ヨシダヒロコです。
自分が修士の半ばまでいた大学からおそらく初めてのノーベル賞が出ました。おめでとうございます。写真は東工大トップページの英語版、日本語版です。誰が受賞してもその結果を楽しみにしようと思ってましたがびっくり。こういう場合、肖像権上の問題とかどうなるの……メール書いておこう。


修士だけいて、病気で勉強も思うに任せなかったのでどんな先生がいらっしゃるのか専門の近く以外にはよく知りませんでした。文系があることは知っていましたが。一般にこの大学は大岡山と言われがちですが、生命理工学部は横浜のすずかけ台にあって、キャンパスは結構離れています。授業行くのに苦労したのを覚えていて、興味は持ちかけていた生命科学の雑誌(高校で生物を履修していなかったため。今は仕事のため独学中)眺めては「難しいなあ」と思っていました。雑草が生い茂っていたキャンパス、という印象がありましたが今はどうなんでしょう。
先生の研究室HPはこの通り。素敵ですね。ノーベル賞一報がでたすぐには、手書きのベンジャミンの絵があったのですけど。http://www.ohsumilab.aro.iri.titech.ac.jp/
オートファジーは今後勉強したいです。今年は去年のように説明できない受賞結果が多いので、とにかくリンクや書籍を集めてきました。
まず、サイエンスZEROで10/09日曜夜に特番です。再放送+オンデマンドあり。
http://www.nhk.or.jp/zero/index.html

大隅先生は1年ほど前にもご出演です。この頃チェックしだしていたのですが、見たかどうか忘れました。かなり新しい結果や第一線の先生も出演して解説してくれる番組です。しかも一般向け。ネコについてとかもあります。
NHKオンデマンド | サイエンスZERO 「長寿のカギ!? 細胞内のリサイクル“オートファジー”」
http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2015061892SA000/?capid=sns002
大隅良典栄誉教授 ノーベル生理学・医学賞受賞記者会見を開催 | 東工大ニュース | 東京工業大学
http://www.titech.ac.jp/news/2016/036429.html
Honorary Professor Yoshinori Ohsumi wins Nobel Prize in Physiology or Medicine for 2016 | Tokyo Tech News | Tokyo Institute of Technology
http://www.titech.ac.jp/english/news/2016/036279.html
大隅良典先生のノーベル生理学医学賞2016受賞に寄せて | 東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻
http://www.bs.s.u-tokyo.ac.jp/news/2016nobel.html
大隅良典名誉教授のノーベル賞受賞決定を受けて、元基礎生物学研究所長・元岡崎国立共同研究機構長 毛利秀雄名誉教授の寄稿を掲載いたします
「隣のおじさん-大隅良典君(ノーベル生理学・医学賞の受賞を祝して)」
http://www.nibb.ac.jp/pressroom/news/2016/10/07.html
この文章一番お勧めです。
ノーベル賞大隅さん「細胞の自食」解明…がん抑制期待
(写真11枚)
http://mainichi.jp/graphs/20161003/hpj/00m/040/004000g/1
大隅さん「洗濯機のCMと紛らわしいと言われたことも」(会員登録)
http://www.asahi.com/articles/ASJB42R1FJB4UBQU00F.html
上記事魚拓
教えてもらいましたが、”fuzzy”でなくて”phagy”と全然スペルが違うそう。日本語の発音は同じです。
大隅良典氏オートファジー研究をリード(2014/04/03)(会員登録)
http://mainichi.jp/articles/20140403/mog/00m/040/999000c
上記事魚拓
「私と科研費」
https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/29_essay/no78.html
本来は補助金とは知りませんでした。皆あんなに必死になっているのに。
ノーベル賞・大隅教授「年間100万円あれば、やりたいことを進められる研究者がたくさんいる」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161005-00010000-nkogyo-ind
上記事魚拓
ノーベル生理学・医学賞を受賞大隅良典氏の会見(全文1)少年時代からの夢
https://thepage.jp/detail/20161004-00000002-wordleaf
ノーベル生理学・医学賞を受賞大隅良典氏の会見(全文2)競争好きではない(有料)
https://thepage.jp/detail/20161004-00000001-wordleafk
ノーベル生理学・医学賞大隅氏の会見(全文3完)役に立つという言葉は問題(有料)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161004-00000002-wordleafk-sctch
PageはYahoo! Japan系列で、1ヶ月648円、Yahoo!プレミアム会員だと540円の有料です。
「日本に必要なのは、社会全体でサイエンスを支えるという意識」- 東工大・大隅良典 栄誉教授 (1) 細胞の自食作用「オートファジー」とは
http://news.mynavi.jp/articles/2016/08/02/ohsumi/
【 #ノーベル賞 】「この先、日本人研究者は受賞できるのか?」 科学界に広がる悲観の背景
https://www.buzzfeed.com/satoruishido/no-be-ru-shou-ko-no-senjitsu-bon-bito-kenkyuusha-ha-jushou-d?utm_term=.ifpVJAzX1
実験医学500号(2012年8月号)特集「世界を動かした生命医科学のマイルストーン」より
小さな細胞から見えてきたオートファジーの世界
[著]大隅良典
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/articles/9784758100861/yoshinori_ohsumi.html?ad=g_a1
「はじめに」のところ、わたしも子供たちが身近な生き物に接する機会がなくなったと感じています。小さい頃、野原で草花を摘んだり虫を捕ったりで、遊びながら沢山学びました。今は公園が芝生なことを危惧していた方もTwitterにいて、まったく同感です。雑草植えたらいいのに。学問的な文章の意味が取れない人でも、最初と最後は読んで欲しいと思います。
あまりにも異常な日本の論文数のカーブ
「ある医療系大学長のつぼやき 鈴鹿医療科学大学学長、前国立大学財務・経営センター理事長、元三重大学学長の「つぶやき」と「ぼやき」のblog 」
http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/26f372a069cbd77537e4086b0e56d347
(2016/10/13 8:48記事いくつか追記)
新聞を読んで/ ノーベル賞受賞に浮かれている場合ではない・・・日本の研究は実は危機的状況に – 隗より始めよ・三浦淳のブログ
http://blog.livedoor.jp/amiur0358/archives/1061614317.html
上記事魚拓
<ノーベル賞>日本人の女性研究者が出ない理由
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161009-00000007-mai-soci
上記事魚拓
私の研究は科研費に支えられた(大隅氏)ノーベル賞に導いた総額18億円
オートファジーのすぐ後に科研費ゼロだけど?お役所の姿勢が見えますねと指摘してた人が。
https://newswitch.jp/p/6415
上記事魚拓
(2016/10/20 8:09さらに追記)
「ノーベル生理学・医学賞受賞の大隅良典氏に単独インタビュー 『このままでは日本のサイエンスはダメになる』」 (会員登録)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201610/548515.html
「【会見での質疑応答】ノーベル生理学・医学賞受賞の大隅良典氏 オートファジーって何? 疾患とのかかわりは?」 (日経メディカル・会員登録)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201610/548490.html
「NASH、放射線防護、神経変性疾患 5分で分かる!オートファジー研究の最先端」 (会員登録)
5分は盛りすぎです。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/nishimura/201610/548533.html
ブログ『天漢日乗』「2016ノーベル生理医学賞 大隅良典東工大栄誉教授が受賞! ついでにいうと総合研究大学院大学名誉教授」
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2016/10/2016-3deb.html
ノーベル生理学・医学賞2016 大隅良典栄誉教授 | 東京工業大学(特設サイト?)
http://www.titech.ac.jp/nobel/
以上追記。
オートファジーを簡単に説明している記事がありました。この記事はほとんどインタビューです。
大隅さん会見「ノーベル賞には格別の重さ感じる」
http://www.asahi.com/articles/ASJB36RCDJB3ULBJ02C.html
上記事魚拓
――オートファジーを知らない人に説明してもらえませんか。
私たちは毎日、70~80グラムのたんぱく質を食べているが、たんぱく質を分解してアミノ酸という原料にしている。私たちの体内では300グラムくらいのたんぱく質が作られている。どこから来るかというと、私たちの体内ではたんぱく質が壊れてアミノ酸になって再利用されているよということ。
例えば、海で遭難した。1週間、水だけで生きた。たんぱく質合成を止めているわけではない。たんぱく質を分解しながら再利用するシステムなんだ。たんぱく質を食べて、再利用している。作っては壊し、作っては壊しを繰り返して、生物はある。
(2016/10/09 9:52追記:奥様は共同研究者だったそうです)
大隅萬里子先生の共同研究がノーベル賞を受賞| ニュース | ニュース | 帝京科学大学
http://www.ntu.ac.jp/topics/news/2016/10/05201411.html
一通り報道読ませて頂きましたが本当に謙虚な方で、お酒は大好きという茶目っ気があったりして。でも今の大学のあり方になるとここまで公の場ではっきりものを言う先生も珍しく、次に何を言われるのか楽しみだしもっと言って下さいと思います。学問が「役に立つ/立たない」でまた議論がありました。今まで長いことノーベル学者がもの申すということがあったのですが、事態が逼迫(ひっぱく)しているんだろうかと思います。
そこに天皇陛下がやはり生物学で、手間はかかっているが(タヌキ相手ですから)何の役に立つか分からない論文を出されました。変に研究が役に立っては困るという事情もあるんでしょうけど、天皇家は生物の研究者が多いし、陛下も何かの折りに興味津々で大隈先生を質問攻めにされたようなことを読みました。
最後に、大隅先生執筆、翻訳の教科書はあるのですが、一般に手の届きやすいものはお弟子さんの水島先生が一番人気のようです。『実験科学』には大隈先生も寄稿があります(今は紙版の在庫なし、版元に電子版あり)。
今後また本が出ることを期待しつつ、先生が幼少の頃影響を受けた本もあわせて紹介します。『ロウソクの科学』ってこんな素敵な装丁でもあったのですね。ファラデーは確か、クリスマス・レクチャーの創始者だったはず(クリスマスに子供たちに科学の講義をプレゼント)。最後2冊は子供でも読めそうで、もっと簡単そうなバージョンもあり。ただ現在は品薄だったり取り寄せだったりです。
水島 昇 PHP研究所 2011-12-02
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水島 昇 化学同人 2013-01
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水島 昇 羊土社 2013-05-21
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三宅 泰雄 角川学芸出版 2011-01-25
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おまけ:お弟子さんの水島教授も相当お茶目。
(2016/12/13追記:17日から放送大学でお若いときの先生の講義を放送。BSあれば誰でも見られるはず)
2016年ノーベル生理学・医学賞の受賞が決定した大隅 良典 東京工業大学栄誉教授による講義の再放送について
魚拓