プチプラ化粧品と美容院シャンプー。

ヨシダヒロコです。

化粧品翻訳始めて1年経って、大分知識も増えました。

とは言っても、普段はオルビスの基礎化粧品(前にTwitter翻訳者さんに影響され、同じく通信販売自然派のファンケルから鞍替え)くらいしか使っておらず、いろいろ変えた結果いまは美白化粧品に落ち着いています。肌色が明るめでシミが気になるから。普段Yahoo!で業界ニュース、商品情報を読んでいますが、「アメリカでは『美白という化粧品はない」と読んでなるほどと思いました。いろんな肌の色の人がいるからですね。

化粧品の値段はピンキリですけど、高いものは持ってなくて、基礎化粧品はケチケチせず使いたいため1000円台です。身内でポーラ(訪問販売で高いらしい)を使っている人がいて、ある時自分の持っていたケミカルピーリングのラベルを見たら「ポーラ・オルビス」と書いてあって、いつの間に合併した?と驚きました。今いろんなメーカーが安く買えるブランド出してるんですよね。ファンデーションなどはもう少し高いものもありますが、基本的に外出が少なく使わないし。洗顔石鹸は薄い化粧が落とせる石けんで安いですが気に入ってます。今度石けんの話書きたいです。

その中で、いわゆる「プチプラ」の化粧品が気になるので、少し買ってみました。サンプルいろいろもらったり、色の付いたものは使う頻度少なくてなかなか減らないので、普段よく使いそうなものを買いました。

パッケージ買いしたMAIKOHANの紅。苺の色でも真っ赤にはなりません。最近よくある、チーク(頬)とリップに両方使えるもので、横にあるBBクリームと使うとすぐ化粧が終わります。10分のところが5分くらいとか。チークはいいけど、右のうるおうエテュセ(ettusais)の薬用リップエッセンスを下地に使っても、この紅は後で荒れるかも。きちんと地から塗り直せば違うかもですが、リップでもわたしの地の色のせいか、真っ赤にはなりません。

2016-03-19 16_Fotor

薬用リップエッセンスはもともと、もう店頭からなくなりかけですがスヌーピー柄の限定で出てて、使ってみたら付け直しの数が減って驚きました。なので2本目を用意。冬は特にリップクリームをすごく使います。BBクリーム(ここではジェルですが、1つ塗れば基本の化粧ができてしまうもの)がセットでついてて安かったので買って、BBはしみも消してくれるしくずれる気配がないし(夏にならないと分かりませんが)便利なものと知りました。ちょっとその辺に出るときに便利かと。エテュセにはオムもあるので、最近増えている男性ユーザーにも対処してます。ニキビ対応製品が多く、リップエッセンスもあります。プチプラは雑貨屋さんにコーナーがあるんですが、男性用は見たことがないですね。男性用化粧品はまれに仕事が回ってくることがあるので気にして見てます。

化粧品の使い心地は全く人によるので、特に敏感肌の人はご注意を。わたしは普通です。

可愛いので仕事に協力してくれた外国の友達にあげました。普段の手入れは大切なので、今後は日中用のUV対策をもうしておこうかなと思っています。

同じく普段の手入れが大切なのが髪ですが、去年から髪の毛が爆発して美容院変えて、前髪にストレートパーマかけてもらってどうにかしたり、市販のシャンプーで髪がうねうねしないものを探したけどダメで、結局こういうの初めてなんですがコタアイケアという美容院シャンプーを買って使っています。これだと割とまっすぐになってくれます。パーマもカラーも今まで大してしてないのに「難しい髪質だからしない方が良いわ」と美容師さんに言われ、トラブルはいい年になったせいもあるのかもしれませんが、もう黒髪ストレートで行こうかと。シャンプーは高くても、たまーに切りに行くだけなので意外とコストはかかりません。Amazonなどに売っているのは現行品ではないそうで、何を入れて売っているか分からないので気をつけて、と。シャンプー、コンディショナーとも何種類かあり、美容院で髪にあったものを選びます。

余談ですが、特に女性翻訳者で居心地のよい美容院の選び方が難しいという話があるようです。変な時間に行きますしね。

もちろん市販シャンプーでうまく行ったらそれでいいのではないかと思いますが、わたしの場合髪に優しいはずの界面活性剤成分でもうまく行きませんでした。男性で、(同居していたりする場合)女性用を使うと皮脂量が違うらしいので気をつけて。これも本当に合う合わないがあるらしいので使ってみないと分からないです。

その他、石けん、練り香水など少しずつ探しているのでまた書きます。

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ひたすら楽しいエンタメ『校閲ガール』。

ヨシダヒロコです。

北陸はここ2日寒くて風邪気味になってしまい、ついでに重なった睡眠不足も解消しました。4月に雪が降るのも珍しくないので、いい加減寒いのも終わりにしてくれないかな(しばらく暖かすぎたので尚更)と思います。

この本は大分前から本屋に取り置きしてもらって月頭に買い、可愛らしい装丁もあって夜に少しずつ読んでいましたが、眠くて進まず。後半はテンポがよくてすぐでした。本を読み慣れた人なら正味2時間くらいではないでしょうか。楽しくて飽きさせません。ついでに校閲部を見たような気にもなります。

校閲ガール

宮木 あや子

KADOKAWA/メディアファクトリー

2014-03-14

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ヒロインの河野悦子(コウエツ…)は学生時代ファッション誌をバイブルのように読み、その編集者になりたいとお嬢様大学から出版社に入社しますが、校閲部に回されてしまいます。しかも自分が全く読まない文芸。

一般に編集部は出版社の中では有名ですが校閲部は知られておらず、その存在すげーと思ったのはこのツイートが人気だったことがきっかけです。多分長いことぐるぐるリツイートされているのでしょう。

悦子には同期が2人いて、ファッション誌編集の森尾、文芸編集の藤岩。藤岩は服装が垢抜けず東大出身という設定ですが、後でこの設定が効いてきます。他に、受付嬢今井、悦子が担当したエロミス(エロミステリー)の大作家である本郷、その編集である貝塚、校閲部同僚のオネエっぽいような米岡、悦子の部屋の下に住んでてよく上がり込んでくる加奈子、上司のエリンギ(似てるから)。

この本では作家は出てきますが、本来、本文中にもあるように校閲は作家と交渉がありません。それを踏まえた上で、作家やその奥さんも含めてドタバタしたり、社員同士は「あんた」とか「ゆとり」呼ばわりで言いたいこと言うし迷惑は掛け合うし、それでも基本的に嫌なやつはおらず会話もポンポンと面白く読めます。謎解きの要素もあり、いろんなことのXデーがバレンタインに向けて進んでいきます。

悦子は毒っ気のあるユーモアの持ち主らしく、吹いてしまう箇所がたくさんありました。周りの同僚なども一癖も二癖もありそうな人ばかりで、でもなんだかんだ言いながらやっていってます。この職場、悪くないよなと。

とはいえ、最後の方に悦子に思わぬ初仕事(チャンス)が回ってくるときの編集さんがボロボロで、一瞬自分の業界を思い浮かべました。

わたしには悦子のような観察眼の鋭い、おしゃれなタイプの知り合いはいないので、ひとり知り合いに欲しいなあと思ってしまったり。ともあれ、本に関心のある人、読んだり書いたりが好きな人は読んでおいていいと思います。続編が出ているので、是非読んでみるつもりです。3ヶ月前に出たばっかりです。

校閲ガール ア・ラ・モード

宮木 あや子

KADOKAWA/角川書店

2015-12-18

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ちゃんとした校閲の本は、まずこれを買いました。ぱっと見ましたが普段からものを書くのにためになりそうです。

朝日新聞校閲センター長が絶対に見逃さない間違えやすい日本語

前田 安正

すばる舎

2014-03-15

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和む本(2)―パンクで楽しい短歌本『ビットとデシベル』。

ヨシダヒロコです。

夕べ(いろいろあってほぼ朝)まで食物やサプリ関係のお仕事してました。3月はヒマ目で、そのせいか沢山本を買いました。

ビットとデシベル (現代歌人シリーズ)

フラワーしげる

書肆侃侃房

2015-07-07

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

この本はフラワーしげること西﨑憲さんの短歌集ですが、去年出た頃から気になっていました。短歌は俳句より好きですが(あんまり短いと書くのが難しそうで……)古典作品に出てきた男女のやり取りが趣きあると思ったくらいで、現代のものは読んでません。詩歌では詩が一番好きですし、ここにも少しエントリあります。

この本は、ツイートから流れてくるお気に入り作品を見ると、何だか短歌じゃないみたいで。いい意味でなんですが。実際買ってみると、西崎さんはご本人も長年同業者だし翻訳書も読んでるしそこそこ存じ上げているつもりだったですが、全然知らないどこかワイルドな、どっか抜けた「おれ」がいて。夜中に歌集読んで爆笑していました。ご本人を知らなくても何か可笑しいと思います。フラワーしげるってまず何よ?と思います(たしか著者は「なんでそうなったか覚えてない」とツイートしてた覚えが)。脱力することこの上ないです。

もう五七五とかなくて、短い詩のようなんですが多分短歌と言えば短歌なんだろうと。

実験的という意見もあるでしょうけど、わたしが以前ギリギリで単位取れなくて次こそはと思っているこのアメリカ現代詩とか、いろんなことしてますよー。

Modern & Contemporary American Poetry (愛称ModPo)

10ほど気に入ったのを挙げます。
*****

明日の午後このカフェで事故が起こりますと書いた紙を置いて出る
犯罪ではないと思いながら

まず謝らなくてはむかしの恋人に会ったらすまない禿げてしまった

2040年の夏休みぼくらは懐かしいグーグルで祝祭を呼びだした

おれをみろおれをわらえすっきりしろおれはレスラーだ技はあまり知らない

夜の回送列車ゆっくりと過ぎひとりで乗っている死んだ父

元気でいてという願いはぼくのわがままで 積乱雲の切手はる

遠景になればきっとさびしくはないはず おれは早く遠景になれ

比喩でなくおれのあそこは小物でしかし普段はあまり差しつかえなく

じゃあ、成功した友人を憎んで失脚させたいと思ったことのある人は
用紙に○をしてください

ここから先の歌はくだらないので読む必要はない

******

これをどう形容するかと考えていましたが、「パンク」というのが一番かと。わたしはパンク全盛の頃のパンクをそんなに聴いておらず、今頃グリーン・デイとか聴いていますが、その精神は多少は分かっているつもりです。ご本人も「みんな考えすぎなんだから、この本でも読んで気を抜いたらいい」という意味のことをTwitterの会話でおっしゃってました。そろそろ残部が少ないそうなので、欲しかった人、興味持たれた方はお早めに。

写真集が多くなりそうですけど、ぼんやり眺められる本を見つけたらまた続きを書きます。

新書『翻訳百景』で、翻訳の海に戯れる。

ヨシダヒロコです。

ちょっと前に買ってあったのですが、夕べ1時間読んで今夜は一気でした。

翻訳百景 (角川新書)

越前 敏弥

KADOKAWA/角川書店

2016-02-10

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いい本読んでると途中で考え事して時間をロスすることがあるのですが、楽しい約4時間でした。わたしは本の中のイベントに一般読者として関わっているので特に面白かったですが、翻訳者・通訳者などはもちろん、それらに興味がある人、言葉に興味がある人、ミステリーなどの読者、何だか分からないが越前先生のファンなど、事前知識がなくても楽しいのではないかと思います。

わたしは先生と同じくむかしNifty-Serveの会議室にいて、いた場所は違いますがミステリーのメルマガに関わっていたことがありました。初めて読んだのは高校の時のホームズで、北の方へ夜行列車に乗って受験に行くときも持っていきました。その頃、グラナダ編のホームズをやっていたかと。カンバーバッチ版は好きですが、全部見終わっていなくて、いい加減行かないと映画も見逃しそうです。

20代の頃にキングなどと並行して海外ミステリーを読んでいたのは、Niftyの影響だったと思います。あの辺には今も文芸系で活躍しているすごい人がたくさんいて、でもそっちに行く気はあまりありませんでした。10年ほど前に短い結婚をして、文字通り北陸に逃げ帰ってきて、しばらくは人が死ぬニュースも見られずミステリーも読めず、色々と使い物になりませんでした。今は、金沢読書会があると知って申し込みメールをすると「吉田さん一番乗りですね」と返ってきます。(2016/05/31追記:ミステリーの)読書量は少ないですが、読書会で貴重な本との出会いをしていると思っています。読書会での自己紹介にはフロストシリーズとクレイグ・ライスの作品(どっちも何かユーモラス)が好きと書いています。その方向だとジーヴスとかも興味ありますが、バッドエンドも嫌いではありません。

この本は越前先生の本ということもありますが、去年した仕事の中に文学的センスの必要なものがありクライアントからダメ出しを食らってしまったのです。考えてみたらしばらく文芸系の本は数が読めてないし、堅苦しい翻訳になっていたのかも、という理由もあって読もうと思いました。その期待は裏切られませんでした。

それで、こう書くのもおこがましいですが、越前先生とはいくつか共通点があります。

出身地が似ているのはまあ置いといて(北陸出身は少ないです)、

1.塾教師の経験がある。「うちでやらないか」と言われたことあるのですが断って、家庭教師が多かったです。今は流行らないらしく、みんな個別指導になっていますが。受験の面倒も見たし、お家の台所借りて、理科好きの子にちょっとした実験をしたりしました。頼まれた科目はなるたけ面倒は見ました。確かにあの手の稼業は体に悪いです。同業者で翻訳と両立していたり、過去に経験がある方はいらっしゃいます。

2.1.にも少し関連して、大病をしたことがある。わたしの場合は死ぬかという病の結果、なりたい仕事に向けての勉強継続ができなくなったのですが。今も調整は必要ですけど、そういう経験をするとダラダラ生きてるのはもったいないかな、と思うかも。病気をして今の仕事に変わったという同業者を他にも知っています。

3.英検、TOEICについては同感です。10年ほど前に1級と900点台を目指し、1級の方はあと1点などで落ちることを繰り返しました。産業翻訳では登録の際に聞かれることが多いので、あって邪魔になるものではないのですが、翻訳に必要ではありません。準1級は「何となく」大学1年でとって翌年ごく短期でイギリスに語学留学したら、あまりにも何もできなくて鼻をへし折られました。へし折られ体験というのはいいことだと思っています。最近別言語でとっている資格は、もちろんその後の目的があるのですが、勉強して上達する過程も楽しいものです。

まず先生のブログは、「本当は書きたかった」と後書きにあったSixwordsの辺りで知りました。例の文法本も出た頃では。Twitterでいろんな人の6単語詩が流れていました。

そんなこんなしているうちに、『翻訳ミステリーシンジケート』が始まって、調子を見て読むようになり、そのうち金沢読書会ができました。先生の講演が2012年で、2013年最初の第1回金沢読書会の課題本が先生を迎えた『氷の闇を越えて』でした。昔、銃で殺されかけた私立探偵の話。引っ張り出してみて思い出したけど、『解錠師』と同じハミルトンの作品、売れたためデビュー作が新訳されたのでしたっけ。『解錠師』も本の中に出てきますが、残念ながら積んだままです(『翻訳百景』読んでると読みたくなるのですが)。その後もう1回くらい金沢にいらして、東京のミステリー関係の集まりでも偶然お会いしました。

翻訳ミステリーシンジケート  http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/

以下、面白かったところや気に入ったところをばーっと挙げます。

 文芸翻訳の仕事

小説を訳していると言うと人に珍しがられる。これは産業でも同じなのですが、「翻訳者が聞かれるあるある」です。Twitterでよくこぼしてるのを見るのは「英語ペラペラでしょう?」でしょうかね。わたしも聞かれます。翻訳者以外の人は、「こういうことはどうして言ってはいけないか」「どうして的外れか」という参考にして欲しいです。

すぐれた編集者とは

産業分野ではプルーフリーダーやチェッカーですが、うまく間違いを指摘するのって難しいですね。変換間違いレベルのが放置されたりしていると、わたしも「かろうじてですます使ってる(けど[怒])」になってしまうかも。同じ間違いを何回もしているときがあって、辛抱強く「前にも言ったけどもう言わないからね」みたいに指摘してもらえるのはありがたかったです。ここ2年くらいで直される経験をたくさんしました。ついでに書いておきますが、訳文を人にさらすのは大事だと思っています。ギャラリーはできるだけ多い方が良いです。

翻訳書のタイトル

どうやって決まっているか例を挙げて書いてあります。知ってる本だと面白い。先生の訳書は全部対訳形式になってリストがあります。

『ダ・ヴィンチ・コード』関連:

全体の1/4を占めます。ダン・ブラウン作品は『ダ・ヴィンチ・コード』を読んだのと、金沢での講演会『翻訳百景』(最後にメモを書き起こしたリンクあり)でパロディの話をお聞き したくらいですが、調べ物や造語の訳や、最新作『インフェルノ』で欧州系翻訳者が遭った罰ゲームなど、全く読んだことない人でも楽しいと思います。楽しくてためになって、その後じっと手を見る感じ。

全国翻訳ミステリー読書会

敷居が高いとお思いの方もいるでしょうが、課題本読んで、感想は何言ってもいいです。第1回読書会で、金沢ではヒーローと訳ありの女性を指して「ああいうきつい女性はごめんだ」といった人がいましたから。本をネタにして好きな話をするという感じでしょうか。ここに出てくる福島の読書会にも、脱線した結果『翻訳ミステリーシンジケート』のアクセスがすごいことになったとか、この話から来たのかと分かりました。SNSでの先生はラーメン店開拓に余念がないですね。金沢にも他県から来ます。

読書探偵作文コンクール

この子供向けのコンクールは存在しか知らなかったのですが、ここまで盛り上がっていて、こういうレベルの高い応募作品が来るとは知りませんでした。

『思い出のマーニー』翻訳秘話

ジブリの原作本を大人向けと子供向けから同時に出して欲しい、3ヶ月の所を1ヶ月でという依頼。こういう突貫作業、他の所にも出てくるんですがさすがにこの作品のときは「やまねこ翻訳クラブ」(Niftyが元になった児童翻訳本愛好クラブで、たくさんデビューしている)の方が協力してくれて。作業の様子が見られます。『マーニー』は大人向けのを今持っていて、優先順位が高めです。これも本に収録できなかったそうですが、クイーンも突貫があったそうです。

ことばの魔術師 翻訳家・東江一紀の世界

わたしにはミュージシャンなどで、訃報に接して初めて「すごい人だったんだ」ってことがよくありますが、短い訳文から「魔術師」であったことがよく分かります。去年亡くなった翻訳者さんで、追悼イベントがたくさん組まれていたし、『ストーナー』が日本翻訳大賞の読者賞を取って興味を持っていました。遺作でした。今わたしがブログで書きかけている、ニュートリノの実験物理学者・故・戸塚洋二先生は「死んだら人は消えてしまうのか、どうなってしまうのか」ということをずっと考えていたそうです。最近思うのは、その人のことを懐かしむ人がいる限り、または業績を上げた人なら本の中などで生き続けるのだろうなと。東江先生の略歴・業績・名訳集はブログ『翻訳百景』でダウンロードできます。ざっと見て、長く患われたんだなと思いました。

最後に、『翻訳百景』が太宰から来ているとは知りませんでした。わたしは高校教科書で読んだのですが、作品たくさん読んだわけではないけど珍しくすがすがしくてこれも良いなと思いました(その頃は『女生徒』が好きで、今は『斜陽』が面白そうかと)。

越前敏弥先生講演会「翻訳百景」@石川県立図書館(その1)(2012/10/7)。

越前敏弥先生講演会「翻訳百景」@石川県立図書館(その2)(2012/10/7)。

越前敏弥先生講演会「翻訳百景」@石川県立図書館(その3)(2012/10/7)。

東京・大阪では定期的にやっているイベントなので、行ってない人は損してます。是非。

医薬翻訳者もマンガ『コウノドリ』読みましょう。

ヨシダヒロコです。

先月のことですが、あるエージェントから精神科CIOMS(副作用報告)のお仕事を頂きました。思いがけないことで、ちょっと無理して受けたのですが、エージェント所定の登録フォームに記載したか覚えてはいません。ただ、日頃からやりたいと言っていた受診科の1つで、自分がかかっているので「希望は書いておくものだ」と思いました。ただ当事者なら誰でも有利かというと、ある程度病状コントロールができないと、この分野を当事者が訳した場合余計なことを思い出すかもです。

それで、ドラマ『コウノドリ』は全部録画して、放送終わってからしばらくして原作を買い始めました。日曜日に読んだ分で9巻までになります(現在コミックスは12巻まで)。妊娠・出産経験なし、婦人科のチェックアップはなにもなくても年1回ほどですが、処方薬で生理が止まって困った程度です。なので、身内の経験しか知識がなくて。

実は最初に書いた仕事の中に、妊娠第何週がという言葉が出てきてちょっとググったのです。その時は6巻ぐらいまでしか読んでませんでしたが、後の方に予定日とは何か?ということが繰り返し書いてありました。わたしにはたまたま身内で大幅に遅れた例(2週間なので帝王切開だったかと)がありましたので、遅れることもあるもんだとは知っていたのですが、狙ったように産まれてくるものだと思っている男性もいるかもしれません。

考えてみればこのマンガもモーニングの連載で、読んでいるのはどっちかいうと男性が多いのかも。男性向け漫画誌でこういう連載をするのはすごいですね。サクラのモデルの先生は最近こんな本も出してます。本当にミュージシャンでもあります。この本も読みたいウェイティングリストに入ってます。見出しが関西弁だし語り口が面白そうなんですよね。

嫁ハンをいたわってやりたい ダンナのための妊娠出産読本 (講談社+α新書)

荻田 和秀

講談社

2015-10-21

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

見出し

http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062729130

モーニングの『コウノドリ』サイト。絵の感じとか見られます。

http://morning.moae.jp/lineup/147

マンガでは悲しい話も結構多いのに次の1巻が読みたくなるのは、特に先生方やスタッフが皆熱心なのと、妊婦さんなどにも嫌な人があまりいないのと、医学的なところは台詞が説明的なのはしょうがないとして(実際のお医者さんもそうですし。婦人科にはそんなに行きませんが)、登場人物の心理描写が丁寧なのがいいのかなあ、と。心に残ったのはNICUの話です。未熟児って大変だなあ、それを医師監督の上とは言えドラマに出したのもびっくりでした。ドラマにもあった気がしますが、遺伝子異常などで余命がない赤ちゃんをその現実を受け入られない親御さんが段々受け入れて、沐浴させてあげたりしながら「かわいい」といったりするシーンはぐっときました。

わたしが産科に興味を持ったのは、10年ほど前に医療ミスとかいわれ、自分の知る限り2県ほど産科医療が壊滅的な打撃を受けたためです。このマンガ読んでると再確認できるのですが、医師がベストを尽くしてもどうしようもないことがたくさんあるのに。

萩田先生も上記の本の前書きで書かれてますが、「いきなりイクメンとか言われて戸惑っている」男性も多いだろうし、大体子供が宝なら、その子らを助ける産科医、新生児科医、小児科医などはやはり宝でしょう。前に聞いた話だとなり手少ないようですが。こういう漫画が書かれたことで、「とても大変な仕事をしている」ことがもっと知られて欲しいし、とくに医薬翻訳者さんにはもっと知って欲しいです。本当にいろんなケースが出てきてますから。

(2016/03/15 8:45追記:もともとこのマンガを知ってに興味を持ったのは、Twitter医師たちが褒めていたからです。実際、産科でネット上で問題になっているようなことがよく取り上げられていて、特に助産院で自然なお産をするか?のまとめ方が見事でした)

和む本(1)――『世界ネコ歩き』(追記あり)。

(2020/12/19追記:これ書いたの随分前で、大学院科目の生物学取る前だったかと。今では岩合さんのお仕事は見ていませんし、ブログエントリも引っ込めたのがあります。これは初回なので出しておきますが、見なくなった理由は岩合さんが生物多様性を理解しているのか?という意見を見たので。猫を長く可愛がった身ですが、そばについて散歩する子でない限り、次に猫と暮らすことがあれば室内飼いにします。番組中で津軽のリンゴ農家の子猫も車に轢かれてました。命は取り留めたけど)

ヨシダヒロコです。

伊検が終わってからぐったりしていたこともあって、確定申告が15日までに間に合わない可能性が出てきました。ただ、青色申告の65万控除は昨年度ありえないので、無理しないようにやります。

さて、本屋にとってもらってた(ほとんどはe-hon)本を土曜に引き上げ、本屋にあった本で欲しかったものも買ってきました。今日はそのうち少しだけ。

去年自律神経の調子が悪いかな?と思ったときに、何かのんびりできる読み物というか本もあるべきだと気がつきました。交感神経優位ばかりだと休めないし。和む本ないわけではないのですが、もう2回は読んでたり、いいのがありませんでした。

なので、写真のお勉強も兼ねて前から欲しかったこれを買ってきました。岩合さんのことは10年以上から知っていて、猫や犬のカレンダーで有名でした。それも猫だとでかいノラなどを迫力たっぷりに撮る。
番組は2012年に始まったそうですが、2013年くらいから見てます。猫は大人になると少しはゆったりとしますが、まだ若くて遊びたがっている場合、特にこんな風にファインダーに収めるのは難しい。いまうちには猫はいません。わたしが面倒みてるフェレット2匹のみです。でも、一番長く一緒に過ごしたのは猫で、その年数をフェレットが毎年おっかけている感じです。フェレットも本気出して遊び始めると、写真で追っかけるのはとても大変です。

岩合光昭の世界ネコ歩き

 

岩合 光昭

クレヴィス

2015-03-23

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

最近の猫は室内飼いで、車に轢かれることを考えたら賢明と言えるのでしょうけれど、この番組のように森の中や街中を自由に歩く猫は魅力的です。うちの猫も止めても日課の散歩に出ていきました。

本は岩合さんの一言コメントが付いており、可愛いのが撮影した猫の名前が付いていること。飼い主がいると「この子はなんて名前か」と聞くのですが、オランダ編だったか、「プラリーネ」と向こうでは皆が好きなチョコの名前を付けられている子がいて。夕べ本見てて、あっ、プラリーネちゃんだ!となりました。他にシチリアで、食べ物屋さんあちこちに顔を出して違う名前で呼ばれて「可愛いね」とちゃっかりごはんもらってる猫もいたっけなあ。スペイン好きのFBグループで、マドリードだったか本屋に黒猫がいるのですが会いに行った人がいました。

『ノルウェー』『スコットランド』、昨日見た『ハノイ』日本では他に知らないんだけど『津軽(前編・後編)』が特に好きです。日本では愛媛の青島(猫島)など瀬戸内でも撮っているらしく、本にも沖縄のページがありました。

おもしろかったので津軽の猫ファミリーを撮った『ふるさとのねこ』『コトラ、母になる―津軽のネコの四季物語』(後者は活字)もそのうち買います。写真集はきれいなのが何冊か欲しいです。

イタリア語検定準2級受験@金沢&サルヴァトーレ・クオモ金沢片町店(2016/03/06)および伊検採点(03/08深夜)。

ヨシダヒロコです。

伊検の解答もうネットに出てますので、寝ようと思ってましたが採点してアップします。

試験前うまく眠れてなくて、毎晩のように眠剤(長期処方)飲んだ後もお布団で文法書を開いて、進まずに寝落ちして「いつ寝たんだっけ?」となってました。前回書いたエントリのあとは過去問を1回分、作文は先生に添削してもらって、1時間の長いSkypeレッスンで準2級に面接はないけど喋るレッスンをしました。考えてみると言葉が出てくる瞬発力に役に立ってる気がします。

試験の日はいきなり10度くらい気温が上がり(3月に最高約20度)、しばらく外に出てなかったので加減が分かりませんでしたが薄めの格好をしていきました。わたしのように持病のある人は試験官に話しておくといいです。準2級の受験者はたったひとりで、途中暑くて耐えられなくなったので(窓がはめ込みで開けられない)、手を上げて許可を求め、肌着を脱いだら涼しくなりました(こういう場合も外には出られません)。持病の頭痛が起こる可能性も、暑いし別の持病の副作用でやたら喉が渇く可能性もありましたが、後者は水のボトルを出してOKでした。ただ健康な人は許可されないと思います。

準2級の試験時間は2時間で、見直しも入れてまあちょうどでしたが、どの級でも時間の余った人は帰っていいそうです。

ちなみに会場はこんなビル。新幹線が通ってから初めて受けたので、路線バスでも観光客らしい人が。金沢への電車の中では最後の確認をしました。接続法は過去問でさらっておきましたがおかげでちょっとは抵抗なかったかも。

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北國文化会館

3級のときはリスニングで点数を稼いだのですが今回は準備段階でなかなか難しく思われ、過去問に手を着けたのも遅かったので自信なかったです。文法もしかり。リーディングと作文が、前回合格してから1年の間に楽になってきていました。日伊学院の通信講座を受け、まだ4割しか提出していません。

準2級リーディングの出典は、協会に確認した上で「むしろ出典を出してください」と言われたので、これです。パネットーネとパンドーロの違い。パンドーロはこの辺でも売っているパン屋さんあります。ぱっと見どう違うか分からなくて、不思議に思っていました。ネットにはこの2つを比べた文章がたくさんある様子。

Pandoro o panettone? La dolce sfida del Natale

気になっていたことを試験問題解きながら解決した感じで、しかも似た内容の話を年末頃に偶然わたしが選び、Skypeレッスンでやっていました。食べ物の話は本当にこの試験には欠かせないです。レッスンでやったのはこれ。よく先生とイタリアや日本の食べ物の話をしています。

La lunga strada dai Tre Grandi Pani medievali al Panettone

作文はこれです(協会に電話しましたが、試験問題丸々引用とかでなければあまり四角四面にしなくとも、というような回答でした)。3級より字数が増えたのは全然構わなかったのですが、それは練習していたから。多少字数が上下していてもいいらしいです。「ピクニック」が分からなくてもごまかす度胸が付きました。通信課題などでは平和・楽しい感じで終わらせる課題もあれば(今日はとっても楽しかった!など)、今返ってくる途中の、ホテルのドアを開けたら何か事件が?みたいな課題はとても不吉なラストにしました。イタリアらしく家族間や恋人同士の愛情は強調します。イチャイチャしているカップルもよく作文課題に登場し、本番にまで出ました。食べ物では、何かしらのケーキやジェラート出現率が高いです。あとパニーニ、コーヒーも。

 

CCI20160307

 

そんな訳で、今、HPに出てた解答を見て作文以外の答え合わせをしました。%付きです。おおむね7割が合格ラインらしいです。 文法(筆記Parte IIまで)が全然できておらず、リスニングは全く聞くだけで設問が印刷されてないところがあり、その4問の答えを転記していませんでした。過去問でこれはどういうことだろうと思っていたのですが。

文法で考えたあげく回答を変えて失点したのが2ヶ所、リーディング(筆記Parte III)の失点2点はケアレスだったので満点取れたはずなのに残念です。作文の結果はまだですが、どう考えても今回は(予想を下回る出来だったかも)不合格なので、また勉強します。

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さて試験後、秋にできたサルヴァトーレ・クオモでごはんや買い物などの用を済ませました。

このピッツェリア(ピザ屋)は、ピッツェリア自体金沢に増えてる気がしますが古いファッションビルを壊して建て直したビルに入っており、金沢に行く用はあっても最近まで寄っている時間がなくて。ピザは「ロマーナ」という、トマトソース+バジル+ケッパー+アンチョビ+ニンニク+チェリートマト(フレッシュ)+オレガノ+モッツァレラで、具が好みなうえにフレッシュトマトが新しく、特にニンニクの香りがおいしそうでとてもよかったです。HPで見ると富山県内にもありましたが、自分はこっちの方が便利かも。メニューは地元の特産品を使うので地域によって違う場合があります。確かに何かに付け本場と言われるナポリピザというだけはあるなあと思いました。ランチがお得そうなので、他のものも試してみたいです(ポルチーニとか)。

日曜夜だったため多少待たされましたし、ウィークデイはまだ空いてますが週末は貸切が入る場合があるそうです。夜は予約がベター。わたしの先生(金沢好きなナポリ人)が「金沢にできた?知らなかった」と言っていたので、おいしかったと教えてあげようと思います。

写真を多少撮ってきました。お客さん割と入ってましたが、そこは撮ってません。というわけで、「お疲れさんでした会」も済ませました。

次はスペイン語にシフトしますが、イタリア語検定もちまちまやります。

Trados Studio 2014で初納品&トラブル。

ヨシダヒロコです。

Studio 2011は去年くらいからパッケージをもらい、それを訳して納品などの形でだんだん慣れてきてました。この本は2009向けですが、2009を持っていなくて2007→2011→割とすぐに2014となったわたしでも(2016/08/10追記:2006から使っていたことを思い出しました)、トラブルが起きてから見たら参考になることは書いてありました。ただ、基本は学べるけど通り一遍なんですよね。この本はもうAmazonにはなく、下の2011、2014が売ってます。2009は著者のサイトにまだありますね。https://www.frentopia.com/shop/
Studioは結構共通しているところがあるけど、それ以前からすると大分違うと聞いていて、触ってみると本当に違ってました。

即効解決 SDL Trados Studio 2009

佐藤一平

Frentopia

2014-04-15

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

SDL Trados Studio 2011 基本の「き」

佐藤一平

Frentopia

2014-09-15

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

 

「SDL Trados Studio 2014 Reference book」PDF販売スタートしました

Sdl Trados Studio 2014 Reference Book

Ippei Sato

Ippei Sato

2014-12-30

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

2014案件を2011で秋からやっていたのですが、なぜかというと2014は6月に販売期限ギリギリに買って持ってはいたものの、慣れてから移ろうと思っていました。しかし先月、エラーは2014にすれば直ると翻訳会社に言われ。電話で話したため具体的によく覚えてないのですが、訳語検索をした場合とメモリを調べた場合で結果が違う(パーセンテージの設定のせい?)がきっかけだったと思います。Tradosの部署があり、そう言ってきました。あと2014のパッケージを2011で開くといちいちウィンドウが開くのです。なので時間つぶして2014インストールして。

その案件は訳語検索に難があった(クライアントがメモリを一新したせいもある)他は何とか調べて、双方の事情で納期が伸びましたが今までどおり提出しました。

問題は、もう1件Word(.docx)でもらったマニュアルの翻訳です。繰り返しは16000ワード中1400ワード以上あり、マニュアルだしと思って2014でプロジェクトを作って翻訳しはじめました。カウントが間違っていたかもしれず、ファジーマッチなどもっとあったかも。

時間がなくてスパートかける中で「これはもとのWord原稿に戻せるんだろうか」と嫌な予感がし、試してみると、「訳文で保存」はできないし「プレビュー」もできないし、まずいことになりました。Facebook上のコミュニティに書いたらコメントやメッセージで教えてもらったのですが、図解の入っているファイルでは訳文生成がどうしようもないことがあるらしいのです。

訳了後にメモリをエクスポートしてXbench(使いたいと思いながら初めてダウンロードしましたが、無料版で十分だそう。ある方のブログでは有料版の方が質が悪いそう)で開いてみましたが、画面が真っ白になってしまい、そんな経験したことないと翻訳者さんにいわれ。他にプロジェクトを作り直すという方法もあったらしいですがうまく行きませんでした。

連絡は入れていましたが、あまり遅れても何なのでプロジェクトファイルを先方に送りました。パッケージにしなかったのはその時までわたしが理解していなかったせいで、実際そのプロジェクトファイルではパッケージが作れないことになっていました。上で挙げた本もそういうわけで訳に立たず、最終的にコピペしかないかもと思ったら本当にそうなって、こちらが寝てなくてへろへろだったし、コピペは翻訳会社側の誰かがしてくれました。日本語の分からない人がやったらしくて日本語が正しいかチェックして下さいと言われ納品という形でした。

この手のファイルにはStudioはダメなのかもと。去年の初めくらいまでTagEditorとか結構使っていましたし、いじっていいはずのタグを触ることがありましたが、訳文生成せずに納品ということが多かったのです。だから訳文生成ができないと知って本当に焦りました。

今回の仕事について自信はないですが(仕事が粗すぎました)、類似の仕事が来るようでしたら他のツールを考えなければと。WordfastとMemoQは、ボヤボヤしている間に試用期間が終わってしまったのですよね……。MemoQはいま2015が試用できることが分かりました。試用の段階でもサポート親切でした。マルチバイのためだけにProZに入っています。周りでTrados以外のツールを選ぶ方いますね。

この不具合、PCの挙動にいまいちなところがあり、何か関係があるかもしれませんが……。

スケジュールに問題ありと思った方、まったく言い逃れはできません。また改めてその辺を書こうと思います。

NHKの震災復興番組『明日へ』を見てます(追記あり)。

ヨシダヒロコです。

震災関連番組はたくさんは見てこなかったのですが、見だしたのはたしか1月頃からだったと思います。5分1分、60分その他のバージョンがあるようです。淡々としたドキュメンタリーで、そういうのを作れる日本の番組はNスペなど大御所以外のNHK、民放ではBSにあると思いますが地上波にあったら教えて欲しいという感じです。

『明日へ』は被災者や支援者へのインタビューを主に作られており、例えばこんな話がありました。

http://www.nhk.or.jp/ashita/bangumi/archives/

1.震災後現地入りして演奏したピアニスト。「自分なんかが何の役に立てるのか」と思っていたけれど泣かれんばかりに喜ばれた。それで中古などのピアノを被災地に寄付する活動を始めた。そのおかげで、ピアノが津波に流された保育所などでもまたピアノが弾ける。お礼の手紙が来て、「ピアノのおかげで音大に入れました」

これは『あの日わたしは』という5分番組で、こんな感じ。

あの日 わたしは 〜証言記録 東日本大震災〜
宮城県仙台市 庄司美知子さん

宮城県仙台市のピアニストの庄司美知子さんは被災地にピアノを送る活動に取り組んでいる。庄司さんは震災翌月に演奏を依頼を受け、南三陸町の避難所を訪れた 時、「ピアノを弾きたい」という少女の言葉が気になっていた。その後「被災地へピアノをとどける会」を立ち上げ、全国から寄贈されたピアノなどを被災地に 送る活動を始めた。庄司さんたちが届けたピアノの数は400台以上を超え、庄司さんたちの元へは、ピアノを贈られた人々から、たくさんの手紙などが寄せら れている。

2.これはとても悲しい話。岩手県釜石市。津波での死者が多かったところかと。遺体がどんどん増え、収容する場所も焼く場所も足りなくなり、他県が火葬を引き受けてくれたり一時的に土葬したり。でも家族にとっては土葬は可哀想と掘り返した例が多かった。葬儀業者さんの話で、亡くなったのは小さい女の子、お父さんが「最後にお別れをしたい」といった。ただその業者さんによると亡くなった人を最後に覚えているのはお別れのとき。なので、遺体の状態から「見られない方が良い」とアドバイスした。この回だったと思うのですが、10歳くらいの男の子とその弟さんが写真に写っていて、弟さんが流されて行方不明になったそう。「弟を探してくれた消防士さんを見ていて、私も消防士になりたいと思いました。今年、消防士になりました」。これは下の「こころフォト」からの紹介かも。

3.福島県浪江町の、「ふくいち」冷却その他に直接関わった消防士さんたちのドキュメント。この話だけが貴重なのではないが、仕事上いるかもしれないので保存。どうも、こういうドキュメントは初めてか、かなり稀だったらしいです。

名前がちょっとださいですが、こころフォトなるものがあります。亡くなった方や行方不明の方の写真を集めています。

NHKでは東日本大震災で失われた一人一人の命の尊さを忘れないために、また、残された方たちがどう生きようとしているのか、被災地の「いま」をお伝えす るために、写真とメッセージを募集しています。写真だけでなく、心のこもったメッセージをお伝えしたいという思いを込めて「こころフォト」と名付けまし た。

http://www.nhk.or.jp/kokorophoto/index.html

『明日へ』はずっと放送していたと思うのですが、今までせいぜい放射線について勉強したり、被災地関連情報でおかしいことはおかしいといったりすることしかできず、この手の話には冷静になれなくて避けてきたところがあります。1月頃に、自然に「そうだ、見よう」と思えました。他には、もともと気になった番組をチェックしているEテレ『ハートネット』(生きづらさを抱えた人についての番組制作)も静かだけど胸に迫るものを作っています。

震災直後、「絆」という言葉が流行るというかなんというか、「災害ユートピア」という言葉までありましたが、よく分からない絆の強調は苦手でした。ドキュメントを見ている限り、被災地では全くそれどころではなかった。『花が咲く』でお手軽に感動して、みたいなことをTwitterで言っている人がいましたが、言いたいことは少し分かります。でも仙台出身の羽生選手がお友達の指田郁也さんの歌に乗せて踊ったのは素敵でした。この映像のロングバージョン(メイキング)に歌手も出てきます。

NHK 仙台放送局のHPがきれいです。映像とか特に見られませんが。
http://www.nhk.or.jp/sendai/hanasakuhanyu/

浅田真央選手が『ジュピター』(わたしが歌詞が苦手な平原綾香ではなく、聖歌のようなバージョン)で東北の専門学校生に衣装縫ってもらい、子供たちと滑ったのを今頃頃知りいいなーと思いました。関わった人にはいい思い出になるでしょう。わたしが見た10分番組では、メイキングを入れてお姉さんの舞さんがナレーションしてました。

最後に、医師による5年前の諸外国からの寄付でクウェートが突出していたというツイートまとめを引用します。クウェートが額ではダントツだったらしいです。医師が1人いればたくさんの人が助かりますしね。他に台湾の寄付金で何かできたと読んだ記憶が。大変な被害だったとはいえ、その他各国の支援もありがたいことです。

新設される東北医科薬科大学医学部の莫大な修学金はクウェートからの東日本大震災支援金だった

3月11日は静かに過ごします。

(2016/03/10 15:45追記:『明日へ』は追悼特集番組があります)

http://www.nhk.or.jp/ashita/311/

あとこんなのもありました。

 

(2016/03/10 14:21追記:福島市の方からツイート引用の許可を頂いたので貼ります。他に番組情報。オンデマンドで放送がある場合もあると思いますので是非)。

 

震災特集のハートネットで見たのはこれ。去年のナチスT4計画など、Nスペになった番組あります。Nスペ嫌いですけど。オンデマンドにはないので、代わりに番組の書き起こしがあります。他にも避難に関する番組あって、まだ見られていません。『明日へ』は震災の日当日、特別番組をするそうです。

シリーズ東日本大震災から5年 第3回 帰還、されど…―福島・障害者福祉は今―

BS1スペシャル「廃炉の記録~福島第一原発・放射能との闘い~」

廃炉が技術的にどう進んでいるか知りたい方にお薦め。NHKはNスペばかりでアーカイブ残していませんが、有志が複数Youtubeに上げています。

ETV特集「ホームタウン~福島県南相馬市小高区で会った人々~」

これから再放送があります。

イタリア語検定2016年春期直前(準2級)。

ヨシダヒロコです。

2月は何か仕事を断りそびれて、死ぬかと思うほど働いてしまいました。

先週くらいからやっとぼちぼち勉強を再開し、今日納品が一段落付いたので、悪あがきを始めています。

これが先週くらいに来た受験票。片道1時間半かかるので、午後だと助かります。恐らく会場には準2級は2人くらいしかいないでしょう。5級の人だったかと同じ時間です。この後に書いてありますが、ケータイやスマホは電源切ってバッグにしまえといわれるので絶対に腕時計が要ります。わたしは去年壊れていることが分かり、前日に用事があって泊まっていた金沢で慌てて買いました。

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この間、日伊学院のGiovanni先生から、Yahoo Italiaのサッカー記事について授業を受けました。ナポリとインテルミランの試合で、審判がよく分からない判定をしてナポリが涙、という話。複数記事の候補を挙げて選んでもらってます。あちらの事情に疎いのでまだ読解は厳しいですね。サッカーについてはYahoo Japanのニュースを見てても最近だと本田を褒めてばかりですし、偏りがあるのかな。時間ができたのでインテルの試合でも見てみます。試験前にはSkypeレッスンあと1回入れます。過去問の作文でも見てもらおうかな。

忙しくてもBS-TBS『あなたの知らないイタリアへ』はほぼ欠かさず見ていました。後半はおいしそうなものが見られるし。すると面白いことが起きてきて、喋る人によっては(各界で活躍する主にクリエイティブ系の人が登場します)「ゆっくり喋っているな」と思えるようになりました。『耳が喜ぶイタリア語』効果でしょうか。PART3は本当に速いのですが、通信講座はまだ早いです。PART3を3回くらい聴いたので、PART2のディクテーションをしばらくします。前に「まいにちイタリア語」のリッカルド・アマデイ先生のシリーズでやりました。どれだけ聞こえてないかよく分かります。

試験前の通信講座は第4回まで出して終わりだと思います。次の試験までにはコンプリートしようかと(受講後半年過ぎると1回ごとに1000円かかります)。合格率は20%を切るくらいで、わたしは作文に辞書を使っても全体的に5割アップくらいしか取れません。まぐれで7割のパートが出ることも。もう1年半かそこら、3級の準備から作文添削受けてますが、一番最初は多分点数が付かないくらいだったんでしょうね。ヘタに他の言葉知っているせいで、英語とか混じったりしていました。文法もメタメタだったし。ですが、今一番楽しいのは作文のパートなんですよ。不思議ですよね。あとリーディングもニュースなどで知っている話だとラッキー、という感じです。通信講座では、よその国で起きた事件がイタリア語になって、というのもありました。

試験は2時間休みなしですが、まだその時間どおりでやってないので試してみないと。ちなみにトイレに行ったら帰ってこれませんのでご注意を。

Qui Italiaも仕事の忙しさが普通なら上巻Unità 15まで終わらせるつもりでしたが、せいぜい頑張って10でしょう。今眠い目こすりながら6です。

試験終わったらお疲れ様ということで、金沢に秋にできたサルヴァトーレ・クオモか、竪町に2月頭日本第1号店ができたトラピッツィーノ(ピザのファストフードで、ローマで人気だそう)でも、と思っていますが、後者はしばらく混みそうですね。多分、ロフトついでに前者ということになりそうです。今日前を通ったら、ピザがおいしそうでした。下の黒板、思わず文字を読んでしまいました。

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