最近 応募・エントリーしたコンテスト(『花椿』の詩、イタリア語翻訳)。

poem

ヨシダヒロコです。

翻訳の仕事は、和訳なら読む人が読みやすくないとよい訳文とは言えないので、皆さんいろいろ努力しているわけです。解釈や用語に間違いがないのはもちろんのことで。

読む方はわたしは明治~戦前くらいまでの作家が好きです。現代では宮部みゆきの初期(『理由』のラストがつまらないと思い離れている)、横山秀夫『クライマーズ・ハイ』(他のも読もうと思ってもう何年)、伊東計劃『虐殺器官』などです。恋愛ものは避ける傾向にあり、訳は現代物には面白そうなものが少ないので。話題になった作家で読んではみても「次はないな……」てのもあり、大々的に売れたものは避けてます。

翻訳者・通訳者の本だと米原万里(ロシア語通訳)・田丸久美子(イタリア語通訳)のお二方は親友でサービス精神旺盛なところが似ています。すごい通訳さんたちと聞いていますが。

田丸さんのエッセイ。
http://www.alc.co.jp/m-alc/tsuyaku/151112.html  魚拓

翻訳者でお手本にしたいのは須賀敦子さん(イタリア語翻訳・作家)。本当に綺麗な文章で、読んだのは大分前ですがこれです。

須賀さんは芦屋の出身ですが(2015年に横浜の回顧展に行って生い立ちについて見ました)、去年芦屋で展示があったのを今更知りました。

とにかく、好みはあれ文章を読んだり翻訳や文章についての本を読んだり(翻訳技術の本が溜まってますが)して日本語力を磨くのです。

詩歌をする人もいます。周りでは俳句が多いですが、子供の頃から詩に親しんできたので、俳句の17文字に言いたいことを入れられる気が全くしなくて。2014年に松山駅前で子規の石碑を見(博物館には行きそびれた)、最近やっと見たドラマ『夏目漱石の妻』でも子規の親友だった漱石の句が出てきました。俳句だとどうも「すごい。わたしには無理……」となってしまいます。詩の方は、洋楽好きで英詩にも興味があり、米MOOC講座や放送大の科目で多少読みました。
最近になって知った(日本人の)詩人さんに影響を受けて、『花椿』の募集に詩を応募しました。書いたことは色々あっても「応募」したのは初めてです。自分に似ていいても別人を作るのが面白かったです。
http://hanatsubaki.shiseidogroup.jp/poem-requirement/index.php  魚拓

2年ほど前から写真は植物園などに応募しており、何ももらってませんが、出すことに意義があると思っています。去年は飛騨市観光協会にも応募しました。

もう1つさっき応募したのは、日伊学院の作文&翻訳コンテストで、希望者には有料添削してもらえます。もうちょっと文法がマシになったら翻訳にもトライしたいですが、この間のイタリア語検定ではなんと作文にスペイン語が複数紛れ込んでまして、先生にかなり注意されました。翻訳だとそれは起こらないだろうから少しはマシですが。
http://nichii-gakuin.com/cms/news/archives/4114   魚拓

いずれかに興味を持った方、花椿は応募受付5/8まで、イタリア語は6/29(その後課題発表)なのでふるってご応募ください。

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ビアトリクス・ポター生誕150周年記念ピーターラビット展(2017/03/25大阪グランフロントにて、会期は04/02まで、その後東京・中国・九州・中部を巡回)。

ヨシダヒロコです。

もう週末の予定が決まっている人もいるだろうし、金曜日の午後でも一杯でしたから混むと思いますが情報をば。この後、広島、福岡、名古屋も巡回しますし。今見たら東京・八王子が追加になってました。原画が沢山あるのを見たくて、他にも大阪に用事があったので。

オフィシャルサイト。

http://www.peterrabbit2016-17.com/

peterrabbit

着いたバスが(春休みだし)遅れて、さらにグランフロントで迷って、やっと会場に着いたけど駆け足でしか見られませんでした。『ピーターラビットのおはなし』シリーズは多分日本語ではほとんど、英語で読んだのもありますが、知らない話の絵がありました。ノエルという男の子に書いてあげた最初のおはなしやペットのピーターのスケッチ(すごくきっちり描いてある)、もちろんポターの人生についてもパネルがありました。

伝記映画『ミス・ポター』と(レニー(レネー)・ゼルウィガー主演、2006)いうのがあるのですが、いい予習になります。

その他、放送大学”Walking With Writers”というほとんど日本語が出てこない英文学の授業で取りあげていました。

人をかき分けかき分け何とか見て、欲しかった図録を買いました。ディーンさんはそんなに好きなわけではないので、DVDなしで。時間もないし、あとは布でできたハガキ1枚だけ買いました。うさぎのわらわら群れているスケッチものがあったら良かったのですが。図録はカラーでいろいろ入っているのでよい感じです。

一番右は、郵便局の限定商品です。他にもあります。

『ミス・ポター』のトレイラーは英語なら配給会社にありましたし、わたしも過去にレビュー書いてます。

gacco『Memento Mori–死を想え』(東北大大学院文学研究科 鈴木教授)でしみじみする。

ヨシダヒロコです。

この講座はまた開講されると思いますが、7日で課題受付は終わり、登録しているわたしには現在動画だけ見えている状態です(28日まで)。最近、読みたいのに買えてないですが『死すべき定め』という翻訳書が売れたり、終活という言葉が流行ったり死生学という学問も人気なようです。

この講座は「東北大学で学ぶ高度教養シリーズ」の第一弾で、「宗教民俗学」という学問から特に日本人の生と死、宗教観、宗教儀式などを取り扱っています。「民俗」とつくのでふだんわたしらのやっているようなことが題材となっており、豊富な写真やフィールドワーク、先生の話術(こんなテーマなのにちょっと受けることを言う)で飽きませんでした。最後は1000~2000字のレポートがありました。その採点はまだ済んでいません。

memento_mori

下の写真はもとはFrickrという写真サイトから、Creative Commonsのライセンスで講座内の最初と最後にアップで使われていたものから。悲しくも美しく、選択が見事です。

わたしの場合、

1.自分自身の死について考えることが多いような病気に罹っている

2.ペットを沢山飼ってきたので、沢山亡くしている

3.周りの人の死、面識がない場合でも考えてしまうことがある。さっき知ったのですが、重力波望遠鏡LIGOの創設者のひとりであるロナルド・ドレーバー氏が亡くなったと。ノーベル賞も取り沙汰されていたような方だそうですが、英語ニュースによると認知症だったと。状態は分からないが残酷なことだなと思いました。

まず、「Memento Mori」という言葉について先生の解説。字幕はダウンロードできるので、適宜句読点を入れました。確かにラテン語系の言葉は「死ぬ」という動詞がmorireだったりmorirだったりします。

「memento mori」というこの授業についてですけれども、この言葉はラテン語の ある意味では
「覚えていろ」という 命令と、「死ぬこと」という言葉が くっついて、「死を思い出せ」「死を想え」 ということになります

宗教民俗学って知らなかったのですが、こんな説明です。

信仰の定義、 つまりこれは宗教を含むわけですけれども、信仰の定義について考えてみましょう。私はこれをカタカナのヒトと カタカナのカミとの交渉に関する観念と、それに基づく行為である というふうにまとめています。
ここではカタカナの「ヒト」は 人間を表します。またカタカナのカミは漢字で書く神、漢字で書く仏 、カタカナで書くホトケ、霊魂, 精霊, 先祖, お化けなど といった超自然的存在、すなわちスーパーナチュラルビーイング 全体を考えています。つまり ヒトとスーパーナチュラルビーイングとの交渉に関する観念とそれに基づく行為を信仰という ふうに理解しています。

さて 私がやってる宗教民俗学の視座というのはそういった「信仰」を研究対象とします。その点でいいますと神学と 言われるようなところが宗教を対象としてると言っても いいかもしれません。そこでさらに宗教民俗学は 宗教の規律というかドグマというような形で教えがしっかりした体形を とってるような部分が変化・曲解・混淆して 受け入れられている、そういった現実の進行場面を対象としています。

民俗学とはよく知らなかったのですが、なんかおもちゃ箱ひっくりかえしたようにいろんな話がいろんな地域から出てきて、庶民のやることですから誤解して違うものを違った拝み方している場合などもある訳です。それをそのまま観察するところが大らかだと思いました。ある事象そのものも教義を無視しているところがあって、それものびのびと死者を祀っているなと。

印象的な話はなんといっても恐山。イタコの口寄せは異次元から怖いものが来るような印象がありましたが、やってくるのは懐かしい人の霊で、「また呼んでくれ」といって帰っていきます。お供え物にも圧倒されましたし、何やら恐山事態自体の構造がカオスなのが興味深かったです。東北らしいもので言うと、震災後の怪異譚。タクシーにお客さんを乗せて降ろしたら、というのはどこかで読みました。それも怖いというより悲しい。先生は突然の死のことを「サドンデス」と言っていました。生者の負い目も大きくなると。

また、在宅ホスピスというのがありますが、勤務医の先生が在宅での看取りをやる医師になったら、なぜかお迎え現象が増えたという話がありました。研究結果は見たことがある気がしていて、不思議だなあと思ってました。幻でも身内が来てくれたら死ぬのも怖くないでしょうし。

生者が死者を悼むのは生者の思いのため、という話を聞きましたが、経験上全く同じことを考えていました。日本人の宗教観について矛盾も突いており、エキサイティングな講義でした。ビデオが「オーロラ」より長めなので、心持ち早送りにしても時間はかかりましたが、こういう話は悲しいことも多く出てくるけれど心を豊かにもしてくれると思います。本来、文学部とはそういう所かと思います。

そんな講座を修了して(レポートの採点まだだけど、した…と思う)、ネット本屋(わたしはe-honからリアル本屋経由で買ってますが)を整理していると、上で書いたのと似た怪異譚が本になっていて評判もいいようなので紹介します。泣かせる話とか感動とかいうのが大の苦手ですが、これは紹介したいなと思いました。

Twitterで遺族の方らしい方が「『忘れない日』ではなく、忘れたくても忘れられない命日」と書いていました。今回の講座は葬式やお墓など回りのこと、何回忌という区切りも紹介していました。震災で亡くなった方には7回忌に当たります。

最後にこういう「臨床宗教師」という資格ができました。医者やカウンセラーでは限界がある場合、災害(熊本地震の実績あり)や医療現場のターミナルケアに出動するらしいです。最初に養成講座を作ったのがこの大学でした。宗教家を対象とします。

http://www.sal.tohoku.ac.jp/p-religion/neo/wiki.cgi?page=%CE%D7%BE%B2%BD%A1%B6%B5%BB%D5%B4%D8%CF%A2

昭和初期くらいの日本文学を青空文庫で。

ヨシダヒロコです。

2015-11-24 10.14.56

この詩集は1年前、石川近代文学館の『月吠え』展でグッズとして売っていました。中はマンガに出てくる真面目な詩集です。

NHK Eテレの『100分de名著』を気に入ったものだけ見ていて、最近引っかかったのは太宰の『斜陽』、坂口安吾『堕落論』他、アドラー『人生の意味の心理学』でした(アドラーは今またやってますね)。この番組は「本の読み方」を教えてくれるので好きです。最初2作は買うものもあると思うけど、掌編なら特に青空文庫で読めます。最近はブラウザもできていて本当に印刷された本を読んでいるよう。ありがたいことです。Kindleは7インチのタブレットで読みますが、あまり性に合いません。青空文庫のブラウザは、ZenPad7.0ではハングアップしますし。

太宰は高校の時『富嶽百景』(教科書にあった。珍しく爽やか)、『女生徒』(ヒロインが可愛かった)が好きで、人生経験がなくて『人間失格』が分かりませんでした。30代で読み直し、今ならもう少し分かる気がします。むしろ自分が失格かもと思うこともあります。今回いろいろ短編がある中で絶筆である『グッドバイ』をまず読むつもりです。

坂口はTVみてて『日本文化私観』、『白痴』が気になりまず先に。前者の文章がとても美しくうわーすごいと思いながら読みました。俗な外国人(坂口によれば)の日本文化に対する感性を圧倒的な見識の高さでやっつけているところが素晴らしい。新潟出身とは知らなかった。来月手に入れるかな。

何回かブログに登場しているマンガ『月に吠えらんねえ』、4巻は戦時の話で、石川啄木に新たに興味を持ちました。あまりにもダメ夫なので一度奥さんが出ていって、啄木が懇願して帰ってもらったとこの間ドキュメンタリーで見ました。

奥さんは『ローマ字日記』(内容が過激なのか買わないとないらしい。しかもすごい品切れ)をなぜ夫の言うとおりに焼き捨てなかったのだろう……。『一握の砂』はついこの間読み、「(良くも悪くも)感情に素直な人だなあ」というのが感想。こういう人は好きだけど苦手だという人もいるかも。時々流れるような美しい歌があります。歌が美しいので、装丁が綺麗そうな復刻版を古本屋の通販で買う予定。春頃買った犀星の詩集もあります。

(それに、まだ半分の2話までしか見てないのですが、『夏目漱石の妻』の特に夫婦関係も興味深かったです。主治医が超有名な呉秀三先生ですし。呉先生の本読んでね、と放送大学大学院の授業で先生が2,3回言ってました)

青空文庫はオンデマンドで本にしてくれると今頃知りました。確かに、すごくマイナーな全集にしか入っていないような作品をボランティアが入力してくれていると思うと、少しは買わないと申し訳ないです。活字が小さいと困る人にもいいかも。

「青空文庫」収録作品のプリントオンデマンド本、ジュンク堂書店池袋本店で販売開始 -INTERNET Watch

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/710170.html

こういうものを読んでいると自分の書く文章について考えてしまい、もちろんこのような作家にはなれないけど味わいのある文章が書けたらなと思います。技術文書でも一読してすっと意味が通じるようなものが書きたいですね。最近来るようになった案件は技術系だけど専門性が低く、読みやすいように表現にひとひねりがいるため、ない語彙をいじくり回してます。

読む「だけ」でいいのか、楽しむのならそれでもいいけど翻訳者としてはどうなのか考えたいです。

和む本(2)―パンクで楽しい短歌本『ビットとデシベル』。

ヨシダヒロコです。

夕べ(いろいろあってほぼ朝)まで食物やサプリ関係のお仕事してました。3月はヒマ目で、そのせいか沢山本を買いました。

ビットとデシベル (現代歌人シリーズ)

フラワーしげる

書肆侃侃房

2015-07-07

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

この本はフラワーしげること西﨑憲さんの短歌集ですが、去年出た頃から気になっていました。短歌は俳句より好きですが(あんまり短いと書くのが難しそうで……)古典作品に出てきた男女のやり取りが趣きあると思ったくらいで、現代のものは読んでません。詩歌では詩が一番好きですし、ここにも少しエントリあります。

この本は、ツイートから流れてくるお気に入り作品を見ると、何だか短歌じゃないみたいで。いい意味でなんですが。実際買ってみると、西崎さんはご本人も長年同業者だし翻訳書も読んでるしそこそこ存じ上げているつもりだったですが、全然知らないどこかワイルドな、どっか抜けた「おれ」がいて。夜中に歌集読んで爆笑していました。ご本人を知らなくても何か可笑しいと思います。フラワーしげるってまず何よ?と思います(たしか著者は「なんでそうなったか覚えてない」とツイートしてた覚えが)。脱力することこの上ないです。

もう五七五とかなくて、短い詩のようなんですが多分短歌と言えば短歌なんだろうと。

実験的という意見もあるでしょうけど、わたしが以前ギリギリで単位取れなくて次こそはと思っているこのアメリカ現代詩とか、いろんなことしてますよー。

Modern & Contemporary American Poetry (愛称ModPo)

10ほど気に入ったのを挙げます。
*****

明日の午後このカフェで事故が起こりますと書いた紙を置いて出る
犯罪ではないと思いながら

まず謝らなくてはむかしの恋人に会ったらすまない禿げてしまった

2040年の夏休みぼくらは懐かしいグーグルで祝祭を呼びだした

おれをみろおれをわらえすっきりしろおれはレスラーだ技はあまり知らない

夜の回送列車ゆっくりと過ぎひとりで乗っている死んだ父

元気でいてという願いはぼくのわがままで 積乱雲の切手はる

遠景になればきっとさびしくはないはず おれは早く遠景になれ

比喩でなくおれのあそこは小物でしかし普段はあまり差しつかえなく

じゃあ、成功した友人を憎んで失脚させたいと思ったことのある人は
用紙に○をしてください

ここから先の歌はくだらないので読む必要はない

******

これをどう形容するかと考えていましたが、「パンク」というのが一番かと。わたしはパンク全盛の頃のパンクをそんなに聴いておらず、今頃グリーン・デイとか聴いていますが、その精神は多少は分かっているつもりです。ご本人も「みんな考えすぎなんだから、この本でも読んで気を抜いたらいい」という意味のことをTwitterの会話でおっしゃってました。そろそろ残部が少ないそうなので、欲しかった人、興味持たれた方はお早めに。

写真集が多くなりそうですけど、ぼんやり眺められる本を見つけたらまた続きを書きます。

新書『翻訳百景』で、翻訳の海に戯れる。

ヨシダヒロコです。

ちょっと前に買ってあったのですが、夕べ1時間読んで今夜は一気でした。

翻訳百景 (角川新書)

越前 敏弥

KADOKAWA/角川書店

2016-02-10

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

いい本読んでると途中で考え事して時間をロスすることがあるのですが、楽しい約4時間でした。わたしは本の中のイベントに一般読者として関わっているので特に面白かったですが、翻訳者・通訳者などはもちろん、それらに興味がある人、言葉に興味がある人、ミステリーなどの読者、何だか分からないが越前先生のファンなど、事前知識がなくても楽しいのではないかと思います。

わたしは先生と同じくむかしNifty-Serveの会議室にいて、いた場所は違いますがミステリーのメルマガに関わっていたことがありました。初めて読んだのは高校の時のホームズで、北の方へ夜行列車に乗って受験に行くときも持っていきました。その頃、グラナダ編のホームズをやっていたかと。カンバーバッチ版は好きですが、全部見終わっていなくて、いい加減行かないと映画も見逃しそうです。

20代の頃にキングなどと並行して海外ミステリーを読んでいたのは、Niftyの影響だったと思います。あの辺には今も文芸系で活躍しているすごい人がたくさんいて、でもそっちに行く気はあまりありませんでした。10年ほど前に短い結婚をして、文字通り北陸に逃げ帰ってきて、しばらくは人が死ぬニュースも見られずミステリーも読めず、色々と使い物になりませんでした。今は、金沢読書会があると知って申し込みメールをすると「吉田さん一番乗りですね」と返ってきます。(2016/05/31追記:ミステリーの)読書量は少ないですが、読書会で貴重な本との出会いをしていると思っています。読書会での自己紹介にはフロストシリーズとクレイグ・ライスの作品(どっちも何かユーモラス)が好きと書いています。その方向だとジーヴスとかも興味ありますが、バッドエンドも嫌いではありません。

この本は越前先生の本ということもありますが、去年した仕事の中に文学的センスの必要なものがありクライアントからダメ出しを食らってしまったのです。考えてみたらしばらく文芸系の本は数が読めてないし、堅苦しい翻訳になっていたのかも、という理由もあって読もうと思いました。その期待は裏切られませんでした。

それで、こう書くのもおこがましいですが、越前先生とはいくつか共通点があります。

出身地が似ているのはまあ置いといて(北陸出身は少ないです)、

1.塾教師の経験がある。「うちでやらないか」と言われたことあるのですが断って、家庭教師が多かったです。今は流行らないらしく、みんな個別指導になっていますが。受験の面倒も見たし、お家の台所借りて、理科好きの子にちょっとした実験をしたりしました。頼まれた科目はなるたけ面倒は見ました。確かにあの手の稼業は体に悪いです。同業者で翻訳と両立していたり、過去に経験がある方はいらっしゃいます。

2.1.にも少し関連して、大病をしたことがある。わたしの場合は死ぬかという病の結果、なりたい仕事に向けての勉強継続ができなくなったのですが。今も調整は必要ですけど、そういう経験をするとダラダラ生きてるのはもったいないかな、と思うかも。病気をして今の仕事に変わったという同業者を他にも知っています。

3.英検、TOEICについては同感です。10年ほど前に1級と900点台を目指し、1級の方はあと1点などで落ちることを繰り返しました。産業翻訳では登録の際に聞かれることが多いので、あって邪魔になるものではないのですが、翻訳に必要ではありません。準1級は「何となく」大学1年でとって翌年ごく短期でイギリスに語学留学したら、あまりにも何もできなくて鼻をへし折られました。へし折られ体験というのはいいことだと思っています。最近別言語でとっている資格は、もちろんその後の目的があるのですが、勉強して上達する過程も楽しいものです。

まず先生のブログは、「本当は書きたかった」と後書きにあったSixwordsの辺りで知りました。例の文法本も出た頃では。Twitterでいろんな人の6単語詩が流れていました。

そんなこんなしているうちに、『翻訳ミステリーシンジケート』が始まって、調子を見て読むようになり、そのうち金沢読書会ができました。先生の講演が2012年で、2013年最初の第1回金沢読書会の課題本が先生を迎えた『氷の闇を越えて』でした。昔、銃で殺されかけた私立探偵の話。引っ張り出してみて思い出したけど、『解錠師』と同じハミルトンの作品、売れたためデビュー作が新訳されたのでしたっけ。『解錠師』も本の中に出てきますが、残念ながら積んだままです(『翻訳百景』読んでると読みたくなるのですが)。その後もう1回くらい金沢にいらして、東京のミステリー関係の集まりでも偶然お会いしました。

翻訳ミステリーシンジケート  http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/

以下、面白かったところや気に入ったところをばーっと挙げます。

 文芸翻訳の仕事

小説を訳していると言うと人に珍しがられる。これは産業でも同じなのですが、「翻訳者が聞かれるあるある」です。Twitterでよくこぼしてるのを見るのは「英語ペラペラでしょう?」でしょうかね。わたしも聞かれます。翻訳者以外の人は、「こういうことはどうして言ってはいけないか」「どうして的外れか」という参考にして欲しいです。

すぐれた編集者とは

産業分野ではプルーフリーダーやチェッカーですが、うまく間違いを指摘するのって難しいですね。変換間違いレベルのが放置されたりしていると、わたしも「かろうじてですます使ってる(けど[怒])」になってしまうかも。同じ間違いを何回もしているときがあって、辛抱強く「前にも言ったけどもう言わないからね」みたいに指摘してもらえるのはありがたかったです。ここ2年くらいで直される経験をたくさんしました。ついでに書いておきますが、訳文を人にさらすのは大事だと思っています。ギャラリーはできるだけ多い方が良いです。

翻訳書のタイトル

どうやって決まっているか例を挙げて書いてあります。知ってる本だと面白い。先生の訳書は全部対訳形式になってリストがあります。

『ダ・ヴィンチ・コード』関連:

全体の1/4を占めます。ダン・ブラウン作品は『ダ・ヴィンチ・コード』を読んだのと、金沢での講演会『翻訳百景』(最後にメモを書き起こしたリンクあり)でパロディの話をお聞き したくらいですが、調べ物や造語の訳や、最新作『インフェルノ』で欧州系翻訳者が遭った罰ゲームなど、全く読んだことない人でも楽しいと思います。楽しくてためになって、その後じっと手を見る感じ。

全国翻訳ミステリー読書会

敷居が高いとお思いの方もいるでしょうが、課題本読んで、感想は何言ってもいいです。第1回読書会で、金沢ではヒーローと訳ありの女性を指して「ああいうきつい女性はごめんだ」といった人がいましたから。本をネタにして好きな話をするという感じでしょうか。ここに出てくる福島の読書会にも、脱線した結果『翻訳ミステリーシンジケート』のアクセスがすごいことになったとか、この話から来たのかと分かりました。SNSでの先生はラーメン店開拓に余念がないですね。金沢にも他県から来ます。

読書探偵作文コンクール

この子供向けのコンクールは存在しか知らなかったのですが、ここまで盛り上がっていて、こういうレベルの高い応募作品が来るとは知りませんでした。

『思い出のマーニー』翻訳秘話

ジブリの原作本を大人向けと子供向けから同時に出して欲しい、3ヶ月の所を1ヶ月でという依頼。こういう突貫作業、他の所にも出てくるんですがさすがにこの作品のときは「やまねこ翻訳クラブ」(Niftyが元になった児童翻訳本愛好クラブで、たくさんデビューしている)の方が協力してくれて。作業の様子が見られます。『マーニー』は大人向けのを今持っていて、優先順位が高めです。これも本に収録できなかったそうですが、クイーンも突貫があったそうです。

ことばの魔術師 翻訳家・東江一紀の世界

わたしにはミュージシャンなどで、訃報に接して初めて「すごい人だったんだ」ってことがよくありますが、短い訳文から「魔術師」であったことがよく分かります。去年亡くなった翻訳者さんで、追悼イベントがたくさん組まれていたし、『ストーナー』が日本翻訳大賞の読者賞を取って興味を持っていました。遺作でした。今わたしがブログで書きかけている、ニュートリノの実験物理学者・故・戸塚洋二先生は「死んだら人は消えてしまうのか、どうなってしまうのか」ということをずっと考えていたそうです。最近思うのは、その人のことを懐かしむ人がいる限り、または業績を上げた人なら本の中などで生き続けるのだろうなと。東江先生の略歴・業績・名訳集はブログ『翻訳百景』でダウンロードできます。ざっと見て、長く患われたんだなと思いました。

最後に、『翻訳百景』が太宰から来ているとは知りませんでした。わたしは高校教科書で読んだのですが、作品たくさん読んだわけではないけど珍しくすがすがしくてこれも良いなと思いました(その頃は『女生徒』が好きで、今は『斜陽』が面白そうかと)。

越前敏弥先生講演会「翻訳百景」@石川県立図書館(その1)(2012/10/7)。

越前敏弥先生講演会「翻訳百景」@石川県立図書館(その2)(2012/10/7)。

越前敏弥先生講演会「翻訳百景」@石川県立図書館(その3)(2012/10/7)。

東京・大阪では定期的にやっているイベントなので、行ってない人は損してます。是非。

初めて行った室生犀星記念館「金沢の料亭・色と犀星~金沢の味わいかた~」(2015/11/14~2016/03/06)。

ヨシダヒロコです。

まだ解決していないファイルの問題もありますが、仕事の修羅場が開けました。

なので、1ヶ月近く前に行ったこの展示。迷ったり神明宮(リンク)に行っていたせいもあり時間があまりなく、しかもメガネの度が合ってなくて細かい手書き文字が見えなかったので、もう一度会期中に行きたいです。

途中神明宮に着けずに、偶然迷って犀星が子供の頃を過ごした雨宝院を通りました。今のところ、まともに雪があったのは今冬ではこの日あたりだけでした。

犀星記念館は比較的新しいようですが、金沢には他に徳田秋聲、泉鏡花など有名作家の記念館がいろいろあります。わたしは近代文学館にはちょくちょく行きますが、その他はなかなか行けませんでした。

今回、犀星がかぶら寿司大好きで送ってくれるよう頼む手紙とかあるというのでこれは是非、と。行く前にHP見ていたら、猫を飼っていて可愛がっていたことも知りました。

オフィシャルサイトです。

http://www.kanazawa-museum.jp/saisei/

かぶら寿司は最近TVで出たようですが、Wikipediaの写真からこんなの。あと、身内の猫がうちに来たときの写真。間にブリとかサバとか挟まっているので。この子はドロボーの名人です。写真ボケてたんで修正しましたがこんなんですいません。

かぶらずし

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By Ttaakkaco – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=45316680

2016-01-02 13.34.31_Fotor

ロケットニュースでも紹介。石川だけでなく富山でも食べますが、何でこんなにおいしいの?っていう記事です。リンク

さて、神明宮からしばらく歩くとこぢんまりした記念館が。多少デコレーションしてあったのですぐ分かりました。表のガラスから覗けますが、「ふるさとは遠くにありて思ふもの」の詩が犀星の原稿からの複写でしょう、可愛らしい字で書いてあります。

この展示って、「犀星って可哀想な人かと思っていたら、実はふるさとにめちゃめちゃ縁があって帰省もしてて、おいしいもの大好きでグルメで、詩のイメージと全然違うけど、食いしん坊なところがお茶目」ということです。知らない料亭でしたが(庶民に縁ないので)犀星ゆかりの料亭「つば甚」での1万円ランチ会を3つの文学館共同で企画したら、あっという間に席がなくなったと受付のかたが教えてくれました。

エントランス。

 

入ったところにミュージアムショップがあって、猫グッズが多いし人気だそうです。わたしはしおりと絵はがきを買いましたが、他にも詩集とデザインが似たブックカバーとか(うちのペットはわたしの読んでる本が好きなんで必要かなと)気になるものがありました。本などサイトにないものもあります。ぬいぐるみは記念撮影用で、絵はがきには「猫は時計のかわりになりますか」(猫のうた)など、犀星の詩が書いてあります。

展示ですが、あらましのちらしはpdfにしました。こちらからダウンロードできます。すみませんが逆さまです。

saisei

画像ではこちら(表紙だけ)。

saisei.jpg

犀星がどれだけ金沢の食べ物が好きだったか、ということを書簡や新聞などに書いたコラム(全国にふるさとの食べ物を宣伝してるんです)いろいろで紹介してます。奥さんが金沢の人で、娘さんの結婚式も金沢の食材を使い、軽井沢に行っては「魚がない」と注文の手紙を出したり。先ほど書いた「つば甚」に10日の間に3回行ったという記録もありました。かぶら寿司だけでなく、魚の粕漬け(だったと思う)が朔太郎の好物になり、金沢に来て一緒に食べたり、島田清次郎の生地、旧美川町では魚のぬか漬けが名産で、とくに変わっているのがふぐの卵巣なのですがそれもコラムを書いていました。ふぐで亡くなった人は今までおらず、鰯は食べたことがありますが大変おいしいです。犀星は今でいう「お取り寄せ」の先駆者だったのかも。手紙で何だか色々言っているのが可笑しく、うまく読めないのが残念だったので、ちょうどレンズ入れ替え時だったメガネも新調しようかなと。

展示は6日までです。

撮影OKだった所の写真を撮りました。『後の日の童子』は公共のスペースに置いてある童話ですが、とても悲しい話です。でも惹かれます。

 

うちの親はあとで話を聞いて、北國新聞の特集でかわいそうな人だと思っていたのに裏切られた、と。

映画『蜜のあわれ』のポスターもありました。犀星原作で、二階堂ふみがなんかきわどいことをするらしい。ミニシアターで、見たら上映館が面白いほど石川県に集中してました。

2016-01-26 15.28.42_Fotor

他の文学館のチラシコーナーがあって、もう少し展示期間があるものがあるので貼っておきます(こんなに暇がなくなる予定ではなかったので…もっと早く出すつもりでした)。ちなみに金沢でこの手の場所に行くとスタンプラリーの紙をくれるくらい数があります。

富山市・高志の国文学館「松本清張を魅惑した北陸―ミステリー文学でたどる―」(3/7まで)、徳田秋聲記念館「秋聲の描く風土、金沢」(3/21まで)、映画『蜜のあわれ』チラシをまとめたpdf (すいません、逆さまです) misc_literature

帰りに犀川大橋を渡ってきたら、きれいに白山が見えていて、そういえばこんなのは初めてだったかもと。犀星の記念碑は犀川のほとりにたくさん建っています。その他の文人のもあります。

2016-01-26 16.01.07_Fotor

金沢犀川ほとりの神明宮(犀星・中也縁の神社)。

ヨシダヒロコです。

この神社は数年前に行って、すごく簡単にここに書いたと思いますが、雰囲気が好きでもう一度行きたく思っていました。通院ついでに行ってきました。

神社の方によると、昔は遊ぶ場所がなくて子供は神社の境内で遊んでいて、すぐそばの雨宝院で預かられていた(生まれが複雑だったようです)犀星は境内が遊び場だったし、中也も子供の時この辺に住んでいたそうで、『サーカス』はここに見世物が来たときの思い出だそうです。

こういう詩です。
幾時代かがありまして
  茶色い戦争ありました

幾時代かがありまして
  冬は疾風(しっぷう)吹きました

幾時代かがありまして
  今夜此処(ここ)での一(ひ)と殷盛(さか)り
    今夜此処での一と殷盛り

サーカス小屋は高い梁(はり)
  そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ

頭倒(あたまさか)さに手を垂れて
  汚れ木綿(もめん)の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

小さいお宮さんですが、お伊勢さんの系列と行く直前に知りました。全国で神明宮は何カ所かあるらしいですが、今流行りのパワースポットとしてHPで売り出しています。個人的にはどうでもいいですが。あるお店の方がメルマガで「縁のある場所、地元」がパワースポットと神職の方に聞いたとありました。

HPが気がついたらできていました。
http://www.shinmeiguu-kanazawa.jp/

雨宝院の写真は、この後すぐに犀星記念館に行ったのでそこで出しますが、Googleマップがまたやらかしてくれました(迷って偶然雨宝院についた)。まだ雪の積もっていたときで、通りがかったおばちゃんが親切に教えてくださいました。犀川大橋渡って右側を真っ直ぐ、和菓子屋さん越えてしばらく行くと鳥居があります。

犀川のほとりは雪が積もってきれいでしたが、タブレットしか持っておらず、そもそも広角の撮れるカメラを持っていないのでこんなんです。

お参りして、ケヤキの木を見ました。確か石川県でも一番大きいくらいの木だったかと。わたしのタブレットではその大きさが捉えられていませんが。

目的の1つに系列神社のお守りを返しに行くことがあったのですが、前にお守り買ったときについてきたお守りを返すの忘れました。なのでもう一度、近くについでがあるので行くかもしれません。水晶の音を再現したとかいう鈴のお守り(鈴は縁起がよく、わたしの持っているのは青、他に黄色もあります)と、健康のお守りを買いました。このお守りは総合的な幸せ、音がとてもきれいです。健康は「快癒」が無理そう(寛解なら可能)な病気なのでそういう風に言ったらこっちを薦めて頂きました。おみくじはこんな形で変わっています。仕事・健康・恋愛とあります。

この文人たちが好きな方、この雰囲気が気に入った方は何かの縁でしょうから行ってみてください。

近く、今面白いことをやっている室生犀星記念館(すぐそば)についても書きます。

石川近代文学館『「うたえ!□(詩歌句)街の仲間たち!』(2015/11/20, 29日まで)

ヨシダヒロコです。

連休直前、前に書いたようにスペイン語試験のDELEはブッチしたのですが、代わりに通院がてら金沢に行ってきました。金曜日、これから観光客で混み始めるかな?という時間。

北陸と大阪往復のJRバスは、クレジットカード決済しないと富山県人には払い戻しが面倒というのも学びました(郵送か金沢に行くしかない)。休みの日にバス取ると、最終便とか売り切れで大変なのです。

金沢行きで楽しみにしていたのが、毎度おなじみ石川近代文学館で2回目に見ることになる、マンガ『月に吠えらんねえ』の原画展、  『「うたえ!□(詩歌句)街の仲間たち!』でした。前回はマンガまだ読んでなかったけど、今回は1巻だけ読んでいきました。いま4巻まで出たところです。

わたしは逃しましたが、清家先生のサイン会も前にありました。

石川四高記念文化交流会館(石川近代文学館+石川四高記念館)

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チラシはpdfでも付けておきます。 チラシ表    チラシ裏

月に吠えらんねえ(1) (アフタヌーンKC)

清家 雪子

講談社

2014-04-23

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

このマンガには、昭和初期の詩人が親しみやすい形で沢山出てきます。1巻読む限りではメインは朔(萩原朔太郎)、それに犀(室生犀星)、白(北原白秋)、ちらっと出てくるのがチューヤくん(中原中也、なぜかいつも乱暴)、チエコさん(高村智恵子)、コタローくん(高村光太郎)、ミヨシくん(三好達治)、シキさん(正岡子規)、その他わたしが名前を知っている人は石川啄木、若山牧水、草野心平(なぜかカエル)、種田山頭火、立原道造、宮沢賢治(この人も動物)、与謝野晶子、斎藤茂吉など。

最初3人は何か結びつき強くて、実際に展示で書簡見てもそうでしたが、すごい親友のような感じだったらしいです。マンガでは一方向に見える思いもありますが、BL要素も入ってね?って感じ。でも軽快で読みやすく、所々入ってくる詩にもパンチが効いています。この時代の詩はわたしが高校生の時図書館で好んで読んでいて、今読むと懐かしさもひとしおです。

朔がなんだかとてもめんどくさくて憎めない若者になっています。面白いけど。

チエコさんとコタローくんは、『智恵子抄』でご存知のかたもいると思いますが、昔わたしの理想でした。しかし何の因果かわたしも精神を病んで(病気は違いますが重さでは負けてない)、あの詩集は光太郎の自己満足では?と思うように。『百年の誤読』(立ち読みですすみません)という本で大して智恵子のお見舞い行ってなかったって読んだし、そんなに大事な奥さんだったらプライバシーを書くだろうか?と。この辺の所もマンガの後ろの方で語られるらしい。さてどんなでしょうか。

展示は入口がこんなになっていました。いつのまにか、障害者と付添1名が無料になっていました。

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チューヤくんはこれから出番が増えるらしいのですが、『汚れっちまった悲しみに』で有名な、金沢にも縁のある一番好きな詩人です。子供の頃寺町辺りに住んでいたらしいです。『金沢の思い出』という文章のパネルでは、成人して金沢を再訪したという文章で、最後が『香林坊で酔いつぶれてしまった』みたいになっていたのがやっぱり中也でした(笑)。

中也については力作のパネルがあり、薮田由梨氏(徳田秋聲記念館学芸員)によるものです。中原中也記念館から移ってきた方だそうで、「そういうキャリアパスがあるんですね」と言われるんですが別組織です、と書いてましたが、1行目で「汚れっちまった悲しみを悲しみつくした人生は幸せだった」と(すいません、展示室出てから記憶で書いています)読者を惹きつけ、中也が面倒くさい人物であったこと、うろ覚えですが友人は「来られるのも嫌だけど帰られるのも嫌」みたいな感じで接していたことが書かれています。

清家先生所蔵の書簡、その他前回と同じく書簡や古い詩集が沢山あって、もちろん原画も沢山ありました。前回と量が違うので、ぐるっと展示室を囲む感じで。石川の詩人コーナーも隅っこにあり、広津里香、島田清次郎(母親が出てきてたから若いときのもの?)、表棹影(10代で亡くなったそう)が一編ずつありました。

広津については1年前このマンガ展と同時開催でした。島田清次郎については過去ログが沢山あります。今回行ったら、広津里香の詩集がミュージアムショップで売ってました。詩集販売はあと有名な人が1人いたんだけど、誰だっただろう。

石川近代文学館にて「『月に吠えらんねえ』刊行記念 室生犀星と□(詩歌句)街の仲間たち」および「広津里香展」(2014/09/30)

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今回『月吠え』と同じくらいインパクトがあったのは、石川ゆかりの詩人で(今のJR金沢車掌区勤務、福井県生まれ)東南アジアに従軍経験のある濱口國雄の詩でした。原稿展示は見そびれてしまいましたが、長い長い散文調の詩が一編展示してありました。ニューギニアでもう何も食べるものがなくなった日本兵が葛藤しながら、生きるためと敵を殺してその体を食べるという話です(2015/11/28追記:ちょっと検索してみたら、敵ではなく友軍の兵士を上官に命令されて殺すという話でした。だから詩の最初で主人公の若い兵士は「できません」と動揺していたんだ。全体は400行の長い詩だそう)。戦友も彼の帰り(と食べ物)を待っています。なかなか見られないものを見た、と思いました。こういう石川ゆかりの文学者の作品を集めた全集あるんですね。

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最後に、コラボグッズの詩集(500円、まだ在庫はあるそうでいつまで売るかは未定、HPにもありますが缶バッジ共に通販あり)を買って帰ろうと思ったら清家先生のご厚意で、くじに当たったらイラスト集がもらえると。で、引き当てました。詩集には確認した限り、作品で見かけた詩が載っています。

本当はこの投稿に間に合わせたかったのですが、展示の期限も迫ってますし。展示に影響されて翌日、犀星の詩集(古本で買った気がするがなかったので)を古本屋で注文しました。処女作『愛の詩集』復刻版と『我が愛する詩人の伝記』です。『抒情小曲集』は古いものは10万円ほど、割と最近の版でも4000円だったので延期します。

しばらくは疲れたときに詩でも読みますか。

マンガのファンにも、詩が好きな人にも楽しい展示ですので、あと1週間弱ありますから是非。週末の金沢は混み混みですが。

最後に戦利品です。

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『島田清次郎と若者たち―大正時代の中二病―』(講師:風野春樹氏 石川近代文学館 2015/02/28)ツイート集。

ヨシダヒロコです。

前編に沢山ご来訪くださりありがとうございます。

続編として、いつも楽しいツイートを発信している主に石川近代文学館(@ishikinbun)さんのTwitterから抜粋したツイート集をば。別の方法でまとめるまでもない、短いものなので。北國新聞の記事が一番良かったですが、ホテルでもらったのに残念ながらなくしてしまいました。ので、前のエントリの翌日用があって金沢へ行ったので、図書館で見てきました。

それで、3/1付北國新聞ですが、「清次郎 愛すべき中二病」と題し、背景説明の後、

  1. 風野さんは、「父との死別」「母親との濃密な関係」が人格形成に大きく影響したとの視点で清次郎の生涯を紹介した。
  2. 「清次郎は20歳を過ぎても『中二病』の愛すべきダメ人間であり、そのいびつさが人を引き付けた」と論じた。
  3. また、晩年の入院中の精神状態については研究の余地が多いとし「特別な存在ではなく、若者らしさを持ち続けた人という観点で再評価してほしい」と締めくくった。
    (北國新聞さん、これは正当な引用にならないでしょうか?)

このエントリ、会期中に書けなくてほんと申し訳なかったですが、今後の文学館の予定です。妖怪えほん原画展、怪談えほん原画展。あと、たまに検索で来られる方いるのですが、去年の『月に吠えらんねえ』も連載続いてますしまた展示があるそうです。わたしは大体行く予定です。

お楽しみに。

http://www.pref.ishikawa.jp/shiko-kinbun/