夏、神岡へ(2)――重力波サイエンスカフェに梶田先生現る(2017/08/06)。

ヨシダヒロコです。

前の話はこちらです。

夏、神岡へ(1)――中高生向け「夢のたまご塾」飛騨アカデミーセミナーの梶田先生講演聴講(2017/08/06)。

梶田先生の講演の後も、いろんな先生方が講演していました。わたしはもともと重力波サイエンスカフェに応募したのだし(研究者さんが4人も!市役所の方に「こんな機会ないです」とメールで言われました)、図書館1階でウロウロしているときに、サプライズで梶田先生が飛び入りすることを聞いていたのです。

チラシは告知の時pdfでも出しましたがこちらです。プラス、スペシャルゲストで途中まで梶田先生。

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日曜日のためバスが少なく、わたしはカフェが終わる前に終バスが来るため抜けなくてはなりませんでした。

尾関さんが進行役、どの方か分かりませんが眼鏡の朗らかな方が話を進め、紅一点の苔山さんがあの重力波を検出したLIGO(ライゴ)で研究していたと分かって驚きました。この方は、去年のKAGRA見学会(今年のは落ちました、残念)で颯爽とヘルメットにつなぎ姿で説明していた研究者さんでは?私服なので分かりませんでしたが。他に、研究者さんのご身内か何か?手伝い要員さんが市役所や飛騨アカデミーなどの方の他にもいました。

まず、スライド表紙、そして横顔の梶田先生とサイエンスカフェのゲスト全員。

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まず最初は「梶田先生は謙虚」という尾関さん(元ジャーナリスト)と客席の編集者さんの話から始まりました。受賞当日、翌日締め切りの原稿があったそうで、編集者さんと梶田先生の間でやり取りがあったそうです。「梶田先生、今年は授賞ですよ」みたいな。先生が「いや、わたしなんて」とおっしゃっていた20分後かそこら、電話がかかってきたそうです。その他に、「神岡は第2のふるさとです」とも先生はおっしゃっていて、その他は黙って話を聞いていました。40分くらいいらっしゃったでしょうか。次の予定が……と去って行かれましたが、嬉しいサプライズでした。

講演の機会はいろんな場所であるようなので、是非。でも今回のような話は現地で聞くのが楽しいです。

わたしは今回のテーマである重力波についてよく知っているわけではなかったので、前にも書いたこの本を読んでいきました。東大系だけでなく世界の施設に関わっている安東さんの本ですが、いきなり読むと物理物理しているかもです。本当の入門書はないのかな。

『重力波とはなにか』(ブルーバックス)読了&スーパーカミオカンデ一般公開(2017/09/04より申し込み受付)。

以前から「(重力波は)アインシュタインの最後の宿題」と言われていたことは知っていて、このサイエンスカフェもその辺から始まりました。まずLIGOでの初検出があったときの騒ぎをユーモアを交えて紹介。重力波のゆるキャラがあったり(と聞いたのですがググっても出てこない)、号外が出たりしました。その中で香川だけは特異な反応をし、何かというと「かけうどんが値上がりした」が1面トップだったのでした。お話してたゲストは四国人だそうで、「分かりますけどね」と言ってました。

重力波って何?というかどういうときに出るの?という例で、ウィーンの舞踏会の動画が。質量(重さ)を持つものが回ると出るので、スライドに「出てます!重力波」とあったのは可笑しかったです。腕をグルグル回しても出ますが、振幅(波の幅)が0.000~(0が全部で49個)~1(=10の-50乗)くらいなのでとても観測できず、星ほど重いものを測定する場合で近くないと人類には測定できません。測れるのは0.000~(0が全部で21個)~1(=10の-22乗)くらいです。太陽と地球の間で水素分子が1個動いた位の小ささです。

測定の仕方はレーザーの干渉で、つまり光は波でもあるので重力波が来ると山と波がずれ、それで分かります。こんな模型を休憩時間中に見せてもらいました。

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重力波「望遠鏡」で、赤外線の赤いレーザーを使います。撮るの下手でしたが、できたばかりらしいKAGRAの模型が会場にあったので動画を撮りました。

この望遠鏡では、L字の腕の長さが長いほど重力波の影響が大きいのです。重力波の音を聞かせてもらいました。音が低いので高くしたそうですが、後で質問すると、周波数を電気信号に変えているそうです。実際の音と言えば、例えばすごく大きな音だったら直接鼓膜が揺れるかも、だそうです。

LIGOでは2つの大学が恐らく同じものを出してます。chirp(チャープ)とは「さえずり」で、小鳥のさえずりのように聞こえるらしくそう言われているそう。

 

上に貼った写真の模型にある鏡(字が見えないですが上と右にあります)は-253℃に冷やされ、厚み150mm、直径200mmの合成サファイア(無色)、ビームスプリッターは旭硝子製です。

途中でこんなスライドもありました。引き延ばして見えやすいようにしたので画面粗いですけど、このカフェのしばらく前にネットで『君の名は』の舞台が神岡の研究所からあまり離れていない、という説が出ました。それにあやかったものです。夜景の写真をアニメと比べたりしてました。

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次に、LIGOでの発見秘話です。苔山さんが発表している研究者さんとの対談形式で語ってくれました。LIGOは延べ4000人近い研究者が20年頑張っていた施設で、2015年の1050人の研究者のうち日本人は5人くらいだったそうです。あの発見で「ブラックホールの存在」「重力波の存在」が観測できたそうです。研究発表の時は2016年2月、アメリカの文科省のようなところで記者会見し、もう日本に帰っていたので夜中にYouTubeのライブを見ていたそうです。壇上にいたのはLIGO創設者だそうです。

信号は2015年9月に観測され、箝口令が敷かれました。「本当にみんな黙っていたんですか?」と尋ねられて「自分は黙っていたけどTwitterで噂が流れて。日本に帰ってからは『これは』と思うようになりました」と。

意義としては、1.重力波によるゆがみ 2.相対性理論との矛盾なし 3.連星ブラックホールの観測 4.連星ブラックホールの合体観測 5.太陽の30倍の質量のブラックホール観測(X線では今まで小さいものしかなかった)

観測は今年6月にもあり、合体して50倍になりました(このサイエンスカフェからほとんど1ヶ月ですが、1週間ほど前?から観測を始めたばかりのVirgoとLIGOが共同でまた何か発見したと噂になっています)。天体観測として新しい発見で、1万倍のブラックホールもあるそうです。

太陽質量30倍のブラックホールがどうしてできるかというと、メモがあやふやですのですいません。1.寿命を終えた星が超新星爆発をする 2.ファーストスター(重金属がなくガスが集まっている)→後になってから核融合、超新星爆発→大きなブラックホールになる

KAGRAの特徴を話しているところで、1人のおばさんが「難しい。重力波は一体何の役に立つのですか」などと質問しました。それで、バスの時間も迫っているし聞きたかった内部の様子(鏡を何段階にも糸でつるやり方など)を聞かずに帰ることになりましたが、聞きたかったところだったのでこれは残念でした。

研究者さんが話す途中だったのは、

KAGRAの特徴は、地下なので

  • 地面の震動がない。望遠鏡が揺れに弱いので安定する(揺れるとデータが取れない)
  • サファイアの鏡。熱とは原子の振動なのですが、鏡にもし熱があり振動すると、レーザーが反射するところがバラバラになります。だから絶対零度(これ以上ない低温)くらいまで冷やしている、という意味だったと。

この辺の話も「何の役に立つ」の話があったので気もそぞろだったのですが、研究者さんも予想していたのか、「その技術はこういうところに役に立ちます」というスライドを出して、「役に立たない研究、しようよ」の大隅先生の写真まで用意していたりしました。

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そんなこんなでなんとか高速バスをつかまえ富山へ帰りました。近い場所にいるのに梶田先生をお見かけしたことなかったし、飛騨のサイエンスカフェに出られてよかったです。

この日の神岡は暑く天気もよく、こんな風に晴れ上がっていました。この写真はまだ猪谷(富山)ですが、研究施設が県境ですので。

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飛騨市のHPに当日の写真があり、後ろ姿の丸いおばさんとしてわたしもいます。

 

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『重力波とはなにか』(ブルーバックス)読了&スーパーカミオカンデ一般公開(2017/09/04より申し込み受付)。

ヨシダヒロコです。

6日日曜の神岡にはなんとか行ってきました。まだ虚脱感がありますけど。宙ドーム辺りで見たいものがあったのですが、会場の図書館に着いて梶田先生の講演は誰に話をすれば?などでうだうだしている間に機会を逃しました。飛騨アカデミーがやっている中高生向け『夢のたまご塾』の一環で梶田先生の講義を後ろのほうで聞かせてもらい、その後飛騨サイエンスカフェ(重力波)でした。

この本はサイエンスカフェの予習として読んだものです(普段予習はしないですけど)。前日はすごく暑くて家の冷房が効かず、読み終わるのギリギリでした。

くしくも読んでいる途中にAdvanced Virgo(ヴィルゴと読むそうです)、イタリア・ピサにある重力波望遠鏡が改良して運転を始め、Twitterでお祝いのメッセージをもらっていました。LIGO(ライゴ)もKAGRAも、協力した方がよいデータが得られるので一緒に会議など開いていると読みました。

 

著者の安東さんは東大理学部物理学専攻准教授で、重力波研究30年。KAGRAはじめ、国際的にもいろいろ関わっている方です。

本を読んで、一番印象的だったのはラストに将来の重力波研究の姿が予想されており、とても楽しみなことと思いました。こういう概説書で出版が新しいものはあまりなかったのですが、コンパクトにいろんなことを知ることができます。物理は苦手、という方には、重力波研究の歴史とか面白いかもしれません。LIGOが箝口令を敷いたりして結果発表に慎重だったのには、それなりの訳があるのです。難しい式が一応見せるためだけに出てきて、「分からなくていいです」と書いてあります。各施設の仕組みや大きさも表にしてあるし説明もしてあるし、それにブラックホールって不思議な天体ですね。

もっと知りたい人には、巻末に参考文献がどっさりあります。

つぎの宇宙系の本はこれです。

神岡に行った話はまた今度。

もう1つ、スーパーカミオカンデ一般公開は今年もGSA(ジオスペースアドベンチャー)に続いて秋にも行うようです。今日の午前に発表されたのですが、見学は11月4日で9月4日から受付開始です。近くなったらまた書きます。

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夏~初秋の重力波関連イベント、サイエンスカフェ&梶田先生講演会、KAGRA見学会2017(2017/08/06、2017/09/17)。

ヨシダヒロコです。

こちらは梅雨明けもせず変な天気ですが、いかがお過ごしでしょうか。

飛騨市はファンクラブを募ってみたり、ふるさと納税が何か美味しそうだったり攻めていますね。無料のファンクラブには申しこんだので、今デザインの投票中の会員証がどんなのになるか楽しみです。

フォローしている研究者の方がリツイートした飛騨市のお知らせと宇宙線研究所のツイートから芋づる式に分かったのですが、8/6に13:30~神岡町公民館で梶田先生講演会、その後に神岡町図書館(公民館の向かい)で15:30~KAGRA研究者さんたちが揃ってのサイエンスカフェがあります。5時で終わるのであまり遠方からでなければ何とか帰れますかね。サイエンスカフェは飛騨市役所に申し込みです。何回も書いてますが、高山線で来ると結構面倒です。

申しこんだら市の職員の方に「梶田先生の講演会もありますよ」と言われ、なのにどこにも告知がないんですよ。一応書いておきます。この日に先生は子供向けの講演で神岡にはいらっしゃるようです。

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サイエンスカフェのゲストは、科学ジャーナリストの尾関章さん、宇宙線研究所の大橋正健教授、三代木伸二准教授、宮川治助教、苔山圭以子特任助教の5人の方です。なかなかここまで揃いませんよ、と飛騨市の担当者さんがメールで書いてました。

チラシのpdfはこちらです。上はスクリーンショット。

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梶田先生講演会は申し込みできたんですよね?と窓口が違うらしいので市役所に確認しています。今年の冬に、講演会を大雪で諦めた経緯があるので今度は暑さを何とかして行けたらいいな。今月のジオスペースアドベンチャーの展示も結局暑くて諦めたので。

KAGRA一般公開はもうないのかなと思っていましたが、稼働直前にまだあるようです。前は5便まであった気がするのに今度は第3便までしかないので、狭き門でしょうね。あと、「実験に備えて清浄になっているので、中央実験室には入れません」と書いてあるので、去年より入れる場所が限られるのかも。

再来月KEKにもし行けたらよい誕生日プレゼントだと思っていましたが、これに当たったらもう言うことないです。去年一度見たので落ちても贅沢は言いません。

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きっと、できたてほやほやのKAGRA模型がGSAに続いて出てくるのかな?一般公開は限定ものを売ったり、ミニイベントがあったりしてお祭りみたいでした。こちらは来週ダメ元で応募します。

こちらがチラシpdfで、上がスクリーンショット。

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ハードカバーの『重力波は歌う』が積ん読になっていたので、もっと基本に近いところから読むことにしてこれを注文しました。ブルーバックスには巨大ブラックホールの本もあり、そっちも注文しましたが、神岡に行くまでには間に合わなさそうです。

おまけで、国立天文台の重力波望遠鏡TAMA300(春に地中に埋まっている前まで行ったけど、普段見られない)と東海村のJ-PARC一般公開を見るツアーが飛騨から出ます。8月19、20日です。
魅力的ですが、近所の富山でも多分前後に1泊いりそう。

スーパーカミオカンデ(東大)、カムランド(東北大)が見られるジオスペースアドベンチャー申し込みは20日まで(2017/05/08~2017/05/20)。

ヨシダヒロコです。

ジオスペースアドベンチャーことGSAの抽選申し込みが行われています。わたしはしばらく考えて、もう申しこみました。下の画像にもありますが、開催は7/15、16です。

http://gsa-hida.jp/

 

 

GSA

今回行けたら、ガッタンゴーに乗りたいです。

http://rail-mtb.com/

 

スーパーカミオカンデ一般見学で今年2回目の神岡へ(XMASS説明もあり。2016/11/26)。

ヨシダヒロコです。

以前のエントリです。

スーパーカミオカンデ一般公開(今年2回目)抽選応募まだ間に合います(2016/11/26、応募は10/07~24)。
スーパーカミオカンデ一般見学当選、行けるかな(2016/10/31)。
放送大学学部面接授業『ニュートリノとダークマター』(東京大学鈴木洋一郎先生、2016/11/12~13)。

夏にはKAGRAにも抽選通って行ってきました。通ったこと自体ラッキーだったので、スーパーカミオカンデは無理だろうと思っていました。複数の方の話を総合すると、国(文科省)が現行年1回の一般見学を増やせと言ってきたそうです。HPでも見てましたが、場所を突き止めて出没する人もいたらしいです。行ってみて分かったのですが補欠で通っていて、それでもわたしの第1希望の第6便は10倍くらいの倍率で、本当にラッキーなことでした(全体では6倍とかなんとか)。今年はあまりいいことなかったので、運を全部ここに持って行かれたのかも……。

この2週間前にあったXMASSの鈴木(洋一郎)先生の放送大学面接授業のときも、スーパーカミオカンデ(以下SK)見学直前も体調壊したり風邪引いたり大変でしたが、疲れに対して出ている漢方を医者で多めにしてもらったり、『マッサン』にあったウイスキー入り飲み物、ホットトディーで体を温めてしのぎました。電車が少ないけど細かいイベントにも出たくて、土曜7時台に地元駅を出、8時10分過ぎ富山発の高山線に何とか乗れました。猪谷まで670円。でも便は富山県人から見ても少ないのです。夏にピカピカに晴れて緑があふれていた景色はすっかり晩秋になっていました。猪谷からのバスは接続がいいことも悪いこともありますが、割とすぐでした。40分ほど乗ってまたもや神岡振興事務所へ(バス停があります)。

前回は電車の都合で仕方なくギリギリに行ったのですが、今回は時間が余るくらいでしたし、神岡で唯一のビジネスホテルも取って1泊でした。そのホテルは電話でのみ受付です。10時台には着いたので、向かいのかなり立派な公民館でXMASSの模型用紙(折り紙)をもらったり、研究者さんへのQ&Aタイムがあったり、何やら不思議な限定お土産が売っているのを見て少し買ったりしました。ごまクッキーと子供向けのハガキ大紙芝居(簡単なのと難しめのと2つあり、絵本のようでいいと思います)とカレンダー、懐中電灯も。

 

Q&Aタイムには高校生らしい男子もわりといて、勝ち抜きで10問ほどクイズがあったんですが、20人いたかどうかのラスト2人に残りました。今年はSK20周年なので、それに際してTwitterで研究者さんがしみじみしてましたが、その記念の会は富山で行われました。そこで配られたという、SK内の空気を缶詰にしたもの(ニュートリノがすごく少ないはず)をクイズに勝って頂きました。わたしにするとすごく貴重なものを頂いてしまったという感じでした。他に受付か何かで受賞者2人の先生のしおりも頂きました。

わたしが質問したのは、研究者さんが施設に何時間くらい詰めているのかというようなことでした。今は昼間だけで、外からは24時間。たしかSKの最初のうちはまだ安定してリモートで見張ることができなかったのですが、今では大丈夫ですという話でした。あとタンクの水の処理。たしか純水ですし処理して循環しているのかな。メモ取り忘れたので、何かの機会にだれかに聞いておきます。これを書くときに調べたら、純水製造・処理装置はオルガノという企業が行ったそうですが、もともと地下水を使っています。

神岡振興事務所と同じ建物に神岡図書館があり、実物大の梶田先生のパネルや物理の本のコーナーがありました。図書館の方が教えてくれました。以前地元で作ったという小柴先生のマンガもありました。いいなあと思ったけどまだ飛騨市役所に問い合わせていません(市町村合併のため神岡町が併合され、市役所に聞けばいいそう)。

東大レゴ部によるSKレゴを見て、お昼には隣接の喫茶店でイベント限定のダークマターカレーを食べて、ちゃんと飛騨牛食べたの初めてでしたが、すじ肉でもすごく美味しいのでした。少しInstagramに流した写真の中で、このカレーが一番受けていました。お店のお姉さんと話しましたが、よく富山に買い物に行っていること(後で知りましたがスーパーまで日曜休みなのです)、車だと富山へは国道41号線で簡単に行けますよ、など。

というわけで午後から受付してヘルメットかぶって見学です。バスに分乗して、本職らしいガイドさんが神岡のことを案内してくれながら道を行きました。スタッフの間の会話で分かったのですが、東大主催の見学会は初めてだということ。飛騨アカデミーがずっと主催してきて、もちろん今回も協力してました。他に言われたのは、参加料3500円を取っているけど経費か何かに消えてしまい、ガイドさんやスタッフには降りてこないと。技術や知識を持った人が無料ボランティアだとしたら残念だなあと思いました。

バスは1回坑道の前で降りて、小さめのバスに乗り換え、坑道の中をたぶん時速10km位でゆっくり入っていきました。降りた先がSKでした。夏に道の駅で見たメッセージの数々は、SKを訪れた物理学者や政治家、有名人のものであったと知りました。みんな扉に書いて、一杯になると新しく取り替えたのでしょう。中はデジイチでの光の調節がまたもや下手で、急遽タブレットで撮りました。それでも難しい。通路にパネルが数枚あり、その先に色々なパイプがくねっていました。その場所で説明があったのですが、研究者さんの様子を見ていると、知識がどれくらいか分からない相手にどう説明しようか迷っていて、鈴木先生が「専門の人を置くべき」と言った意味が分かりました。

写真のように「触っちゃだめ」と英語で書いてあるものが沢山ありました。さらにドーム状になった場所に出て、銀色の保温材みたいので覆われているのですが、周りには装置がどんどんと並べられていて、そこに説明用のモニターが置いてありました。そこにふたりめの研究者さんがいて、「ここがタンクの上です」と。ビデオを見てスライドで説明、質問も受け付けましたが、確か前のグループの時間が後ろに倒れたのであまりいられなかったのが残念でした。

Instagramにドームの短い動画をアップしました。

次にXMASSへ。予定に入っていると知らなかったので嬉しかったです。以前、富山市科学博物館にイベントでいらした岸本先生の説明。中には入れないのですが(研究者さんでさえ、装置を扱うときは宇宙人みたいなタイツ人間のような格好をします)前で説明を聞きました。

KAGRAのときにも思ったのですが、これはどこに通じているのというような穴がありました。

帰りもまたガイドさんの話を聞きながら。鉱山で栄えた神岡は今は人が減っていますが(採掘はしていないが金属加工などの操業している)、昔の神岡鉄道(翌日知りましたがJRだそう)の廃線跡を使ってレールマウンテンバイクをやっているそうです。残念ながら27日は雨の予報だったので無理でしょうね、残念ですねという話でしたが、神岡鉄道のように踏切がない廃線だと使えるので、他都道府県でも検討しているところがあり、お客さんは外国人が多いそうです。

わたしにしては忙しい1日だったので、1回ホテルにチェックインしました。何もないところと言ってしまえば終わりですが、川が流れていますし( 高原川。神通川の源流)、町並みも懐かしい雰囲気で風情があります。飛騨観光のHP見てて思ったんですが、昭和っぽいのですね。昭和生まれなので。ホテルで休んでから夜の中畑先生の講演に行きました。

 

講演はこぢんまりした客の入りだったのですが、見学に行けなかった人も来ていたようです。先生は「途中で遮って質問してくれても」とおっしゃっていましたが、結局質問は最後に集中しました。内容は、以前先生がサイエンスカフェとやまで話されたニュートリノ振動の話と大筋は同じで、スライドを写している間に中で動いたりと工夫されていました。意外だったのが、上の写真、見るの2回目なんですがご自分で撮ったと。写真が趣味だそうで、SKの写真はだいたい自分で撮っていて、この写真は魚眼レンズで下から首だけ出して撮影したそうです。施設を大きく撮るのは大事で、それには人を置くといいそうです。

とても美しい施設だけどデータを逃すため見せられないのが残念で、例外で天皇陛下だけにはお見せしたそうです。合計3回開けたことがあり、あと2年ほどしたら開けて整備するかもしれないので、その時一般公開したら是非いらしてくださいとのこと。

カミオカンデを作った頃の写真は興味深かったのですが、1983年に10人ちょっとで始めました(今は100人超)。作業途中らしいスナップがあり、戸塚先生がかなり前の方に大きく写っていて、小柴先生ともう一方、前方に大きく写ってて、梶田先生と中畑先生はまだ学生で、後ろの方でこちょこちょっとなっているのが可笑しかったです。あと梶田先生のニュートリノ振動のデータが出たのはポスドク時代だそうです。博士号取ってすぐだったはず。

質問にはこんなのが出ました。

1.宇宙に知的生命体はいると思いますか?

それを表す方程式があって(ドレイクの式?)知的生命体の寿命が幅があって分からない。わたしはいると思うが、生きている間に交信できるかどうか。

2.とても若い声がして、ちっちゃい女の子?と思ったらホールの傾斜に隠れて見えないくらいの男の子でした。「なぜ光るんですか?」というような質問だったと思うのですが、子ども科学電話相談室みたいになってきて、中畑先生は「(水に入って)失うエネルギーの一部が光になる」とか「電荷を失う過程で光る」というように答えていたと思いますが、分かってもらえたでしょうか。小さい子供に教えるのは難しいですね。

わたしは「陽子崩壊も検出原理は同じですか」「小柴先生と戸塚先生との2人の先生、どのような影響を受けましたか」と聞いたつもりだったのですが後者はマイクでうまく聞こえなかったようです。検出原理は同じで、ただニュートリノはパターンが前方に出ていくのに対し、陽子崩壊は前後にパターンが分かれて出るということです。2人の先生については中畑先生から見た印象をお話しされ、小柴先生はアイデアマンで普通考えつかないようなものも出てくるが、ボツになるものもあった。戸塚先生はそのアイディアを着実にリーダーシップを持って実行した。2人がコンビを組むことで成功した、と。

司会の方は戸塚先生の言葉(道の駅にあるらしいです→参考リンク)「極大は極微を住まわせるが極微は極大を支配する」を引用して締めくくりました。

ホテルに帰って夕飯です。安い部位ばかり食べていますが、もつ系好きなのにもつ鍋を食べたことなくて、1人用があったので締めにうどんを入れ計950円。しかも美味しいし(ただ物価は高いそうです)。ホテルに付いている居酒屋ですが、飛騨牛のステーキ1000円には驚いた。寝るまでぼんやりしてましたが、カラオケ屋も併設だったのでどこかで誰か歌ってる、けどうるさいというほどでもなくぼけっとTV見て良い感じでリラックスして寝ました。

翌日は時間あったけど行きたい方面(神岡城など)にはバスが不便だったので、飛騨古川へ。例の映画には正直興味ないけど、駅周辺の美術館とか見てました。小学生の作品展示があり、ここの小学生は宮沢賢治の『やまなし』とか国語で読むらしい。飛騨古川もかなり不便ですが(もっと都会の人が来たら目を回しそう)、バスで神岡から移動する間ずっと霧がかかっていて、なかなか見られない風景でした。帰り、神岡に着いたらこんな風に鉱山から煙が上がっていました。高速バスつかまえて帰宅。

 

またなにか行く機会があったら良いなと思いました。これ書き終えた頃に、KAGRA基金にご協力ありがとうございますとKAGRA見取り図のカラークリアファイルが送られてきたのですが、募金したの1年前なのでもしかして処理に1年かかったのかな?お疲れ様なことです。

あとは情報色々。


  • 【イベント】サイエンスカフェ「重力波・アインシュタインの奏でる宇宙からのメロディー」http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/2016/12/12140818.html             魚拓         イベントページ魚拓富山では飛騨や東京と同じくらいサイエンスカフェ多いので、勉強にも刺激にもなりました。第1回のゲストが冒頭に登場した鈴木先生だったのですよね。普段、こういうミニイベントなど(国立天文台もいろいろやってます)で勉強しておくと、現地に行っても楽しめます。
  • 宇宙線研究所は今回VRを導入しました。友人から「重い」という話も聞いていますが、自分の見たものと比べてみると、配管ごちゃごちゃとか生々しいものはないながら結構面白いです。http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/panorama/
  • もう「あなたは広報ですか」って感じになってきたので最後にします。上のイベントにも登壇される大栗先生の新刊が話題です。化学も専攻したことがある仏教学者の佐々木先生との対談。下のリンクは大栗先生のあとがきです。佐々木先生は闘病中の戸塚先生が強く影響を受けた方です。