告知:KAGRA見学会2018、観測に入るためこれがラスト!(2018/11/17、申込締切10/22)(ラストではないため2019/02/08追記)

ヨシダヒロコです。

KAGRA_last

 

(2019/02/08追記:後継ブログに書いたのですけど見学会は最後ではありません)

将来のKAGRA見学会について。

——

もう少し前から知っていたのですが、お知らせが遅くなりました。さっきダメ元で申しこんできました。今回下に書くように150名と定員が少ないのです。土曜日オンリーなので行けない人も多かろうと思います。今回の「特別便」が胸熱ですね。もし今回行けなくとも、サイエンスカフェなどのイベントは稼働後順調にいけば多くなりそうな気が何となくしますが。

ぜひ行きたい!と思われた方におきましては、厳しい抽選を突破できるようお祈りしております。


KAGRAウェブサイトより。

https://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp/archives/2790

11月17日(土)KAGRA見学会を開催

2018年11月17日(土)、岐阜県飛騨市にて、大型低温重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)の見学会を開催します。

地下の静寂な環境で観測をするKAGRAは2019年に観測開始予定で、観測中は研究者さえ簡単には近づけなくなるため、今年の見学会は観測開始前のKAGRAを体験する最後のチャンスです。

定員は150名、小学生以上が対象、参加費無料、応募締切は10月22日(月)17:00です。

イベント詳細、申し込みは飛騨市ホームページまで。


上のリンク先の飛騨市ホームページより、

【期日】
平成30年11月17日土曜日

【定員・対象】
150名
(小学生以上対象、幼児不可。小学生は保護者同伴。応募多数の場合は抽選とし、抽選結果は後日郵送します。)

※各便50人限定となります。

※第3便、特別便は25人限定となり、特別便はXarmトンネルを500m歩き、地震研究所のレーザー干渉計を見学できます。

【集合時間】

第1便   8時00分(10時30分終了予定)

第2便   9時10分(11時40分終了予定)

第3便 11時40分(14時10分終了予定)

特別便  11時40分(14時30分終了予定)

【集合場所】

神岡振興事務所(飛騨市神岡町東町378)

※集合場所から見学会場までバスで送迎します。

【応募方法】

  • 参加申込書にご記入の上飛騨市役所地域振興課若しくは各振興事務所へ
    「郵送」・「窓口提出」・「ファクス」してください。
    [郵送先]〒509-4292 飛騨市古川町本町2-22 飛騨市役所 地域振興課
  • 飛騨市ホームページ内申込フォーム
  • 申込書の項目をすべて記載の上、​chiikishinkou@city.hida.gifu.jpまで「メール送信」​
  • チラシ・申込書 [PDFファイル/1.16MB]       (Kagra_last.pdf)←締め切られても見たい人向け

※保護者の方も申込者の欄にご記入ください。

(保護者氏名欄にご記入されただけでは参加できません。)

【応募締切​】
平成30年10月22日(月曜日)17時00分必着​

【注意事項】

※ 主催者負担で傷害保険に加入させていただきますので、性別や生年月日の記入もお願いします。

※ 坑内の平均気温は14度程度のため、長袖・長ズボンでご参加いただき、懐中電灯をご持ってくるください。

※ 坑内には水たまり等がありますので、歩きやすく、できるだけ汚れてもよい靴等でご参加ください。

※ トンネル入口から徒歩にて入坑します。(全行程の徒歩移動距離は1.5km程度になります。)

※ 坑内は危険を伴う場所であることを十分ご認識いただき、必ずスタッフ等の指示に従ってください。

※ ご応募いただいた方の個人情報は本人の許可無しに第三者に開示することはありません。

※ 現在KAGRA内(中央実験室内)は観測に備えて清浄な空間になっているため、直接中央実験室の中には

  入る事が出来ません。当日は窓から中央実験室の中を見学する形になります。

 なお,上記写真の3キロのトンネル部分は見学することができます。



 

KAGRAのウェブサイトで、9/29富山大サイエンスフェスタで重力波の講演があったとのことですけど、見逃していました。どのみち行けたか分かりませんが。

同じ先生がサテライト講座でお話しされるのはだいぶ前から知っています。申込不要ですが、来年3月なのでだいぶ先ですね。

富山大学サテライト講座2018

http://www.life.u-toyama.ac.jp/satellite/

第9回
3月2日
重力波で宇宙を探る
大学院理工学研究部(理学) 准教授
山元 一広

他にも面白そうなのあります(もちろん)。

ついでに言うと、今年神岡に行きそびれたイベントでこんなのもありました。かぐら名付け親の小川洋子さんはお名前存じ上げてる程度ですが、国立天文台の渡部先生のお話も聞きたかったし、いろんな分野の方が集うのも良いなと思っていたのに逃しました。またこういうイベントも開催して欲しいです。

2497

何というか、もういよいよなんですねー、観測開始。

 

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告知:第10回サイエンスカフェin岐阜市(2018/10/13 15:00~、東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設と岐阜新聞の共催、岐阜新聞本社にて)

ヨシダヒロコです。

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富山市科学博物館にて。真ん中のは銀色のノートです。

夏にも重力波のがあったのを書きそびれていました(下にリンク張っておきます)。一昨年神岡の道の駅である宙(スカイ)ドームに行ったとき、まだノーベル賞祝賀モードの展示があったんですけど、ラミネートされた岐阜新聞の記事が沢山あって圧倒された覚えがあります。施設が大変だったときも励ますような記事があったのが印象的でした。

今回はきっとハイパーカミオカンデのお話もありますね。岐阜市近辺の方どうぞ。


2018年9月19日

岐阜新聞と当施設の共催で2013年から開催してきた、「サイエンスカフェin岐阜市」は今回で第10回になります。

スーパーカミオカンデの改修作業は終盤に入り、間もなくタンクへの注水が始まります。そこで今回は、中畑雅行施設長が「スーパーカミオカンデ改修とニュートリノ観測の未来」をテーマに、サイエンスカフェを行います。みなさまのご参加をお待ちしています。

日程・定員

2018年10月13日(土)15:00~ 定員 学生・一般合わせて30名
定員になり次第しめきります。

参加費

500円(聴講料・飲み物代込)

申し込み

9月25日(火)午前10:00から、岐阜新聞社読者広報センターで受付。
電話:058-264-5500
(平日の午前10時から午後5時まで)


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http://www-sk1.icrr.u-tokyo.ac.jp/pr/event/2018/09/sciencecafe.html

岐阜新聞 Sカミオカンデ新機能解説 10月13日にサイエンスカフェ   goo版のアーカイブ

7月にKAGRA関係のサイエンスカフェがあり、2月に富山市天文台でも開催されたものとゲストも同じで恐らく内容も似ているのではと思い行かなかったですけど(岐阜市は遠いですし)、富山の内容は少しですがレポートしました。KAGRAはこれからいろいろイベントがありそうな気がしています。

サイエンスカフェin岐阜市 宮川東大助教が解説

KAGRA HPより

サイエンスカフェin岐阜市「アインシュタイン100年の宿題に答えるKAGRA」

最後に、上の写真にも撮った激ムズなスーパーカミオカンデのジグゾーパズルは昨年だったかに出るなりすごい人気でした。わたしはできる気が全くしないので買ってないですけど、完成品をこないだ見たらかなり美しかったです。富山市科学博物館には他にノートが売っていて(施設内でチェレンコフ光というのが光ったときのパターンが図柄)、欲しいけどもったいなくて書けなさそう。

そのジグゾーパズルの難易度がアップして今月から第2弾が出ました。買えるところのリンクがツイート中に張ってあります。中畑先生は写真撮る方で、施設写真は大体わたしがと講演でお聞きしたことがあります。今回は写っている方なんですね。

素朴な疑問ですが、ハイパーカミオカンデをパズルにしたら大きいわ難しいわで収拾付かなくなりそうな。

神岡へ ジオスペースアドベンチャー(GSA, 2018/07/14、飛騨アカデミー企画)その2

ヨシダヒロコです。

(2018/09/28 11:38追記:文章・写真ともレイアウトが変な場所があり、直しました)

前の発言から1カ月以上経ってしまいました。この催しは中身濃かったため、体力のある時に書いてます(今基本的に療養中です)。遅くなりましたがこの発言の続きです。

日程は

  1. バスでスーパーカミオカンデに向かう
  2. 坑道に入れるバスに乗り換える
  3. 坑道歩いて赤ふんのお兄さんたちと重機に遭遇
  4. 例年とは少し違う場所でスーパーカミオカンデの説明を受け、残念ながら作業している人はいなかったがカメラで中を見せてもらった(歩いたのは2時間時間超だったかと)
  5. 公民館に帰って浜松ホトニクス、神岡鉱山、J-PARCやKEKの部屋に行って話を聞いた。危うくバスに遅れそうになり、荷物を1つ忘れた

1.はガイドの方がその時その方によりいろいろお話してくれます。帰りに聞いたのだったと思いますが、スーパーカミオカンデ一般公開には1回、KAGRA見学会に1回当選して行ったことがあります。ヘルメットはかぶると髪型がくしゃっとなって戻りません(サイエンスZEROの中畑先生がそうでしたね)。髪型は諦めましょう。

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帰りに聞いたのはずの話。天皇陛下、皇后陛下も見学に来られているのですが、ヘルメットかぶったでしょうか?と質問されました。実はかぶらなかったそうです。施設の中は上を少し開けて見ていただいたと、8/26の富山での市民講演会で中畑先生がおっしゃっていました。

2.  研究者の方は車らしいですが(普通に入れる)、見学バスでは車高の低い一回り小さいものに乗り換えます。

3. 赤ふん軍団は毎年人気らしいですが、見るまで何のことか分かりませんでした。遠目の写真載っけておきます。地元の青年たちが「昨日電話かかってきて」などともぼやきながら、昔の抗夫を演じていたのです。そこでかっこよく重機が登場するはずでしたけどうまく動いてくれず、奥へと進みました。

するとNHKBS『ウルトラ重機』ばり(録画を消化してない……)のメカ的なものが好きな人なら心を奪われるような車体が2機でーんとありました。乗っけてもらうと計器が古いのも何ともいえなかったです。オレンジ色の方は、先ほどの番組によく似たものが出ていたそうで、高圧の水で岩盤に穴を空ける実演付きでした。黄色のは車高が坑道に合わせ低くなっています(それでも大きい)。わたしのエントリー用一眼レフは光量の少ないところが苦手なので、鉱山では毎度苦労します。

参加者しおりに「寒いです」とあった通り、秋冬のジャケット着ていた人もいましたし、外は暑かったですけど中は「東京の冬の気温」とのことで、2時間ばかり歩くとだいぶ寒かったです。

2018-07-14 12_Fotor

4.スーパーカミオカンデの説明は、2016年にタンクの上で受けたのと確か似たような感じで、恐らく今年は水を抜くというイベントがあるためその説明があったはずです。ガドリニウムというレアアース(物質)を入れて、昔に爆発した星(超新星)から出たニュートリノを観測します。

こういうの見たんですけど、この5の動画が最後です(水が抜けました)。わたしが見たときは作業中の人はいませんでしたが、8/26の市民講演会では、中畑先生が「暗いところは夜帰っている」と説明しながら全部見せてくださいました。

帰りはボランティアガイドさんに1.で書いた皇族の方々の話など聞かせてもらいながら帰りました。

5.ジオスペースアドベンチャーにはブースというか、公民館(3階建て)の1室を借りて浜松ホトニクス、神岡鉱山、J-PARC&KEKの方に直接お話聞けたり、資料もらえたりします。浜松ホトニクスの技術は今はPETなどの医療機器や本当に様々なところに使われているそうで、神岡鉱山の方とはおみやげコーナーでも売っていた鉱石(白や黒の綺麗な結晶状の石が売っていました)の話をしてました。売場で朝少し売り子さんと話しましたが、石に10万円クラス(何十万だったかも)のものがあって、鉱山の方によると送料込みの値段だということでした。重いから。

J-PARKコーナーには午前中にも出没して説明聞いたり、無料でかっこいいクリアファイルなどもらったりしていました(ファイルはすぐになくなったよう)。午後に、Twitterで存じ上げててお話ししたかったKEKの広報・高橋さんとお話ししててバスの時間ぎりぎりになりました。サイエンスカフェを仕切っている方です。

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◎外には縁日的な食べ物コーナーがあったり、今年だけかもしれないけど岐阜名物五平餅も。催しとして縁日みたいなのもあって、この辺は抽選通れなくても行けました。夜にあった浜ホトの方の講演もそうです。グッズは噂のパズルやTシャツ、クリアファイルなど色々でしたが、クリアファイル1つ買って帰りました。時間なかったんで回れなかったですが、クリアファイルには梶田先生の書いた式のがあり、迷いました(こういうTシャツも良いんですけど切りがない……)。

今年グッズで受けたのはこれだったのではなかろうか。

これ、もう1回目放送は終わりましたが、来週も再放送あるしオンデマンドにも入るので、興味ある方どうぞ(BSですが)。わたしはこの番組録画が溜まりまくってます。

もしまた行くことができたら、今年は高山線が止まっていた場所があったためバスしかあまり手がなかったんですけど、もうちょっといられるようにしたいです。

資料。読めてないですけど色々と。ICRR Newsは綺麗な写真があるため人気でした。pdfでダウンロードできます。見開きで写してみましたけど、102号です。

http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/cat-icrr/

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最後に、浜松ホトニクスは申込制で5年に一度の展示会やるそうです。浜松なのでお近くの方どうぞ。ウェブサイト行ったら、本当にいろんな事業やってたし何だか株価がすごいですね。

http://www.photonfair.jp/

ハイパーカミオカンデ着工決定!

ヨシダヒロコです。

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このニュース、もっと早く食いつくつもりだったんですけど。

まだ書けてない、富山市での市民講演会『ニュートリノで聞く宇宙』の前日にハイパーカミオカンデの「調査費」が出たとニュースで知って、講演会の質問タイムに質問したんです。建設できるかを調べる予算を頂いた、ということでした。「着手金みたいなものでしょうか?」と聞くと「そうです」と中畑先生がおっしゃってました。予算が厳しいのは聞いていたのでそのような理解でいることも言いましたが、「厳しいんです」と、だいたいそういう話でした。

それから程なく着工決まったので驚きました。講演会のレポートは遅れていますが書きます。待てない方は、神岡素粒子施設のHPに行くとスライドがありますので。

今回も、ひっぐすたんのブログからカミオカンデ三姉妹の絵を使わせて頂きます。ハイパーカミオカンデちゃん、足だけ……?

ハイパーカミオカンデ建設決定!

 

3枚目のマンガは、ブログ主秋本さんの本からです。最近スーパーカミオカンデが水抜いてやっているガドリニウムを入れる話も、それで見つけたい超新星背景ニュートリノの話も、見開き2ページの可愛い絵で説明してあります。富山の講演会でも、その前の東京の講演会も、ひっぐすたんのイラストやご本人がフィーチャーされていて、可愛いアイコンがスライドに出てくるとなんかニマニマしてしまいました。

 

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東大学長のメッセージは以下の通り。全訳ではありません。間違いありましたらご指摘ください。

http://www.hyperk.org/?p=365

文科省の2019年「シードファンド(この訳語は学術方面でよく使うのかあまり裏が取れてません)」を受けることになりました。スーパーカミオカンデのように、過去の大型プロジェクトは最初シードファンドから始まってフルの予算がついてきました。資金面でも2020年観測建設開始(2018/09/21 12:29訂正)に向け東大としてバックアップしていきます。

プレスリリースには梶田先生の言葉があります。
http://www.hyperk.org/?p=387
ハイパーカミオカンデ プロトコラボレーションは、施設の着工が行われるという知らせを受け、計画が実際の実験に移ることを歓迎しています。梶田教授は「過去の例では、日本の大型プロジェクトの標準として1年のシードファンドから始まるのが通例です。東大は必ず2020年に観測建設開始できるよう約束してくれています」。
コラボレーションは今後設計を完成し、海外の研究者に広く門戸を開いています。

 

予定の2020年より遅れると他との競争に負ける..….という声も見かけていたので、これで無事に建設が進むことをお祈りいたします。下の動画は綺麗で好きでしたが、改めて見ると沢山やりたいテーマがあるのですね。

告知:日本物理学会 市民科学講演会(素宇)『宇宙を探る地下実験とフィルム』(2018/09/16 13:00開場、松本市キッセイ文化ホール)

ヨシダヒロコです。

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一般社団法人日本物理学会 市民科学講演会
宇宙を探る地下実験とフィルム

講演1 梶田隆章 (東京大学,ノーベル物理学賞受賞)
「地下から探る宇宙と素粒子」―ニュートリノと重力波―
講演2 中村光廣 (名古屋大学)
「されど写真乾板,挑戦の日々」―フィルムで探るニュートリノ,暗黒物質,ピラミッドの謎―

日時:9月16日 (日)
13:30~16:00 (開場:13:00)
場所:キッセイ文化ホール 中ホール (750席)
対象:どなたでも (申込不要)   入場無料

講演1 「地下から探る宇宙と素粒子」 ‒ニュートリノと重力波-
梶田隆章
(東京大学,ノーベル物理学賞受賞)
岐阜県神岡の地下では、1983年以来ニュートリノの研究が行われてきまし
た。また現在は重力波の観測を目指すKAGRAの建設も進んでいます。こ
の講演では、スーパーカミオカンデでのニュートリノの小さい質量の発見
やその後の研究、そしてその意義についてお話しします。また今後期待さ
れるKAGRAによる重力波の観測と、重力波を通して調べる宇宙について
お話します。

略歴
昭和56年 埼玉大学理学部卒業 東京大学大学院入学
昭和58年 東京大学大学院理学系研究科物理学専門課程修士課程修了
昭和61年 理学系研究科物理学専門課程博士課程修了 理学博士(東京大学)
東京大学助手(理学部附属素粒子物理国際センター)
平成 4年 東京大学助教授(宇宙線研究所)
平成11年 東京大学教授(宇宙線研究所附属宇宙ニュートリノ観測情報融合センター)
平成20年 東京大学宇宙線研究所 所長 (現在に至る。)

講演2
「されど写真乾板,挑戦の日々」‒フィルムで探るニュートリノ,暗黒物質,ピラミッドの謎-
中村光廣(名古屋大学)
かつて隆盛を極めた写真フィルムはデジカメ・スマホの前にいまや風前の
灯火です。若い人の中にはフィルムを知らず、電源不要で軽快な写真フィ
ルムをみて、最先端の技術であると勘違いする人もいたりします(実はこ
れは正しい!)。その写真技術を生かし、素粒子ニュートリノや暗黒物質、
そして何の因果かピラミッドの内部構造を探る研究を展開しているのが我々
の研究グループです。その写真乾板(原子核乾板)奮闘の日々を紹介しま
す。
略歴
1957年 兵庫県姫路市生まれ
1976年 信州大学理学部物理学科入学 (松本の住民となる。)
1980年 信州大学卒業 名古屋大学大学院進学 (第二の故郷松本を離れ、名古屋の住民となる。)
1989年 名古屋大学 F研 助手
2002年 名古屋大学 F研 助教授
2013年 名古屋大学 F研 教授 (現在に至る。)
日時:9月16日 (日)
場所:キッセイ文化ホール 中ホール (750席)
※申込みは不要です。直接会場にお越しください。入場無料
13:30~16:00 (開場:13:00)
主催:日本物理学会,共催:信州大学,後援:長野県教育委員会,松本市教育委員会
企画・運営:日本物理学会2018年秋季大会(素宇)実行委員会
お問合せ:Tel:0263-37-2456

日本物理学会2018年秋季大会(素宇)
実行委員会ウェブサイト

http://science.shinshu-u.ac.jp/jps2018su/kagaku.html

 

学会ウェブサイトトップページ

(素宇)は素粒子・宇宙物理か素粒子・宇宙線かどっちかだと思うんですけど。

今回の催しは何で目に入ったのか忘れました。物理学会は春秋とあるそうで、物性と素粒子など違う分野が会場が別れていて、今年の秋はそれぞれ同志社大学京田辺キャンパスと信州大学です。松本の市民講演会が魅力的なのでまずお知らせします。わたしは素粒子寄りですが、物性も少しだけ勉強して、授業で「ここからが面白いんですが時間切れ」みたいになった覚えがあります。放送大学で大人になってから単位取ったばかりです。物性の講演は「京」のお話なんですがまた改めて。

梶田先生は既に去年、今年とお話を聴いて、こないだの日曜日は中畑先生と京大の中家先生のお話を富山で聴いて、今年充分頂きましたという感じです(ちなみにこの学会の去年秋季大会での市民講演会は、栃木で梶田先生と村山斉先生だったそうです)。今の疲れが回復した頃にまた何か機会があったらもちろん考えますけど、放送大学で行われる鈴木(洋一郎)先生の面接授業を2,3年連続で聴いてきたのを今年ちょっとお休みしようかと。

ピラミッド透視などの研究されている中村先生のお話は未聴なので興味があります。短い天文番組で国際研究プロジェクトを見てすごいなーとなりました。フィルムカメラで研究してるんですね(神岡でそんな感じのおみやげもらいました)。録画消化してないですがNスペになっていました(この辺りアーカイブ)。またどこかでお話聞けないか待ちます。

ScanPyramids

北陸新幹線開通で、富山から松本へはバスなどの安価な交通手段がなくなりました。わたしは今回疲れもあり色々動くのはしばらく諦めます。残念ですが。松本まで行ける方、近隣の方のために書いています。

今年はもう満員御礼で終わってましたけど、学会ではセミナーも年1回やっており、今年の夏はAIだったそうです。小冊子で人気だったため有料で領付している『物理学70の不思議』も今一度書いておきます。こういうの読み物が溜まっているので、ゆっくり読む時間が欲しいのです。

今回無理という方も、学会は全国を回りますからいつか聞きたいお話に会えるかもしれません。

 

神岡へ ジオスペースアドベンチャー(GSA, 2018/07/14、飛騨アカデミー企画)その1

ヨシダヒロコです。

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飛騨の素粒子物理施設に興味持って7年、小さい頃の学校遠足で通りかかって以来、2016年に再訪しました。とても素朴な街です。それから数回行っています。

ジオスペースアドベンチャーは初めて抽選に通り、今年はスーパーカミオカンデが改修中で建物の中に入れないからか、今までで初めて定員割れをしたそうです。スーパーカミオカンデのタンクの中は外からカメラで見られる予定でした。ちなみに前のポストに書いたように、秋の一般公開は今年見送りです。わたしは行っておいてよかったのかも。

普段の一般公開なら午後は混む(当選できない)ので、土曜日曜の朝9時を第1第2希望にして土曜に通りました。実は誰か行く人いるかなと2人分申し込んだのですけど、知り合い当たっても日曜でないと駄目な人ばかりで、無駄になったのが残念でした。前泊の宿は神岡唯一のビジネスホテル(電話のみの予約)。

直前の大雨で高山線には不通区間ができてしまいましたが、前日に「予定通りやります」とHPに出ました。浜松ホトニクスの方の講演が14日夜に行われることが分かり、もう帰ってしまっている時間なので残念でした。

飛騨アカデミーの催し物案内。

https://gsa-hida.jp/archives/707/    (アーカイブ

13日は放送大学(物理3科目に苦労していた)の試験を半月後に控え、身体の調子がよくないので主治医には休むように言われており、折からの暑さでへたばってもいました。なので忘れ物を複数回したりマヌケなこともしましたが、趣味と実益(大学院に行けたら論文のネタにする)を兼ねてよい経験になりました。来年もまた申込したいです。

富山駅前から午後の特急バスに乗りました。わたしは障害者割引ですが、そうでなくても1300円くらいなので、一本で行けるということではJRより便利です。教科書は珍しくバス酔いで読めず、タブレットをいじるくらいしかできませんでした。あと少し写真撮ったり。国道41号線一本のようです。

1時間で到着。日暮れまでまだ間があり、高原川があまりに綺麗なので近くまで行けないかとうろうろしていたら、偶然禅寺に行き当たったのでお参り。

 

6時頃に宿に行きました。その時から感づいていたのですが、翌日確かめたところ、前に来たとき気に入った居酒屋は閉めたとのこと。コンビニは近いので教えてもらい、歩いていたら前に来たとき行きたいと思ったことがある神岡ラーメンの八兵衛さんがありました。あんまり食欲なかったので、ここの優しい味のラーメンはありがたかったです。高山ラーメンは富山にもあったはずですが、味が違うらしいです。しかも600円とか700円とか良心的すぎで(2018/07月時点)。ダシは鶏ガラと何かと聞き、片方忘れました。

 

以前、古川町のお弁当屋さんのおばさんに「スーパーカミオカンデ見にきました」と言うといきなりばーっと喋られたことがありました。神岡周辺には今でも「梶田先生、おめでとうございます」という張り紙やのぼりみたいのがあり、梶田先生は町おこし?といい意味で思ったりしました。右の写真は八兵衛さんとは違う店です。

短い夜の散歩から帰ってダラダラ岐阜のTVつけましたが、勉強する気にもならず、毎晩必要な眠剤の一部を忘れてきて眠れず大変でした。だいぶぼんやりしてたと見えます。

普段からみると上出来過ぎる時間に目が覚め、パンとコーヒー片手に、ロビーの丸テーブルにいた2人組のおじさんとおしゃべり。現場仕事(神岡鉱山含む)をいろんな土地で請け負っているらしい。関西弁の方のおじさんは、もう言葉が混ざってしまって分からなくなったと言いながら、『半分、青い』のキムラ緑子さんの言葉が「いい加減に喋っとる」と見抜いてました。神岡で道なき山道を仕事で行き、「本当にこれ道ですか~」「道です~」そのうち熊の爪痕と血痕があってうわあとなった、みたいな話も。お疲れ様です。うちの近所にもたまーに出てニュースになります。

チェックアウトしてまた高原川を見ながら、これでもメインストリート(下写真)を通って、毎回イベント集合場所になる神岡振興事務所へ。売店が盛んでしたが、写真撮りそびれました。受付して、まずはカミオカンデの跡地を使って観測している、東北大学カムランドの院生の方のお話。J-PARCなどのブースも出ており冷やかしながら、次はいよいよ久しぶりの鉱山の中です。

 

東大レゴ部のお仕事、やっと見られました。

 

2018-07-14 09_Fotor

しおりには東京の冬くらい寒いと書かれてました。今回は今までになく坑道を2時間も歩いたので、わたしのUV防止パーカー(夏用ともいえる)+登山用アンダーTシャツは、後者は薄くても暖かいのですが全体的にはちょっと薄く、ジャケットくらいあってもよかったです。後はハイキングくらいの容量のリュックに、絶対忘れちゃいけないのがこれです。忘れても会場に売っています。

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~ヘルメットかぶってその2に続く~

サイエンスZERO特別編!『575でカガク ニュートリノ』(2018/08/19, 再放送25)&秋のスーパーカミオカンデ一般公開見送り。

share_temporaryヨシダヒロコです。

(2018/09/27追記:サイエンスZEROはNHKオンデマンドで見られます(有料)。いつもと客層wが違ってて、見逃した方が多いようですね)
http://www4.nhk.or.jp/zero/7/

スーパーカミオカンデが見られないかという検索が多いようですが、もともと一般公開でもタンクの上で説明を受ける感じで、タンクの中は水をいっぱいにして観測中のため見られません。例外は天皇陛下くらいです(ふたを少しずらして中を見て頂いた)。

今年は例外的に12年ぶりにふたを開けて水も抜いて改修工事をしています。7月のジオスペースアドベンチャーに行きましたが、中に入れないとのことで初めて定員割れしたらしい。

恐らく飛騨アカデミーの夏の『夢のたまご塾』に選ばれた子や(HPでは全員は見られないかもとある)、他にごく限られた人は工事中の中に入っているようです。

おっさんもワクワク、スーパーカミオカンデの超純水タンク内部が12年ぶりに公開 (1/3)


レポ:スーパーカミオカンデのタンクの中!

今回、サイエンスZEROで俳人の夏井いつきさんや神岡の施設長である中畑先生(26日に富山で講演する方。昨日応募締切でした)をゲストに迎え、夏井さんを施設に案内して俳句詠んでもらうというのがあるようです。今までにあまりなかった試みです(リンク放送後アーカイブ、俳句含む)。

そういえば、わたしは特に俳句詠んでる訳ではないですけど、『俳句王国がゆく!』(リンク アーカイブ)というNHK松山局制作の番組が6月に飛騨市に来ました。お題のひとつがスーパーカミオカンデで興味深かったです。リンク先に詠まれた句がすべてあります。

サイエンスZEROは、NHKの回し者ではありませんが、昔の放送からオンデマンドにあるので見逃した方もどうぞ。

好きな動画など貼っておきます。

FacebookのSuper-Kamiokandeより、同じ日に他にもあります(下のTwitterと同じものアップしてるような)。

あと神岡のイベントでも配布されていたICRR Newsはここからダウンロードできます。特に写真が素晴らしいです。102号です。

http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/cat-icrr/

最後にこれ書いてるときに、宇宙線研究所のあのツイート……とか探してたら、最新のツイートがこれでした。

工事が大変なのかな。生まれ変わってバリバリ観測してくれることを楽しみにしています。

告知(追記あり):講演『ニュートリノに聞く宇宙』(2018/08/26、富山国際会議場メインホール→申込8/16に延長)& マルチメッセンジャー観測によりIcecubeなどがニュートリノ検出した大ニュース。

ヨシダヒロコです。

(2018/08/08 23:06追記:講演会の申込受付が8/16まで延長されました)

 

ジオスペースアドベンチャーに暑い中神岡まで行ってきました。直前まで大雨で開催が危なかったようです。いろいろ大事なことが頭から抜けてて、バスにも酔い、とどめに荷物のひとつを会場に預けたまま忘れてきて後で着払いにて送ってくださいと電話しました。次回行けたらもう少し長くいたいです。

20180717

お知らせのひとつは、宇宙線研究所神岡施設長の中畑先生(スーパーカミオカンデなどの東大発の写真も撮っておられます)とT2K実験の実験責任者、京大の中家先生がお話される講演会。富山でキャパは800ありますが、申し込みがこの間始まりました。わたしは近所なのでもう応募し、抽選の場合もあるので結果を待っています。国際会議場はこんなに入るのですね。

お申し込みはこちらから。

http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/pr/event/2018/07/t2k.html
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講演のタイトルは、中畑先生が『超新星爆発ニュートリノで探る宇宙』、中家先生が『神岡に向けてニュートリノビーム発射』。中畑先生の講演は、いまスーパーカミオカンデで行っている大改造についてのお話でしょう。

もうひとつはニュートリノのニュースです。ぶ厚い氷に穴を掘ってそこで実験しているIcecubeという観測施設が南極にあります。40億光年のかなたにあるブレーザーと呼ばれる星(ブラックホール)からニュートリノが飛んで来たことを、さまざまな観測施設と協力したマルチメッセンジャー観測によって突き止めました。Icecubeには日本からも協力しています。ニュートリノはどこから来たのかなかなか分からないようで、小柴先生が初めて観測されました。
秋本さんの分かりやすいサイト「Higgstan(ひっぐすたん)」の漫画でご説明します。

icecubemm-180712

IcecubeのHPは英語です(リンク)。極地にあるので美しいオーロラも見られます。

Icecubeのプレスリリース(英語)

https://icecube.wisc.edu/news/view/586

オーロラと施設写真(Facebook)

毎日新聞:「銀河系外ニュートリノの発生源の天体、初特定」

https://mainichi.jp/articles/20180713/k00/00m/040/190000c    (アーカイブ

国立天文台・千葉大学・東京大学・広島大学プレスリリース

http://www.chiba-u.ac.jp/general/publicity/press/files/2018/20180713neutrino.pdf

20180713neutrino     (pdfコピー)

広島大学宇宙科学センター研究成果「宇宙ニュートリノ放射源天体の同定に成功」

https://www.hiroshima-u.ac.jp/hasc/kenkyuseika/neutrino_source_identify_2018

報道解禁が13日0時だったそうで、バタバタと記事が出てくるのをTwitter上で見ていました。今から考えると、このイベントは去年のことなのでニュートリノ研究者はすでに知っていた(過去のスライドもネット上から出てきました)はずで、名古屋大での梶田先生の講演はどんぴしゃな内容でした。梶田先生とほぼ同学年で一緒に研究していた中畑先生のお話も、一般向けの、これから面白くなる分野の話ですよね。

次はジオスペースアドベンチャーのレポートもですけど、国際リニアコライダー(ILC)関係で大きなシンポジウムがあるのをご紹介します(東京で8/5です)。わたしは物理の試験で行けそうもありませんが。暑くて何もできないのですけど試験大丈夫だろうか……。

『4コマで丸わかり!素粒子実験の世界』絵が可愛くて楽しい!オススメ!

ヨシダヒロコです。

black mathematics board with formulas

Credit:Adobe Stock, 式がどれだけ合ってるかは責任持てません。

この本は春頃に金沢のよく行く本屋さん(専門書も多いし便利な場所にある)でラッキーにも見つけた本です。今回のはそこそこ初心者向けだと思います。理屈分かる人もマンガ見て楽しいという。てっきりとっくにレビューしたかと思ってました。

「ラッキーにも」と書いたのは、この本が絶版らしいからです。入手した本屋さんではそのように聞きました。店頭に残っていることはあるそうです。近所の天文台の方が、「ニュートリノのことはひっぐすたんの本が分かりやすかった」と言っていたので探していたのです。AmazonではAmazon扱いではないけどまだ取り扱いがありますので、お早めに。あと、普段はつけないんですが「図書館」の選択肢を書誌情報につけました。

著者の秋本さんは素粒子物理を専攻して博士号を持つイラストレーターです。e-honに出版時の書籍情報がありました。

素粒子注目トピックス!!(梶田博士、ノーベル賞受賞!!重力波が見つかった!)
1 素粒子のキホン!(わたしたちは原子の集まり  原子は陽子と中性子と電子でできている! ほか)
2 ものスゴイ!素粒子実験(LHC、ILC ほか)
3 素粒子実験の向かう先(素粒子実験と素粒子理論、素粒子物理学が目指すもの ほか)
出版社・メーカーコメント

なんだか難しそ~なイメージの素粒子実験を 4コマでわかりやす~く解説しちゃいます! ノーベル賞で大注目の「スーパーカミオカンデ」から、ヒッグス粒子で一躍有名になった「LHC」、新顔の重力波望遠鏡「かぐら」まで! 素粒子実験をキャラクター化し、4コママンガで実験の特徴を解説。素粒子って、素粒子実験って、かわいいよね! 楽しいよね!
著者紹介

秋本 祐希 (アキモト ユウキ)
博士(理学)。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。専門は素粒子実験。現在はデザインの仕事をするかたわら、自らが描くイラストを使った素粒子物理学を解説するホームページ『HIGGSTAN(ひっぐすたん)』を開設・運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

HiggstanというHPは、割と最近に発見された素粒子の名前が付いていて、素粒子物理をほのぼのマンガやビジュアルで解説しています。TwitterとFacebook版、ブログでも見られます。英語バージョンもあり。わたしはなんでもゆるキャラがいいとは思ってないですけど、この本についてはスーパーカミオカンデちゃんとかぐらさん(髪飾りに注目)の会話とか面白いなあとくすくす受けながら読んでいました。全部意味は分からなくても絵やセリフが楽しいのではないだろうかと思います。XMASSくんなどなど男の子もいます。

スーパーカミオカンデは加速器ともお仕事してるし、そういうお話も出てきます。意外だったのは、加速器って医療材料作ったりするのにも使われるんですね。考えてみればそうですね。日本の東北に誘致しようと今頑張っている(今年が正念場!)国際リニアコライダー、ILCのキャラであるリナコちゃんもこの方が描きました。話が色々進んだら、またこういう本をバーションアップして欲しいなあ。

ニュートリノについて最近の作品は、

あと、スーパーカミオカンデちゃんのタンクオープン。見ることはできませんが綺麗ですね。YouTubeはBGMを含めたリズム感が絶妙です。スーパーカミオカンデのHPでも工事の様子が見られますよ。

http://higgstan.com/4koma-sk-tankopen/

後は余談です。

阪大・橋本先生の『超ひも理論をパパに習ってみた ―天才物理学者・浪速阪教授の70分講義』もマンガ版があるのを知りました。わたしはひも理論には慣れてないけど一応マンガでない本で先に読んでみます。
放送大の試験無事に終わったら積んであるのから順番に、ですけど。

橋本先生が式を書いたこの指輪は500円なので、キーホルダーとして持ったりお友達の坊やたちにあげたりしました(受けた!)。阪大がなんとAmazonで売り出したんですが、人気出すぎたのか在庫がありません。3種類あります。わたしのは塗装がはげてきてしまいました(アップしてすぐの追記:生協で売ってたのより値段は高くなってますが在庫復活してますね。いいなー)

Twitterで、「『我々はみな星の子である』と思えばいがみ合うことも少なくなるだろうに」という意味のことを言っていた方がいるのですが出典を知りません。そのうち調べることにして、今年まで京大におられた磯部先生の文章を引いておきます。長めですけど中学生対象です。

宇宙がいつか滅びるならなぜ進歩する意味があるのか

雨の名古屋大に梶田先生の市民向け講演を聞きに(2018/05/23、超高エネルギー宇宙線反応国際シンポジウム、名古屋大学 坂田・平田ホール)(2018/06/22:神岡施設工事について追記)。

ヨシダヒロコです。

名古屋日帰りというのを初めてやりました。朝10時台終わりに高速バスで出て、最寄り駅からタクシーで帰ったら日付をまたぐくらい。調子はどっちかというと悪い部類に入ったのですけど、多分行ったら楽しいと思ったので。雨で、着ていくものに迷う天気でした。天気は事前に分かっていたので、靴を磨いて防水スプレーしておきました。物理系の学会ってドレスコードが適当と聞いていたのですが、多少真面目な格好をしました。

行きは高岡駅から加越能バス。元々3000円と安いのに、名古屋線では障害者を差別なく割り引いてくれ、氷見や五箇山方面のバスも出してます。帰りの富山地鉄も早くから障害者用ICカード(路線バス・電車)を導入しています。ここは便数が多いので帰りに使いました。加越能は電源はなくWifiはあって、ただトンネルが多すぎて通信状況はあまり良くなかったです。ネットを使わないPC作業にもトレイがないので適していません(地鉄もそう)。ただ車窓の岐阜の景色が綺麗で、白川郷らしい集落もちらっと見えました。地鉄は電源がありました。20時前発の富山行きだとサービスエリアはもう閉まってます。

 

 

名古屋のターミナルで友人と合流し、充電式の充電器を忘れてきてしまったので、スタバで充電の後名大へ。最後に名古屋に来たのは2013年のスペイン語試験DELEでした。試験は近くの南山大だったですけど、その後地下鉄の駅が増えたらしくて門まではスムーズでした。知らない大学内ってよく迷うので、案の定少しウロウロしましたが午後4時半過ぎの開場頃に到着です。

 

 

入口に霧箱が複数あり、学生さんらしき人が説明してくれました。箱のサイズが違うと霧の形が違い、理由は分かっていないというのが何とも不思議。国立科学博物館の動画を貼っておきます。

今回面白かったことの1つは、下のスライド表紙の写真を撮っていいですかと受付で聞いたら、出てこられた責任者の先生がTwitterで拝見している方だったこと。わたしは顔アイコンなので、便利なこともありますね。実は講演中後ろでシャッター音がなかなかうるさかったですけど、自分はこの1枚しか撮ってません(あまりうまくない)。着いたときお客さんは入り始めたところで、わたしは2列目でした。

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17時頃、梶田先生が登場されました。講演をこれだけ近くで聞いたことは初めてに近く、のっけから少々お茶目なことを話されました。うっかりしてて60分の講演だと思って準備していたら45分と聞き、内容削ったけど50分になってしまいましたと。わたしもうっかりしてて、チラシにいろんな方法で宇宙を見る方法があるよと書いてあったのに、重力波オンリーの講演会だと勘違いしていました。

1時間近くお話聞いていて、どうやら口癖は「ま、適当に」だと分かりました。本質的なことをざっくり概算とかだいたいで話すのがすごいと思いました。「全部分かろうとすると大変なので何となくで」と最初におっしゃっていたので読まれる方もそんな感じでお願いします。ちなみに数式の類はありませんでした。

内容は盛りだくさんで、多い項目をおのおのあまり難しくなく説明され、スーパーカミオカンデやKAGRAの最新情報もありましたよ。最初は藤原定家 『明月記』(本文の写真があった)から始まりました。超新星爆発(星の寿命が来て爆発し、明るく輝く)の残骸の星雲が2個写真で出まして。超新星は昔の言葉で「客星」というそうです。

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Credit: Smithsonian Institution , SN1006

 

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Credit: NASA,  SN1054( かに星雲)

  1. ニュートリノで探る宇宙
  2. ガンマ線で探る宇宙
  3. 宇宙線で探る宇宙
  4. 重力波で探る宇宙
  5. まとめ

現在スーパーカミオカンデは感度アップに向けて大改造中(水も抜く)で、わたしは7月のジオスペースアドベンチャーの抽選に通ったので、いろいろ調整をして神岡にまた行き、施設を外から覗いてこられたらと思っています(今回施設の中には入れません)。これは講演中にも話があったように過去の超新星爆発で出たニュートリノを観測するためだそうです。

(詳細はスーパーカミオカンデのHPより)

http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/sk/srn.html

(2018/06/22 1:19:工事のことが詳しく出ていたのでURLを貼っておきます)

http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/whatsnew/2018/06/skopen02.html

KAGRAはGW中にやっと2個目の鏡(1個23kg)がセットできたそうで、1つの鏡をつけるのに20人くらい必要だそうです。来年には試験観測が始められたら、だそうです。

わたしが特に面白かったのは(もちろんニュートリノや重力波も不思議なんですけど)、初めて聞いた超高エネルギーガンマ線のお話。ガンマ線は宇宙にも飛んでいる光というか、放射線の一種です。ガンマ線バーストとかパルサーという言葉も話に出てました(ガンマ線が出ます)。昔爆発した星からできた星雲(SN1006)をガンマ線で観測すると、1000年前の爆発の名残がまだ残っているというのが一番ワクワクしました。

先生の出されたグラフというか図(元の図はエネルギーによってだと思いますが色分けされていました)をペンでざっとメモったもの。超高エネルギーガンマ線で観測するとこうなります。2つにぱっくり分かれているそうです。

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他には、高エネルギーの宇宙線はあまり曲がらず大谷のストレートくらいの速さだそうで、「陽子1個なのに!ぜひ調べたい」みたいなスライドもあり、お忙しい中野球もチェックしてるんだなとか、表現が面白いなと感心したりしてました。

様々な手段で、光では全く予想できなかった宇宙の姿が見えてくるでしょうという結論でした。

質問はアンケート用紙に欄があり、回収して一問一答みたいな感じで学会スタッフの方が聞いていました。研究のこと、先生自身のことなどいろいろ質問があり、最後にあった「日本の基礎科学が今大変ですが、わたしに何かできることはありますか」という質問には、「重力波のサポートは頂いているのだけどもう少し足りません。(恐らくハイパーカミオカンデのことでは)20年準備してきた計画が実現するか分かりません。基礎科学は厳しいので、いろんな人にその話を広めて下さい」とおっしゃってました。宇宙線研究所まわりにも市民のできる寄付制度が複数あるんですが、それについては言われませんでした。ちなみに先生自身は富山市科学博物館であった質問コーナー(人を介して質問に答えてもらう)でもおっしゃっていたように、さほど計画的でも夢を持っている子供でもなかったそうです。

講演後、先生は質問がある皆さんに囲まれてニコニコと話しておられました。わたしは少々気後れしてしまい、時間もなかったのでホールを出ました。

名古屋大出身の有名な研究者は多いらしく(え、この先生も?というのが学内見ててありました)記念の建物が色々建っていました。今回の会場もそうだと後で知りました(しかも平田先生ってわたしの学生時代の専攻にとても近い先生なのに……)。益川・小林先生はこのように建物の中だけではなく、素粒子の専攻の棟だったと思いますが外側にも顔写真がデザインされていました。講演会が少し押したため余裕がなく、下の写真ももうちょっと数撮って良いの選びたかったですけど。わたしと友人が映り込んでいます。

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帰りのバスの中では寝る気にもなれず、前の記事に書いたように大学の勉強が忙しい時期で、読めないだろうなと思いながらも何冊か本を持ってきていたのが少し読めました。たまにこういうお話を聞くと、物理という科目の性質もあり孤独に勉強しているので刺激になります。違う土地に出向くという新鮮さもありました。

夏から秋の初めくらいには天文・物理系の一般公開色々あって魅力的ですけど、個人的に貧乏旅行をしたい地があるのでまだ何とも言えません。カブリの講演会が6/10にストリーミングでもあるので、2時間超えると思いますけど聞いてみようかな。

https://www.ipmu.jp/ja/20180610-WorldUniverse

物理の世界は分かりにくいと思われがちですが、宇宙線もニュートリノも皆さんの周りを飛んでいる実に身近なものです(リンゴ1個枝から落ちても物理ですし)。宇宙の起源の話は、結局は自分たちがどこから来たかとかどうして存在するかとかそういう話に行きつくようです。それに星とか天体って不思議なことだらけですし。ですので、お住まいの近くで心惹かれる講演やイベントがあったらぜひ申しこんでみて下さい。

#まだまだ勉強中ですので、間違いのご指摘を歓迎します。