翻訳ミステリー大賞シンジケート金沢読書会第10回レポート『二人のウィリング』@謎屋珈琲店(2017/03/04)。

ヨシダヒロコです。

この翌日にも試験があって富山から金沢に行くことになっていました。ほんとなら泊まりたかったです。金欠だし試験準備も終わらず、取ったホテルも懇親会も泣く泣くキャンセルしました。

課題書は370pほどだったしさすがに読み終わるだろうというタイミングで買いましたが、甘く見過ぎ、毎晩遅くまでとっちらかっていたため、遅れて金沢駅に着いたときまだ15pほど終わってませんでした。今回メモなしで、だいたいこんなんだったかな、てな感じで書きます。間違いはご指摘ください。

謎屋珈琲店はできてからずっと行きたくて、今回とても楽しみだったのですが、道ややこし過ぎです。昔東別院のあたりで大学サークルのミニ合宿やってたのに、Google Mapの挙動が不審でどこにいるか分からず。土曜で観光客多かったからかな?他に迷った人がもう1人。

コーヒーを店の奥に持ち込み、部屋に着いたらちょうど自己紹介が終わったところでした。自己紹介を打ち出した紙を見たら、向かいにいた方がなんとTwitterで前から金沢行きたいーと言ってたツイ友でした。わたしもそっちの読書会いいなと思うことありますが、旅費が出なくて。遠くからの参加は確かあともう2人。他にどーんとパフェ置いて参加している常連さん(読書会&謎屋の両方)。メール感想でのみ参加の方もいました。

今回時間が押し気味であんまりたくさん話せなかった感じがありました。遅れておいて何ですけど……。

精神科医(肩書きが変わってる)ウィリング博士がある夜タバコを買っていると、ウィリングの名を名乗ってタクシーに乗っていった男が。ウィリング博士は後を追い、知らないパーティーに入っていきます。それは別の精神科医が開いていたパーティーだったのですが、タクシーの男とパーティーを抜けると、ウィリングの前でその男は……というのが導入部。

ウィリング博士よりフォイル次長警視正(たしかにほのぼのしてた)の出番が楽しみ!と言った人、本が面白かったと言ってた人もいたと思うのですが、あの伏線(ダイイングメッセージ)の回収は?とか、この作家は雰囲気を書くのがうまい作家のではという指摘も。ある方が別の本のトリックがこうだとこの本のあとがきにありますね、と。それトリックとして成り立つんですかとわたしが聞き返したこともありました。ウィリングの奥さんギゼラの役割についても話がありました。

基本的なこととして、ウィリング博士が精神科医ぽくないという指摘が専門職の方からあり、歴20年越える患者としてわたしも同意します。権威を振りかざす人まれにもいますが、黙って患者の話を聞いてるイメージが強いです。引っ越しなどで違う医師になってもそんな感じです。精神科医のプライベートはTwitterでフォローしてる方から想像してます。

皆さんからの指摘ははしょってこんな感じでしたが、わたしは薬物と犯人の思想について多少言いました。過剰に使うと毒になるような薬物(薬と毒は紙一重です)をこの本では使っていて、少し形を変えたものが今でも安全な範囲で風邪薬などに入っていたりします。行きの電車で調べてて本を読み切れませんでした。本の中では睡眠薬として使っていましたが、当時そういう使い方をしていたのかは分かりません。訪問看護師さんにも確認しましたが、その時代だったら(今から見ると危ない)睡眠薬がもうあったと。昔、天然の薬成分(毒にもなる)の勉強してて、今でも興味あります。

わたしはその辺にこだわってしまって、本を十分楽しめなかった気がします。

帰りぎわ、うちの読書会にも来てくださいねーとお誘いがあったり、金沢お土産情報が飛びかかったり、梅田で道を聞くとなぜ違った道を教えてくれるのか?が解決したりしました。思った通り「善意で一生懸命教えている(道は違うけど)」だそうです。同じ現象を経験している北陸人もいるし、そうでなくともこれ話すとすごい受けます。

懇親会参加の人たちは移動するので、ひとりで駅に戻りました。今回一番駅に近かったような気がする読書会でした。兼六園は梅が綺麗だったそうです。

翻訳ミステリーシンジケート第9回金沢読書会『パンドラの少女』(2016/09/03)。

ヨシダヒロコです。

ちょうど1ヶ月前になりますが、幹事の北田さんに「ゾンビのディストピアもの(懇親会で聞いたのですが、版元はゾンビものとは言ってない)」と聞いてどんなのか気になってました。本は手に入れたのですがなかなか開始できず、かなりのページターナーだったのでなんとか会場到着までには読み終えました。

会場は前にも使った玉川子ども図書館。内装がおしゃれです。昨日10月2日に終わったけど、ボローニャの絵本展などもやっていたのですね。急いでいて蔵書をゆっくり見たことがないのですが、週末で家族連れが多かったです。上の階に話し合いに使える部屋やフリースペースがあります。周囲には木が植わっていてレンガ造りの建物があったり、水がめぐっていたりして雰囲気のいい場所です(住んでいた頃には行かなかった場所)。

わたしは電車の便都合で少し遅れ、1人明後日の方向に自転車で行ってしまった人がいたため開始が遅れましたが、参加者13人。隣の富山からはわたしを入れて2人、東京から1人、引っ越してきたばかりの方が1人でしたっけ。

パンドラの少女

パンドラの少女

  • 作者:M・R・ケアリー
  • 出版社:東京創元社
  • 発売日: 2016-04-28

会場で頂いた資料によると、著者M・R・ケアリーはイギリス、リパプール生まれ、オックスフォード大卒で英語学専攻、教師の後、マーベルなどでアメコミ原作を執筆。『X-メン』、『アルティメット・ファンタスティック・フォー』などを手がけました。2004年デビュー、2009年までに5作。最新作は8月に出た”Fellside”でホラー小説です。

この『パンドラの少女』(The Girl With All The Gifts, 2014)は、アーサー・C・クラーク賞とジェイムズ・ハーバート・ホラー賞最終候補作、原題は「あらゆる贈り物を受け取った娘」。元々はエドガー賞ノミネートの短編です。2015年アーサー・C・クラーク賞は、去年の読書会で読んだ『ステーション・イレブン』が受賞しました。

映画情報含めて、原書の版元のリンク(英語)。3月31日の記事に著者近影が。あと装丁が素敵です。

http://www.orbitbooks.net/tag/the-girl-with-all-the-gifts/

日本の版元。

http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488010546

翻訳は茂木健さんですが、今回初めて幹事さんとまったくつながりがなく、コメントなどはありませんでした。

自己紹介の時に、ゾンビに詳しい方がいるのを知りました。まえにもお会いしていたけど、そっちにも詳しいとは知らなかったです。なのでその方による「ゾンビとは」コーナーがありました。飲み会の時に聞き直しておいたので少し書いておきます。ゾンビの○○問題ってもっと話しておられた気がしますが。

まず、最初ゾンビは走らなかった。映画で走ったのは『28日後』(2002年)、『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)、あとバイオ・ハザード。それまではノロノロ動くだけでした。歴史についてはこんな感じでしょうか。http://mamono.net/zombie_about/

  1. 排泄問題(よく食べるけどそれに触れてはならない)
  2. ゾンビ映画で襲われる人はゾンビ映画を観たことがない(ゾンビだと分からない)問題
  3. 脳を破壊すると死ぬのだけど、襲われた人はなぜかそれを知っている
  4. 一体体が硬いの柔らかいの?死後硬直とか
  5. 結局、細かいことは気にしない

3の後半はちょっと自信がありません。ネットで裏取りできなくて。

最近は来てませんがバイオの翻訳を去年からやっているし、「理系の人はどう思うのか」とメールで振られていたのでその辺を答えました。わたしはゾンビには詳しくないけど、キングのホラーを沢山読んでいたことがあって、(設定とかは)深く考えないんだろうなと予想はしてました。

筋を簡単に言うと、未来のイギリスにて人類が奇病(きのこ類による寄生)で「大崩壊」という大損害を受け(2016/10/04 16:03:表現がおかしいので校正)、まだ冒されていない人類、《飢えた奴ら(ハングリーズ)》つまりゾンビ、《廃品漁り(ジャンカーズ)》(これはなんだかよく分からない集団)がいました。その他に、研究施設で授業受けていたりする子供たちがいるのですが、その中で一番賢い女の子がメラニー。でもその子供たちが研究されているのは普通ではないからです。授業する先生、見張る軍人たち、女性研究者などが出てきますが、施設の生活はある日いきなり終わり、新しい展開があります。

すごく先を読ませるんですが、わたしにとっては「この設定は(生物学的にetc.)ありなの?」と自問し続け、最終的に「なんか理屈っぽすぎるなあ」と思いました。ページが進むことではみんな一致していましたが、面白かったかというと意見が分かれ、ユニークな意見としては飲み会で聞いたんですが「きのこが菌糸でできていると知ってからダメになって」と。他に、「アメコミ書いていた人と聞いたら納得できるような」というような意見も。映像映えするというか。豆知識ですが、作中の車「ロザリンド・フランクリン」号の人名を調べてみてください。興味深い人です。

他にホラー的な死者が帰ってくる話をしていたんですが、ある人が「そう言えばキリストは復活するね。文化としてあるんだ」と。日本にも幽霊話はあって、ちくま文庫から出ている金沢出身・犀星の怪奇童話があります。犀星資料館に1作あって、切ない話でしたし本も欲しく思っています。

室生犀星集 童子―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

室生犀星集 童子―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

  • 作者:室生 犀星
  • 出版社:筑摩書房
  • 発売日: 2008-09-10

映画化の話はもうあって、メラニーとジャスティノー(先生)が原作では白人、黒人だったのだけど入れ替わっています。ラストの方がどう映像化されるのかな。原作ではメラニーが「パンドラの箱」を開いたパンドラなどギリシャ神話を好んで読むところがあります。映画は先月の23日にイギリスで公開されたばかりで、これを書くために検索してたらAmazon.com(2016/10/04 16:05追記:洋書だと追記)で洋書が売り切れていました。メラニー役は新人のセニア・ナニュア、ジャスティノーはジェマ・アータートン、コールドウェルはグレン・グローズ、パークスはパディ・コンシダイン、ギャラガーは扱いが小さかったそうです。映画の情報はところどころ頂いた資料を参考にしました。

話のあとは、いつも幹事さんが見つけておいてくれるどこかレトロなお茶屋に入って飲み会までしゃべり、飲み会ではゾンビやSFの区分やBabymetalはありか?とか話してました。お店は第1回と同じなのですが、気がつけばこの集まりも第9回で、同じメンツは3人かそこらだったりします。個人的には、自分の仕事は説明が難しいのですが聞かれて余計に説明しすぎたかな、と反省しています。普段人と合って口をきかないので。食べ物の写真は撮りそびれました。刺身が綺麗で撮りたかったです。

次は冬だと思いますが、何が来るのか楽しみにしています。

翻訳ミステリーシンジケート金沢読書会第8回・シーラッハ『犯罪』(2016/05/01, 109地下うつのみや本店)

ヨシダヒロコです。

今回体調が悪く参加が危なかったのですが、懇親会(途中まで一緒でしたが、自分の好きな片町のごしゃごしゃしたところ)は取りやめました。

課題本は読書会にも自分にも初のドイツミステリーで、評判が高く読みたかったものです。

犯罪 (創元推理文庫)

フェルディナント・フォン・シーラッハ

東京創元社

2015-04-03

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

短編集で、犯罪を犯した人の11の物語。ページ数も知る限り課題本としては一番少なく、ネタバレしてもよければ読んだ作品だけでも、ということでした。ギリギリに買いましたが、結局金沢へ行く電車の中で読み終えました。ドイツというと、きっちりかっちり融通きかない的なイメージありそうですけど、もともと弁護士が本業である罪人に対する(やむにやまれなかったケースも多い)著者の温かい目線を感じました。むかし第2外国語の授業で陰鬱なリーダーを延々読まされたせいもあったかも。今回結構イメージ変わったと思います。

少し遅れて着いたら、ちょうど始まるところでした。連休ど真ん中、リニューアルしたばかりの109にうつのみやが入ることになり、地下フロアの広場に衝立を立てての会でした。幹事さんは「翻訳者さんは(会場の様子の予想が付かず)デンジャラスなので呼ばないことにした」と。確かに案内をする係の方がわたしの真後ろにいて、方向が分からない人に何回も道案内をしてました。

読書会では詳しい資料を頂きます。著作リスト、著者プロフィール、翻訳者さんの金沢読書会へのメッセージ。今回酒寄先生は、この辺りに住んでらしたことがあるそうで、立山を舞台にした掌編も寄せてくださいました。シーラッハは著者紹介にあるとおりナチの末裔なので、そういう出自の人にスポットライトが日本では当たりにくい気がしますが、そこに向き合った作品も書いたと説明がありました。

その他に、途中でですが、NHK語学講座で知られているマライ・メントラインさんのブログ記事も紹介してもらいました。3年ほど前に卒業するまで、NHKテレビ講座など見てたのでドイツ語を目にする機会あったと思います。結構ドイツ人の本音が出てたり、意外と言葉の響きが明るかったりしましたっけ。
【まさかの来日】 天才作家シーラッハ、やはり尋常じゃなかった!

自己紹介が一巡して、感想のコーナーになったのですが、幹事さんがどの作品が一番好きかをカウントしていました。ぶっちぎりで『フェーナー氏』、次点で『チェロ』でした。わたしも皆さんも他にいいなと思った作品はあり、同じ博物館でずっと警備しているうちに妄想を募らせていく『棘』、完璧な『正当防衛』、シーラッハお得意の共感覚ものと見られる『緑』など。ラストのスカッとする『エチオピアの男』などが挙がったと思います。

人気の高かった『フェーナー氏』は、わたしは妻から夫に対するモラハラで追いつめられる、しかもこれだけのページ数で怖さが出るのはすごいと思ったのですが、男性2人が「怖い」と、結婚生活の長い方が2人「結婚生活も長いといろんなことが……」という感想でした。『チェロ』は仲のいい姉弟に起こった悲劇で、好きなかたはどっぷりという感じで絵で表現された人も。

ちなみに『サマータイム』は文庫化で4行ラストに加えられており(ハードカバーにはない)、それでもトリックが分からないのですが、みんなで疑問持ち寄ってどうなったんだっけ?解説があったんですがそれで合ってたか忘れてしまいました。

どちらかというと、ミステリーというよりこんがらがった人間模様を経験した人の事件簿を見ているような。複数の人が言ってましたが、明らかにドイツ系の名前ではない登場人物も多いんですね、という意見も。司法制度も日本とは大分違うようでした。

ドイツミステリ、堪能いたしました。次は9月だそうで、なるたけ行けますように。

新書『翻訳百景』で、翻訳の海に戯れる。

ヨシダヒロコです。

ちょっと前に買ってあったのですが、夕べ1時間読んで今夜は一気でした。

翻訳百景 (角川新書)

越前 敏弥

KADOKAWA/角川書店

2016-02-10

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

いい本読んでると途中で考え事して時間をロスすることがあるのですが、楽しい約4時間でした。わたしは本の中のイベントに一般読者として関わっているので特に面白かったですが、翻訳者・通訳者などはもちろん、それらに興味がある人、言葉に興味がある人、ミステリーなどの読者、何だか分からないが越前先生のファンなど、事前知識がなくても楽しいのではないかと思います。

わたしは先生と同じくむかしNifty-Serveの会議室にいて、いた場所は違いますがミステリーのメルマガに関わっていたことがありました。初めて読んだのは高校の時のホームズで、北の方へ夜行列車に乗って受験に行くときも持っていきました。その頃、グラナダ編のホームズをやっていたかと。カンバーバッチ版は好きですが、全部見終わっていなくて、いい加減行かないと映画も見逃しそうです。

20代の頃にキングなどと並行して海外ミステリーを読んでいたのは、Niftyの影響だったと思います。あの辺には今も文芸系で活躍しているすごい人がたくさんいて、でもそっちに行く気はあまりありませんでした。10年ほど前に短い結婚をして、文字通り北陸に逃げ帰ってきて、しばらくは人が死ぬニュースも見られずミステリーも読めず、色々と使い物になりませんでした。今は、金沢読書会があると知って申し込みメールをすると「吉田さん一番乗りですね」と返ってきます。(2016/05/31追記:ミステリーの)読書量は少ないですが、読書会で貴重な本との出会いをしていると思っています。読書会での自己紹介にはフロストシリーズとクレイグ・ライスの作品(どっちも何かユーモラス)が好きと書いています。その方向だとジーヴスとかも興味ありますが、バッドエンドも嫌いではありません。

この本は越前先生の本ということもありますが、去年した仕事の中に文学的センスの必要なものがありクライアントからダメ出しを食らってしまったのです。考えてみたらしばらく文芸系の本は数が読めてないし、堅苦しい翻訳になっていたのかも、という理由もあって読もうと思いました。その期待は裏切られませんでした。

それで、こう書くのもおこがましいですが、越前先生とはいくつか共通点があります。

出身地が似ているのはまあ置いといて(北陸出身は少ないです)、

1.塾教師の経験がある。「うちでやらないか」と言われたことあるのですが断って、家庭教師が多かったです。今は流行らないらしく、みんな個別指導になっていますが。受験の面倒も見たし、お家の台所借りて、理科好きの子にちょっとした実験をしたりしました。頼まれた科目はなるたけ面倒は見ました。確かにあの手の稼業は体に悪いです。同業者で翻訳と両立していたり、過去に経験がある方はいらっしゃいます。

2.1.にも少し関連して、大病をしたことがある。わたしの場合は死ぬかという病の結果、なりたい仕事に向けての勉強継続ができなくなったのですが。今も調整は必要ですけど、そういう経験をするとダラダラ生きてるのはもったいないかな、と思うかも。病気をして今の仕事に変わったという同業者を他にも知っています。

3.英検、TOEICについては同感です。10年ほど前に1級と900点台を目指し、1級の方はあと1点などで落ちることを繰り返しました。産業翻訳では登録の際に聞かれることが多いので、あって邪魔になるものではないのですが、翻訳に必要ではありません。準1級は「何となく」大学1年でとって翌年ごく短期でイギリスに語学留学したら、あまりにも何もできなくて鼻をへし折られました。へし折られ体験というのはいいことだと思っています。最近別言語でとっている資格は、もちろんその後の目的があるのですが、勉強して上達する過程も楽しいものです。

まず先生のブログは、「本当は書きたかった」と後書きにあったSixwordsの辺りで知りました。例の文法本も出た頃では。Twitterでいろんな人の6単語詩が流れていました。

そんなこんなしているうちに、『翻訳ミステリーシンジケート』が始まって、調子を見て読むようになり、そのうち金沢読書会ができました。先生の講演が2012年で、2013年最初の第1回金沢読書会の課題本が先生を迎えた『氷の闇を越えて』でした。昔、銃で殺されかけた私立探偵の話。引っ張り出してみて思い出したけど、『解錠師』と同じハミルトンの作品、売れたためデビュー作が新訳されたのでしたっけ。『解錠師』も本の中に出てきますが、残念ながら積んだままです(『翻訳百景』読んでると読みたくなるのですが)。その後もう1回くらい金沢にいらして、東京のミステリー関係の集まりでも偶然お会いしました。

翻訳ミステリーシンジケート  http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/

以下、面白かったところや気に入ったところをばーっと挙げます。

 文芸翻訳の仕事

小説を訳していると言うと人に珍しがられる。これは産業でも同じなのですが、「翻訳者が聞かれるあるある」です。Twitterでよくこぼしてるのを見るのは「英語ペラペラでしょう?」でしょうかね。わたしも聞かれます。翻訳者以外の人は、「こういうことはどうして言ってはいけないか」「どうして的外れか」という参考にして欲しいです。

すぐれた編集者とは

産業分野ではプルーフリーダーやチェッカーですが、うまく間違いを指摘するのって難しいですね。変換間違いレベルのが放置されたりしていると、わたしも「かろうじてですます使ってる(けど[怒])」になってしまうかも。同じ間違いを何回もしているときがあって、辛抱強く「前にも言ったけどもう言わないからね」みたいに指摘してもらえるのはありがたかったです。ここ2年くらいで直される経験をたくさんしました。ついでに書いておきますが、訳文を人にさらすのは大事だと思っています。ギャラリーはできるだけ多い方が良いです。

翻訳書のタイトル

どうやって決まっているか例を挙げて書いてあります。知ってる本だと面白い。先生の訳書は全部対訳形式になってリストがあります。

『ダ・ヴィンチ・コード』関連:

全体の1/4を占めます。ダン・ブラウン作品は『ダ・ヴィンチ・コード』を読んだのと、金沢での講演会『翻訳百景』(最後にメモを書き起こしたリンクあり)でパロディの話をお聞き したくらいですが、調べ物や造語の訳や、最新作『インフェルノ』で欧州系翻訳者が遭った罰ゲームなど、全く読んだことない人でも楽しいと思います。楽しくてためになって、その後じっと手を見る感じ。

全国翻訳ミステリー読書会

敷居が高いとお思いの方もいるでしょうが、課題本読んで、感想は何言ってもいいです。第1回読書会で、金沢ではヒーローと訳ありの女性を指して「ああいうきつい女性はごめんだ」といった人がいましたから。本をネタにして好きな話をするという感じでしょうか。ここに出てくる福島の読書会にも、脱線した結果『翻訳ミステリーシンジケート』のアクセスがすごいことになったとか、この話から来たのかと分かりました。SNSでの先生はラーメン店開拓に余念がないですね。金沢にも他県から来ます。

読書探偵作文コンクール

この子供向けのコンクールは存在しか知らなかったのですが、ここまで盛り上がっていて、こういうレベルの高い応募作品が来るとは知りませんでした。

『思い出のマーニー』翻訳秘話

ジブリの原作本を大人向けと子供向けから同時に出して欲しい、3ヶ月の所を1ヶ月でという依頼。こういう突貫作業、他の所にも出てくるんですがさすがにこの作品のときは「やまねこ翻訳クラブ」(Niftyが元になった児童翻訳本愛好クラブで、たくさんデビューしている)の方が協力してくれて。作業の様子が見られます。『マーニー』は大人向けのを今持っていて、優先順位が高めです。これも本に収録できなかったそうですが、クイーンも突貫があったそうです。

ことばの魔術師 翻訳家・東江一紀の世界

わたしにはミュージシャンなどで、訃報に接して初めて「すごい人だったんだ」ってことがよくありますが、短い訳文から「魔術師」であったことがよく分かります。去年亡くなった翻訳者さんで、追悼イベントがたくさん組まれていたし、『ストーナー』が日本翻訳大賞の読者賞を取って興味を持っていました。遺作でした。今わたしがブログで書きかけている、ニュートリノの実験物理学者・故・戸塚洋二先生は「死んだら人は消えてしまうのか、どうなってしまうのか」ということをずっと考えていたそうです。最近思うのは、その人のことを懐かしむ人がいる限り、または業績を上げた人なら本の中などで生き続けるのだろうなと。東江先生の略歴・業績・名訳集はブログ『翻訳百景』でダウンロードできます。ざっと見て、長く患われたんだなと思いました。

最後に、『翻訳百景』が太宰から来ているとは知りませんでした。わたしは高校教科書で読んだのですが、作品たくさん読んだわけではないけど珍しくすがすがしくてこれも良いなと思いました(その頃は『女生徒』が好きで、今は『斜陽』が面白そうかと)。

越前敏弥先生講演会「翻訳百景」@石川県立図書館(その1)(2012/10/7)。

越前敏弥先生講演会「翻訳百景」@石川県立図書館(その2)(2012/10/7)。

越前敏弥先生講演会「翻訳百景」@石川県立図書館(その3)(2012/10/7)。

東京・大阪では定期的にやっているイベントなので、行ってない人は損してます。是非。

英ITV他シリーズ『刑事フォイル』(Foyle’s War) – NHKBSで放送中(2016/10/13続編等、2017/05/01 DVDについて追記)。

ヨシダヒロコです。

刑事ものは見るの好きですが、なかなかお気に入りは見つかりません。

今『情熱のシーラ』(えらい日本人に受けましたねー。わたしはまだ全部見終わってません)の後番組でクリスティやってますが、どうもいかにも「本格」なものは性に合わなくて。でもホームズは例外的にずっと好きなので、ジェレミー・ブレットのホームズも、ここ数年カンバーバッチが演じているホームズも好きです。

『刑事フォイル』はイギリスものだし押さえておくかという感じだったのですが、戦時中に起きた、イギリスにとっては黒歴史な出来事(在住の敵国人をあからさまに排斥したり)をかなりはっきり描いていたりして、重厚な余韻があります。だから歴史好きにもお薦めです。NHKでは28回放送予定だそうですが、今週末7回の再放送と8回が放送されます。どうやら2話ずつの完結なようです。

NHKのページ。
http://www9.nhk.or.jp/kaigai/foyle/
魚拓(2015/10/14現在)

脚本家の他の業績を見て、ストーリーがいいのはなるほどな、と思いました。

もともと日本ではミステリチャンネルで放送していたそう。本国ではずいぶん長い歴史のあるシリーズだそうで、できたら全部英語字幕でもいいから見たいなあと思っています。

イギリスでの放送はチャンネルを渡り歩いたり、再開したり、1月に一旦終わっているのですが、人気が高いようなので今後があるかも。シーズン8までのBoxが8月に出たばかりのようです。

Amazon.co.ukのページより。リージョン違うので、リージョンフリーのDVDプレイヤーかPC上で見られます。”Sherlock”買いましたけど見られました。日本のアマゾンにはBoxはシーズン6までしかないです。もしアメリカ版買えばリージョンは同じはず。いずれも英語字幕があるはずなので、繰り返しでもいいから見たい人はいかがでしょうか。待っていればなにかが日本でも出るかもしれません。英語Blu-rayもありますが、Boxではなかったような。どこかで読んだのですが、DVDや放送(国によっても)で切り方が違うらしいです。

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Foyle’s War Series 1-8 Complete [DVD]

http://www.amazon.co.uk/Foyles-War-Series-1-8-Complete/dp/B00WRCH07K/ref=pd_cp_74_4?ie=UTF8&refRID=00NKNZZEP008AJADW3MH&dpID=51cI-cuQ7-L&dpSrc=sims&preST=_AC_UL70_SR70%2C70_

(2017/05/01追記:下にもDVD情報貼りました)。

日本版(吹き替え)のトレイラー。(消えてます)
https://youtu.be/JwK8g6Jip14

本国シーズン1のトレイラー。

フォイルは肩書きはすごいのですが(警視正。英語ではDetective Chief Superintendent。昔フロスト警部を読んだら、この辺りの階級は現場に出てなかったような)、とても人当たりのいい穏やかな感じで、「渋いおじさま」といった印象です。捜査のためなら言いたいことは通す人のようで、それが見ていて気持ちがいいのでしょう。運転手はサム(サマンサ)、フォイルのいい話相手という感じ。一緒に現場にも立ち会っています。この時代、こんなところに女性がいたのだろうか?と疑問ですが、魅力的な女性です。

今まで障害のある探偵はディーヴァー『ボーン・コレクター』などのリンカーン・ライムを知っています。四肢麻痺だそうですが、作品はうちのどこかにあった……かも。フォイルの右腕になるのは、傷痍軍人で元警官のミルナー巡査部長です。脚を失ってしまい、生きる気力を失っていたところにフォイルから「人が足りない」とか「この資料、どう思う?意見が聞きたい」と捜査資料を渡されて警官に戻る決心をし、義足と松葉杖で捜査を始めます。

ちなみにフォイルの自己紹介は、”My name’s Foyle; I’m a police officer”というとてもシンプルなものだそうです(まだ英語で見てないのです。これから)。

録画し損ねた回があって、NHKオンデマンドで見ておきます。→(2016/10/13 9:12追記:海外ドラマは見られません。AXNミステリー契約者だと、契約者に限り放送をオンデマンドで見られる時期があったようですが)
なんというか、秋に見るにはぴったりのドラマですね。

(2016/10/13 9:01追記:ここにも続編を求めてくる人多かったのですけど、しばらく前に決まっているのみ付けました。http://www9.nhk.or.jp/kaigai/foyle/
2017/01/08からです)。

(2017/05/01追記:要望が多かったのか、最初から再放送していますね。昨日で6話目。他に、DVDが字幕で出ていることを前に知ったので書いておきます。英語版も貼ります)

翻訳ミステリー大賞シンジケート第6回金沢読書会『ステーション・イレブン』(2015/06/13、うつのみや本店)。

ヨシダヒロコです。

1週間前になりますが、はじめてのSF読書会、はじめての本屋さんでの開催でした。場所については、書店員さんのメンバーが協力して下さったそうです。うつのみや(金沢にあるのになぜか「うつのみや」)は、金沢に住んでいた大学時代からお世話になっていて、今でも月1で通院兼羽を伸ばしに富山から金沢に通っている身としては、欲しい本が良く見つかる貴重な本屋でもあります。「はじめての海外文学フェア」まだ開催中です。

翻訳家の満園真木さんをお迎えして始まりました。

今回の課題書『ステーション・イレブン』は、2月に出たばかりの文芸色の強いSFで、原書は2014年刊、『2001年宇宙の旅』のアーサー・C・クラーク賞の他、全米図書賞(フィクション部門)、ベン/フォークナー賞最終候補作にも選ばれました。著者のマンデルは「SF」というカテゴリ分けが最初気に入らなかったようで、NYタイムズの記者を巻き込み少々論争があったと満園さんが教えてくださいました。ジャンルについては、ミステリとSFが混ざったようなのが今はあると北田さんもおっしゃっていて、訳者さんも大変だなと。

さてこの小説はポスト・アポカリプスもの、パンデミックものということですが、前者は文明崩壊後、パンデミックは今まさに韓国で流行っているMERSのように、感染症で人が死ぬというもの。映画でなら観たことあります(『ホット・ゾーン』『コンテイジョン』など)。幹事の北田さんが長い参考書リストを作ってくださって(毎回ありがとうございます)、「パンデミック~アポカリプス」のトップにあげられているのはキングの『ザ・スタンド』(たしかドラマ化されるとか)、ディストピア(管理社会)もののトップはオーウェルの『一九八四年』でした。

冒頭はアーサーという老いた俳優が『リア王』を演じる舞台場面から始まります。皆言っていたけどこの章はぐいぐい引っ張ってくる感じ。アーサーが心臓発作で急に舞台の上で倒れ、客席にいた青年ジーヴァンが心臓マッサージをします。その甲斐はなかったのですが、その後「グルジア風邪」という伝播力の高いウイルスが流行っていることを医師の友人から知らされます。帯にもある通り人類の99%は死滅してしまうのですが、2章以降どうなるのか?

今までの課題本にはページ数が多いものも多かったのですが(引きこまれるとあっという間ですが)、これはごく普通のページ数で、するすると読める本でした。皆が言っていたのは、課題書とならなければ出会えなかったかもしれない、と。

ステーション・イレブン (小学館文庫)

エミリー・セントジョン マンデル

小学館

2015-02-06

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

小学館文庫はまだ歴史が浅くて、と翻訳家さんがおっしゃっていました。書店員さんは、なかなか本屋においてなくて、と。

わたしがあの場で言った感想はあるのですが、言わなかったことも書きます。一番心を惹かれたのが、文明が滅びたとき、残されたものが持つどこか甘いような郷愁です。P350より「自分は旧友を亡くしたが、テレビのニュースが正しいとすれば、おそらくいまこの空港にいる人々の誰もが大切な人を亡くしたはずだ。不意に、仲間の避難民たち、この空港にいる百人ほどの他人への、たまらない愛おしさが湧いてきた」、など。

今回の参加者はお初の方も、県外からの方も多かったのですが、自己紹介の後意見交換。かなり活発でした。メモを全部書いてたら長くなるのではしょりますが。

受けたのが「関係者生き残りすぎ!」。割とあった意見が、時間が行ったり来たりして、1章1章でオムニバス的という。パニックについても言っている方多かったですが、いかにもなパニックはなく静か、それどころか「文明博物館」なんてものを空港に作ってしまう。人間っていいな、と言っている方や、その博物館にあったスノードームこそ文明、という方も。空港に足止めされた人々が着るものがなくなって、お土産の「美しいミシガン北部」というTシャツを皆で着ていたのは可笑しかったとか。

『ステーション・イレブン』とは、アーサーの最初の妻だったミランダが書いていたマンガなのですが、いつでもどこでもそれを書いているミランダは可愛い、という意見も。

終末とは『猿の惑星』みたいなのであとでアバター出てくるようなのかと思ってたら全然違った、という意見はユニークでした。あと、文明崩壊してもしてなくても人間は変わらない、エセ宗教も恋愛も劇団も同じくある、便利か便利じゃないかが違うだけ、とおっしゃる方も。

皆さん「文芸っぽい」と言ってましたが、「文芸文芸してない」という意見も。

他に、伊藤計劃の小説を出していた方もいました。わたしが今日買った『ハーモニー』だったかな?

満園さんによると、3.11のことを思いだしたそうです(震災に遭った方は読まない方が、という意見も他の方からありました)。東京はあの時パニックで、それでもなるべく日常っぽく過ごそうという空気があったそうです。そこでどなたかが『災害ユートピア』の話を出しました。こんな本です。震災後話題になりました。

災害ユートピア――なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)

レベッカ・ソルニット

亜紀書房

2010-12-17

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

他に、作中に出てくる『ステーション・イレブン』はグラフィック・ノベル(出版社が違うとアメコミという)的なチラシがもうできていて、確かマンガ化の話もあるとか。この本の映画化権はもう取得されているそう。映画になるかは分からないけど。

UK版のハードカバーは表紙が可愛らしいと持ってきてくださったので、写真を貼っておきます。

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http://www.amazon.co.uk/Station-Eleven-Emily-John-Mandel/dp/1447268962

ひとり、エピソードがリアルでないというか、想像の範囲を出なかったという方がいらしたのですが、あとでこんな感想を書いてました(同日追記:すいません、Twitterの仕様変更らしく、前の発言が入ってしまいます)。

個人的には、「リアル」の基準はその人の体験によっても違う気がします。

ちなみに、下ネタ隊は出番なかったようです(いつの間にか一言求められるようになっている?)。

懇親会にはほとんど全員が参加しました。近所のイタメシ屋で、なぜか下ネタ隊が息を吹き返した?のでしょうか。どうしてああなったのかはよく分かりませんが、「パンツ」の訳が難しい問題(わたしがこないだ仕事で間違えたので)を出したのはわたしです。他にハーレクインなどの官能小説の表現や、BLはアメリカにあるのかとか、いつもと違うノリになってしまいましたが、それはそれで楽しかったです。遅くまで盛り上がっていたらしいですね。

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2015-06-13 20.08.03他に、登場人物をあり得なさそうな男言葉・女言葉で訳す問題、ってのがあって、ロックミュージシャン、ノエル・ギャラガーのオレ様言葉で特にMステ出演時のものが話題になりました。帰ってからインタビューまで見ましたが、あれって「俺は○○だぜ」みたいな言葉なんでしょうか、本当に。

あとでこんな辞書を知ったんですけど、文芸方面の方出番あるでしょうか?

官能小説用語表現辞典 (ちくま文庫)

筑摩書房

2006-10

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

わたしは最近少しずつSF読もうとしているんですが、この手のジャンルは初めてで、新しい経験で良かったです。翻訳家の方が来てくださって、気さくにお話ししてもらったのも楽しかった。今回は新しい方が多かったし、また来てくださるといいなと思っています。

おまけ。話題の金沢駅近くにあるミステリー喫茶店「謎屋珈琲店」でこういうのやります。残り1人だったかな。普通にコーヒー飲みに行けるそうなので(謎解き必須かと思った……)、興味のある方は是非。

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翻訳ミステリー大賞シンジケート第5回金沢読書会(2015/01/10)。

ヨシダヒロコです。

レポート遅くなりました。

既に参加された市川さんのレポートが「翻訳ミステリー大賞シンジケート」ブログに上がっています。今回は漫才形式できましたね。
第5回金沢読書会レポート(執筆者・市川史朗)

ミステリーミステリー言っている割には積ん読ばかり多くて読めてません。今回、第1回、3回に続いて3回目の参加で、4回目はちょうど立山に行ってて。3回目はひどい風邪引いてましたね。今回はまともなコンディションで参加できて良かったです。

参加者は、富山からのわたしの他には首都圏から、それも複数回目の方がいらっしゃいました。あとは金沢(下ネタ)隊でしょうか。今回の課題書は、エラリー・クイーンの『ギリシャ棺の秘密』。国名シリーズということで順々に出版されていましたが、今まで手はつけられなかったです。この本の翻訳を手がけたのは、金沢生まれの越前先生と幹事の北田さんです。先生は恒例のラーメン巡りを済ませてから来られました。驚いたのは中国の方がいらしたことで、言いたいことがなかなか出てこない様子でしたが、クイーンだけでなく日本の推理小説も好きだと話してました。

まあこの本は、1月は仕事があって本も手に取れず、軌道に乗るまでは「もしかして読書会までに終わらないかも」と。当日まで読んでました。クイーンはその昔、短編を1編読んだことがあっただけでこのような大作は読んだことなかったし。わたしは本格の人でもないし。

それでも、読んで良かったと思います。課題にならなければなかなか手に取れなかったかも。登場人物が非常に多いので、覚え始めるまではしょっちゅう「登場人物」の所に戻って、を繰り返しました。

幹事さんに「ごめんなさいギリギリかも」と断って着いた会場の町屋空間「凛凛」は、「にし茶屋街」のもともと郭の建物を使っており、東山にある有名な「ひがし茶屋街」は3年ほど前に歩きましたが、こういう建物の中はなかなか見られないので面白かったです。店員さんも着物姿。3枚目ぶれてますが(マネキンです)、こんなところです。

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後で考えると、郭の中で昔はいろんなドラマがあったのではと思いましたが、考える暇もなく色気もなくバタバタと自己紹介。その文章はもともと各人提出してあったのですが、市川さんのレポートの通り先生のがなくて突っ込まれてました。

皆さんの感想をつらつらと。

1.国名シリーズは、章の名前でネタバレしており、よく考えてある。(エラリー・クイーンが)2人いたとしても頭おかしい。

2.エラリーに手柄を立てさせるため父がバタバタする(この作品ではエラリーのデビュー時という設定)。タイプライターのトリックは、今はPCが出て訳しやすくなったそう。

3.シムズ夫人気絶しすぎ(笑い起きる)。作品は不細工に厳しい。先生の訳がそうなっているのか?あとペッパー+警部というと思い出すものがある。

4.先生のコメント。確かわたしが質問したのだと思うが、国名シリーズは出た順に読んでいい。『ギリシャ棺』は最初に読まないこと(読んじゃったんですけど…)。最初に読むのにお薦めなのは、『オランダ』『シャム』『エジプト』など。「レーン4部作」は順番。章の頭文字を取ると文章になっている(「縦読み」みたいなの)は、日本では平安時代くらいからある。フェレットオーナーとして「このイタチ野郎」というフレーズを質問したが、やはりフェレットだったらしい。フェレットにはいい意味がないので。過去には「ドブネズミ野郎」とも訳されていたそうで、既訳本を回してくれた方がいた。

5.北田さんのコメント。訳が永遠に終わらないかと思った。訳して面白くないのは論証部分で、面白かったのはエラリーがティーバッグを絞るシーン、スローンの日記など。

6.探偵の種明かしとビジネスのプレゼンは似ている。(本作でエラリーは何度か失敗するが)失敗したのに皆が信用している。

7.なんでエラリーはこんなに失敗する?(注:メモがよく分からなくて、失敗したのはクイーンなのかも)

8.本格好きの方。紅茶のシーンは絵を描き、タイムテーブルまで書いて犯人を推理したのに犯人がひっくり返されてやる気なくした。謎解きが始まる頃には淡々となっていた。これだけのことをまとめるのはクイーンならでは。

***
ここまでで大分時間を取ってしまった覚えが。この本ではどんでん返しが何回もあるのですが、そこまで引っ張っといてひどいよ感がすごくあって。話題の『その女アレックス』は読めてないのですが、越前先生が翌日こんなことをツイートしてます。

あとは、マジシャンYさんの「後期クイーン問題」の解説と、先生の翻訳ミステリー大賞についてのプレゼンというか紹介でした。後期クイーン問題は、いきなりクイーンに触れたものにとっては難解すぎましたが、そういうことをまじめに考え、論証しているファンがいることを知りました。 さて、懇親会は繁華街・片町のこれも趣のあるお店で、9人で行きました。入口を撮りそびれましたが、古い建物かも。薄暗くて写真があまりいいの撮れず、他にもお刺身やお肉など美味しかったです。 2015-01-10 18.13.33_web 2015-01-10 18.13.59_web 2015-01-10 18.26.46_web 2015-01-10 19.41.56_web 最後のお寿司は〆のごはんです。 わたしはあまり撮っても面白くないノンアルコールを飲んでいたので、先生の注文されたカクテルから。

懇親会の話題は、本のことやら音楽のことやら色々でしたが、先生が「他の読書会にもおいでー」と勧誘されていたのが印象的でした。読書会マニアみたいな方もいらっしゃるとか。

2次会があって、マジシャンYさんのお店に流れた方もいたようですが、わたしはまたの機会にして帰りました。で、『ギリシャ棺』に、せっかく訳者おふたりが揃っていたのにサインもらうの忘れました。

ギリシャ棺の秘密 (角川文庫)エラリー・クイーン

角川書店

2013-06-21

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

ノルウェー夢ネット主催「ノルウェーについて学ぶサロン」第70回・ゲスト・ヘレンハルメ美穂さん(2014/11/15)前置きと他イベントの宣伝。

ヨシダヒロコです。

11/14から15日にかけて、東京に行ってきました。

別エントリで書きます「須賀敦子の世界展」と、このイベントに行きたかったからです。北欧ミステリー関係のイベントはこのあと2つくらいあるのですが、一番北欧色が強そうなので、これにしました。前に書きましたが、スウェーデンには長い付き合いの文通友達(今はFB友達も兼ねてる)がいて、お財布の状況が整えば、他の国と一緒に訪れたいと思っているので。もうこちらに決めたあとで、最後に書いたイベントのことを知りました。

このエントリでは、サロンでの会話をあまり詳しく書くと「翻訳百景」などでネタばらしになるかもしれないので(とは言ってもあちらは翻訳の話が主ですけど)、このエントリでは頂いたチラシ、この後ある「翻訳百景」、北欧各国大使館後援のミステリー作家来日講演などをご紹介します。関東のミステリーファンはよりどりみどりでいいですよねえ。

まず、ミステリ新刊のチラシを東京創元社さんから頂きました。ヘレンハルメさんの新訳「犯罪心理捜査官セバスチャン(上・下)」もあります。Amazonであらすじ見たところなかなか面白そうでした。プロファイラーものは一時ノンフィクションでも流行りましたね。脚本家の作家が書いているので、テレビドラマのように楽しめるそうです。

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もう1つ、映画上映をやっていらっしゃる方が話聞きにいらしていたので。北欧の映画フェスティバルをするらしいですよ。帰りがけに渡されました。2015/02/07(土)~2/13まで渋谷ユーロスペースで。 そのころの予定が全く分かりません(笑)。

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ここで、ノルウェー夢ネット(HPリンク)さんのツイートを2つ。

ここで言われている「富山から」というのはわたしですw。
で、2個目のツイートにあるとおり、越前先生の「翻訳百景」にもヘレンハルメさんがゲストで来られます。正直両方行きたかったです。まだ席はあるそうです。リンクをもう一度張っておくと、

翻訳百景 第11回イベント内容&第10回イベント感想
http://techizen.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/1110-92f4.html

 すでに告知したとおり、第11回翻訳百景ミニイベントは以下の内容でおこないます。お申しこみの受付はすでにはじまっていて、現時点で半数近くのお席が埋まっています(注:10/17現在)。

日時  2014年11月20日(木)午後7時から8時45分

会場  表参道駅近くのセミナールーム(詳細は申込者に直接メールでお知らせします)

参加費  1,500円

ゲスト  ヘレンハルメ美穂さん

今回は、申しこみのメールにゲストへの質問を書いていただくようお願いしたところ、すでにかなり集まっています。当日の進行の参考にしたいので、今後申しこまれるかたも、よかったら何か書いてください(もちろん、何もなしでもかまいません)。

もう1つ、連休にイベントがあります。これは大がかりなもので、「北欧5カ国大使館主催 北欧ミステリー・フェス2014」というものです。

「翻訳ミステリー大賞シンジケート」で知ったのですが、Facebookのリンクを貼っておきます。

北欧5カ国大使館主催 北欧ミステリー・フェス2014 来日作家=レーナ・レヘトライネン&カミラ・レックバリ/堂場瞬一,北欧ミステリーを語る/翻訳家鼎談(柳沢由実子,ヘレンハルメ美穂,古市真由美,司会:杉江松恋)など(会場:立教大学池袋キャンパス8号館)

北欧の人気ミステリー作家レーナ・レヘトライネン(フィンランド)とカミラ・レックバリ(スウェーデン)が来日!自作について、良質なミステリー文学を生み出す北欧の土壌について紹介。また、日本の人気作家、堂場瞬一が北欧ミステリーの魅力を語ります。皆さんのお越しをお待ちしております。
とき:11月22日(土)13:30~17:30 開場13:00
ところ:立教大学池袋キャンパス8号館8101教室
東京都豊島区西池袋3-34-1 www.rikkyo.ac.jp
入場無料 日本語・英語の逐語通訳付き

これは問い合わせ先がフィンランド大使館。申し込みはこちら。

https://www.facebook.com/hokuoutaishikan/posts/860286767323510

前夜祭もありまして、こちらです。
北欧ミステリー・フェス2014前夜祭 来日女性ミステリー作家が語る北欧の魅力 カミラ・レックバリ&レーナ・レヘトライネン 司会:三橋曉(蔦屋書店1号館2階 イベントスペース)
http://tsite.jp/daikanyama/event/004404.html

後援は、北欧5ヶ国の大使館です。
「翻訳ミステリー大賞シンジケート」から、大使館からのメッセージが入ったエントリを貼っておきます。

http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20141111/1415660968

http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20141111/1415692955

翻訳ミステリー大賞シンジケート金沢読書会第3回レポ(2014/04/05)。

ヨシダヒロコです。

ミステリーは以前(10年ほど前)は読んではいたのですが、体系だっておらず、今はもっと読む冊数が減ってしまったので、こういうところに参加して皆さんの視点を参考にしています。

今回ひどい風邪を引いていて、ぎりぎりまで参加が危ぶまれ、幹事の北田さんにはご迷惑をおかけしました。読書会は何とかなりそうだったのですが懇親会は風邪がひどくなりそうなので泣く泣くキャンセルとしました。市川さんが素晴らしいレポである「第3回金沢読書会レポート(執筆者・市川史朗)」で書いていらっしゃるように、金沢(うち1人はわたし・富山から)勢と主に首都圏から来られた方々で10名ほどの和やかな会になりました。

最初こそ誰も何も言わず、緊張が走りましたが、ミステリーの話になると皆さん俄然口が滑らかになるなる。

今回の課題書はこれです。近頃話題の北欧ミステリー、わたしは初体験だったのですが、この本凄いページターナーですよ。お薦めです。シリーズ第5作と言うことで、4作がかろうじて古本で手に入るかな?以外は絶版(版元倒産)で読むのが難しいらしいです。(追記:これを書いた後で、翻訳ミステリー大賞読者賞受賞を知りました。おめでとうございます!)

アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム著、「三秒間の死角」上下巻、訳者はヘレンハルメ美穂さんです。この著者コンビの特異な点は、前者が元ジャーナリスト、後者が元受刑者なんだそうです。読むときの注意点としては、面白みが減るので本の裏のあらすじ紹介を読まないこと。わたしは気がつきませんでしたが、気がついた方がいました。

三秒間の死角 上 (角川文庫)アンデシュ・ルースルンド
角川マガジンズ
2013-10-25 by [Z]ZAPAnetサーチ2.0
三秒間の死角 下 (角川文庫)アンデシュ・ルースルンド
角川マガジンズ
2013-10-25 by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

スウェーデン・ストックホルムを舞台とした警察小説です。スウェーデン警察では犯罪者を改心させて内通者として使うことをしているそうで、具体的には書きませんが犯罪の中身に、今までストックホルムに感じていなかった暗部を見た思いがしました。小さいときにNHK「ニルスのふしぎな旅」で見て以来、何かクリーンでのどかなイメージを持っていたのですよ。一応、近郊に知り合いがいます。いつか訪ねていきたく思っています。

シリーズを通しての主人公は市警警部(万年)エーヴェルトですが、先ほど書いた潜入操作員であるピートが前半ほとんど主役を食っています。エーヴェルトは捜査のこととなると夜中も構わず部下に電話をします。人と話したいときもそう。まあわたしはだから「上司にしたくない」と言ったのですが。

ピートはものすごく家族思いで、特に妻に対しての愛情が深く、悪く言えばベタベタ、って感じでしたが、読んでいて素直に感じ入りました。対して、「結婚して時間が経ってそういうのってあり?」という意見もあり、よくよく考えてみれば、昔長くつきあった彼がいたのですがそんな風にはなってなかったですね。

今回の読書会で目立ったのは本格派の頑張りと金沢下ネタ軍団の独走ぶりでしょうか。本格派の人々は、この小説を素直に読むことをせず、「何か伏線があるに違いない違いない」と言う目で読んでおり、出てくる3都市の時差まで考慮したタイムテーブルを作ってまでからくりを暴こうとした人までいました。本格派の人にはどんでん返しのあとの推移が「思った通り」っていう印象もあったようですね。

後半は楽しく読めた人が多かったようです。わたしも調子悪いなか「読めるかな」と心配だったのですが、別の方も同じ心配をしていて、でも本を見たら活字の大きさに「ああ、楽勝だ(笑)」と思ったそうです。前作の「死刑囚」まで1冊だったのですが、この本から上下巻になったのです。800ページありましたが、わたしの場合下巻は数時間でしたね。みなさんそうだったのでは。

金沢下ネタ軍団の某氏は、いきなり「ヘレンハルメって関西方面の芸名?」と言いだし、受けを取りました。どうやら西川ヘレンからの類推らしいんですが、本当はフィンランドのお名前で、ヘレンハルメさんにTwitterでお聞きしたところ、「関西方面とは新しい」と。日本に住んでらしたときは「日本語がお上手ですね」と良くいわれたそうです。

更にその方のわんこは構って欲しくて読んでいる本をかじるそうですが、どうやらわたしが欠席していた第2回か、金沢ミステリー読書会のどっちかで恒例になっているらしく、今回は19ページまで読んだところでそこまでかじられてOKだったらしい。本が素晴らしいことになっていました。ペットのイタズラにはわたしも手を焼きますが、本をかじるとは恐ろしい子。

ついでに、市川さんのレポとも絡むんですが、ある犯罪行為をするのに詩集とチューリップが使われます。図書館に勤務の某さんはとても悲しそうでした。なんだか、別の本にも本を粗末にする話があったそうなのです。
この2つは表紙にありますね。上巻と下巻に分けて。

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他の雑談としては、北陸人の県民性(行き来はありますがお互い仲悪いです)。例えば金沢の人は富山の言葉を「ケンカを売っている」と思い、逆から見ると「底意地が悪い」とか「お高くとまっている」とか。更に、石川県の中でも金沢辺りと能登でまた仲が悪いそう。他に、よくミステリドラマのロケ地に使われるこの辺の場所、作中後半の鑑識的な観点からの議論などがありました。医療職というだけで専門違いだというのに鑑識の質問攻めに遭っていた可哀想な方がいらっしゃいました(実はわたし、病気してなければ化学専攻なので鑑識も良かったかなーと思ってました。地方上級までは受けましたよ)。

最後にヘレンハルメさんからのメッセージが配られ、是非参加してみたかったこと、スウェーデンでは首相が薦められてこのシリーズを読んだことなどが書いてありました。メッセージは近々「翻訳ミステリー大賞シンジケート」のブログで公開されるので、そしたらリンク貼りますね。

(2014/04/25追記:「三秒間の死角」著者、訳者受賞コメントと、金沢読書会にヘレンハルメさんが送られたメッセージのリンクをここに張っておきます)

http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20140422/1398120497

この日兼六園は桜の咲き始めだったのかな?で人が一杯だったそうで、参加者がひとり人混みにつかまって遅れました。桜は今年は長く持ち、昨日くらいが終わりだったそうです(これを書いている今、金沢にまた行ってきたところなので)。

わたしは会場近くの玉川公園の桜をちらっと見て、皆さんは懇親会へ。鶏に舌鼓を打ったそうです。

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ところで、金沢は文豪が多く輩出されているところなので、文学館などが多いです。本好きの方には楽しいところだと思います。わたしが行ったところとしては、

石川近代文学館(気に入って何度も)
こんなところです。

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現在は石川四高記念文化交流館の一部です。四高とはご存知の方もいらっしゃるかもですが、現在の金沢大学で、昔はかなり有名人が出ているのですが、帝大になりそびれたらしいです。ちなみに犀星は校歌を書いていますが、自らは四高は出ていません。

神明宮 …………………… 金沢市野町2-1-8
神明宮(しんめいぐう)は、芝神明(東京都)、東岩倉神明(京都)などと並んで、日本七神明の一つ。春と秋に行われる「あぶりもち神事」で知られる。中原中也の詩「サーカス」は、幼年期にこの神社の境内で見たサーカスを書いたもの。また、室生犀星の生家に近く詩人に縁のある神社である。主祭神天照皇大神、豊受姫大神

こちらのページより引用)

神明宮には、まだ変わっていなければ人型のおみくじが3種あります。健康運、金運、恋愛運だったはず。ここに中也がきたのかと思うと感慨深かったですね。中心街から歩いても行けます。

秋に来ると、鏡花、犀星など原作の古い映画を上映しています。10月だったと思います。ミニシアターのシネモンドにて。

というわけで、他県から「来てみようかな」と考えていらっしゃる方々に向けて宣伝も打ってみました。ついでに温泉にも入りたいという方には、市街地から行ける湯涌温泉がお薦めと、昔旅行会社勤務だった身内が申しておりました。

たまにこういうレポにもアクセスがあるので、ミステリー好きな方、次回は夏だそうなので、是非いらして下さいね!わたしのような素直な読み方しかできない人間でも、数を読んでいなくても何とかなります!

翻訳ミステリー大賞シンジケート 第1回金沢読書会レポ(2013/08/24)。

ヨシダヒロコです。

金沢には熱心なミステリー倶楽部があって既に読書会をしているのですが、主にそのメンバーが中心となって参加し、今回は金沢出身(正確には富山の血も入っているそう)の越前敏弥先生をお招きして「シンジケート」の方の読書会が行われました。ミステリーをバリバリ訳していらっしゃる文芸翻訳者さんが旗振り役でした。

越前先生は昨年石川県立図書館での講演会で、はじめてお話を直に聞きました。本当は先生が望まれるように「さん」付けで行きたいんですが、いくらわたしが畑違いとはいえ、翻訳者には「さん」づけは恐れ多くて無理ですw

この日の金沢駅を、バスの中から。

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今回の課題書はこれ。「氷の闇を越えて」というハードボイルドです。原題は”A Cold Day In Paradise” で、パラダイスというミシガン州の何もない(昔の版がでたときに先生が地図で調べたら、交差点1つしかなかったとか)町での殺人事件です。「パラダイス」とは普通は暖かいものなので、”cold”と言っているのは何か対比させたかったのかな、と読書会でも話していたんですが。

氷の闇を越えて〔新版〕 ハヤカワ・ミステリ文庫

スティーヴ・ハミルトン

早川書房

2013-07-10

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

この日は街中で用事があって、ランチして歩いてきてまだ時間があったんですが、しばらくすると参加者が集まってきました。それで皆で椅子を並べたり。

今回の会場は南町に近い玉川こども図書館で、瀟洒な煉瓦造りの玉川図書館のそばにあります。玉川公園というところもあって、せせらぎのような、側溝というには綺麗だし幅がありすぎる流れがめぐっています。実際、少し中央の方に行くと「せせらぎ通り」という地名があるくらいです。

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駐車場が入りにくかったかなかったかしたらしく、ツイ友が1人遅れましたが、三々五々始まっていました。たしか参加者は11人(1人欠席でしたが、熱い感想文をくださいました)。自己紹介をして、1人1人感想を述べてゆくのですが。

この本は普通の本と出版された経緯が異なり、同じハミルトンの「解錠師」が「このミステリーがすごい」で高評価を受けたことから再版が決まったそうです。それまでは、続編2作共に絶版でした。続編はこの本の売れゆき次第だそう。

絶版になっている「氷の闇を越えて」。

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それで、これがレジュメ。その次の日に福島の郡山で「解錠師」の読書会があるので、絶版になっているマクナイトシリーズの後書き、未訳作品のあらすじなど共同作業で。9作か10作でています。

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で、皆さんのおっしゃっていたことですが、出だしが素晴らしいということ。「わたしの心臓のすぐそばには、一発の銃弾が眠っている。」マクナイトは警官時代に、精神疾患を持つローズという男に撃たれ、その時同僚を失いました。そのトラウマを13年引きずっています。だから私立探偵にはなりたくなかった。銃弾は奇跡的にそこで止まったものです。

皆さんの感想を他にも思いつくままに。

  • あるかっとんだ医療職の方。おかげで他の方の言っていたことがかすんだくらいなんですが、精神科の患者さんとしてはローズはよく書けている、他にマクナイトはトラウマがあるとはいえ引きずりすぎ、あと不倫関係にある(あった?)シルヴィアという女性がいるのですが、彼女に対してウブすぎ(マクナイト、結婚経験ありますからね)。シルヴィアはキツくて、こういう女性はごめんだと。
  • 狂気の表現が興味深かったと。あとで飲み会でお聞きすると、臨床心理専攻の、学部は違うが後輩に当たる方と分かりました。金沢大には昔は統計心理しかなかったので意外でした。
  • ある本格ものファンの方。さすがに謎解きがお得意で、キーマンの名前が最初の方で登場していないこと、単位の表記にばらつきがあることなどを指摘していました。単位は気がつかなかった……学生時代散々やらされたのに。
  • なんだかんだ言って、マクナイトは負傷したことで年金もらっているし、ロッジも何軒も持っているし、結構いい生活なのではないかと。

わたしが言ったのは、ローズは統合失調症の患者さんとして書かれているけど多分重症で、最近は軽い患者さんも沢山いる(注:作中でローズが犯罪を犯したのは1984年だったはず)、あとシルヴィアは友達の奥さんなので、どうも作中では何がどうなってこうなっているのか分かりませんが、ツンツンしているシルヴィアもまだマクナイトを忘れてないことがなんかバレバレで、切なかったと。

最後の方は一気に進んだし、もっとかかるかと思っていたのに2日くらいで読み終わっちゃいました。久しぶりにミステリーを読めて良かったと。

先生がおっしゃるには、出だし5行がものすごくいいことと、マクナイトはトラウマを抱えている割に軽口を叩く、それがキャラクターの弱さかな、とも。軽口を訳すのは楽しいそうです。

あとは「アメリカのバーではドライバーに酒を出していいのか?」みたいな話もしたんですが。

北國新聞の方が取材に来てくれて、こんな感じで載りました。慣れない話で眠そうだったらしいですw

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図書館の画像を2,3枚。

子供向けなんですが、内装が面白かったので。下の画像は、金沢弁をちりばめてあります。

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そんな訳でいったん会はお開きとなり、1時間後に飲み会ということになりました。

その間、越前先生を含めて、数人で町屋作りの一見民家にしか見えないカフェに行っていましたが、今は翻訳者(文芸系)が集まって切磋琢磨する場所がネット上にないね、という話になっていました。わたしはその辺に足を突っ込んでいた時期があるのですが、訳者になろうとは思っていませんでした。本名で調べるとお分かりかもしれませんが、皆に突っ込まれながらもメルマガでレビューを書いていた時期があります。まあ、でもその時期にいた皆さんが「綺羅星のような」方々ばかりで、畑違いの、単なるファンに近いわたしは教えて頂いてばかりでした。

カフェはこんな感じ。風情がありました。金沢にはこういう場所が他にもあるらしい。

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さて、飲み会ですがこんなところに行きました。飲み放題です。どうせなくなるから、と皆大ジョッキを頼んだのですが、目測で1Lくらいあり、人によっては飲むのに苦労していました。グラス入れ替え制だし。何だか色々喋ったなということしか覚えていない(と言うことにしておく)のですが、先生もツイートなどしてらしたある参加者の体験談が大笑いでした。

斉藤栄という、本人に言わせれば西村京太郎程は売れない紀行ものを書く作家がいて、金沢を舞台にしたものがあったので読んでいたら、なんと犯人の住所が自分のうちの住所だったと。この方はあまりにもキャラが立っていて、是非他の読書会にもおいでなさいと先生に誘われていました。ミステリー系の飲み会ってかなり騒がしく、まあそんなものらしいです。

2013-08-24 18.02.23

2013-08-24 18.16.21

2013-08-24 18.20.22

わたしは電車の時間があったので小走りで駅に行き、まあセーフでした。
金沢にはちょくちょく来ているので、また読書会に来よう、と心に誓いました。仕事がデスマーチでなければ……。末筆になりますが、まとめ役の北田絵里子さん、いろいろとお疲れ様でした。また来ます。