今更だけど、新條まゆ「エリート!!」に出てくる最強の爆薬。

化学・医薬方面の翻訳をしています。

久しぶりにちらっと化学の話を書きます、といっても佐藤健太郎さんのところで「まだこの世にない化合物」として既出なんですけどね。

「エリート!!~Expert Latitudinous Investigation TEam~」講談社月刊ヤングマガジン連載、2巻より。

エリート!!~Expert Latitudinous Investigation TEam~(2) (ヤンマガKCスペシャル)

新條 まゆ

講談社

2011-10-26

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

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佐藤さんが取り上げた次の号にもう少し大きく出てきます。単行本2巻第8話より。名前は書いてありませんが、ドデカニトロヘキサプリズマンだそうです。

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「エリート!!」は警察の各所から選りすぐられた(とは言っても、一見そうは見えないものもいるけど)内閣府直属の広域捜査官たちの話です。主人公の幸(さち)なんて、「絶対死なない」だけで選ばれてますからね。何かあったときに生き残る捜査官がいないと困る、というわけです。バイクの運転に長けているとかプロファイリングの名手とか言うのは定番ですが、他に、死者の霊と話ができる捜査官がでてきて、しかも失敗したりもします(たまにミステリでは似た設定があります)。

佐藤さんもおっしゃる通り、化学式や珍しい爆薬の名前が出てくるのも興味深いのですが、わたしはむしろ新條まゆ氏がこういう方向に転向したことが興味深いです。まだ恋愛ものを辞めたわけではないのですが。

以前の新條氏は、性愛が大きなウェイトを占める少女漫画を描いていました。ご本人のブログで読んだことがありますが、必ずしも全部の連載がご本人の意向ではなかったようです。大体、女には不自由しないけど実は本気の恋を知らない不器用な男の子がヒーローで、本当に何も知らない平凡な女の子がヒロインで、って場合が多かったような。

「覇王・愛人」なんかでは、平凡なヒロインに一目惚れした香港人マフィアの若いボスが、彼女を香港までさらってしまうのが最初でした。しかも自分の気持ちを伝えられなくてすれ違ってばかりという。子供には見せられないような展開が、その後いろいろ9巻まであるのですが。

覇王・愛人 1 (フラワーコミックス)

新條 まゆ

小学館

2002-06-26

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

今はほとんど残っていないけど、2,3作をまじめに読みました。で、転向したかった理由も納得しました。それで、転向したらしたでキュバンだのヒドラジンだの言い出してもうびっくりですよ。爆薬には詳しくないのですがね。

現在、第4巻が出たばかりで、3巻まで持っています。近く買ってくるつもりです。今度はテロリストとの戦いがあるらしいし、結構「ゴルゴ13」とかでなぜか和むわたしにとっては楽しみなのです。

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「就活でうつにならないための本」レビュー(2)。

最初、この本のレビューは2回で終わらせるつもりでしたが、3章に出てくる「複雑性PTSD」にページが割いてあるため、やっぱり2章ずつ3回にします。この概念、わたしの記憶が間違ってなければ結構議論があるらしいですが、DSM-Vに載るはずとWikipediaにはあります。

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第3章「情報は、常に時代遅れ」では、まず、1979年に出版された「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(注:ハーバード大のヴォーゲル博士著)が登場します。日本人が残業ばかりして働いていた、日本の高度成長期のころの話です。それに対し、1990年ころになると「日本人は余暇を楽しむべきだ」「時短」などと言われるようになりました。それは何となくの流れだったと著者は振り返っています。その後バブルがはじけ、時短は昔の話になりました。生き残りのために夜中まで働くのが当たり前になったのです。

たいした議論もなく突然価値観ががらっと変わることが日本ではよくあると著者は言います。

  • 良い点

明治維新前後、鎖国から開国への大きな変動の中でも比較的早くその変化を受け入れられた。

  • 悪い点

しっかりと議論がされず、何が良くて何が悪かったのかはっきりしないので、過去の失敗が生かされない。典型的なのが戦後の日本の価値観の大変換。

悪魔のささやき (集英社新書)加賀 乙彦

集英社

2006-08-12

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

この本が引用されています。加賀氏は死刑囚のカウンセリングなどされている精神科医で、以前から興味があって、この本も面白かったです。

敗戦の2週間後の話。

マッカーサーが厚木基地に到着した8月30日には、アメリカに反旗をひるがえすものなど誰一人いない。親も周囲の大人たちも新聞も知識人といわれる人たちも、「これからの日本は民主主義の国だ。自由だ人権だ」などと話している。その変わり身の早さ!

日本人の特性には、良い点もあっても、葛藤や議論というプロセスを経ていないので、変化に伴う成長がありません。あっという間に獲得した、確固たる確信のない価値観ですから、それが再び一八〇度変わってもおかしくないそうです。そんなわけで、企業の採用の基準も、去年まで持てはやされていた価値観が、今年は逆転することが多々あります。

★ダブルバインドばかりの情報

1.体育会系サークル出身者は有利、不利?
そもそも、「体育系だから」というくくりで人を判断しようとするところが間違い。

2.留学は有利、不利?
留学経験だけでは有利にならないという意見ももあり。『就活のバカヤロー』p69によると、「会社が求めているのは、語学ができる人ではなく、仕事ができる人」なのだとか。

それに、欧米に留学すると空気を読むより自己主張が強くなってしまいがちです。このため留学経験者に対しネガティブな評価をする企業もありますが、これからの世の中、欧米の価値観を排除ではなく包含するくらいの度量を持つ企業ならば、むしろ有利になるそうです。

3.自分らしさは有利、不利?

『社畜のススメ』の著者である藤本篤志氏によれば、サラリーマンの4大タブーは、「個性を大切にしろ」「自分らしく生きろ」「自分で考えろ」「会社の歯車になるな」だそうで(p33)、これを実行してうまくいくのは天才型サラリーマンのみだそうです。

だとしたら、「自己分析」はどうなっちゃうんでしょう。また、今の就活生は「個性的になれ」と教育されてきた世代であり、今頃歯車になれと言われても……。全くダブルバインド(二重拘束)です。情報を集めるほど混乱します。

さらに就活本の言いたい放題が拍車をかけます。

面接でめずらしさを出したいのであれば、「趣味は女装、日常会話はビスラマ語、修行僧経験あり」くらいはいいましょう。…『就活のバカヤロー』

★複雑性PTSD

内定が取れないという状態が5社、10社と続いていったとしましょう。1回や2回ならいざしらず、大変なストレスです。ひとつひとつの経験は、乗り越えられないというレベルではなくても(マイクロトラウマ)、それが度重なると、深刻なダメージを受けることがあります。マイクロトラウマが蓄積すると、複雑性PTSDと言われる状態に陥ることがあります。

PTSDが死ぬか重症を負うような出来事を体験した場合に生じるのに対し、複雑性PTSDは長期間にわたって反復的なストレスを受けたときに起こりうる症状です。いじめ、虐待、DV、パワハラ、モラハラ等によって怒り起こります。就活によるストレスもこの範疇に入るそうです。

症状はPTSDに比べはるかに複雑で、これくらい耐えられるだろうと思っているうちに、だんだん自分に自信がなくなり、眠れなくなり、身体が緊張するといった不安症状が始まります。さらに自分の感情・感覚に鈍感になり、何を望んでいて何を期待しているのか、何が好きで何が嫌いなのか分からなくなり、こうした症状が絶望感・無力感を生み、親密な対人関係を断ち切ってしまうこともあります。こうしてうつ症状となります。

就活生の複雑性PTSDを促進してしまうのが情報の氾濫。この病気は大雑把には、自分が何を感じ何を望んでいるのか分からなくなる病気だそうです。

★情報の整理

それにはまず、いらない情報を捨てましょう。有効な情報とノイズを分けます。
ノイズの例。
1.やっかみ系ノイズ。留学経験者によるやっかみが「留学は不利」に変化するなど。
2.学歴系ノイズ
3.面接官超人伝説ノイズ
4.ルックス系ノイズ
5.就活武勇伝ノイズ。武勇伝が情報として流れている時点で、同じことをやっても武勇伝になりません。

最近ではSNSが困ったノイズを拡散し、就活生を戸惑わせているという傾向もあるそうです。有効な情報とノイズを仕分けるには(p93)、

  • 実名で書かれた情報は信用に足る。
  • 実名で書かれた情報も、その人の属する組織については当てはまるが、他の組織に当てはまるかは分からない。
  • 精神論は、その人個人の思想あるいは思い込み。
  • その情報が書かれた時点では正しかったかもしれないが、今、その情報が有効であるかどうかは分からない。

これが不安やうつを防ぐ第一歩。


「第4章 自分の感情を信じる」
では、思考ではなく感情を見つめる重要性について書かれています。

感情は常に存在しても表現するのは難しく、いざ言葉にしようとするとほとんどが思考になってしまいます。感情は胃痛などの身体反応及び解放と結びついています。

感情には次のようなものがあります。
(参考:オロール・サブロー=セガン著『トラウマを乗り越えるためのセルフヘルプ・ガイド』河出書房新社p131)

リラックスしている、幸せだ、守られている、よそよそしい、恥ずかしい、近しい、恋している、困っている、ねたましい、感謝している、傷ついている、心安らかだ、不快だ、拒絶された、うらやましい、不安だ、尊敬している、信頼している、興奮している、親しみがある(以下10行続きます)

ひとつの出来事について、たいてい3つ以上の感情が浮かんでいると言われています。感情に善悪はなく、それで判断してしまうとネガティブに向かいやすいそうです。ある感情が浮かんできたとき、それが好ましくない感情でも、その人にとっては意味があります。それを善悪で判断すると自己否定感につながるのです。そして、「感情はコントロールするものではなく、見つめるも」のであり、コントロールするのは行動だけで良いのです。感情を受け入れてしまった方が、結局は余裕が出ます。

感情を見つめることは、社会人になってからも有効なツールになります。自分の感情に気付いている人は、柔軟性があるので、世の中が変化しても自分を見失うことがありません。

「これからの時代は○○だよ」と言われても、心から納得していない場合、微妙な違和感が生じます。それに注目することが重要です。

★違和感の意味

人間の心は大きく分けると意識と無意識があり、海上に顔を出している氷山の部分が意識で、隠れている部分が無意識です。分かっていない無意識の感情が沢山存在しています。違和感の背景には意識化されていない感情があり、感情を抑えてしまうとそれは持続します。

  • 自分の中にできた「……すべき」という規則に従うため
  • 周囲の見えないルール(規範)に従うため
  •  自動的に感情表現を中断してしまうため 解離。過去に直面した恐怖を思い起こす場面などに直面すると、感覚・感情が遮断

★違和感から感情を認識する

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感情は、必ず身体の反応を伴います(上表)。

落ち込んでいるA君が胃にかすかな痛みを感じていたとすると、次のような方法で自分の隠れた感情に気付くことができます。

1.自分が違和感を持っている身体の部分に注意を向ける
2.違和感が明確に。違和感が痛みに変わるかもしれない
3.明確になった身体反応がどんなメッセージを自分に伝えようとしているのか考える
4.身体反応にぴったりくる言葉が見つかったら、それが抑圧された感情。思い浮かぶ言葉はどんなに激しくても構わない

一次感情(最初に浮かんだ感情)は歪んだ思考によって抑圧し、たいていは自分に対してのネガティブな感情に変わってしまいます。この歪んだ思考は考え方のクセで、自動思考と呼ばれます。

★自動思考

何かあったら「ああ、俺はダメだ」とか何かあると止まらなくなるのが自動思考です。非常に強力で何度も何度も浮かんできます。自動思考がはたらき始めると、特定のネガティブな感情の他は、無意識の中に置き去りにされてしまいます。

代表的なもの(注:1例ずつ挙げました)。

悲観的運命の確認:「こういう運命なんだ」
否定的自己:「私は最低な人間だ」
自責の念:「私の責任だ」
あきらめ:「何をやっても無駄だ」
悲観的予測:「どうせダメだ」
完璧主義:「○○しなければならない」
悲観的対人認知:「みんな私を嫌っている」

などなど。(ディンクメイヤー・D・マッケイ・G・D、『感情はコントロールできる』創元社 1996を参考)

★自動思考は脳のクセ

「自分は最低な人間だ」と思う人の「最低な行為」を他人から見てみると、大したことではないことがあります。そもそも、最低な人は自分のことを最低とは思わないものです。もしかしたら繰り返し「おまえが悪い」というメッセージを受け続けてきたのかもしれません。

脳のクセである自動思考を変えるには、

1.自分の自動思考を特定する

自分が不調なときなど、どんな感情が頭の中を駆け巡っていたかを思い出す。それが自動思考。パターンに気付けば、始まった途端に分かるようになる。

2.自動思考が必ずしも正しくないことを認識する

過去の自分にはできなかったかもしれなくても、今ならどうか分からない。

3.自動思考とそれに伴う感情や身体反応に気付く

たいていの場合、上半身に力が入っている。「肩に力が入っていれば自動思考」と思えるようになれば、気づきやすくなる。

4.自動思考は脳のクセであることを常に意識する

自分を外から眺めているような感じ→外在化。自動思考には確固たる根拠がないことを判断する余裕ができる。自動思考に「デモシカちゃん(ゆるキャラ)」など笑えるあだ名を付けてみるのもいい。

5.ゆっくりとした深い呼吸をする

これを繰り返すうちに、自動思考は力を失っていきます。

円城塔氏の「ポスドクからポストポスドクへ」に寄せて(2017/04/06リンク張り替え)。


日本物理学会誌 「ポスドクからポストポスドクへ」 円城塔
(シリーズ”ポスドク問題”その12)

(2017/04/06 23:25追記:CiNii問題で、ここに文章があったので貼っておきます)

http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/files/%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%83%89%E3%82%AF%E3%81%8B%E3%82%89%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%83%89%E3%82%AF%E3%81%B8%EF%BC%88%E5%86%86%E5%9F%8E%E5%A1%94%EF%BC%89.pdf

円城氏が芥川賞を取ったときに「きくまこ先生」こと菊池誠教授がお祝いの言葉を贈っていたことは覚えていますが、こういう経歴の方だとは知りませんでした。ポスドクを34歳まで続けて辞め、民間勤めの傍ら兼業作家をやった後に専業へ。翻訳者である自分にとって、さらに険しい作家への道は、翻訳者から翻訳者兼作家になった友人の言葉の端々から推し量るしかありません。

それにしてもこの内容は、円城氏が本名不明で「これから嘘をつきます」と書いていなければ書けない類のことでしょう。以前わたしは「ポスドクと羅生門と蜘蛛の糸と杜子春。」という文章を書いて、あるポスドク氏から意見をもらったことがありました。言外に「あなたに何が分かるのか」と言われた気がしました。そういう含みがあったとしてもこの文章を読んだ後だったら想像が付きそうな気がします(けして「分かります」なんて言っていませんし、これからも言わないでしょう)。

上の物理学会の文章は、「これから嘘をつきます」と言って本当のことを述べるところにある種のウィットを感じますし、安部公房に影響を受けたとWikipediaには書いてあった気がしますが、皮肉が非常に効いていて、笑うべきじゃないところに皮肉のあまり笑ってしまいます。「理系だから文章が書けない」なんて言わせない、という何か反骨心のようなものを感じます。

上記わたしの書いた文章で「待遇については聞きにくい」と書きましたが、実はこっそり教えてくださった方もいました。金額的には円城氏の言った通りでした。

ところで、この文章のうち少し解説がいるとしたら、

鬱病らしきものに頑張れと励まし、統合失調症は放っておけば治ると考えており、境界性人格障害の疑いのある者を、自分はあいつを守ると宣言する。

ここですが、全部あべこべに近いです。うつ病についてはまあ知られてますけど。境界性人格障害は難しいですが、巻き込まれず「味方だよ」というサインをずっと送ることでしょうか。宣言なんてしちゃったらまずいです(かつての当事者から)。

きっと、苦労が人間性を磨くという側面はあるでしょう。ですが、それにも限度があるし、ましてや死んでしまっては元も子もありません。わたしが知る某大学に長く勤めていた人は、先日あっさりと「飛び降り多かったんだよ」と。この文章が書かれたのが5年前、それから時代はどっちへ向かっているんでしょうね……。

円城氏の本は、何か探して読んでみたいです。

何かご意見がある方は、匿名でよろしいので書き込んでいただければ幸いです。中身によってはお返事できないかもしれませんが、目は通します。「名無し」はかぶる可能性があるのであまりお薦めしませんが。

(23:34追記:メールアドレスはわたしにしか見えません)

西検3級勉強中&受験延期する予定です。

スペイン語・イタリア語を勉強しています。双方3級を目指しています。

スペイン語検定の3級対策講座を受け始めてから10日ほど経って、イスパニカの1回目の課題が返送されてきました。辞書を使わないと訳せなかった(リョサとかあります)西文和訳には丸が並んでいましたが、続く文法部分と、和文西訳は直しが多かったです。

先生は「3級は急にレベルが上がるので、必要なら文法講座に変えることをお薦めしますが、そのまま続けるのならわたしが文法の指導をします」と丁寧な解説を付けてくださいました。日本スペイン協会によると、3級は英検準1級に相当で、新聞とか読めないと駄目なんですよね。

先週は天気がころころ変わったり色々あって頭痛が止まず、第2回の課題もまた1週間延ばしてもらっているんですが(1課題につき1週間締切を延ばせます)、El Paisや NHK Worldが出てきてなかなか手を焼きます。本番は得意な和訳さえ辞書なしです。

そんなわけで、当初6月受験予定だった西検は10月に延ばそうかなと。伊検もあるので、去年に引き続いて死にそうですが。その間か後ろにDELEのB1を受けようと思ってます。

あと、もう少ししてお財布に余裕があったら是非これが欲しいです。カシオのEx-Word。

カシオEX-word 電子辞書 スペイン語モデル XD-N7500

カシオ計算機

2013-02-15

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

「就活でうつにならないための本」レビュー(1)。

化学・医薬方面の翻訳者をしています。患者ですが、いつか精神科などの症例報告等訳したいなと思っています。

就活でうつにならないための本向後 善之秀和システム

2013-02

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

この本はツイッターで知ったのですが、面白かったので一気に読んでしまいました。
著者の向後氏はサラリーマン生活の後、40歳を過ぎてから留学、カウンセラーの資格を取った方です。文章に無駄がなく、レイアウトもすっきりしていて(字数が少ないのかもしれませんが)割とすんなり読み終えられるでしょう。

ただし中身は濃いので、複数回に分けて書きます。

自分自身はバブルとその後の不況のちょうど境目にいました。学部生で就職できれば口があった、最後の年だったらしいです。進学(&中退)したため、まともな就職口はありませんでした。

今の就活は過酷ですよね。どう過酷か、そのスケジュールはもうちょっと後の方に出てくるんですが、まず、本の中にあった「求められる人材」という文章を引用します。

笑顔でハキハキ話す、誰にでもあいさつができる、職場にとけこもうという姿勢が見られる、アフターファイブの付き合いがいい、能力が高いのに謙虚、素直に質問ができる、メモを取りながら真剣に話を聞く、自分のやり方を主張しようとするのではなく職場のやり方を吸収しようとする、雑用もいとわない、役立つノウハウを提供してくれる、既存社員が気付いていなかった改善点を嫌みなく指摘してくれる、既存写真社員に好かれる、楽しめる趣味がある、アピール力がある、プレゼン力がある、必要な資格と学習力がある、判断力、実行力、馬力のある人、変人、とんがった人材、コツコツまじめ、笑顔がすてき、大きな声で謝れる、コミュニケーション能力がある、将来の目的がしっかりと決まっていて、そのために今自分が何をすべきかを、しっかりと把握している人、夢があってそれに向かって一生懸命な人、協調性、主体性や責任感、学業成績が「優」より「良」の学生の方が好感、大学教育の内容より、コンピテンシーやスキルが重視される。

…だそうです(p13)。ドラえもんか何か、この世には存在し得ない何かについて述べているようですね。本当にお疲れ様です。

性格傾向は1度の面接では分からないことがあるそうです。著者は人格障害(パーソナリティ障害→DSM Vでさらに変わるらしい)について述べていますが、たしかに元診断されていた自分も、豹変することがありました。そういう人はプロでも何度か面接しないと分かりません。

著者は、上記の「求められる人材」が「採用担当ないしは企業幹部の好み」とまで言い切っています。そして、そのような金太郎飴のような人材が求められれば、学生は紋切り型のコメントばかりをし、採用側は「最近の学生は個性がない」と言い……。

そして面接官についても著者はクライアントとして指導しているのか、面接の際には「傾聴」が重要だと言います。言葉のみならず、表情や姿勢、声のトーンなどの非言語メッセージを含めて会話をし、その中から相手の心を聴く、と。その心は「タブラ・ラサ」、白紙でなければなりません。

面接じゃなくても大事なことのような気がしますね。

就活生もカウンセリングオフィスにやって来ます。圧迫面接というのがありますよね。似たようなのをわたしも1回受けたことがありますが、面接官がわざとあくびをしたり、ボールペンを投げてメモを取らなかったり。著者によると、「ダメ面接官にダメ出しをされたあなたは、スバラシイってことですよ。マイナス×マイナスはプラス!」だそうです。就活生の皆さん、良く覚えておきましょう。

今の就職システムは変で、みなが就活にかける時間が膨大なものになっています。挙げ句の果てにうつやパニックで退職する人は増えている。そうすると人事担当者の中には「最近の若者にはストレス耐性がない」と言う人もいますが、じゃあそれを見抜けなかったのは誰でしょう?

そして、人をけなすのは簡単ですが褒めるのは難しいです。p33に著者がアメリカで受けた教育のことが書いてあり、わたしがごく短期間受けた教育(イギリスでしたが)に似ています。褒めるときはすごく褒めてくれます。”Excellent”とか”Extraordinary”とか。”Dramatically Improved(大変な進歩だ!)!”ってのもあったそうです。もちろん私はちゃんとした留学経験はなく、偉そうなことは言えませんし、英米が必ず正しいとも思ってません。

生徒の性格にも寄りますが、その後家庭教師を長くしていて上記の経験が役立ったことは確かです。うまく褒めるとこっちが驚くような進歩を見せることがありますから。

そんなわけで、評価する側は自分の頭で考え、いいところと悪いところを伝え、就活も精神論ではなく実践的なスキルを問うて欲しいというのが著者の考えです。

ここまでが1章で、2章では就活生のスケジュールが語られます。40代以上の方は多分驚かれると思います。

3年生12月に合同説明会・業界セミナー・学内セミナー→企業へのプレエントリー→個別会社説明会。エントリーシートや面接でのアピールの仕方を考えます。

エントリーシートの例がp40、41にあります。

オーソドックスなもの。

  • あなたの生き方に対し、最も影響を与えた「きっかけ」は何ですか?エピソードを踏まえ、具体的に説明してください。

というものから、

  • お茶、まゆげ、きっと、という言葉を使ってエッセイを作ってください。

といったふざけたものまであります。
大変なので、エントリーシートの使い回しはできないそうです。

3年生3月 戸別の会社説明会がピーク→4年生4月、大企業で内定者出始め→GW、大企業での内定ラッシュ、中小企業の説明会・選考が本格化、大企業の2次募集。ここまでで数十社。

となりますが、実は就活はもう1年から始まっているのです。1年生ではサークルやアルバイトの選択が大事と言われているそうですが、この本に出てくるキャリアカウンセラーによると関係ないとのことです。2年生ではTOEIC取ったりするのが有利とか言われますが、これも決定的に有利とは言えないそうです(わたしも高校生を教えていて、資格があれば食っていける系の親御さんたちを良く相手しました)。同じく、インターンもやったから有利というものではないそうで。

3年生になると筆記試験の準備、業界分析、企業分析などをし、エントリーシートや面接でどうPRできるか考えながら自己分析。3年の11月辺りに、自分の長所や短所からどの職種が良いか文章にまとめます。

上に書いたようなことは自分の興味に従って参加するのが良く、噂に踊らされないことが重要だそうです。噂や情報には良くダブルバインドが見られます。相反する情報を同時に伝え、情報を得た者が混乱します。混乱は焦燥感を生み、しまいには本番前に疲れ果ててしまいます。

p52~53にかけて、面接慣れしすぎた受験生を著者が面接した話が出てきます。受験生の話は同じ話の使い回しでした。それを別の学科でもやってしまい、面接官が同じ(=著者)だったと。こんな感じです。「私が中学2年の時、親戚がうつ病にかかり、見舞いに行ったときに臨床心理士さんと始めてお会いして、お話を伺う機会を得、こんなに素晴らしい仕事があるのかと感激いたしました」。

ここでさらに困るのが、親の介入。例えば「うちの子は、家から通えるところに就職させるんです。テレビでコマーシャルをうてるくらいの大企業に勤めさせるんです」など。げんなりですね。他にも、父親が息子になりすましリクナビに登録し、息子に何月何日の何時に面接を受けに行けと指示するとか。

さっきかっこの中で書いたような、資格に頼る親も出てきます。もちろん子供の適性は考えていません。

このような親は子供との精神的な境界線が曖昧で、ナルシスティック・エクステンションと呼ばれるそうです。親が自己愛的に自分の希望を子供に押しつけるのです。わたしはこういう例は沢山見聞きしましたね。

p58~59に、アメリカの例でどうしても親がハーバード大しか許さなかったという例が出てきます。子供はプリンストンに入れたのに、それでもダメだと。結局無理矢理息子を転佼させ、息子は心を病んでしまいます。

最近の親の三大事業は「受験・就職・結婚」であるらしく、ずっと世話を焼き続け、親の不安は子供に伝染します。

このような色々な要素に、今日日のTwitterやFacebookでのチェックが入ったりして、就活生は不安になり、うつに移行することがあります。うつは「私はダメだ」と思い込んでしまうので、それが「私なんていない方がいい」になり、自殺の危険性も高くなります。

就活で自殺というニュースが以前流れたとき、そんなことで自殺なんて、と言っていた人が以前ネットで結構いたような気がしましたが、その経緯を書くとこれだけのことが起きているようです。

元々は不安から生じているので、そこを克服すればうつへの移行は防止できるそうです。

ということで、3章以降に続きます。

「イスパニカ」と「セルバンテス文化センター」へ。

スペイン語とイタリア語を勉強しています。両方3級を狙っています。

上京3日目。

霞が関での待ち合わせを済ませて、すぐ近くの「イスパニカ」(下にブログ”Agenda Hispanica” へのリンクがあります)に向かいました。この間からここの西検3級対策講座を始め、締切が近いので問題を持ってきていました。こぢんまりしたオフィスに通され、担当の方と色々お話をしました。

  • スペイン語翻訳/通訳は分野がない。何でも屋。
  • 紹介が多い。
  • 西検は出題傾向が安定しない。3級はあったらいいけど、だんだんDELEにシフトしている。

等と聞いてきました。

イスパニカで薦められて、ほとんど月曜で休みだったのですが、DELEを開催しているセルバンテス文化センターに行ってきました。ギャラリーのみやっていました。

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2013-03-11 15.11.43

で、これがもらってきたDELEの願書です。3級講座のペースに慣れたら、オンラインで勉強しようと思います。やっぱりB1からかなー。

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その後、高校の先輩に会いに川崎まで向かい、とんぼ返りで新宿のバスに飛び乗って無事に帰りました。ちょっとばかり眠れなくても、ツイッターのTLには話し相手がいるし。
実りの多い旅でした。

相手してくださる人が数年前に比べて格段に増えていることに自分でも驚いています。
SNSの力でもありますが、遊んでくださった方、ありがとうございましたm(__)m。

アルゼンチンのソウルフードを食べに。「Mi Choripan」。

スペイン語とイタリア語を勉強しています。ただ今双方とも3級に挑戦中です。

さて、上京2日目で、東京外大の柳原先生(下にブログ CRIOLLISIMOが貼ってあります)が薦めていらした、できたばかりのチョリパンの店にkotomoさんと行ってきました。代々木上原の駅からちょっと歩きます。

チョリパンはアルゼンチンの人の日常食だそうで、でっかいチョリソを半分にして、やはり半分にしたパンに載せ、1000円の載せ放題だったらトマト、ソース、レタスなどを載せ、700円のシンプルなものだったらマスタード、マヨネーズ、ケチャップを載せて完成です。

その日は昼間暑かったので、冷たいマテ茶で頂きました。マテ茶は独特の急須に入れて回し飲みするものですが、日本人にはなじまないようです。

カラフルな外観(撮影©kotomoさん)。

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それで延々お話しして、憲子先生のセミナーに5分遅刻したのでした。すいません(^_^;)。
kotomoさん、ありがとうございました。こんどは夜に行くのもいいかも……!


ミ・チョリパン(HP)

食べログ

新宿のスペースにて「ロジカルシンキング講座」受講。

富山で化学・医薬を中心とする技術翻訳をしていますヨシダヒロコです。医薬はまだまだです。

上京2日目、午前中に行ったラファエロ展は、一緒に行ったkotomoさんのブログに詳しいです。彼女の感想は内覧会のものですが。

ラファエロ展 @国立西洋美術館

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聖母子像を見たくて行けば多分がっかりします。わたしは翻訳は何語から何語だったのかな、大変だったかなーとか思ってました。ブログ中にある通り、唯一飾られている聖母子像の背景が黒く塗りつぶされてしまったらしく、X線と赤外線で非破壊的に調べが付いたそうです。リンク先にもとの背景があります。この話は面白かった。

そのあとkotomoさんと行ったお昼は、面白かったのでエントリを改めます。

そして、新宿3丁目のスペースに駆け込んで豊田憲子先生のロジカルシンキング講座。

ロジカルシンキング講座は、大判の紙と大きめの付箋(2色)を使って、わざとロジックの少々通っていない文章を課題にし、どこに何が足りないか、参加者全員で考えるというもの。2000円+お茶代で、2000円は被災地に寄付されます。お題は経済(日本の貯蓄額について)。原文・訳ともにどこかの大学の先生らしいですが、あまりうまくないです。

ツリーはこんな風に作られます(©憲子先生)。

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こんな風に文章を眺めたことがなかったので、こうすると穴がよく分かり新鮮でした。

とはいえ、一番みんなが一生懸命になったのは夫婦喧嘩やパートナーとの喧嘩やPTAの会議にどう応用するかという話だったかな?参加者のおひとりに、夫婦ゲンカになるとダンナさんが問題点を書くため大きな紙を出してくるという人がいらして。うまく話が噛み合わせられないようでどうしましょうとか、そんな話。横から男性参加者が「男とはつまらないものですから……」みたいな茶々を入れたり、面白かったです。先生のアドバイスは、まず「あなたはここまで頑張ったね」ということを認めてあげることだと。これは対クライアントでも同じだそうです。

その後場所を変えてお茶会。なんか1人で質問しすぎた気がする。ここを読んでいる方も勘違いしているかもしれませんが、わたしはまだまだ駆け出しで、化学でも医薬でも両方合わせても食えてないし、そもそも化学だって受験最後のほうで追い上げが効いたから受かったようなものだし。実は文転(国際関係でしたが、考えてみると政治経済苦手……)していた時期があるほど、理系教科には自信がなかったし、今でも一般人よりは知ってるかという程度です。なので、あるとても筋の通った文章を書く人から「あまり論理的ではない」との指摘を受け、いい機会なので上京をこの時期にすることにした、というわけです。あ、メインはラファエロだったんですがね。

その後有志3人でビッグカメラ(ビックロ)に行って電子辞書を見ました。新しい英語のもの(下のリンク参照、無線LAN対応、ブラウザでたくさんの辞書が引けるけど串刺しはできない。50000円台)と多国語のエクスワード新機種が出てました。スペイン語にはこの間通信で始めたばかりのスペイン語学校が関わって辞書を1冊入れています。さらに歌舞伎町で某さんが客引きされそうになりながら、大阪発のラーメン食べて帰りました。

http://www.sii.co.jp/corp/pr/newsDetail.jsp?news=51116

見てた英語の電子辞書はこれです。

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上京1日目。タイ料理オフ。

化学・医薬翻訳をやっていますヨシダヒロコです。医薬はまだまだこれからです。

土曜朝早くに上京して、お昼は母校の後輩や先生たちと食べ、学生時代の先輩とお茶をし、夜に恵比寿ガーデンプレイス内で数人の翻訳関係者さん方にオフを開いて頂きました。

当初、今みなの間で流行っている東北の「復興酒場」を目指していたのですが、カウンター席しか取れないことが分かりました。というわけで、何となく昔タイ料理を食べたとき妙に幸せだったなーと思ったので選んだのがガーデンプレイス内の「ジャイタイ」でした。

結論から言うと、少々値の張るお店でしたが空いていてゆっくりでき、ごはんもとても美味しかったです。ソムタム(青パパイヤのサラダ)とトムヤムクンが食べられればもう十分、と思っていたのですが、グリーンカレーに香り米(おひつで)が付いてきたのも美味しかったです。全体的に何の調味料を使っているのかさっぱり分からず、謎なところも面白かった。

内装がこれで非日常。ウェイターさんの日本語が少しだけ怪しく、それも非日常。

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少し写真を上げておきます。ビールはシンハービールにしました。
クアラルンプール駐在歴のある方や、もう1人詳しい方がいてオーダーの時に助かりました。珍しい料理って、何となくみんなが盛り上がりますね。

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上から、ソムタム、トムヤムクン、グリーンカレーです。他にも頼んだものはあるんですがきりが無いので。FacebookやTwitterでふだん良く会話している方たちだったので、特に緊張することもなく、楽しく喋って3時間ほど過ぎました。考えてみたら何を喋っていたのだか良く思い出せないくらいなのですが、普段田舎に住んでいてこういう機会がないので面白かったです。どうもありがとうございました。あの場にいた方もいなかった方も、次の機会に遊んでやって下さい。

食べログへのリンク。
http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13005493/

何だか高いところを指定してしまって申し訳なかったので、1つ情報提供を。
月曜日に本を立ち読みしていたら、恐らくこれだと思うのですが、見つけました。そのうち買ってみますので。

味澤ペンシーのかんたん絶品 タイごはん―お店の味がおうちでできた! (旬の料理はこの人から。)味澤 ペンシー

主婦の友社

2012-05-16

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

東京からの帰還&今日は立山が綺麗でした。

富山で化学・医薬を中心とする技術翻訳をしていますヨシダヒロコです。

2泊3日で東京まで出かけていました。翻訳に関する話題を中心に、明日以降アップしたいと思います。今日は少々疲れておりまして(^_^;)。

なかなか乗りごごちの良い女性専用深夜バスで帰ってきたら、富山は晴れて寒く、ちょうど朝日が立山に上るところでした。

以下、SNSで見た方には繰り返しになりますが。

夜明けの富山駅。

富山駅西口です。

あとは鈍行が朝早すぎてなかったので、朝っぱらから大阪行きサンダーバードに乗りました。

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最後に、氷見観光協会の写真から。わたしもこういうアングルでは観たことないです。

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それでは、詳しい話はまた明日。