告知:第40回日本生物学的精神医学会・第61回日本神経化学会大会 合同年会(2018/09/06~08、神戸国際会議場)(同日テーマ追記)

ヨシダヒロコです。

Neural_Pathways_of_the_brain

Credit:  Neural pathways in the brain by NICHD


http://www.c-linkage.co.jp/jsbpjsn2018/index.html

(2018/09/02 2:44追記:テーマは「脳とその病いを成り立ちから理解する」です)

以前前夜祭的な講演会を紹介したように思っていましたが違っていて、これです。学会関係者でなくとも入れるのか分かりません。

本番の学会ですが、ここを読んでいる方に専門が近いお医者様がいらっしゃればもうとっくに行くことになっているだろうし、翻訳者も含めて一般人には少し敷居が高いのですが(学生は安く入れるよう)、あとで要旨がWeb上に出るそうなので、この分野興味ある人にはいいのではと思い書いています。ただ、学会員でないと読めそうもないでしょうか。

今年の精神神経学会(6月)も神戸で、「トランプ大統領は精神疾患か?:米国精神医学会 Goldwater rule をめぐって」という非常に攻めた演題があってネットで話題になったり、お名前を存じ上げている精神科医複数のシンポジウム(病跡学)で漱石や伊藤計劃が扱われました。来年は新潟だそうです。

この合同学会でも、6日に「基礎研究で活躍する精神科医の魂は進化したのか?」という面白そうな題のものがありますね。分野的にも普通に精神医学的なものから、再生医療が入っていたりオートファジーだったり、神経科学的だったり純粋な神経の研究だったりと多彩です。

無理なんですが仮に今度のに行くことができたらブレインバンクは外せないのと、製薬会社がお昼とかにランチョンセミナーをやっているのが気になります。

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告知:J-PARC 施設公開2018(2018/08/18、東海村)

ヨシダヒロコです。

「推し」のかずみんこと仮面ライダーグリスの最期を録画したのに、眠くてデッキ触ってるとき(しかも見る前に!)うっかり消してしまい、慌ててネットに確認しにいくというマヌケをやりました。

夏はいろんな施設の一般公開が多く、自分でもこれは行きたいな(都合が付かずとも気持ちだけは)というものを今年は多めに紹介しています。

 

ずいぶん昔、茨城に短期間住んでいたことがあり、東海村近辺を通ったことがあります。あと、わたしの専攻ではありませんでしたが、化学工学の掲示板に「実習に来ないか」的なのが大学生の時に貼り出されていたような。その時はちょっと怖そうなイメージがありました。そのときJ-PARCはまだありませんでした。

わたしがおばちゃんになってから物理をまた勉強したいなと思ったきっかけが、梶田先生の恩師だった故・戸塚先生でした。晩年にこのJ-PARCに関わっておられます。最初はKEKから、その次はここJ-PARCからニュートリノビームを神岡まで発射して実験しています。

この間神岡であった(レポートできてなくてすみません)ジオスペースアドベンチャーで、両方の施設から人が来ていて、そのひとりはチラシ裏面の「素粒子サロン」でお話をする予定のKEK高橋さんでした。KEKで毎週やわらかーいサイエンスカフェをしてるそうで、また改めて書きますけどいかにも楽しそうです。多田さんも『すごい実験』とか書かれてる金髪の方ですよね。講演会はどれくらい難しいか分かりませんが、他は結構柔らかそうで楽しそうだなと。原子力コーナーありますが、原子力とか原子核も名前だけでイメージ悪いけど、という院生の話を以前サイエンスカフェで聞いて結構認識変わりました(リンク)。

上のチラシは神岡でもらってきました。

 

わたしが加速器に興味を持ったのは最近で、ニホニウムなどの他にどんなことができるのか良く分かってなかったのですが、J-PARCのHPにある「J-PARCについて」には次のように書かれています。


J-PARC (Japan Proton Accelerator Research Complex) は、素粒子物理、原子核物理、物質科学、生命科学、原子力など幅広い分野の最先端研究を行うための陽子加速器群と実験施設群の呼称です。


加速器の形は円形だったり直線形だったりするようで、ここには両方があります。神岡でポスター見ながらマンツーマンで説明を受け、医療分野に使う中性子はそれ専用にそれ専用の場所で作られていると教えてもらったように覚えています。記憶が曖昧ですが。

FBには「巨大科学萌え」という、そんなに更新はないけど物理系などの施設が大好きな人が集まっているグループがあります。こういう一般公開があったりすると駆けつける人たち。つくづく気持ちが分かるので、わたしもメンバーです。

告知:「出張CiRAカフェ×聞イテミル×考エテミル!?『iPS細胞の現在:筋疾患治療に挑む」(2018/08/26、TKP仙台カンファレンスセンター)

ヨシダヒロコです。

東北地方のイベント告知は今まで手が回らなかったのですが、今回は去年主催が同じで金沢市で開催されたものをご紹介します(内容は違います)。定員が少なめなので、ご興味ある方はお早めに。

出張CiRA2018

 

CiRA(京都大学iPS細胞研究所)のイベント紹介はこちら。

http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/seminar/180802-150000.html

アーカイブ

去年金沢で行われたもののレポはこちら。ゲストのうち、和田濱さんのお話はサイエンスコミュニケーターでいらっしゃるので分かりやすいです。先生方は結構専門的な話になるかもしれませんが、サイエンスカフェではゲスト(話し手)と参加者の距離が近く、質問をいろいろできます。

『出張CiRA(iPS細胞研究所)カフェ × 聞イテミル・考エテミル!?「iPS細胞の現在:じん臓・すい臓・肝臓の再生医療」in 金沢』に参加して(前編・2017/07/09、2017/08/25主催追記)

 

出張CiRA(iPS細胞研究所)カフェ × 聞イテミル・考エテミル!?「iPS細胞の現在:じん臓・すい臓・肝臓の再生医療」in 金沢に参加して(後編・2017/07/09)

以下は上のCiRAのサイトからのコピペです。

出張CiRAカフェ × 聞イテミル・考エテミル!?「iPS細胞の現在:筋疾患治療に挑む」
日 時 2018年8月26日(日)14:00〜16:15頃 (13:45開場)
場 所 TKP仙台カンファレンスセンター カンファレンスセンター3A
宮城県仙台市青葉区花京院1-2-3 3階

登 壇 櫻井英俊(京都大学iPS細胞研究所)
高橋俊明(国立病院機構仙台西多賀病院)
和田濵裕之(京都大学iPS細胞研究所)
司 会 東島仁(山口大学)
主 催 京都大学iPS細胞研究所
聞イテミル・考エテミル!?「iPS細胞の現在:筋疾患治療に挑む」実行委員会
参加費 無料
対象者 筋疾患の患者さんやご家族、あるいは筋疾患研究に関心をお持ちのすべての方
定 員 20名程度(先着順)
お申し込み 下記のウェブサイトからお申し込みください。

告知:第5回富山・バーゼル医薬品研究開発シンポジウム(2018/08/23・24、富山国際会議場メインホール)

ヨシダヒロコです。

こういう情報を地味に集めるには、メルマガとSNSとブログ、それに「はてなアンテナ」使ってHPチェックしてます。富山大の今の医学部・薬学部は富山医科薬科大学という単科大学でした。わりと最近、芸術系もある短大も入れて再編しました。このシンポジウムはいかにも富山らしいという感じですけど、今まで知らなかったです。

pdfは今回デジタル的に変換したので綺麗です。クリックで拡大できます。レギュラトリーサイエンスまでこの近所で学べるんですね。

わたしが昨日まで手が離せなかったため、告知が遅れました。申し込み締切はもうすぐですけど8/10です。チラシもここにあります。

http://www.pref.toyama.lg.jp/cms_sec/1208/kj00019349.html

今後のために、上のURLのアーカイブ

受付の時に懇親会のことやどんな人が参加するか尋ねると、懇親会は立食なので当日でもいいですということと、参加者は大学の研究者・学生、製薬企業のほか、製薬関連企業(エンジニアリング会社など)、金融機関、産業支援機関、行政、大学の同窓会等の方々だそうです。4年に1度の開催らしいです。

一応全日程で予約は入れました。懇親会は業界の方とお話しできそうですが考え中です。元気でいろいろ話を聞いてこられたらと思っています。

天然の薬や毒の勉強をしていたレビュアーが『毒物ずかん』(化学同人、近刊)を読んで。

ヨシダヒロコです。

poison bottle

Credit:Adobe Stock

最近、ネットギャリーというゲラを読んでレビューするシステムを知りました。誰でも登録でき、発売前の本が読める(場合によっては全部ではないらしい)というメリットがあります。Kindleで読める本はまだ多くなく、参加出版社も増えて来ている途上で、本のファイルはパスワード保護されたPDFでダウンロードし、Adobe系のソフトやアプリで読みます。ギャリー(galley)とはゲラの意味だそう。ネットギャリーTwitter(@NetGalley_Japan)中の人の言葉「元々は2008年にアメリカでスタートして、現在フランス版、ドイツ版、イギリス版、日本版が稼働しています。日本は去年の10月に本稼働しました」。

 

さて本の話ですが、化学の勉強していた人にはとてもなじみ深い「化学同人」からのいかにも化学同人らしい本です。ただ表紙にもあるように毒がキャラ化されていて親しみが持てるように工夫されています。絵は姫川たけお氏によるものです。キャラのディテールは考えてあるなと思ったのですが、PDFで発色が悪いのか何なのか、あまりはっきり綺麗に見えませんでした。女子高生が不思議な毒の世界に迷い込むというマンガも各話に入っており、毒キャラたちとのどこか抜けたやりとりが可笑しかったです。

取り上げられている毒はこんな感じ。

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■1章 妖精の谷(有毒元素)

1 水銀/2 ヒ素/3 タリウム/4 カドミウム/5 ポロニウム

■2章 ドクドク工業地帯(低分子毒)

6 シアン化カリウム/7 一酸化炭素/8 硫化水素/9 塩化水素

■3章 蟲毒の森(生物毒)

10 アコニチン/11 アトロピン/12 アミグダリン/13 アニサチン/14 テトロドトキシン/15 イボテン酸/16 アフラトキシン/17 ヒスタミン

■4章 煙の城下町(化学兵器)

18 CSガス/19 サリン/20 マスタードガス

■5章 赤の女王の城(麻薬)

21 メタンフェタミン/22 MDMA/23 LSD/24 脱法ハーブ/25 ヘロイン

■6章 魔物たちの天空(高分子毒)

26 リシン/27 ファシキュリン/28 カリブドトキシン/29 マイトトキシン/30 ボツリヌス毒素

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わたしはこの本だと「生物毒」に当たる毒を研究していた、わけではないですが、天然成分で薬になりそうなものに囲まれていましたので、毒も似たようなものだし自然に話に入ってきていました。大学院受験で毒に詳しい先生がおられる薬学部の研究室を候補に入れ、勉強のためノートをコピーさせてもらったらLSDの話が書いてあったことも。なので試験対策として勉強しました。

著者くられ氏のコラムでも最初から書いてあるように、毒と薬は量の問題なのです。だから、絶対的な毒や絶対的な薬はないと。その他のコラムでも食品添加物ちょっと入っていたらダメだなんておかしい、と「ゼロリスク」に苦言を呈したり、頷けるところがとても多かったです。

今回こういう書き手が化学分野にいることを知ることができて良かったです。とっつきやすい本だと思いますし、化学式も最小限、ページ数も抑えてありますので興味のある人はパラパラ眺めてみて下さい。

くられ氏のTwitterで見たのですが、出版社がこんなプロモーションビデオを作ってて「攻めてるなー」と思いましたね。動画はバージョン2もあるそうです。

https://www.kagakudojin.co.jp/book/b358953.html

(リンク切れの場合動画以外はこちらから→魚拓

『薬理学の基本がわかる 薬が効くしくみ』(気づいたら絶版)。

ヨシダヒロコです。

2018-05-04 12_Fotor

たけのこご飯、まだ沢山あります。

連休はまた寒くなり、まだ仕舞ってなかったファンヒーターが役だちました。これは毎年のことですが、開通したばかりの立山黒部アルペンルートも吹雪だったし。風邪引いてふらふらしながら、4連休に間に合って届いたトライアルを訳していました(風邪は大体完治)。もう1社はとても窓口の方の感じが良く、履歴書をすぐに見られなくてごめんなさいとメールを頂きました。身内が来て、そのうち甥がひとりさっきまでいました。

2018-05-06 21_Fotor

この本、ご紹介するのが遅れてしまって。3年前に買い、去年再開して冬頃に1回読み終わり、あとは中断する前の理論の部分をもう30分読んだら復習も終わります。今気づいたらなんと絶版になっていました。古本ではまだあるし、有名な『よく分かる薬理学の基本としくみ』(秀和システム)などよりもう少し難しく実務寄りです。本当に翻訳者が詳しいことを知るには、もう一段難しい本がいる気がしますけど。

わたしも大学学部生が読むような本を買って厚さにめげて失敗したことあります。この本は絵も多く見開きで完結するよう工夫してあって、すき間時間に勉強ができます。後ろのパートでは具体的な薬の名前を挙げて、○○病にはこういう薬を使いますと効くメカニズムと共に教えてくれます。絶版はすごく残念です。新版出てくれないかなあ。

余談ですが、読書が終わりに近づいた頃はペットの故フェレットの容態が悪くなっており、ここで読んだ人間の身体のしくみが応用できたこともありました。

写真に一緒に写っている解剖学の本は一緒に買いました。一応全部目を通そうと思いまだ終わっていません。解剖学もちゃんとした本を買うと高いのですけど、両方お手頃でした。あわせて読むといいかもしれません。改めてレビューします。

東工大ホームカミングデイ2018「大隅良典栄誉教授 特別講演会」受付中(2018/05/26 15:30開催、一般もOK)。

ヨシダヒロコです。

2、3日前にSNS経由で知り、卒業修了し損なったのでどの枠で応募していいか迷いました。しょうがないのでOB枠にしたらあっさりシンプルなメールの返事が来て通りました。翻訳フォーラム大オフ参加を考えていて特にライフサイエンス系の方は、その前日なので遠方でも都合付きやすいかと。

Ohsumi_lecture

概要です。

日時
2018年5月26日(土) 15:30 – 17:00
演題
40年の研究生活を振り返って
場所
参加費
無料
参加申込

70周年記念堂とは、調べてあれかと思ったんですが、モダンな建物です。本館は正面をずっと行くとありますが歴史があって両方とも有形登録有形文化財指定がされています(本館は外観のみ見学可)。自分は同じ文化財指定されている西1号館にいたはずなのですが、後に壊したとかなんとか聞いていて。ともかく今は使われてないみたいですね。

https://www.titech.ac.jp/about/campus_maps/campus_highlights/cultural_properties.html

桜の時期ともしかしたらイチョウの時期(イチョウの時期は最近はどうなんでしょう?)くらいしか一般の人は入りにくいので、普段「理系オタクの牙城」的に言われている大学が実際どうなのか見てくるいいチャンスだと思います。チェックのシャツは昔はみんな着てましたし、女子は女子大辺りからも入ってきて例外的に多い研究室だったんですけど、「その服可愛いね」とか言いあってました。

なんで上京してこの大学院に移ろうと思ったのか。元々大学入学時から院は違うところ行こうと考えていました。成績良ければ夢ではないと分かったので、自分で勉強もしてました。でも思い出すと、高校の時にAくんという理数系のとても強い男子がいて、わたしも含め実力テストで物理の平均点が一桁(ちなみにわたしはばね定数だけがマルで6点)だった時にAくんは60点以上だったのです。その彼が進学したのがここだったなと。人間て案外単純なものですね。それに今頃そのわたしが物理物理言っているのも、人生って分からないものですね。

放送大学冬のオープンセミナーその3『和漢薬の成り立ちと服用時の注意点』(2018/02/17 富山学習センター、富山大学附属病院薬剤部 加藤敦准教授)

ヨシダヒロコです。

2018-02-17 13_Fotor

行きはこんな感じでした。

このオープンセミナーはオープンキャンパスを兼ねており(4回目の魚津会場は除く)、富山県内の放送大学に関係がある先生やお初の先生がいろんなお話をされます。今まで申し込んでも用があったりでなかなか行けませんでした。今回は前に別の場所で逃した漢方の話でしたし、植物園が好きで富山大学薬学部付属薬用植物園にも行ったことがあります。年2回ほど一般公開があり、また行きたく思っています。

学習センターが近くても今年は豪雪でしたし、3日は予想外の土曜発注でバタバタ、10日は別の用で金沢行く予定だったのをバテてキャンセルし、その金沢の会ではキャンセルがすごく出たと後で知りました。学習センター付近の天気は良かったのですけど。17日は吹雪、折しも平昌オリンピック・男子フィギュアでの日本勢大活躍中で、心配な重病のペットのそばから1時間半離れての参加でした。

加藤先生のスライド表紙には、あとで『千と千尋』に出てきたと説明があった巨大な生薬の薬棚(百見百味だんす)が写真でありました。「羽生選手が活躍しているのに、こちらに来てくださってありがとうございます」みたいなのが自己紹介のすぐ後に続きました。参加者は結構講義室を埋めていましたので、30~40人でしょうか。

先生はここで初めて講義されたのですが、受講者の反応もよく「また今度続きを」とおっしゃっていたので、ネタばらしはほどほどにします。

まずは百味百見だんすですが、225種の薬を入れることができ、600種類の組み合わせができます。富山と千葉にしかないそうで、今回大きな収穫だった、漢方薬を調合して14日分に計り分ける操作を動画で見ました。そのはかりは近畿大にもあるそうです。

まず、漢方とは何かについて。江戸時代までは漢方だけしかなく、オランダから医学が入って来たときに区別して蘭方とか漢方とか呼んだそうです。そして富山といえば薬とか薬売りで有名です。富山の人はみな知っている話でしょうが、広貫堂のサイトを貼っておきます(この反魂旦(はんごんたん)は別の店からお菓子にもなっていて、広貫堂では丸薬丸める体験ができます)。このような話の紹介がありました。
http://www.koukandou.co.jp/ayumi/

病院の薬剤部の方ならではの話に、和漢薬は女性がすごく飲んでいる(40才くらいから増え、更年期と関係?)とか、不定愁訴や冷え症が病気として多いというものもありました。東洋医学は体質を変え、病人を理解するのに対し、西洋医学は困りごとが分かっている場合、病気を標準化・原因解明して病気を理解します。

「証」の話ももちろんあり、体調がバイオリズムのように動くことです。あと、お薬の説明書ですが、例えば葛根湯の説明書は詳しくありません。風邪の他に肩こりなどいろんな時に使われます。お医者さんの説明を聞きましょうと言われました。

その他平安時代以来の詳しい診断法、診断基準。和漢薬とのつきあい方は投資信託のように長い目で行きましょうとのアドバイスも。

後半は、生薬の写真がいろいろ出たり、最初に書いた調合のビデオを見せてもらったりしました。例えば牡蠣の殻が牡蛎(ぼれい)として、クマゼミのからが蝉退(せんたい)として使われるなど、植物性のものは多少は知っているつもりでしたが、奥深いものがありました。本来は毒のものを毒抜きして使うケースもあり、食べ物の例だと石川県のフグの卵巣の糠漬けがあります。処方はとても緻密に計算されており、オーダーメイドもできます。

この組み合わせで何に効くでしょう?というクイズも。

煎じ薬は、市販の漢方をインスタントコーヒーとすれば自家焙煎コーヒーに例えられ、ぜひ煎じ薬を試してみてくださいと薦めておられました。困るのは、医食同源だから食物アレルギーが出ることです。

質問タイムではいろいろ質問があったのですが、わたしの質問から。大事なことだったらしいので。

—–

Q.複数の処方薬(ちなみにツムラですが)を西洋医学の薬と一緒に、薬剤師さんに飲み合わせを聞きながら飲んでいます。漢方医の方らしいツイートを最近見て、複数の薬を飲むと多く入っている成分もあるから身体によくないとありました。本当でしょうか。

A.甘草(かんぞう)には注意が必要で、2.5g以上で怖いかもしれないのに、1剤で6gとか入っていることがあります。黄芩(おうごん)、麻黄(まおう)も注意しましょう。

—-

先生は終わりの方で、誰かの質問への答えだったかもしれませんが「西洋薬の飲み合わせはみな気にするのに、漢方薬だとしない」「高い抗ガン薬があるけど漢方薬はとても安い。西洋医学的なエビデンスがあれば世界中に広まる」というお話で、続きをまたできたらいいですねと終わりました。

そのあとオープンキャンパスになったので、もう入学してるから失礼し、特別措置の手続きをして帰りました。

今回入室しがけにお土産もらいました。この鳥は「まなぴー」といい、量子力学と確か別の物理の授業の中、可愛いけどシュールなシチュエーションで登場してました。リングノートを愛用しているのでこのノートの使い心地が気になりますし、消しゴムに角がいっぱいあるのでマーク試験に使えそうだし、学外の試験でも使ってみます。

雪はとっくに消えうららかな日も増えてきました。今週末、最も楽しみな毒の話は距離のある魚津ですが果たして行けるでしょうか?

『ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃』読了。

ヨシダヒロコです。

Hand inserts a molecule into DNA.

Credit : Adobe Stock

これは翻訳祭で言及したうち最後のレビューです。あの時点では真ん中より後ろを読んでいました。年内に読了しており、2018年1月早々にレビューするつもりでしたがいろいろあって遅れました。仲野先生の病理学本のおまけがありますが、4月にずれ込むでしょう。

『ゲノム編集の衝撃』と比べてこの本の特徴を一言で言えば、前者は入門書なのに対しこちらはよりディープかつ詳細であること、人工知能やクラウド・コンピューティングとの組み合わせでゲノム解析を加速化することが書かれています。ITへの言及は前者にはありませんでした。難病が治るかもという使い方もできれば、SFのようなことも可能になるかもしれません。そういう意味で、実現するようなことがあればわたしでさえ恐ろしいと思うような話もありました。すでにAndroidもGmailもアマゾンも使ってますけれど。

著者の小林雅一氏は東大理学部物理学科卒、ボストン大でマスコミ論を専攻、雑誌や新聞社での勤務経験があり、慶應メディア・コミュニケーション研究所などで教鞭、現在KDDI総研リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授。専門は先端技術(IT、ライフサイエンスなど)の動向調査ということです。ずっと大学にいた方ではなく、民間経験も豊富な方がご自分の得意な分野で書かれた本という印象です。

目次を書き写しておきます。

1章 「人類の寿命は500歳まで延びる」は本当か――ゲノム編集「クリスパー」の衝撃

2章 解明されてきた人間の「病気」「能力」「特徴」――パーソナル・ゲノムの時代

3章 ゲノム編集の歴史と熾烈な特許争いの舞台裏――誰が「世紀の発明」を成し遂げたのか

4章 私たち人類は神になる準備ができているか――グーグルとアマゾンの戦略

2章に分子生物学の説明もあるのですが、初学者や勉強中の人に親切とは言えない気がします。図もその部分を除けば少ないので、すでに生物や分子生物学の知識が多少ある人、ITにもひどいアレルギーがない人に適しているように思います。

1987年、大阪大学微生物病研究所の石野良純氏(現・九州大学教授)が発表した論文中で、大腸菌DNA内に奇妙な塩基配列が発見されました。それから四半世紀、これをベースにクリスパー・キャス9が作られました。メスのようにDNAをピンポイントで切断、遺伝子組換えにはるかに勝ります。分子生物学の基礎さえあれば誰でも扱え、そして早いのです。

問題点はオフ・ターゲット効果で、狙ってない場所で切れてしまいます。

中国で行われたヒト受精卵のゲノム編集について(2015)、デザイナーベビーの問題について。どこまでが医療でどこからがそうでない目的なのか、境界線をどう引くかは難しい問題です。生まれてくる我が子の知的障害をゲノム編集で治療する場合、ナチスが行ったような優性学を思い出させるなど、倫理面での議論が豊富と感じました。

クリスパーは特許を争っていますが、群がる大企業や動く金が生々しい(企業名が出ている)様子です。

2章は上に書いたように分子生物学の説明がありますが、初めての人がいきなり読んでもたぶん分からないでしょう。ゲノムワイドなど、ゲノムから病気の原因となる遺伝子を発見する試みが書かれています。

前に紹介した『ゲノム編集の衝撃』はアメリカのチャン氏しか取材していなかったのですが、本書では特許争いのもう一方であるアメリカのダウドナ氏とフランスのシャルパンティエ氏についても3章でバックグラウンドを書いています。「ノマド科学者」だった、と書かれているシャルパンティエ氏のヒストリーは興味深かったです。

ところで先日、豚の体内でヒトの臓器を作るという驚くような研究があってネットでも議論されました。カズオ・イシグロの小説みたいだと。

多少似た話がこの本にもありました。豚とヒトは臓器のサイズが似ているのでいます。臓器移植を目的として、移植した場合感染してまずいことになってしまう豚のレトロウイルスを発現する遺伝子を62個もゲノム編集で改変したという話です。1型糖尿病患者に豚すい臓の一部を移植することは外国で行われており、日本でも2016年にヒトと豚など異種移植の実施を許可しました。ちなみに1型糖尿病は遺伝性。他の遺伝性疾患、難病も遺伝子治療の歴史があります。

気持ち悪いとか言う人の気持ちもそうだろうとは思うのですが(生理的に気味が悪いという感情は周りからはどうすることもできない)、喉から手が出るほど臓器が必要なことに生まれながらなっている人の気持ちは、中年になって実は長患いが遺伝病だったらしいと分かってしまったわたしには何となく分かります。健康だと分からないでしょうね。ちなみに、昨夏金沢であって行ってきたCiRA(iPS細胞研究所)のサイエンスカフェで聞きましたが、糖尿病で一度にダメになるというすい臓・肝臓・腎臓の移植率は待ってても各1桁(%)です。

ここまで書いてきて何ですが、ゲノム編集はすでにこれから学ぶ人にとってはすでに「遅れて」いるそうです。ツイート中にあるURLトップページでもう記事はそこにはないため、改めてリンクを貼り直しました。だから分子生物学は進歩が早いと翻訳祭でも言ったのです。

ゲノム編集技術「CRISPR」は、もう古い? すでに研究は「次世代」へと向かっている

魚拓

今までの技術を知るためには、倫理面も分かる本書はコスパも良く最適ですが、入門書ではないことに注意して読んでもらえたらと思います。

TBS金曜ドラマ『アンナチュラル』(法医学)。

ヨシダヒロコです。

unnatural.jpg

地上波のドラマはそんなに見ているわけではありませんが、『コウノドリ』の産科の次に、期待できそうな法医学が来ました。今までの法医学ドラマで知っているのは名取裕子のシリーズで、旦那さんが警察のそこそこの地位にいるため予定調和的に話が解決するというものでした。つまらん。放送大の試験のため『アンナチュラル』2話をまだ見ていませんが、1話は最後までどんでん返しが続いてどうなるか分からなかったです。法医学ドラマであると同時に、質のいいミステリーでもあると思います。

ただ、法医学ですからご遺体を解剖します。表現は控えてありますが死因がどうしたとか人によっては拒否反応を起こすかもしれないです。そういうのが苦手な人には向いてないかな。明日まで見逃し配信中の2話は練炭心中ですし。リアルなミステリーが好きな人には向いていそうです。

舞台は、内閣府がもともと作った「不自然死(unnatural death)」を解明するためのUDI(unnatural death investigation)ラボです。1話の中でも言ってますが、人の死因は警察などで結構適当に決められることがあります。下の方にも書きます。

主演は石原さとみ、法医解剖医・三澄(みすみ)ミコトの役。朝から美味しそうに天丼ほおばる姿は『コウノドリ』の下屋先生みたいです。身体が資本ですものね。もう1人の非協力的なベテラン法医解剖医・中堂役が井浦新、ミコトの同僚の臨床検査技師・東海林役が市川実日子、医学生バイトの久部役が窪田正孝、ラボの所長役が松重豊です。ミコトのお母さんは薬師丸ひろ子。薬師丸さんはこういう役がすっかり似合うようになったなあ。

ミコトは一見元気でテキパキ仕事をしますし、7Kと言われる職場環境でもめげません。芯も強くて筋を通すところは通します。ご遺体の代弁者となっているのかもしれません。ただどこか影があり、そこが魅力的です。

その他、今こんな昔のUKドラマが途中になっているのですが(ヘレン・ミレンのテニスン警部がとにかくかっこいい!)守秘義務と責任がある仕事をしている女性は(男性でも)、パートナーになんでも話すわけにはいかず仲に亀裂が入ってしまったりします。見ていて悲しいですね。どっちのドラマもそうなんです。

 

2018-01-25 20.53.50

翻訳には死体検案書というジャンルがあります。だいぶ前に仕事がなく、何かありませんかとお願いしたら来たことがあります。リピートはなかったのでそんなに出来がよくなかったのかも。とても厳粛な気持ちで訳しました。またあれば是非やってみたいです。仕事歴はWorksにあり、アップデート適宜しています。

法医学の一般書と言えば上野正彦先生ですが、探したらこんな本が出てきました。監察医のなり手が少なく、たしか高齢化も進んでいてと。複数うちにあったと思いますが、同じような話が多かった覚えがあります。仕事が来た10年以上前読んだ本ですから、今の日本ではどうなっているのだろう。解剖が行われるかは地域格差も大きいです。そこをミコトがバリバリ解剖して問題を解決しているので頼もしく、なんだかホッとするのです。