「先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学」。

題名がとってもキャッチーな大学教授による本。小林教授は専門が動物行動学、人間比較行動学だそうで、でも本には難しい記述はあまりない。

コウモリが学内にいると言うので学校中に同報メールを流して協力を仰いだり、作った池にモリアオガエルが産卵したと喜んだり、研究室の中でヘビとハムスターがどっちも脱走したり、「ヤギ部」を作ったり、小さめの大学だからこそのほのぼのした話がたくさん出てくる。変な動物が現れると、この先生に連絡が行くらしい。または学生が捕獲して持ってくるらしい。

この鳥取環境大学は、地図が載っているのだが自然に恵まれた場所であるらしく、羨ましい限りである。

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研究室ってよかったな。

勉強熱心な人が多いと「あれ?なに読んでるの」ってことが多くて、かなり知的好奇心を刺激されたものです。春に遊びに行ったときも思わず本棚チェックでした。

翻訳者になった人にもたまにいるんですが、睡眠障害(昼夜逆転しちゃう)。あれでわたしは勉学が続けられなくなりました。

学生時代に読んだ理科系の本でいちばん興奮したのはプリゴジンらの「混沌からの秩序」(みすず書房)でした。ただ、分からないところがかなりあった。ごく最近分かったのですが、わたしに哲学の素養が足りなかったからですね。あとで読みたいと思うとは思わず整理しちゃったので、古本で買おうと思います。

というわけで、結局どう転んでもアリストテレスからになるのでした。岩波を扱っている本屋さん、ないかな。それとも昔ながらの本屋さんに頼もうか。

あ、近くリンク集に古本屋リンク作りますね。個人の店も扱います。

「Snowflakes(山と渓谷社)」を眺めて感動した。

ちょっとギャラが入らないと買えません……。古本にこないだ使っちゃったんで。

歩いて行ける一番大きい本屋では、もう1冊しかなかったです。綺麗なものを見たり聞いたりしたときに起きる、背筋の寒気がしました。写真が本当に美しい。それだけでも買う価値があります。文章はまだ眺めてません。

ところで、岩波文庫が近所から消えたことに最近気が付きました。古典は揃ってるんですよね。なんだかショックです。

「不味い!」。

不味い!

不味い!
新潮社
不味いものを科学した本です。

結構科学的ではあるんだけど、楽しいエッセイです。実際に一般向けの講演を聞いたことがあって、おしまいにある質問を割愛して話し続けるなど、かなり型破りで面白い方でした。「まあまあ、聞きなさい」みたいな感じ。いかにもです。

この本では主に発酵食品、カラスの肉、虫の類などの強烈なものを食べて回って、感想を書いています。普通に遭遇する例としては、病院の食事とかホテルの朝食のサケとか。味覚が鋭い方なので、普通のものでも切り口がぜんぜん違います。ほかの本で読んだのですが、富山は氷見のブリがお好きだそうです。天然ものは地元民のわたしでも食べられません。高いから。

一番感心したのは、韓国のホンオフェというエイの発酵食品を食べたときに、ちゃんとpH試験紙を用意していったこと。用意のよさに大爆笑でした。Wikiによると、スウェーデンのシュールストレミングと同じく、輸入禁止だそうです。

NHKは先日(入手経路が知りたいところですが)、小泉先生をゲストに招いた番組で、この2種類とふな寿司をスタジオに用意してました。透明プラスチックの箱で覆いがしてありました。出演者で平気な顔をしていたのは、小泉先生だけだったような覚えが。

そして、人からキャビアをもらったとき、あまりに嬉しくて数を数え、「1万3000日楽しめます、ありがとうございました」などとお礼状を書いたという逸話も出ました。そこはちゃんと1gあたりの粒の数を図って、グラム数をかけたわけですが。ちなみに、3日でなくなったそうです。