昭和初期くらいの日本文学を青空文庫で。

ヨシダヒロコです。

2015-11-24 10.14.56

この詩集は1年前、石川近代文学館の『月吠え』展でグッズとして売っていました。中はマンガに出てくる真面目な詩集です。

NHK Eテレの『100分de名著』を気に入ったものだけ見ていて、最近引っかかったのは太宰の『斜陽』、坂口安吾『堕落論』他、アドラー『人生の意味の心理学』でした(アドラーは今またやってますね)。この番組は「本の読み方」を教えてくれるので好きです。最初2作は買うものもあると思うけど、掌編なら特に青空文庫で読めます。最近はブラウザもできていて本当に印刷された本を読んでいるよう。ありがたいことです。Kindleは7インチのタブレットで読みますが、あまり性に合いません。青空文庫のブラウザは、ZenPad7.0ではハングアップしますし。

太宰は高校の時『富嶽百景』(教科書にあった。珍しく爽やか)、『女生徒』(ヒロインが可愛かった)が好きで、人生経験がなくて『人間失格』が分かりませんでした。30代で読み直し、今ならもう少し分かる気がします。むしろ自分が失格かもと思うこともあります。今回いろいろ短編がある中で絶筆である『グッドバイ』をまず読むつもりです。

坂口はTVみてて『日本文化私観』、『白痴』が気になりまず先に。前者の文章がとても美しくうわーすごいと思いながら読みました。俗な外国人(坂口によれば)の日本文化に対する感性を圧倒的な見識の高さでやっつけているところが素晴らしい。新潟出身とは知らなかった。来月手に入れるかな。

何回かブログに登場しているマンガ『月に吠えらんねえ』、4巻は戦時の話で、石川啄木に新たに興味を持ちました。あまりにもダメ夫なので一度奥さんが出ていって、啄木が懇願して帰ってもらったとこの間ドキュメンタリーで見ました。

奥さんは『ローマ字日記』(内容が過激なのか買わないとないらしい。しかもすごい品切れ)をなぜ夫の言うとおりに焼き捨てなかったのだろう……。『一握の砂』はついこの間読み、「(良くも悪くも)感情に素直な人だなあ」というのが感想。こういう人は好きだけど苦手だという人もいるかも。時々流れるような美しい歌があります。歌が美しいので、装丁が綺麗そうな復刻版を古本屋の通販で買う予定。春頃買った犀星の詩集もあります。

(それに、まだ半分の2話までしか見てないのですが、『夏目漱石の妻』の特に夫婦関係も興味深かったです。主治医が超有名な呉秀三先生ですし。呉先生の本読んでね、と放送大学大学院の授業で先生が2,3回言ってました)

青空文庫はオンデマンドで本にしてくれると今頃知りました。確かに、すごくマイナーな全集にしか入っていないような作品をボランティアが入力してくれていると思うと、少しは買わないと申し訳ないです。活字が小さいと困る人にもいいかも。

「青空文庫」収録作品のプリントオンデマンド本、ジュンク堂書店池袋本店で販売開始 -INTERNET Watch

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/710170.html

こういうものを読んでいると自分の書く文章について考えてしまい、もちろんこのような作家にはなれないけど味わいのある文章が書けたらなと思います。技術文書でも一読してすっと意味が通じるようなものが書きたいですね。最近来るようになった案件は技術系だけど専門性が低く、読みやすいように表現にひとひねりがいるため、ない語彙をいじくり回してます。

読む「だけ」でいいのか、楽しむのならそれでもいいけど翻訳者としてはどうなのか考えたいです。

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