんな時に使われます。お医者さんの説明を聞きましょうと言われました。

その他平安時代以来の詳しい診断法、診断基準。和漢薬とのつきあい方は投資信託のように長い目で行きましょうとのアドバイスも。

後半は、生薬の写真がいろいろ出たり、最初に書いた調合のビデオを見せてもらったりしました。例えば牡蠣の殻が牡蛎(ぼれい)として、クマゼミのからが蝉退(せんたい)として使われるなど、植物性のものは多少は知っているつもりでしたが、奥深いものがありました。本来は毒のものを毒抜きして使うケースもあり、食べ物の例だと石川県のフグの卵巣の糠漬けがあります。処方はとても緻密に計算されており、オーダーメイドもできます。

この組み合わせで何に効くでしょう?というクイズも。

煎じ薬は、市販の漢方をインスタントコーヒーとすれば自家焙煎コーヒーに例えられ、ぜひ煎じ薬を試してみてくださいと薦めておられました。困るのは、医食同源だから食物アレルギーが出ることです。

質問タイムではいろいろ質問があったのですが、わたしの質問から。大事なことだったらしいので。

—–

Q.複数の処方薬(ちなみにツムラですが)を西洋医学の薬と一緒に、薬剤師さんに飲み合わせを聞きながら飲んでいます。漢方医の方らしいツイートを最近見て、複数の薬を飲むと多く入っている成分もあるから身体によくないとありました。本当でしょうか。

A.甘草(かんぞう)には注意が必要で、2.5g以上で怖いかもしれないのに、1剤で6gとか入っていることがあります。黄芩(おうごん)、麻黄(まおう)も注意しましょう。

—-

先生は終わりの方で、誰かの質問への答えだったかもしれませんが「西洋薬の飲み合わせはみな気にするのに、漢方薬だとしない」「高い抗ガン薬があるけど漢方薬はとても安い。西洋医学的なエビデンスがあれば世界中に広まる」というお話で、続きをまたできたらいいですねと終わりました。

そのあとオープンキャンパスになったので、もう入学してるから失礼し、特別措置の手続きをして帰りました。

今回入室しがけにお土産もらいました。この鳥は「まなぴー」といい、量子力学と確か別の物理の授業の中、可愛いけどシュールなシチュエーションで登場してました。リングノートを愛用しているのでこのノートの使い心地が気になりますし、消しゴムに角がいっぱいあるのでマーク試験に使えそうだし、学外の試験でも使ってみます。

雪はとっくに消えうららかな日も増えてきました。今週末、最も楽しみな毒の話は距離のある魚津ですが果たして行けるでしょうか?

サイエンスカフェとやま第25回「新しいお花を作りたい!」(2017/9/23、とやま健康生きがいセンター1Fカフェゴッコ)その1。

ヨシダヒロコです。

(2018/03/06 1:49追記:写真があったのを思い出しました。冊子もいただきました)

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この話題書きたかったのですが、大変遅くなりました。写真の著作権についてゲストに問い合わせているうちに延び延びになってしまいました。富山市郊外で(この建物ではスポーツ教室など行われている)、ここでの開催は初めてだと思いますが少人数で和気あいあいとした、しかし議論が活発なサイエンスカフェでした。しかも盛り上がりすぎて大幅延長。

思えばまだこの頃は、着いたら暑くてジュースか何か頼んだ覚えが。原稿書いてたのは冬で、もう少し春っぽくなってきました。

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とやまサイエンスカフェのブログ↓より。資料や不思議な花の写真もあります。上のチラシのpdfもあります。色はpdfの方がきれいなのでここにも付けておきますね(pdf)。

http://sctoyama.jp/?p=2383

ゲストの佐々木克友さんとお連れの方々ははるばるつくばの農研機構よりいらっしゃいました。お花の育種(品種改良)にバイオ(遺伝子組換え、最近ではゲノム編集など)が盛んに使われているのは、興味を持って講演などに行っていたのでわたしはもう知っていました。だから是非このお話は聞きたかった。日本は育種大国で沢山新品種を出しているそうです(青いコチョウランのこの過去ログなど(リンク)。青いチューリップ作る試みもブログにに書いたことあるんですが、昔のことなので話がもう進んでいると思います)。

それに、すごい技術だといわれるゲノム編集の話を目の前で聞いたのはこれが初めてでした。そういうわけで、隣接レストランであった懇親会に出られなかったのがすごく残念でした。のちに冬になって、ゲノム編集はもう次の段階に進んでいるとの情報が別方面から入ってきましたけど……。

参加者にはアンケートが渡され、「アレルギーの出ない小麦がもしあったらいいと思うか」「角のないウシがいたら」などのテクノロジーでできた農産物の例が載っていました。

農研機構はつくばの花き研究所で、その日も研究してから来られたそうです。チューリップの品種改良では富山と研究協力しています(ここはチューリップの栽培が盛ん。楽天で球根を買ったら「適した気候は富山・新潟」などと書いてありました。駅でお土産として売ってますし、チューリップフェアの砺波市にある富山県花卉球根農業協同組合などから通販でも買えます)。

育種とは何か。遺伝子は生命の設計図ですが、変わると性質も変わります。都合よく変化したものを使います。

遺伝子とは復習。DNAなどでは、ごく一部の遺伝子がアミノ酸が沢山集まったタンパク質の設計図になり、お花の色や形を作ります。イネには約32000個、ヒトには約23000個の遺伝子があります。

遺伝子の中で直接アミノ酸を作らないジャンクの部分も役に立たないことはありません。ある部分は分かっているところもあります。遺伝子の発現とか安定性とか病気の研究とか、動物の方が予算が付くそうです。

初心者には難しいですが、メチル化の質問がいきなり出たのでしばらくその話(エピジェネティクス)。

育種に話が戻って、育種とは野生種→作物→多様化のようになります。例えばトマトの野生種の写真を見せていただいたのですが、南米にあって小さく、美味しくなく、毒があり(トマチン)、すぐに実が落ち、いっせいに芽が出ないといったものであるそうです。今のトマトは4tくらい食べると死ぬ程度です。

(このエントリ書いていて偶然見つけたこのスライドに、様々なペルーの原種があるのを見つけました)

イネでは脱粒性というのがあり、種粒が落ちてしまうのですが落ちない品種を選びました。インディカ米とジャポニカ米はDNAが1塩基違うだけですが、それを発見したのは日本人研究者です。

さて、お花の話になって、バラに見える写真が分割された画面に沢山出てきました。実は北米原産のトルコキキョウが混ざっていてややこしいです。今、(お花好きな人なら店頭で見ていると思うのですが)育種では(八重の)バラ咲きが中心です。最初は一重でした。「交配育種」といい、花粉をめしべに付けます。トマトでは、欲しい性質をかけ合わせます。それを繰り返し、数万~数十万の個体、5年以上かけます(これもどれくらいかかると思う?とクイズになった覚えが)。果樹だと50年以上で、研究者が退職するときにまだ終わっていないそうです。

農水省にジーンバンクというのがあって、種だけで22万、菊の遺伝子は300位管理しているそうです。

次は新種のカーネーション育種秘話です。農研機構HPに写真がある「ミラクルルージュ」「ミラクルシンフォニー」という紅白のお花。持ちがよいのが特徴で、リンクを見ると今後発売だそうで母の日にどうぞ、らしいです。

プレスリリース。

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/season/006539.html    魚拓

研究成果パンフレット。

http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/research_digest/digest_kind/flower_vegetables/027311.html    魚拓

このお花は、老化ホルモンのエチレンを出しません。交配(おしべをめしべに付ける)の親は「花恋ルージュ」で、複数の形質を並行しながら、形質がなくなることもあるため15年かかりました(1991~2006)。困った病気である萎凋(いちょう)細菌病に抵抗性を持ちます。

まず、カーネーションの1種から枯れにくいものを持ってきて、かけ合わせると最初形が悪いものが出てきます。その種を形の良いものとかけ合わせます。かけ合わせの回数は1000回以下です。一番いいものを交配で作り出すのが一番大変で、温度管理をせずにハウスの中でいいものができて、種にすると違ったものになってしまうこともあります。挿し木ならOKです。カーネーションは受粉の時に花びらをむしるので難しく、自然界では生きていけない花だそうです。

今度は、突然変異を利用するやり方。DNAが切れると、それを修復するときにミスが起きます。1.(DNAの)一部が欠失、2.塩基が置換される、3.他の配列が挿入される、などです。

DNA損傷は1. 活性酸素 2. 発がん性物質 3. 放射線 4.紫外線などで作り出せますが、試してみた末にアルゴン、ネオンの重イオンビームを使いました。アルゴン、ネオンは原子が大きいのです。理研の仁科加速器センターにて、ビームをどこにぶつけるか決めることができ、大きなエネルギーが発生するので、DNA損傷を作ることができます。

新品種はサイネリア、トレニア、ペチュニア、なでしこなどができ、黄色い菊は天皇陛下が見に来られました。キクは1年で2500株くらい処理し、色合いや形は6株くらいしか変わりません。キクは6倍体なので、染色体が一度に6本切れないといけません。植物でも動物でも成長して増えていくところに損傷があると遺伝していきます。

(わたしが急いで取ったノートには「ほとんど理研から論文が出ている」と書いてありましたが、天皇陛下が見に来られたのはこれかな、と思われる黄色い菊の研究紹介が農研機構のHPから探せました。重イオンビーム照射によるキク花色変異におけるカロテノイド酸化開裂酵素の関与

佐々木さんが沢山スライドを作ってくださったためこれでもまだ話の半分なので、さらなる変わった花の話を読みたい方は続きのエントリでどうぞ。

~その2へ続く~(リンク

間違いがありましたら、ご指摘お待ちしております。特に関係者の方々。

『ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃』読了。

ヨシダヒロコです。

Hand inserts a molecule into DNA.

Credit : Adobe Stock

これは翻訳祭で言及したうち最後のレビューです。あの時点では真ん中より後ろを読んでいました。年内に読了しており、2018年1月早々にレビューするつもりでしたがいろいろあって遅れました。仲野先生の病理学本のおまけがありますが、4月にずれ込むでしょう。

『ゲノム編集の衝撃』と比べてこの本の特徴を一言で言えば、前者は入門書なのに対しこちらはよりディープかつ詳細であること、人工知能やクラウド・コンピューティングとの組み合わせでゲノム解析を加速化することが書かれています。ITへの言及は前者にはありませんでした。難病が治るかもという使い方もできれば、SFのようなことも可能になるかもしれません。そういう意味で、実現するようなことがあればわたしでさえ恐ろしいと思うような話もありました。すでにAndroidもGmailもアマゾンも使ってますけれど。

著者の小林雅一氏は東大理学部物理学科卒、ボストン大でマスコミ論を専攻、雑誌や新聞社での勤務経験があり、慶應メディア・コミュニケーション研究所などで教鞭、現在KDDI総研リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授。専門は先端技術(IT、ライフサイエンスなど)の動向調査ということです。ずっと大学にいた方ではなく、民間経験も豊富な方がご自分の得意な分野で書かれた本という印象です。

目次を書き写しておきます。

1章 「人類の寿命は500歳まで延びる」は本当か――ゲノム編集「クリスパー」の衝撃

2章 解明されてきた人間の「病気」「能力」「特徴」――パーソナル・ゲノムの時代

3章 ゲノム編集の歴史と熾烈な特許争いの舞台裏――誰が「世紀の発明」を成し遂げたのか

4章 私たち人類は神になる準備ができているか――グーグルとアマゾンの戦略

2章に分子生物学の説明もあるのですが、初学者や勉強中の人に親切とは言えない気がします。図もその部分を除けば少ないので、すでに生物や分子生物学の知識が多少ある人、ITにもひどいアレルギーがない人に適しているように思います。

1987年、大阪大学微生物病研究所の石野良純氏(現・九州大学教授)が発表した論文中で、大腸菌DNA内に奇妙な塩基配列が発見されました。それから四半世紀、これをベースにクリスパー・キャス9が作られました。メスのようにDNAをピンポイントで切断、遺伝子組換えにはるかに勝ります。分子生物学の基礎さえあれば誰でも扱え、そして早いのです。

問題点はオフ・ターゲット効果で、狙ってない場所で切れてしまいます。

中国で行われたヒト受精卵のゲノム編集について(2015)、デザイナーベビーの問題について。どこまでが医療でどこからがそうでない目的なのか、境界線をどう引くかは難しい問題です。生まれてくる我が子の知的障害をゲノム編集で治療する場合、ナチスが行ったような優性学を思い出させるなど、倫理面での議論が豊富と感じました。

クリスパーは特許を争っていますが、群がる大企業や動く金が生々しい(企業名が出ている)様子です。

2章は上に書いたように分子生物学の説明がありますが、初めての人がいきなり読んでもたぶん分からないでしょう。ゲノムワイドなど、ゲノムから病気の原因となる遺伝子を発見する試みが書かれています。

前に紹介した『ゲノム編集の衝撃』はアメリカのチャン氏しか取材していなかったのですが、本書では特許争いのもう一方であるアメリカのダウドナ氏とフランスのシャルパンティエ氏についても3章でバックグラウンドを書いています。「ノマド科学者」だった、と書かれているシャルパンティエ氏のヒストリーは興味深かったです。

ところで先日、豚の体内でヒトの臓器を作るという驚くような研究があってネットでも議論されました。カズオ・イシグロの小説みたいだと。

多少似た話がこの本にもありました。豚とヒトは臓器のサイズが似ているのでいます。臓器移植を目的として、移植した場合感染してまずいことになってしまう豚のレトロウイルスを発現する遺伝子を62個もゲノム編集で改変したという話です。1型糖尿病患者に豚すい臓の一部を移植することは外国で行われており、日本でも2016年にヒトと豚など異種移植の実施を許可しました。ちなみに1型糖尿病は遺伝性。他の遺伝性疾患、難病も遺伝子治療の歴史があります。

気持ち悪いとか言う人の気持ちもそうだろうとは思うのですが(生理的に気味が悪いという感情は周りからはどうすることもできない)、喉から手が出るほど臓器が必要なことに生まれながらなっている人の気持ちは、中年になって実は長患いが遺伝病だったらしいと分かってしまったわたしには何となく分かります。健康だと分からないでしょうね。ちなみに、昨夏金沢であって行ってきたCiRA(iPS細胞研究所)のサイエンスカフェで聞きましたが、糖尿病で一度にダメになるというすい臓・肝臓・腎臓の移植率は待ってても各1桁(%)です。

ここまで書いてきて何ですが、ゲノム編集はすでにこれから学ぶ人にとってはすでに「遅れて」いるそうです。ツイート中にあるURLトップページでもう記事はそこにはないため、改めてリンクを貼り直しました。だから分子生物学は進歩が早いと翻訳祭でも言ったのです。

ゲノム編集技術「CRISPR」は、もう古い? すでに研究は「次世代」へと向かっている

魚拓

今までの技術を知るためには、倫理面も分かる本書はコスパも良く最適ですが、入門書ではないことに注意して読んでもらえたらと思います。

フェレットミントがお空に行きました。

ヨシダヒロコです。

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2018年1月25日、大好きなベッドの上で。

 

ペットは子供の頃から色々飼っていますが、15年ほど前に自分のフェレットを最大で2匹(お友達がいる方が喜んで遊ぶから)うちに置くようになって、今回なるたけの看病をしました。12月16日に複数の臓器が深刻なことになっており、ほとんどどうしようもない、あとは楽しく最後まで過ごさせてあげるだけということが分かりました。そこから悲しいながらも責任重大な、「おかあちゃん」としての看取りが始まりました。

普段はいたちに向かって自分のことを「おかあちゃん」などと呼んでます。

腎臓が特に悪かった(腎不全)ので、獣医さんからの指示は水は沢山飲ませる(うっかりすると脱水症状になります)、ごはんは質のいいイースターフェレットセレクションプロシニア(イースターのHP)がお薦めなど。このフードは分包になっていて新鮮さを保つことができ、基本的にはお店とか獣医さんでしか売ってません。「プロ」はたしか通販では本来出してないらしいです。

ミントは温かい子猫用ミルクやバイト、それまでもあげていたレンチンした鶏むね肉(12月末に生温かいのが好きらしいと分かり、朝軽く温めてあげてました)が好きで、ごはんは食べるの少しだけでしたがもっと早くあげてたら良かったです。妹のりりはもう4才になるので、フライングでシニアご飯をあげることにしました。いまでも美味しそうに食べてます。

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粉ミルクでもいいらしいですね。アイソカルは人間用です。

他に電解質の点滴(皮下注射)を一番薦められて通い、大雪で車出せなかった日もよくあったので大変でした。最後の方は大雪のこともあって、ポカリスエットを栄養補給がてら2.5mlシリンジ(SBSさんで買った)であげてました。腎臓疾患なら栄養も足りないので有効だと言われました。アクエリアスは良くないそうです。途中までミントは結構馬力があって、うちで注射したらフェレットは腰の骨とか折れる危険性があったので通院してました。だいぶ抵抗できなくなってきたから自宅で点滴する?と先生に言われた矢先に体調が悪くなりました。

もし腎臓の機能が良くなったら、造血ホルモンが出る臓器なので貧血が改善する期待もありました。気がつくとピンクの鼻が真っ白で、歩くの辛かったのではないかな。腎臓悪くておしっこを作れないのでアンモニアを代謝できず、サプリ扱いで活性炭が出ました。ある時点まではミニ哺乳瓶みたいな容器で喜んで飲んでました。水だと思ったのではないでしょうか。活性炭でアンモニアを吸着して、しばらくですがわりと状況を改善してくれ、元気が出て点滴の時に大暴れするように。健康だったときのように脱走してイタズラもしました。体が動けば「おいで」といえば走って付いてきました。2匹して。

犬猫用の免疫サポートも前から味を覚えさせておいたのですが、どちらかというとりりが好きで、ミントが残したらあとはりりにあげてました。獣医さん曰く免疫サポートの方がお薦めとのことでしたが、普段は好きなミルク(大雪で猫用がなければ臨時で牛乳でも)をあげました。シリンジ大活躍で、カリカリを溶かしたミルクを飲ませたりしていると、本当にお母さんになったようでした。免疫サポートは雪がひどかったあたりにまとめて買おうとしたのですが、今冬は宅急便が機能しないことも多く、別の店で数を少なくして買って届いた頃にはもう食べ物受け付けなくなっていました。

好きなことをさせてあげようと夜は一緒に寝ていました。布団がほかほかすぎて脱水症状になっていました。「お腹が空いたよ」と、朝寝ているわたしの髪をなめて起こしに来たことも2回ありました。そんなことされたらすぐに何かあげてしまいます。トイレもベッドの下どこでもできるようにしてありましたが、弱ってきて、下に降りなくてもいいよとペットシーツを上に敷いてもとても几帳面で不憫でした。

小さい動物が食べ物受け付けなくなったら早いですが、この子の場合は終わりが2日間ほど。2月17日はもう少し動いていて、でも食べなくなってきて、18日は危篤でした。土日とほとんどそばにいました。暖かいものでくるんで膝に置くとか。18日日曜の夜、いよいよ苦しそうになってきて、歯を食いしばってわたしのカーディガンの中に敷いたペットシーツに少し血がにじむくらいでした。静かに荒い息をしているので、何もできないけどと暖かくくるんで好きなわたしのベッドの上に置いて、手枕してあげました。手が痛かったりして少しのけると、もう時間の問題というミントが首をもたげるのです。多分、「もっとしてよ」と言いたかったのだと思います。

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2018年2月18日。亡くなった夜のまだ昼間。ニットはわたしのカーディガン。

夜11時頃、トイレに行こうかどうか迷っていたら急に苦しみ出し、そのまま亡くなりました。

まだ意識がちゃんとあるうちから話しかけはしていました。苦しそうになってからは、わたしがなんか言った方が良いかなと思って、いろいろと。りりもお兄ちゃんをあちこちなめてくれました(亡くなってすぐにもです)。

この子はうちに来て良かったと思ってたのかな。わたしは来てくれて楽しかったけど。動物は口がきけないから、もし話してくれたらもっとして欲しいことが分かっただろうし、お互いをどう思っているか分かっただろうに何か切ないですね。わたしの訪問看護師さんにはフェレットが大好きな方がいて、わたしがシリンジでミルクあげるところを見て「人間向けにはない技術だ……」と言っていました。

ミントはぱーーっと明日もないように駆けていって、夜、階下の混み混みしたところに入ってしまい出てこなかったり、迷子になってうちに来たのに下手したら外に出て行ってしまいまた迷子になるところだったこともありました。お姉ちゃんフェレットがなくなってしゅんとしてわたしと一緒に毎日寝ていたことがありました。その後りりが来て大喜びでした。腸閉塞で死にかかったことがあり、ブログに書いてありますが奇跡のように治りました。あのとき、2年ちょっとの命をもらいました。去年の夏にはキンチョールかけまくって死んだゴキを食べてしまったっけ。クリスマスに1人と2匹でチキンを分け合って、いたちたちに喜ばれたのも思い出です。

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2013年8月19日。うちにきて1年、およそ2才。フェレットは暑いの弱いので。

今回は埋めるのが忍びなく火葬したので、骨になってしまいましたがそばにいます。ほとんどが本当に細かい小さい骨でした。ひげとか火葬したとき出てきた犬歯とかは取ってあります(霊場でお守り袋があって買いました)。お葬式は生きているもののためにあると前から思っていたけど本当にそうで、少し気持ちが和らぎました。最近は形見を入れるペンダントまでありますね。

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春の花、これはお供え用で濃いピンクのなでしこも入ってます。一緒に買ってきた花でミニ花束を作ってお棺へ。

亡くなった後の顔は本当に安らかで、その前に本人にも言っていたのだけど「もうすぐ苦しくなくなるよ」と。でも写真の整理などしていると、まだ若くて毛もつやつやで元気いっぱいで、あの姿はもう帰ってこないのかなあと思うとさみしいです。享年はおよそ6歳半です。

化けてきてもらうのは、今までのフェレットや猫も同様大歓迎です。

残されたりりは、できたら4才になる前に血液検査をかっちりします。今回これが一番の後悔だったので今後は同じようなことがないようにしたいです。あとは50mlのシリンジは大きすぎるので、5mlとか10mlのを揃えておきましょうかね。