翻訳仕事の種類:初心者向け。

My Life Between Silicon Valley and Japan のこのエントリが話題を呼んでいるようだ。確かに頷ける内容。曖昧に「英語ができるようになりたい」とよく言う人がいるが、何でもバリバリって人は少ないだろう。っつーか、いないだろう。

一応目指してる人、学生さんなどのために、ダメダメなわたしでよければ書いておく。間違いがあったらごめんなさい。

1.出版翻訳:一番有名なジャンル。出版社から仕事を受ける。翻訳学校(主に通学、たまに通信でも)経由で師匠を見つける場合が多いよう。最初は名前の出ない下訳やリーディング(原書のあらすじをまとめる)から入る。報酬は買い取りと印税制がある。師匠とのコネが学校でできることが多いようで、学校の少ない地方では難しい。最近本も売れないし、食っていくのはかなりきつい。理科系の仕事もあるが、それは3のような形でも入ってくる。

2.字幕翻訳:(映画、TV、CS) しょっぱなは例えばプレイボーイなどから。戸田奈津子さんのような通訳兼業は少数派。翻訳者さんは普通、表には出てこない。専門養成学校が全国に2校くらいだったはずなので地方ではきつい。映画業界でアクティブに活躍している人はおよそ10人とか。

3.実務翻訳:目立たないが一番多い。企業・役所、まれに個人から翻訳会社を通して受注。訳者の名前は出ないが、出来がよければ指名で仕事が来る。基本的には翻訳会社の「トライアル」と呼ばれる試験(試訳をする)を受けて登録してもらうのだが、そこから先、よほどの実力がないとすぐに仕事が来る保障はない。よって、「仕事が来る」と謳っている場合、多分それはガセ。試験自体、ある会社では9割を落としているという。

登録するとき守秘義務を守る契約書にサインする場合がしばしば。英文科卒より他学部で専門分野がある人、英文科卒でも実務経験を持っている人が重用されることが多い。さらに、力のある人は企業などと直契約。やはり従事者は大都市に多い。今需要が多いのはIT系、特にローカライズかしらね。医薬も優秀な人は少ないらしいし。

単価はおおむね1ワード(1文字)いくらという感じ。最近翻訳メモリ(同じ言い回しをデータベースから判別して使用する・翻訳ソフトとは違う)の普及により、ダンピングされる傾向があるようだ。

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で、世の中の人の誤解と言えば、「えー、英語できる(喋れる)んだすごいなー」でも、1-3のうち喋らなければいけない必要のあるものはあまりないのだ。2.の人はスクリプトがない場合聞き取り能力が必要なので、通訳並みの人も見かけるが。

なので、実は喋るのは苦手で、って人もいる。交渉能力がいるのは、海外の会社と取引していて電話連絡があったときくらい。海外では通訳・翻訳の区別はあまりないけどね。

まあ、なので少なくともわたしは、全然エキスパートでもないのである。日本語で分野違いだから読めない文章は、英語でも読めないのは当たり前。すみませんね。