ヨシダヒロコです。

行きはこんな感じでした。
このオープンセミナーはオープンキャンパスを兼ねており(4回目の魚津会場は除く)、富山県内の放送大学に関係がある先生やお初の先生がいろんなお話をされます。今まで申し込んでも用があったりでなかなか行けませんでした。今回は前に別の場所で逃した漢方の話でしたし、植物園が好きで富山大学薬学部付属薬用植物園にも行ったことがあります。年2回ほど一般公開があり、また行きたく思っています。
学習センターが近くても今年は豪雪でしたし、3日は予想外の土曜発注でバタバタ、10日は別の用で金沢行く予定だったのをバテてキャンセルし、その金沢の会ではキャンセルがすごく出たと後で知りました。学習センター付近の天気は良かったのですけど。17日は吹雪、折しも平昌オリンピック・男子フィギュアでの日本勢大活躍中で、心配な重病のペットのそばから1時間半離れての参加でした。
加藤先生のスライド表紙には、あとで『千と千尋』に出てきたと説明があった巨大な生薬の薬棚(百見百味だんす)が写真でありました。「羽生選手が活躍しているのに、こちらに来てくださってありがとうございます」みたいなのが自己紹介のすぐ後に続きました。参加者は結構講義室を埋めていましたので、30~40人でしょうか。
先生はここで初めて講義されたのですが、受講者の反応もよく「また今度続きを」とおっしゃっていたので、ネタばらしはほどほどにします。
まずは百味百見だんすですが、225種の薬を入れることができ、600種類の組み合わせができます。富山と千葉にしかないそうで、今回大きな収穫だった、漢方薬を調合して14日分に計り分ける操作を動画で見ました。そのはかりは近畿大にもあるそうです。
まず、漢方とは何かについて。江戸時代までは漢方だけしかなく、オランダから医学が入って来たときに区別して蘭方とか漢方とか呼んだそうです。そして富山といえば薬とか薬売りで有名です。富山の人はみな知っている話でしょうが、広貫堂のサイトを貼っておきます(この反魂旦(はんごんたん)は別の店からお菓子にもなっていて、広貫堂では丸薬丸める体験ができます)。このような話の紹介がありました。
http://www.koukandou.co.jp/ayumi/
病院の薬剤部の方ならではの話に、和漢薬は女性がすごく飲んでいる(40才くらいから増え、更年期と関係?)とか、不定愁訴や冷え症が病気として多いというものもありました。東洋医学は体質を変え、病人を理解するのに対し、西洋医学は困りごとが分かっている場合、病気を標準化・原因解明して病気を理解します。
「証」の話ももちろんあり、体調がバイオリズムのように動くことです。あと、お薬の説明書ですが、例えば葛根湯の説明書は詳しくありません。風邪の他に肩こりなどいろんな時に使われます。お医者さんの説明を聞きましょうと言われました。
その他平安時代以来の詳しい診断法、診断基準。和漢薬とのつきあい方は投資信託のように長い目で行きましょうとのアドバイスも。
後半は、生薬の写真がいろいろ出たり、最初に書いた調合のビデオを見せてもらったりしました。例えば牡蠣の殻が牡蛎(ぼれい)として、クマゼミのからが蝉退(せんたい)として使われるなど、植物性のものは多少は知っているつもりでしたが、奥深いものがありました。本来は毒のものを毒抜きして使うケースもあり、食べ物の例だと石川県のフグの卵巣の糠漬けがあります。処方はとても緻密に計算されており、オーダーメイドもできます。
この組み合わせで何に効くでしょう?というクイズも。
煎じ薬は、市販の漢方をインスタントコーヒーとすれば自家焙煎コーヒーに例えられ、ぜひ煎じ薬を試してみてくださいと薦めておられました。困るのは、医食同源だから食物アレルギーが出ることです。
質問タイムではいろいろ質問があったのですが、わたしの質問から。大事なことだったらしいので。
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Q.複数の処方薬(ちなみにツムラですが)を西洋医学の薬と一緒に、薬剤師さんに飲み合わせを聞きながら飲んでいます。漢方医の方らしいツイートを最近見て、複数の薬を飲むと多く入っている成分もあるから身体によくないとありました。本当でしょうか。
A.甘草(かんぞう)には注意が必要で、2.5g以上で怖いかもしれないのに、1剤で6gとか入っていることがあります。黄芩(おうごん)、麻黄(まおう)も注意しましょう。
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先生は終わりの方で、誰かの質問への答えだったかもしれませんが「西洋薬の飲み合わせはみな気にするのに、漢方薬だとしない」「高い抗ガン薬があるけど漢方薬はとても安い。西洋医学的なエビデンスがあれば世界中に広まる」というお話で、続きをまたできたらいいですねと終わりました。
そのあとオープンキャンパスになったので、もう入学してるから失礼し、特別措置の手続きをして帰りました。
今回入室しがけにお土産もらいました。この鳥は「まなぴー」といい、量子力学と確か別の物理の授業の中、可愛いけどシュールなシチュエーションで登場してました。リングノートを愛用しているのでこのノートの使い心地が気になりますし、消しゴムに角がいっぱいあるのでマーク試験に使えそうだし、学外の試験でも使ってみます。
雪はとっくに消えうららかな日も増えてきました。今週末、最も楽しみな毒の話は距離のある魚津ですが果たして行けるでしょうか?