ハイパーカミオカンデ着工決定!

ヨシダヒロコです。

180912-hk

このニュース、もっと早く食いつくつもりだったんですけど。

まだ書けてない、富山市での市民講演会『ニュートリノで聞く宇宙』の前日にハイパーカミオカンデの「調査費」が出たとニュースで知って、講演会の質問タイムに質問したんです。建設できるかを調べる予算を頂いた、ということでした。「着手金みたいなものでしょうか?」と聞くと「そうです」と中畑先生がおっしゃってました。予算が厳しいのは聞いていたのでそのような理解でいることも言いましたが、「厳しいんです」と、だいたいそういう話でした。

それから程なく着工決まったので驚きました。講演会のレポートは遅れていますが書きます。待てない方は、神岡素粒子施設のHPに行くとスライドがありますので。

今回も、ひっぐすたんのブログからカミオカンデ三姉妹の絵を使わせて頂きます。ハイパーカミオカンデちゃん、足だけ……?

ハイパーカミオカンデ建設決定!

 

3枚目のマンガは、ブログ主秋本さんの本からです。最近スーパーカミオカンデが水抜いてやっているガドリニウムを入れる話も、それで見つけたい超新星背景ニュートリノの話も、見開き2ページの可愛い絵で説明してあります。富山の講演会でも、その前の東京の講演会も、ひっぐすたんのイラストやご本人がフィーチャーされていて、可愛いアイコンがスライドに出てくるとなんかニマニマしてしまいました。

 

180912-hk2skhk2-HK-180912

東大学長のメッセージは以下の通り。全訳ではありません。間違いありましたらご指摘ください。

http://www.hyperk.org/?p=365

文科省の2019年「シードファンド(この訳語は学術方面でよく使うのかあまり裏が取れてません)」を受けることになりました。スーパーカミオカンデのように、過去の大型プロジェクトは最初シードファンドから始まってフルの予算がついてきました。資金面でも2020年観測建設開始(2018/09/21 12:29訂正)に向け東大としてバックアップしていきます。

プレスリリースには梶田先生の言葉があります。
http://www.hyperk.org/?p=387
ハイパーカミオカンデ プロトコラボレーションは、施設の着工が行われるという知らせを受け、計画が実際の実験に移ることを歓迎しています。梶田教授は「過去の例では、日本の大型プロジェクトの標準として1年のシードファンドから始まるのが通例です。東大は必ず2020年に観測建設開始できるよう約束してくれています」。
コラボレーションは今後設計を完成し、海外の研究者に広く門戸を開いています。

 

予定の2020年より遅れると他との競争に負ける..….という声も見かけていたので、これで無事に建設が進むことをお祈りいたします。下の動画は綺麗で好きでしたが、改めて見ると沢山やりたいテーマがあるのですね。

広告

告知:日本物理学会 市民科学講演会(素宇)『宇宙を探る地下実験とフィルム』(2018/09/16 13:00開場、松本市キッセイ文化ホール)

ヨシダヒロコです。

science_poster_1science_poster_2

一般社団法人日本物理学会 市民科学講演会
宇宙を探る地下実験とフィルム

講演1 梶田隆章 (東京大学,ノーベル物理学賞受賞)
「地下から探る宇宙と素粒子」―ニュートリノと重力波―
講演2 中村光廣 (名古屋大学)
「されど写真乾板,挑戦の日々」―フィルムで探るニュートリノ,暗黒物質,ピラミッドの謎―

日時:9月16日 (日)
13:30~16:00 (開場:13:00)
場所:キッセイ文化ホール 中ホール (750席)
対象:どなたでも (申込不要)   入場無料

講演1 「地下から探る宇宙と素粒子」 ‒ニュートリノと重力波-
梶田隆章
(東京大学,ノーベル物理学賞受賞)
岐阜県神岡の地下では、1983年以来ニュートリノの研究が行われてきまし
た。また現在は重力波の観測を目指すKAGRAの建設も進んでいます。こ
の講演では、スーパーカミオカンデでのニュートリノの小さい質量の発見
やその後の研究、そしてその意義についてお話しします。また今後期待さ
れるKAGRAによる重力波の観測と、重力波を通して調べる宇宙について
お話します。

略歴
昭和56年 埼玉大学理学部卒業 東京大学大学院入学
昭和58年 東京大学大学院理学系研究科物理学専門課程修士課程修了
昭和61年 理学系研究科物理学専門課程博士課程修了 理学博士(東京大学)
東京大学助手(理学部附属素粒子物理国際センター)
平成 4年 東京大学助教授(宇宙線研究所)
平成11年 東京大学教授(宇宙線研究所附属宇宙ニュートリノ観測情報融合センター)
平成20年 東京大学宇宙線研究所 所長 (現在に至る。)

講演2
「されど写真乾板,挑戦の日々」‒フィルムで探るニュートリノ,暗黒物質,ピラミッドの謎-
中村光廣(名古屋大学)
かつて隆盛を極めた写真フィルムはデジカメ・スマホの前にいまや風前の
灯火です。若い人の中にはフィルムを知らず、電源不要で軽快な写真フィ
ルムをみて、最先端の技術であると勘違いする人もいたりします(実はこ
れは正しい!)。その写真技術を生かし、素粒子ニュートリノや暗黒物質、
そして何の因果かピラミッドの内部構造を探る研究を展開しているのが我々
の研究グループです。その写真乾板(原子核乾板)奮闘の日々を紹介しま
す。
略歴
1957年 兵庫県姫路市生まれ
1976年 信州大学理学部物理学科入学 (松本の住民となる。)
1980年 信州大学卒業 名古屋大学大学院進学 (第二の故郷松本を離れ、名古屋の住民となる。)
1989年 名古屋大学 F研 助手
2002年 名古屋大学 F研 助教授
2013年 名古屋大学 F研 教授 (現在に至る。)
日時:9月16日 (日)
場所:キッセイ文化ホール 中ホール (750席)
※申込みは不要です。直接会場にお越しください。入場無料
13:30~16:00 (開場:13:00)
主催:日本物理学会,共催:信州大学,後援:長野県教育委員会,松本市教育委員会
企画・運営:日本物理学会2018年秋季大会(素宇)実行委員会
お問合せ:Tel:0263-37-2456

日本物理学会2018年秋季大会(素宇)
実行委員会ウェブサイト

http://science.shinshu-u.ac.jp/jps2018su/kagaku.html

 

学会ウェブサイトトップページ

(素宇)は素粒子・宇宙物理か素粒子・宇宙線かどっちかだと思うんですけど。

今回の催しは何で目に入ったのか忘れました。物理学会は春秋とあるそうで、物性と素粒子など違う分野が会場が別れていて、今年の秋はそれぞれ同志社大学京田辺キャンパスと信州大学です。松本の市民講演会が魅力的なのでまずお知らせします。わたしは素粒子寄りですが、物性も少しだけ勉強して、授業で「ここからが面白いんですが時間切れ」みたいになった覚えがあります。放送大学で大人になってから単位取ったばかりです。物性の講演は「京」のお話なんですがまた改めて。

梶田先生は既に去年、今年とお話を聴いて、こないだの日曜日は中畑先生と京大の中家先生のお話を富山で聴いて、今年充分頂きましたという感じです(ちなみにこの学会の去年秋季大会での市民講演会は、栃木で梶田先生と村山斉先生だったそうです)。今の疲れが回復した頃にまた何か機会があったらもちろん考えますけど、放送大学で行われる鈴木(洋一郎)先生の面接授業を2,3年連続で聴いてきたのを今年ちょっとお休みしようかと。

ピラミッド透視などの研究されている中村先生のお話は未聴なので興味があります。短い天文番組で国際研究プロジェクトを見てすごいなーとなりました。フィルムカメラで研究してるんですね(神岡でそんな感じのおみやげもらいました)。録画消化してないですがNスペになっていました(この辺りアーカイブ)。またどこかでお話聞けないか待ちます。

ScanPyramids

北陸新幹線開通で、富山から松本へはバスなどの安価な交通手段がなくなりました。わたしは今回疲れもあり色々動くのはしばらく諦めます。残念ですが。松本まで行ける方、近隣の方のために書いています。

今年はもう満員御礼で終わってましたけど、学会ではセミナーも年1回やっており、今年の夏はAIだったそうです。小冊子で人気だったため有料で領付している『物理学70の不思議』も今一度書いておきます。こういうの読み物が溜まっているので、ゆっくり読む時間が欲しいのです。

今回無理という方も、学会は全国を回りますからいつか聞きたいお話に会えるかもしれません。

 

神岡へ ジオスペースアドベンチャー(GSA, 2018/07/14、飛騨アカデミー企画)その1

ヨシダヒロコです。

2018-07-13 16_Fotor

飛騨の素粒子物理施設に興味持って7年、小さい頃の学校遠足で通りかかって以来、2016年に再訪しました。とても素朴な街です。それから数回行っています。

ジオスペースアドベンチャーは初めて抽選に通り、今年はスーパーカミオカンデが改修中で建物の中に入れないからか、今までで初めて定員割れをしたそうです。スーパーカミオカンデのタンクの中は外からカメラで見られる予定でした。ちなみに前のポストに書いたように、秋の一般公開は今年見送りです。わたしは行っておいてよかったのかも。

普段の一般公開なら午後は混む(当選できない)ので、土曜日曜の朝9時を第1第2希望にして土曜に通りました。実は誰か行く人いるかなと2人分申し込んだのですけど、知り合い当たっても日曜でないと駄目な人ばかりで、無駄になったのが残念でした。前泊の宿は神岡唯一のビジネスホテル(電話のみの予約)。

直前の大雨で高山線には不通区間ができてしまいましたが、前日に「予定通りやります」とHPに出ました。浜松ホトニクスの方の講演が14日夜に行われることが分かり、もう帰ってしまっている時間なので残念でした。

飛騨アカデミーの催し物案内。

https://gsa-hida.jp/archives/707/    (アーカイブ

13日は放送大学(物理3科目に苦労していた)の試験を半月後に控え、身体の調子がよくないので主治医には休むように言われており、折からの暑さでへたばってもいました。なので忘れ物を複数回したりマヌケなこともしましたが、趣味と実益(大学院に行けたら論文のネタにする)を兼ねてよい経験になりました。来年もまた申込したいです。

富山駅前から午後の特急バスに乗りました。わたしは障害者割引ですが、そうでなくても1300円くらいなので、一本で行けるということではJRより便利です。教科書は珍しくバス酔いで読めず、タブレットをいじるくらいしかできませんでした。あと少し写真撮ったり。国道41号線一本のようです。

1時間で到着。日暮れまでまだ間があり、高原川があまりに綺麗なので近くまで行けないかとうろうろしていたら、偶然禅寺に行き当たったのでお参り。

6時頃に宿に行きました。その時から感づいていたのですが、翌日確かめたところ、前に来たとき気に入った居酒屋は閉めたとのこと。コンビニは近いので教えてもらい、歩いていたら前に来たとき行きたいと思ったことがある神岡ラーメンの八兵衛さんがありました。あんまり食欲なかったので、ここの優しい味のラーメンはありがたかったです。高山ラーメンは富山にもあったはずですが、味が違うらしいです。しかも600円とか700円とか良心的すぎで(2018/07月時点)。ダシは鶏ガラと何かと聞き、片方忘れました。

以前、古川町のお弁当屋さんのおばさんに「スーパーカミオカンデ見にきました」と言うといきなりばーっと喋られたことがありました。神岡周辺には今でも「梶田先生、おめでとうございます」という張り紙やのぼりみたいのがあり、梶田先生は町おこし?といい意味で思ったりしました。右の写真は八兵衛さんとは違う店です。

短い夜の散歩から帰ってダラダラ岐阜のTVつけましたが、勉強する気にもならず、毎晩必要な眠剤の一部を忘れてきて眠れず大変でした。だいぶぼんやりしてたと見えます。

普段からみると上出来過ぎる時間に目が覚め、パンとコーヒー片手に、ロビーの丸テーブルにいた2人組のおじさんとおしゃべり。現場仕事(神岡鉱山含む)をいろんな土地で請け負っているらしい。関西弁の方のおじさんは、もう言葉が混ざってしまって分からなくなったと言いながら、『半分、青い』のキムラ緑子さんの言葉が「いい加減に喋っとる」と見抜いてました。神岡で道なき山道を仕事で行き、「本当にこれ道ですか~」「道です~」そのうち熊の爪痕と血痕があってうわあとなった、みたいな話も。お疲れ様です。うちの近所にもたまーに出てニュースになります。

チェックアウトしてまた高原川を見ながら、これでもメインストリート(下写真)を通って、毎回イベント集合場所になる神岡振興事務所へ。売店が盛んでしたが、写真撮りそびれました。受付して、まずはカミオカンデの跡地を使って観測している、東北大学カムランドの院生の方のお話。J-PARCなどのブースも出ており冷やかしながら、次はいよいよ久しぶりの鉱山の中です。

東大レゴ部のお仕事、やっと見られました。

2018-07-14 09_Fotor

しおりには東京の冬くらい寒いと書かれてました。今回は今までになく坑道を2時間も歩いたので、わたしのUV防止パーカー(夏用ともいえる)+登山用アンダーTシャツは、後者は薄くても暖かいのですが全体的にはちょっと薄く、ジャケットくらいあってもよかったです。後はハイキングくらいの容量のリュックに、絶対忘れちゃいけないのがこれです。忘れても会場に売っています。

sdr

 

~ヘルメットかぶってその2に続く~

サイエンスZERO特別編!『575でカガク ニュートリノ』(2018/08/19, 再放送25)&秋のスーパーカミオカンデ一般公開見送り。

share_temporaryヨシダヒロコです。

スーパーカミオカンデが見られないかという検索が多いようですが、もともと一般公開でもタンクの上で説明を受ける感じで、タンクの中は水をいっぱいにして観測中のため見られません。例外は天皇陛下くらいです(ふたを少しずらして中を見て頂いた)。

今年は例外的に12年ぶりにふたを開けて水も抜いて改修工事をしています。7月のジオスペースアドベンチャーに行きましたが、中に入れないとのことで初めて定員割れしたらしい。

恐らく飛騨アカデミーの夏の『夢のたまご塾』に選ばれた子や(HPでは全員は見られないかもとある)、他にごく限られた人は工事中の中に入っているようです。

おっさんもワクワク、スーパーカミオカンデの超純水タンク内部が12年ぶりに公開 (1/3)


レポ:スーパーカミオカンデのタンクの中!

今回、サイエンスZEROで俳人の夏井いつきさんや神岡の施設長である中畑先生(26日に富山で講演する方。昨日応募締切でした)をゲストに迎え、夏井さんを施設に案内して俳句詠んでもらうというのがあるようです。今までにあまりなかった試みです(リンク放送後アーカイブ、俳句含む)。

そういえば、わたしは特に俳句詠んでる訳ではないですけど、『俳句王国がゆく!』(リンク アーカイブ)というNHK松山局制作の番組が6月に飛騨市に来ました。お題のひとつがスーパーカミオカンデで興味深かったです。リンク先に詠まれた句がすべてあります。

サイエンスZEROは、NHKの回し者ではありませんが、昔の放送からオンデマンドにあるので見逃した方もどうぞ。

好きな動画など貼っておきます。

FacebookのSuper-Kamiokandeより、同じ日に他にもあります(下のTwitterと同じものアップしてるような)。

あと神岡のイベントでも配布されていたICRR Newsはここからダウンロードできます。特に写真が素晴らしいです。102号です。

http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/cat-icrr/

最後にこれ書いてるときに、宇宙線研究所のあのツイート……とか探してたら、最新のツイートがこれでした。

工事が大変なのかな。生まれ変わってバリバリ観測してくれることを楽しみにしています。

告知(追記あり):講演『ニュートリノに聞く宇宙』(2018/08/26、富山国際会議場メインホール→申込8/16に延長)& マルチメッセンジャー観測によりIcecubeなどがニュートリノ検出した大ニュース。

ヨシダヒロコです。

(2018/08/08 23:06追記:講演会の申込受付が8/16まで延長されました)

 

ジオスペースアドベンチャーに暑い中神岡まで行ってきました。直前まで大雨で開催が危なかったようです。いろいろ大事なことが頭から抜けてて、バスにも酔い、とどめに荷物のひとつを会場に預けたまま忘れてきて後で着払いにて送ってくださいと電話しました。次回行けたらもう少し長くいたいです。

20180717

お知らせのひとつは、宇宙線研究所神岡施設長の中畑先生(スーパーカミオカンデなどの東大発の写真も撮っておられます)とT2K実験の実験責任者、京大の中家先生がお話される講演会。富山でキャパは800ありますが、申し込みがこの間始まりました。わたしは近所なのでもう応募し、抽選の場合もあるので結果を待っています。国際会議場はこんなに入るのですね。

お申し込みはこちらから。

http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/pr/event/2018/07/t2k.html
アーカイブ

講演のタイトルは、中畑先生が『超新星爆発ニュートリノで探る宇宙』、中家先生が『神岡に向けてニュートリノビーム発射』。中畑先生の講演は、いまスーパーカミオカンデで行っている大改造についてのお話でしょう。

もうひとつはニュートリノのニュースです。ぶ厚い氷に穴を掘ってそこで実験しているIcecubeという観測施設が南極にあります。40億光年のかなたにあるブレーザーと呼ばれる星(ブラックホール)からニュートリノが飛んで来たことを、さまざまな観測施設と協力したマルチメッセンジャー観測によって突き止めました。Icecubeには日本からも協力しています。ニュートリノはどこから来たのかなかなか分からないようで、小柴先生が初めて観測されました。
秋本さんの分かりやすいサイト「Higgstan(ひっぐすたん)」の漫画でご説明します。

icecubemm-180712

IcecubeのHPは英語です(リンク)。極地にあるので美しいオーロラも見られます。

Icecubeのプレスリリース(英語)

https://icecube.wisc.edu/news/view/586

オーロラと施設写真(Facebook)

毎日新聞:「銀河系外ニュートリノの発生源の天体、初特定」

https://mainichi.jp/articles/20180713/k00/00m/040/190000c    (アーカイブ

国立天文台・千葉大学・東京大学・広島大学プレスリリース

http://www.chiba-u.ac.jp/general/publicity/press/files/2018/20180713neutrino.pdf

20180713neutrino     (pdfコピー)

広島大学宇宙科学センター研究成果「宇宙ニュートリノ放射源天体の同定に成功」

https://www.hiroshima-u.ac.jp/hasc/kenkyuseika/neutrino_source_identify_2018

報道解禁が13日0時だったそうで、バタバタと記事が出てくるのをTwitter上で見ていました。今から考えると、このイベントは去年のことなのでニュートリノ研究者はすでに知っていた(過去のスライドもネット上から出てきました)はずで、名古屋大での梶田先生の講演はどんぴしゃな内容でした。梶田先生とほぼ同学年で一緒に研究していた中畑先生のお話も、一般向けの、これから面白くなる分野の話ですよね。

次はジオスペースアドベンチャーのレポートもですけど、国際リニアコライダー(ILC)関係で大きなシンポジウムがあるのをご紹介します(東京で8/5です)。わたしは物理の試験で行けそうもありませんが。暑くて何もできないのですけど試験大丈夫だろうか……。

『4コマで丸わかり!素粒子実験の世界』絵が可愛くて楽しい!オススメ!

ヨシダヒロコです。

black mathematics board with formulas

Credit:Adobe Stock, 式がどれだけ合ってるかは責任持てません。

この本は春頃に金沢のよく行く本屋さん(専門書も多いし便利な場所にある)でラッキーにも見つけた本です。今回のはそこそこ初心者向けだと思います。理屈分かる人もマンガ見て楽しいという。てっきりとっくにレビューしたかと思ってました。

「ラッキーにも」と書いたのは、この本が絶版らしいからです。入手した本屋さんではそのように聞きました。店頭に残っていることはあるそうです。近所の天文台の方が、「ニュートリノのことはひっぐすたんの本が分かりやすかった」と言っていたので探していたのです。AmazonではAmazon扱いではないけどまだ取り扱いがありますので、お早めに。あと、普段はつけないんですが「図書館」の選択肢を書誌情報につけました。

著者の秋本さんは素粒子物理を専攻して博士号を持つイラストレーターです。e-honに出版時の書籍情報がありました。

素粒子注目トピックス!!(梶田博士、ノーベル賞受賞!!重力波が見つかった!)
1 素粒子のキホン!(わたしたちは原子の集まり  原子は陽子と中性子と電子でできている! ほか)
2 ものスゴイ!素粒子実験(LHC、ILC ほか)
3 素粒子実験の向かう先(素粒子実験と素粒子理論、素粒子物理学が目指すもの ほか)
出版社・メーカーコメント

なんだか難しそ~なイメージの素粒子実験を 4コマでわかりやす~く解説しちゃいます! ノーベル賞で大注目の「スーパーカミオカンデ」から、ヒッグス粒子で一躍有名になった「LHC」、新顔の重力波望遠鏡「かぐら」まで! 素粒子実験をキャラクター化し、4コママンガで実験の特徴を解説。素粒子って、素粒子実験って、かわいいよね! 楽しいよね!
著者紹介

秋本 祐希 (アキモト ユウキ)
博士(理学)。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。専門は素粒子実験。現在はデザインの仕事をするかたわら、自らが描くイラストを使った素粒子物理学を解説するホームページ『HIGGSTAN(ひっぐすたん)』を開設・運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

HiggstanというHPは、割と最近に発見された素粒子の名前が付いていて、素粒子物理をほのぼのマンガやビジュアルで解説しています。TwitterとFacebook版、ブログでも見られます。英語バージョンもあり。わたしはなんでもゆるキャラがいいとは思ってないですけど、この本についてはスーパーカミオカンデちゃんとかぐらさん(髪飾りに注目)の会話とか面白いなあとくすくす受けながら読んでいました。全部意味は分からなくても絵やセリフが楽しいのではないだろうかと思います。XMASSくんなどなど男の子もいます。

スーパーカミオカンデは加速器ともお仕事してるし、そういうお話も出てきます。意外だったのは、加速器って医療材料作ったりするのにも使われるんですね。考えてみればそうですね。日本の東北に誘致しようと今頑張っている(今年が正念場!)国際リニアコライダー、ILCのキャラであるリナコちゃんもこの方が描きました。話が色々進んだら、またこういう本をバーションアップして欲しいなあ。

ニュートリノについて最近の作品は、

あと、スーパーカミオカンデちゃんのタンクオープン。見ることはできませんが綺麗ですね。YouTubeはBGMを含めたリズム感が絶妙です。スーパーカミオカンデのHPでも工事の様子が見られますよ。

http://higgstan.com/4koma-sk-tankopen/

後は余談です。

阪大・橋本先生の『超ひも理論をパパに習ってみた ―天才物理学者・浪速阪教授の70分講義』もマンガ版があるのを知りました。わたしはひも理論には慣れてないけど一応マンガでない本で先に読んでみます。
放送大の試験無事に終わったら積んであるのから順番に、ですけど。

橋本先生が式を書いたこの指輪は500円なので、キーホルダーとして持ったりお友達の坊やたちにあげたりしました(受けた!)。阪大がなんとAmazonで売り出したんですが、人気出すぎたのか在庫がありません。3種類あります。わたしのは塗装がはげてきてしまいました(アップしてすぐの追記:生協で売ってたのより値段は高くなってますが在庫復活してますね。いいなー)

Twitterで、「『我々はみな星の子である』と思えばいがみ合うことも少なくなるだろうに」という意味のことを言っていた方がいるのですが出典を知りません。そのうち調べることにして、今年まで京大におられた磯部先生の文章を引いておきます。長めですけど中学生対象です。

宇宙がいつか滅びるならなぜ進歩する意味があるのか

雨の名古屋大に梶田先生の市民向け講演を聞きに(2018/05/23、超高エネルギー宇宙線反応国際シンポジウム、名古屋大学 坂田・平田ホール)(2018/06/22:神岡施設工事について追記)。

ヨシダヒロコです。

名古屋日帰りというのを初めてやりました。朝10時台終わりに高速バスで出て、最寄り駅からタクシーで帰ったら日付をまたぐくらい。調子はどっちかというと悪い部類に入ったのですけど、多分行ったら楽しいと思ったので。雨で、着ていくものに迷う天気でした。天気は事前に分かっていたので、靴を磨いて防水スプレーしておきました。物理系の学会ってドレスコードが適当と聞いていたのですが、多少真面目な格好をしました。

行きは高岡駅から加越能バス。元々3000円と安いのに、名古屋線では障害者を差別なく割り引いてくれ、氷見や五箇山方面のバスも出してます。帰りの富山地鉄も早くから障害者用ICカード(路線バス・電車)を導入しています。ここは便数が多いので帰りに使いました。加越能は電源はなくWifiはあって、ただトンネルが多すぎて通信状況はあまり良くなかったです。ネットを使わないPC作業にもトレイがないので適していません(地鉄もそう)。ただ車窓の岐阜の景色が綺麗で、白川郷らしい集落もちらっと見えました。地鉄は電源がありました。20時前発の富山行きだとサービスエリアはもう閉まってます。

 

 

名古屋のターミナルで友人と合流し、充電式の充電器を忘れてきてしまったので、スタバで充電の後名大へ。最後に名古屋に来たのは2013年のスペイン語試験DELEでした。試験は近くの南山大だったですけど、その後地下鉄の駅が増えたらしくて門まではスムーズでした。知らない大学内ってよく迷うので、案の定少しウロウロしましたが午後4時半過ぎの開場頃に到着です。

 

 

入口に霧箱が複数あり、学生さんらしき人が説明してくれました。箱のサイズが違うと霧の形が違い、理由は分かっていないというのが何とも不思議。国立科学博物館の動画を貼っておきます。

今回面白かったことの1つは、下のスライド表紙の写真を撮っていいですかと受付で聞いたら、出てこられた責任者の先生がTwitterで拝見している方だったこと。わたしは顔アイコンなので、便利なこともありますね。実は講演中後ろでシャッター音がなかなかうるさかったですけど、自分はこの1枚しか撮ってません(あまりうまくない)。着いたときお客さんは入り始めたところで、わたしは2列目でした。

2018-05-23 16_2_Fotor

kajita

17時頃、梶田先生が登場されました。講演をこれだけ近くで聞いたことは初めてに近く、のっけから少々お茶目なことを話されました。うっかりしてて60分の講演だと思って準備していたら45分と聞き、内容削ったけど50分になってしまいましたと。わたしもうっかりしてて、チラシにいろんな方法で宇宙を見る方法があるよと書いてあったのに、重力波オンリーの講演会だと勘違いしていました。

1時間近くお話聞いていて、どうやら口癖は「ま、適当に」だと分かりました。本質的なことをざっくり概算とかだいたいで話すのがすごいと思いました。「全部分かろうとすると大変なので何となくで」と最初におっしゃっていたので読まれる方もそんな感じでお願いします。ちなみに数式の類はありませんでした。

内容は盛りだくさんで、多い項目をおのおのあまり難しくなく説明され、スーパーカミオカンデやKAGRAの最新情報もありましたよ。最初は藤原定家 『明月記』(本文の写真があった)から始まりました。超新星爆発(星の寿命が来て爆発し、明るく輝く)の残骸の星雲が2個写真で出まして。超新星は昔の言葉で「客星」というそうです。

2940666879_6df2417ca5_b

Credit: Smithsonian Institution , SN1006

 

PIA03606~medium

Credit: NASA,  SN1054( かに星雲)

  1. ニュートリノで探る宇宙
  2. ガンマ線で探る宇宙
  3. 宇宙線で探る宇宙
  4. 重力波で探る宇宙
  5. まとめ

現在スーパーカミオカンデは感度アップに向けて大改造中(水も抜く)で、わたしは7月のジオスペースアドベンチャーの抽選に通ったので、いろいろ調整をして神岡にまた行き、施設を外から覗いてこられたらと思っています(今回施設の中には入れません)。これは講演中にも話があったように過去の超新星爆発で出たニュートリノを観測するためだそうです。

(詳細はスーパーカミオカンデのHPより)

http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/sk/srn.html

(2018/06/22 1:19:工事のことが詳しく出ていたのでURLを貼っておきます)

http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/whatsnew/2018/06/skopen02.html

KAGRAはGW中にやっと2個目の鏡(1個23kg)がセットできたそうで、1つの鏡をつけるのに20人くらい必要だそうです。来年には試験観測が始められたら、だそうです。

わたしが特に面白かったのは(もちろんニュートリノや重力波も不思議なんですけど)、初めて聞いた超高エネルギーガンマ線のお話。ガンマ線は宇宙にも飛んでいる光というか、放射線の一種です。ガンマ線バーストとかパルサーという言葉も話に出てました(ガンマ線が出ます)。昔爆発した星からできた星雲(SN1006)をガンマ線で観測すると、1000年前の爆発の名残がまだ残っているというのが一番ワクワクしました。

先生の出されたグラフというか図(元の図はエネルギーによってだと思いますが色分けされていました)をペンでざっとメモったもの。超高エネルギーガンマ線で観測するとこうなります。2つにぱっくり分かれているそうです。

2018-05-31 21_Fotor

他には、高エネルギーの宇宙線はあまり曲がらず大谷のストレートくらいの速さだそうで、「陽子1個なのに!ぜひ調べたい」みたいなスライドもあり、お忙しい中野球もチェックしてるんだなとか、表現が面白いなと感心したりしてました。

様々な手段で、光では全く予想できなかった宇宙の姿が見えてくるでしょうという結論でした。

質問はアンケート用紙に欄があり、回収して一問一答みたいな感じで学会スタッフの方が聞いていました。研究のこと、先生自身のことなどいろいろ質問があり、最後にあった「日本の基礎科学が今大変ですが、わたしに何かできることはありますか」という質問には、「重力波のサポートは頂いているのだけどもう少し足りません。(恐らくハイパーカミオカンデのことでは)20年準備してきた計画が実現するか分かりません。基礎科学は厳しいので、いろんな人にその話を広めて下さい」とおっしゃってました。宇宙線研究所まわりにも市民のできる寄付制度が複数あるんですが、それについては言われませんでした。ちなみに先生自身は富山市科学博物館であった質問コーナー(人を介して質問に答えてもらう)でもおっしゃっていたように、さほど計画的でも夢を持っている子供でもなかったそうです。

講演後、先生は質問がある皆さんに囲まれてニコニコと話しておられました。わたしは少々気後れしてしまい、時間もなかったのでホールを出ました。

名古屋大出身の有名な研究者は多いらしく(え、この先生も?というのが学内見ててありました)記念の建物が色々建っていました。今回の会場もそうだと後で知りました(しかも平田先生ってわたしの学生時代の専攻にとても近い先生なのに……)。益川・小林先生はこのように建物の中だけではなく、素粒子の専攻の棟だったと思いますが外側にも顔写真がデザインされていました。講演会が少し押したため余裕がなく、下の写真ももうちょっと数撮って良いの選びたかったですけど。わたしと友人が映り込んでいます。

2018-05-23 18_1_Fotor

帰りのバスの中では寝る気にもなれず、前の記事に書いたように大学の勉強が忙しい時期で、読めないだろうなと思いながらも何冊か本を持ってきていたのが少し読めました。たまにこういうお話を聞くと、物理という科目の性質もあり孤独に勉強しているので刺激になります。違う土地に出向くという新鮮さもありました。

夏から秋の初めくらいには天文・物理系の一般公開色々あって魅力的ですけど、個人的に貧乏旅行をしたい地があるのでまだ何とも言えません。カブリの講演会が6/10にストリーミングでもあるので、2時間超えると思いますけど聞いてみようかな。

https://www.ipmu.jp/ja/20180610-WorldUniverse

物理の世界は分かりにくいと思われがちですが、宇宙線もニュートリノも皆さんの周りを飛んでいる実に身近なものです(リンゴ1個枝から落ちても物理ですし)。宇宙の起源の話は、結局は自分たちがどこから来たかとかどうして存在するかとかそういう話に行きつくようです。それに星とか天体って不思議なことだらけですし。ですので、お住まいの近くで心惹かれる講演やイベントがあったらぜひ申しこんでみて下さい。

#まだまだ勉強中ですので、間違いのご指摘を歓迎します。

告知:名古屋大で梶田先生の市民向け重力波講演(2018/05/21開催)。

ヨシダヒロコです。

kajita

さっき物理系Twitterで知りました。国際会議の一環らしいですが、5月末に一般向けの講演会があります。重力波というものをわたしが知ったのは梶田先生の授賞直後(次のテーマとして)だったのですけど、100年もの長い長い間誰もつかまえることができませんでした。ここ数年で爆発的に話が進んでいます。

去年夏の神岡、今年2月の富山とサイエンスカフェにも出ました(過去ログにレポあり)。梶田先生のニュートリノのお話は夏に神岡で聞きましたけど、重力波は時間がなくてお話しできなかったそうです。きっと一般の人が講演やサイエンスカフェで接する機会が増えるだろうと思ったらやはり。でもとても嬉しいです。

申し込みはこちらから。

https://indico.cern.ch/event/719805/overview

貴重な機会ですので申しこんでみました。このシステムは応募状況がリアルタイムで分かり、まだ申し込みは12/300です。なので登録メールも来たし行けるようです。仕事でもプライベートでも、急に行きたいものがいろいろとできて困りますが、高速バス(+障害者割引)を駆使してコストダウンし頑張ってみます。名古屋行きの高速バスは試験に使いたく一度試してみたかったですし、この時間なら日帰りできます。行って帰ってくるまでが講演ですから、体調はしっかり整えたいと思います。

昨日から気分良くなく落ち込んでいたのですけど、これで少し元気出ました。

富山市天文台サイエンスカフェ「重力波で『聞く』宇宙の神秘」(東京大学宇宙線研究所 助教 宮川治さん、2018/02/25 富山市天文台)。

ヨシダヒロコです。

9月のサイエンスカフェのレポをしたばかりですが、先月末に次のに行ってきました。先週大事なサファイアの鏡が搬入されたばかりのKAGRAから宮川さんという研究者さんが来られて、後で分かりましたが夏に神岡であった重力波サイエンスカフェでのゲスト、4人の研究者さんたちのひとりでした。今回のサイエンスカフェと前後して、飛騨でも行われました。今後各地で増えたらいいですね。富山では多分初めてかと思います。天文台サイエンスカフェの開催は年1回です。

重力波捉えるサファイア鏡 「かぐら」の心臓部を公開(2018/03/19)共同・日経           魚拓(リンクが切れていたらどうぞ)

今回は全書き起こしに近い形にはしません。今後KAGRAについての講演や今回のようなくだけた集まりが増えそうな気がするので、あえて文章量を少なめにします。

天文台が森の中ということもあり一眼を持っていったのですが (2018/03/19 3:53青字部分、校正ミス訂正)SDカードを忘れ、タブレットで撮影。数があるのでGoogleフォトでアルバム作りました。本当はもうちょっと修正かけたかったんですが。

https://photos.app.goo.gl/qQ3MzHBFqCwzTFA52

前日になって、「駐車場に雪が多くてスペースがなく、すぐに一杯になるかも」みたいなメールが来て急いで行きました。そこで話聞いて驚いたんですが、天文台とちょっとした温泉、少し離れてライチョウの飼育している富山ファミリーパークがあるだけの本当の森なのに、何を思ったか誰かが(2018/03/19 4:16 青字部分校正)婚活パーティーをやるので駐車場が足りないと。ここで一体何するんだろうと思いながら、送ってくれた親の車を降りました。

森はこんな感じで、池が凍ってました。

2018-02-25 13_Fotor

駐車場から10分ほど歩いて天文台に着き、展示品を見てサイエンスカフェに出て、また展示品を見て帰りました。ゆるキャラKAGRAさんは初めて知りましたが、職員の方曰く、この絵を描いた「ひっぐすたん」(は知ってる)の本は絶版になったけどとても分かりやすいそうです。たぶんこれ。

去年ここに行ったときにKAGRAに出向いて見せてもらい、模型を作る予定だと聞きました。今回見たら何と自前で作ってました、ジオラマまで。器用な職員さんがいるそうです。

2018-02-25 14_Fotor

カフェは意外にも子供が多く、KAGRA見学会にも行って興味を持ってやってきたみたいでした。応募多数で抽選があるかもしれなかったのですが、定員オーバーでもそのまま聞いてもらうことにしたと。カフェでは話を遮って質問してもいいのですが、宮川さんは2、3回「子供たちの質問が少ない」と言ってました。幸い、話の終わった後に中学生くらいの子に捕まって質問受けていました。

宮川さんは名古屋出身、家族で富山在住だそうです。都立大→宇宙線研→カリフォルニア工科大(カルテク)でLIGOの基礎設計(ポスドク)→宇宙線研、という経歴だったと思います。何とあの「鳥人間コンテスト」で優勝経験があるとか。

スライド写真はKAGRAの最深部だそうです。経歴紹介の後はLIGOの大発見のお話から。号外が出たとか(日本で)、アインシュタインの宿題(1916年)を100年かかって解いたというお話がありました。3000km離れた2つの波形が一致し、あまりに理論値とも一致していて「ウソでは?」という話になったくらいだったそうです。

宮川さんはそのLIGOで研究していたので、ノーベル賞取った3人も知ってると。「実験屋のレイ」、「プロジェクトリーダーのバリー」、「理論家のキップ」と言われていて、レイは高齢だけどMITでまだバリバリ回路組んでるそうです。人をまとめる立場の人が(バリー氏のこと)受賞するのは珍しくて、それだけ大変なプロジェクトだったとの事でした。あと観測から1年で受賞も珍しいと(梶田先生は20年かかっている)。

生きていたら受賞したであろうロン・ドレーヴァー氏は観測当時認知症でしたが、重力波が来たことは理解したそうです。干渉計は『重力波は歌う』を読むと書いてありますよと言ってました。確かによく分かります。あと(キップ・ソーン氏が監修した)『インターステラー』見た人?と挙手を募ってました。

実際にブラックホール合体の時の重力波の音を出したり、動画を出して「ここで合体しました」など分かりやすかったです。もしブラックホールがもっと大きかったら音は低かったそうです。

↑「可愛い音」と言われてました。

去年の中性子星合体も、合体の時の音や複数の望遠鏡の動画も聞いたり見たりできました。貴金属がこの合体でできることが分かったので、NASAが元素周期表を書き換えているそうです。

中性子星合体の音。

こういう話でよく聞く「ベテルギウスの超新星爆発」もそろそろかという観測が、2017年6月30日、チリのアルマ望遠鏡が星の変形を捉えたため言われているそうで、でも明日か1000年後かは分かりません。

KAGRAの見学会はレアになりつつあり、そのうち振動を避けるため研究者さえほうり出されてリモート操作になるというお話。わたしは2016年に当選して行けましたが、その年の運を使い果たしたかと思いました。

わたしが苦労している一般相対性理論、KAGRAの原理の話も色々あったのですが、

KAGRAのトリビア(まとめてみました)

  • パイプの直径は80m。
  • レーザーは赤外線で、クリーンルーム中でも出ている。腕時計に反射して目に入ったりすると失明
  • 赤外線を使うのは、設計するときに安定だから。
  • ビームスプリッターは水晶(合成石英)
  • 鏡のサファイアはホワイトサファイア、機械的損失が少ない(ブルーサファイアやルビーとの区別の話がありました。不純物で色が変わる)
  • 感度が10の-19乗とすごく小さいため、いろんなノイズと研究者さんは戦っているそう。
  • 地球上で重力波は作れても小さすぎ、大きなものは人工的に作れず、直接何かに役に立てるのは無理

簡単なしくみがpdf1枚でここにあります。

http://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp/KAGRA_Nobel/data/KAGRA2_panel.pdf

重力波観測前のですけど、国立天文台ニュースがここに。

https://www.nao.ac.jp/contents/naoj-news/data/nao_news_0247.pdf

宮川さんのKAGRAでの仕事は干渉計の制御(コントロールルームの設計:リモート操作が大変)で、直属の上司は梶田先生だそうです。

わたしが疑問だったのは、イタリアにあるVirgoをどう発音するのかだったのですが、ヴァーゴとヴィルゴ(それぞれ英語、イタリア語)とあっちとこっちで表記が違うので。実はKAGRAも海外ではGにアクセントが付いて「かぐーら」とか呼ばれちゃうらしくて、みんな呼びたいように呼んでいるらしいです(多国籍のチームですし)。VirgoのTwitterアカウントの中の人にも質問して答えもらったことあったのですが、もっと時代が前だったらどう読むかとか煙に巻かれたような感じでした。

もうひとつ、鏡はなぜサファイアなのかという質問は、寺の鐘を鳴らしたらずーっとゴンゴン響いてるような性質がサファイアにはあるとのこと。おぼろげにしか理解できなかったので、今後の宿題とします。

重力波観測成功が解禁になったときに号外が出た話から始まり、スーパーカミオカンデと『君の名は。』の糸守村の関係、富山県人や岐阜県人なら知っている「ノーベル街道」こと国道41号線の話など、とっつきやすい話もありました。ノーベル街道に縁がある研究者さんたちが子供時代を振り返って言うのは、「自然の中でよく遊んだ」が共通しているようです(田中耕一さんは2ヶ月かそこら前にまた大発見をしたそうですがまだ概要を読んでません)。

今後どんな面白いこと(©大隅先生)があるかということについては、よく聞かれるそうですがまず新しい観測手段であること。宇宙の新事実(4次元以上が発見されるとか)、宇宙初期の星の進化やブラックホールの研究などなどがあります。宇宙初期の話は、論文を分からないながら眺めたことがありますが、昔々のブラックホールがあって重力波がまだ飛んでいるのではという話があるらしいです。

「今日は最後に何かある」と聞いてましたが、職員の方がひとり春で退職になるそうです。その簡単な送別会というか、最近星が好きな宮川さんが星つながりでも交友があったのでしょうか。KAGRAトンネル掘削の最後に出た砂で砂時計を作ってあって、そんなレアなものをプレゼントされてました。とても親切な職員さんなのでいらっしゃらないとつまんないですが、長いことお疲れ様でした。

アルバムにあるスーパーカミオカンデグッズはここではなく街中の科学博物館にあります。わたしはノート狙ってます。

もうさすがに雪は解けたと思いますので、職員さんが退職になる前に夜にでも行けたらいいなあ。

※間違いの訂正を歓迎します。関係者の方は特にありがたいです(メールフォームからでもOKです)。

放送大学面接授業『宇宙を見る新しい目』(東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構 鈴木洋一郎特任教授、富山SC、2017/11/11~12 )(追記あり)。

ヨシダヒロコです。

昨日学部の物理専門科目3科目中2科目の提出課題を出しました。『量子と統計』は出来も悪かったしギリギリ間に合いませんでした。この量子は全然意味の分からないことが画面の目の前で展開していくのですが、よく見るとニュートリノ振動や素粒子には関係があります。まあ、少しずつゆっくりやります。

そんな訳で、少しずつ溜まっていたネタを書きます。

今回お星様の話が沢山あったので、ハッブル宇宙望遠鏡のページからクレジットがあればかなり自由に使える写真をダウンロードしてきました。Creative Commons 4.0で使えます。個人使用も可でしょうね。壁紙に「かに星雲」使っています。これはオリオン座ですが、次にニュートリノでの超新星爆発観測があるとすればオリオン座にあるベテルギウスの可能性が高いのです。

https://www.spacetelescope.org/images/potw1109a/

Orion’s lesser-known nebula takes centre stage

Orion’s lesser-known nebula takes centre stage,    Credit: NASA, ESA and Allison Loll/Jeff Hester (Arizona State University). Acknowledgement: Davide De Martin (ESA/Hubble)

さて、この面接授業は去年は『ニュートリノとダークマター』という題でしたが、同じ先生で毎年やっているようです。去年富山学習センターに電話で聞いたら、先生の意向としてはなるたけずっと授業したいとのことでした。題名が変わるとずっと学籍がある人も毎年受けられますし。わたしは去年は共修生でした。院にもパートタイムで籍があり、今の物理の山が終わったらフルの院生になるべく出願できないかなーと思っています。

鈴木洋一郎先生(ニュートリノ研究者にはには最低もうひとり鈴木先生がいらっしゃいます)、カミオカンデ、スーパーカミオカンデで太陽ニュートリノの研究をし、その後XMASSでダークマターの研究をされていました。宇宙線研究所長、神岡施設長、XMASSの実験代表者もされていました(XMASSは昨年度まで)。

10月だったか、XMASSが観測をやめるとかどうとかネットで騒ぎになったので、その質問もしたくて行きました。あと、陽子崩壊とかCP対称性の破れとかを証明するのにハイパーカミオカンデを作りますよという話が追加になるだろうから新しい話も聞きたかったですし。意表を突かれたのは、先生の夢だそうですが、陽子崩壊のための海底測定装置という構想でした。

今回、前の席にいた受講生が先生の著作を持っていたおかげで存在を知ることができました。最後に書籍情報を貼ります。

ちなみにわたしは神岡にも近い富山在住で、SK(スーパーカミオカンデ)関係などの行事が富山でも行われることがあるのでニュースにもなりますし、普段から研究者さんのTwitterなど眺めています。何か見たような景色や食べ物が流れてくることも。鈴木先生のお話を聞くのは3回目で、1回目はサイエンスカフェでした。

9:45~16:45くらいまで、2日間ずっと(素粒子)物理の話+宇宙の話なので、まず数式全くダメとかいう人は少し厳しいかも。先生も「(文系理系という日本にしかない言い方は嫌いだけどとおっしゃってました)文系の方手を挙げて」と聞いてみたり、難しいといわれて難易度を落としたり、予備知識のない人が聴いて分かる授業にされたいみたいでした。

ただ、わたしも数学が前苦手だったことを逆に生かして高校生とか教えていたことがありました。時間をかければ分かってくれる子もいたけど、数式アレルギーがあるなどの苦手な人だったら2日では難しいかも……。とはいえ、最初のサイエンスカフェのとき、わたしは参考図書になっていた小柴先生の易しい本だけ読んでいって(下に挙げます)、鈴木先生のお話の内容を理解したわけではないけどなんだか楽しく、今思えばあれがファーストコンタクトでした。

数式や提唱された仮説など小難しいことは前回よりずいぶん減っていました。およそ1日半でニュートリノ、半日でダークマターでした。ダークマターの割合が減って、質問に時間をかけて、特に最後には「改善点はないですか、次回のために」とまで質問されているのに、「参考図書があったら」などと建設的なことや、「やはり難しかった」と言う人はごくわずかで、残りの沈黙している人にはなんか言って欲しかったです。

わたしは質問したい事情があるので去年と同じく聞きたいことは質問させて頂きました。前回と同じく、こういう話が好きな人は質問して食いついてました。まあこんなことを言ってますが、わたしだって鈴木先生のお話を3回、神岡施設長の中畑先生のお話を2回、梶田先生は1回聞いて、今回でニュートリノ振動をこうやってこうやって証明したとやっと合点がいきました。ですが、だからニュートリノに質量があると言うためには量子力学が必要で、そこをまだ理解していません。

  • 重力波の話はちらほら先生の話に出ていました。マルチメッセンジャー天文学にダークマターが関わることはないそうです。
  • XMASSの話は教えてくださいました。スライドには「中止」とあって、手短に言えば内部では色々あるのではとわたしは解釈しました(詳細は省きます)。今回、こんな時なのにXMASSに触れている時間があまりなかったみたいで、授業後施設名を知らずに帰った人も。大事な施設だろうに、その辺の話を先生の方ではもっとしたかったのでは?と勝手に思いました。

わたしは昨日まで東京に行っていて丸ノ内線に乗る用があったので、一部で噂のSKグッズ(ノートなど)を大学生協行って買ってきたかったのですが、用事が押したので無理でした。そっか神岡に行けば近いじゃんとも思いましたし。何でそこまでと思われるかもしれませんが、今のところそういう話が好きだから、にしておきます。

参考図書になると思われるもの。この新書は講義内容と似てますね。

わたしが初めて読んだニュートリノの本。結構感動しました。ジュニア向けですし易しい部類に入るかと。

小柴先生の教え子で、梶田先生、中畑両先生の恩師である戸塚先生の本。去年再販されました。ざっくばらんに語っているようなその語り口がいいです。鈴木先生も、今回の授業で事故が起きたSKが再建できたわけを質問されてお話ししてましたが、当時所長だった戸塚先生が結構(たしか半分くらいとか)アメリカの研究者を入れていたおかげで、アメリカのお役所からも「再建せよ」と言われたんだそうです。

来年はどんなことが進んでいるか、ダークマターの行方も気になりますがなるたけ行きたいです。
(2017/12/01 14:45追記:帰りのバスターミナルで、東北在住の若いグアテマラ人カップルが隣にいました。彼らはこのアーティストの来日講演を聞きに来ていたそうです。アルバム名、曲のタイトルが”Dark matter”です)