出張CiRA(iPS細胞研究所)カフェ × 聞イテミル・考エテミル!?「iPS細胞の現在:じん臓・すい臓・肝臓の再生医療」in 金沢に参加して(後編・2017/07/09)

ヨシダヒロコです。

後編が大変遅くなりましたが、前編はこちらです。スライド表紙や建物内部は撮影OKを頂きました。iPS細胞研究所と金沢の研究者さんのグループ「聞イテミル・考エテミル!?」の共同主催です。

出張CiRAiPS細胞研究所)カフェ × 聞イテミル・考エテミル!?「iPS細胞の現在:じん臓・すい臓・肝臓の再生医療」in 金沢に参加して(前編・2017/07/09

 

2人目のゲスト、長船(おさふね)先生はじん臓・すい臓・肝臓の研究をなさっている先生で、まず専門を決めたきっかけを話されました。

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増殖分化機構研究部門 長船 健二 教授

https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/research/osafune_summary.html

研究概要、略歴など。

先生が医師になった頃、研修医のシステムは今とは違っていました。わたしは先生と同年代で、医師の友人がわずかですがいるので少し分かります。専門を決めようとしたとき、開業医の息子でもないし何でも選べたのですが、病気で壊れたら再生しない臓器と再生する臓器があることに興味を持ったそうです。卒業した平成8年には再生医療はメジャーではありませんでした。じん臓の再生に関する研究をなさっていたそうです。

#詳しく知りたい方は、先生の研究についてのコラムがこちらにあります。

インタビュー『“未来”の担い手たち』

腎臓、膵臓、肝臓の再生に挑戦する(1)-全2回- 長船 健二 氏

http://www.jst.go.jp/ips-trend/column/future/06/no01.html   魚拓

(2)

http://www.jst.go.jp/ips-trend/column/future/06/no02.html    魚拓

前のゲストで出てきたiPS細胞の写真がまた出てきました。細胞があっちにもこっちにも固まっているそうです。無限に増えるのですが、くっつくと働きが悪くなるのでバラして別の皿に入れるそうです。200くらいの様々な細胞になれるそうです。

再生医療とは、健康な細胞や臓器を移植することで病気を治すことです。メカニズムはとりあえず横に置いておきます。

次に、「再生医療用iPS細胞ストック」の説明がありました。ニュースレターには載っていて、山中先生がTVでお話ししていたような記憶があり(寄付すると出演番組がメールで送られてくるので)今回のサイエンスカフェでも事前にこの用語を含めて何を知っているかアンケートを取られました。

例えば患者さん自身からiPSを取るとすると、取ってきて育てるのに3ヶ月くらい、しかも悩ましいことに育てると性質がバラバラなものができる(がん化含む)そうです。iPS作成の品質評価のステップで1年間、一番お金がかかります。次に分化誘導というものを行い、ES細胞のように発生の時にどんな刺激があるか、分かる範囲で同じものを与えてiPSに導きます。その品質評価が約10ヶ月くらいかかり、お金もかかります。

(広報の方から、上の長船先生の発言が少し分かりにくいので補足です)

「2014年の加齢黄斑変性の臨床研究の場合、細胞の採取から患者さんに移植するまでで約10ヶ月かかりました。その間に品質評価や分化誘導を行います。同時進行で行われる部分もあり、必ずしも足し算した時間とは一致しません」

今、ここに脊髄損傷になって救急車で運ばれてきた患者さんがいたとして、すぐに処置すれば治るかもというときにこれでは間に合いません。それで、もともとiPSのストックを用意しておくのです。

HLAホモiPS細胞というのがあります。HLAという免疫に関わる細胞のタイプ(番号)が同じな場合、輸血や移植のときも自分と同じと見なして拒絶反応が起きません。日本人では、HLA のA 24:02とB 52:01とDR-B1 15:02の3種で16%を占めます。両親から受け継いだHLA遺伝子が同じ場合をHLAホモといいます。

HLAホモの方は珍しいのですが、HLA型を調べる臍帯血提供者や骨髄ドナー、献血されたかたの中から同意が得られた方から、HLAホモの方を探して協力していただいています。細胞培養施設には臨床グレード(基準)があります。細胞調製施設(Facility for iPS Cell Therapy: FiT)など、写真を見せていただきました。

2017/03/18に、iPS細胞ストックは滲出性加齢黄斑変性の患者さんの手術に使われました(「他人のiPS細胞」などと記事になっています)。理研CDB高橋政代プロジェクトリーダー、神戸中央市民病院、大阪大学、CiRAの成果です。

*****

休憩の前にQ&Aタイム。

Q  iPS細胞の保存期間は?

A ヒトでは-160℃で永久に。液体窒素を使う。マウスは-80℃で保存可能。

Q. 目の細胞のがん化を防ぐ方法は?

A. そもそも目ががん化しにくい環境と言われています。また、少なくともがん化しやすい遺伝子変化がないことは確認しています。万が一がん化した場合にもがん細胞を除去する方法があります。

Q. レトロウイルスはなぜ使うのですか?

A. 遺伝子導入・発現はベクターを使います。効率よく細胞に遺伝子を導入できます。20~30年前に遺伝子治療を受けた患者さんは、導入遺伝子のすぐ先にがん遺伝子があって刺激されてしまい、白血病になってしまいました。エピソーマルベクターは核の中に入りません(なので比較的安全と考えられます)。

Q. わたしの質問ですが、HLA型の表のところを聞きました。

A. 24:02などは種類です。3種で16%ですが、90%をカバーするため20万人のHLAを調べる必要があります。2017年度末までに3種30%が目標です。

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ここで休憩です。

休憩時間には研究者さんつかまえて質問してもいいということだったそうです。飲み物とお菓子、両方いろいろが準備されて、乾燥したiPSの小さなサンプルがテーブルに用意されており、説明を受けながら容器に付いている拡大鏡を通して見ることができました。さっき見た写真とは違い、見やすいよう赤く染色してありました。

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事件が起こったのは話の後半でした。その日も金沢は暑くて(北陸が夏暑いことは割と知られていません)、何と停電になりました。タブレットで北陸電力を探してみると、金沢市がピンポイントでダウンしているようで、あの古い建物があだになったのかも。しばらくは「お茶でも飲んで待ちましょう」だったのですが、20分くらいどうなりそうもなかったので、先生とスタッフの方2人、計3人がそれぞれスライドを映したノートパソコンを持って(最新医学のことを話しているのに皮肉でした)薄暗い中マイクを使わずにしばらくお話しされました。非常にシュールなアクシデントでした。幸い20分ほどで復旧しました。

先生が研究されているのはじん臓・すい臓・肝臓ですが、これは特に糖尿病の患者さんなどで一度に悪くなることが多いそうです。

じん臓病→慢性腎不全(1300万人。糖尿病だと血管ボロボロ)→毒素をだす→透析(約32万人)移植数 1500人

すい臓→糖尿病(約320万人) →血管ボロボロ、脳梗塞、心筋梗塞   すい臓・すい島移植  40人

糖尿病:将来なる可能性のある人 2000万人

病院行ってない人を含めると 患者は900万人

肝不全(約40万人)→ 肝硬変  移植数 500人

移植しかないのですが、ドナーが追いついていません。それでiPSで解決する研究をしています。iPSは肺とじん臓が難しいそうです。

iPSからじん臓の組織を作りネズミに移植すると、糸球体ができて血管につながり、おしっこを濾過しているのが見られたそうです。でも「まだまだ」とおっしゃっていて、すでに18年も研究されているそうです。

すい臓→すい島をiPSで作る。ネズミは治せそうだそうです。移植したすい島を取り除くと血糖値が戻っているので効いているのかも?

今後の展望としては、3、4年で移植の研究をしたいそうです。糖尿病の研究はし烈で、北米だけでも200万人の患者がいるので製薬会社にはお金になるそうです。北米では1社始めています。

肝臓について。iPS肝臓細胞をネズミとサルに移植します。ハツカネズミは20日に1回出産します。質問したのですが、マウスというかネズミには2系統が研究所にいて、片方がハツカネズミに近いそうです。ネズミでうまくいっても念のためサルでも試すそうです。

最後にスライドで近く患者さんへの移植をする研究が始まる病気の一覧を見せてもらいました。パーキンソン病、加齢黄斑変性(既出)、角膜疾患、難治性心不全、軟骨疾患、がん、血小板減少症、先天性代謝異常症など多数あります。

法律が変わって移植までが早くなったので、実現は研究後近い未来だそうです。定年までやります、と何となくぼそっとした声でつぶやかれていたような。

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質問の時間が少しあって、付箋を貼っての質問コーナーに書いていた人もいたのですが、メチル化とかMHCとかレベルが高かったので(後で研究者の主宰したサイエンスカフェと思い出しなるほどと)、個別に聞いてくださいとなりました。

CiRAサイエンスカフェを地方都市で行ったのは初めてだそうですが、暑い中調整して参加でき、色々お話が聞けてよかったです。研究所も前から行きたくて、でもなかなか京都に行く時間や手間が取れなくて。

最先端のお話が少人数対象に目の前で聞けるので、サイエンスカフェは大変お薦めです。今回組織してくださった皆様、ありがとうございました。先生方やスタッフの皆様も遠くからお越し頂けました。

チラシやパンフレットを頂きました。

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左2冊は頂いたもの、一番右に送られてくるニュースレターを置いてみました。

 

 

難しいことはどうも……とおっしゃるけど何か本を読みたい方にはまずこれがおすすめです。2年前のレビューで、山中先生の山あり谷ありの研究人生を話し言葉で書いてあります。

今さらですが『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』を読んでみた(2015/07/26)。

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最後に、iPS関連のサイエンスカフェがまた金沢であるそうです。再生医療学会関連の10/22「アートとビオス」、金沢21世紀美術館で夕方からです。

https://comm.jsrm.jp/risk-communication/events/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%A8%E3%83%93%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%80%8D/

このブログは過去のポストを検索してくる方が多いので、リンク切れを防ぐため情報をコピペします。参加方法は今学会に問い合わせ中です。

サイエンス・カフェ「アートとビオス」

  • 開催日時:2016年10月22日(土) 18:30~
  • タイトル:「アートとビオス」(日本再生医療学会「リスクコミュニケーションのモデル形成事業」サイエンス・カフェ企画)
  • 出演者:福原志保 (BCL)・八代嘉美 (日本再生医療学会/京都大学iPS細胞研究所)
  • 開催地:金沢21世紀美術館カフェレストラン “Fusion21”
    https://www.kanazawa21.jp/
  • 入場料:500円(ワンドリンク)

2006年に山中伸弥教授らがiPS細胞の樹立を報告して、ちょうど10年となりました。それ以来、未来の医療として「再生医療」や「幹細胞」という言葉が、日夜新聞やニュースを賑わわせるようになりました。こうした研究はまた、病気の治療の研究だけではなく、生命のしくみを解き明かす生物学の研究でもあり、その成果はわたしたちが「あたりまえ」のと思っている「生命のすがた」を揺るがしてもいるのです。その一方、バイオテクノロジー自体が手軽に扱えるものとなってきており、それを用いたアート作品群、いわゆる「バイオアート」によって「生命のすがた」の描かれ方も多様になってきています。今回のサイエンスカフェでは、昨年、金沢21世紀美術館で「Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊」を展示した福原志保さんをゲストに迎え、幹細胞とは何か、再生医療とは何か、といった話をテーマに、さまざまな技術が「生」へと介入することが可能となった現在について考えます。

BCLウェブサイト

http://bcl.io/

 

今回のサイエンスカフェの報告&iPS関連次回の予告は以上です。

#こういう内容に間違いがあっては困るので、CiRA国際広報室で何度もチェックして頂きました。どうもありがとうございました。

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富山県中央植物園「私の植物写真展」出品作を見に行く(2017/07/21~8/30、8/28に来園)。

ヨシダヒロコです。

植物園HPをまず貼っておきます。http://www.bgtym.org/

確か出展するのは3回目で、出したっきり調子悪くて見に行けないとかばかりだったのですが、暑い中バス乗って歩いてやっと行ってきました。たしかこの次の日くらいから急に涼しくなりましたけど。

作品は1人2点までで70点ほど集まっていました。6月にあった写真教室「やさしい花の撮り方」(2回目に行きました)の参加者には自動的に案内が送られてきます。

出展作品は本人しか撮っては駄目で、ざっと撮るのはOKだったので、こんな感じ。下がわたしのです。ドイツスズランはうちで根付いてまだ元気にしていますが、「スズランの日」向けに花問屋さん的な通販で買ったら偶然根付きで送られてきたものです。右の睡蓮は、写真教室の日に主に白い花が池を埋めつくしていました。

自信のある人しか出さないのか撮り慣れた感じの人も多く、入賞作はとても少ないことに驚きました。

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この出品作品は反射して見にくいので、画質を落としたものを貼るとこんな感じです。植物や風景を撮るのが好きなのですが、どうも写真だけでなく勉強する科目なども、ものに向かう方が好きなのです。人嫌いというほどではないのですけど、人の美点を人物写真で引き出せる人はすごいなあと思っています。

行きに遅く家を出すぎて、少ないバスの本数でいつもと違うバス停に降りて迷ったため、ギリギリに入れてもらって植物園本体は今回ほとんど見られませんでした。高山・絶滅危惧植物のいつもは涼しい部屋に入ったらなぜか暑く、あまりいい写真も撮れませんでした。花の難しいところは、どこか少しでも見えるところが傷んでいたらもうダメなんです(撮ったあとで気づくことも)。その上で、何かはっと目を引くものがいるんだな、と上手な作品を見て思いました。

かろうじて撮れた園内の写真。紫の葉は鮮やかで、恐らくストロビランデス・ディエリアナと思われますが初めて見かけました。池にはオニバスが浮かんでいました。

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使用カメラはCanon EOS Kiss X50というエントリーモデルを5年使っていて、ここの教室で「今あるカメラをよく使ってください」と言われました。レンズも欲しいのありますが余裕のある時に段々と。いわゆる星景写真が流行っているそうですが、星も撮ってみたいです。他には今年新調したASUS Zenpad 8.0を使ってます。一眼は人前で威圧感があるので小さめのカメラ(ミラーレスかデジカメ)にも興味はあって、そちらもおいおいです。

そんな訳で、ミッションコンプリートなのでした。

 

夏、神岡へ(2)――重力波サイエンスカフェに梶田先生現る(2017/08/06)。

ヨシダヒロコです。

前の話はこちらです。

夏、神岡へ(1)――中高生向け「夢のたまご塾」飛騨アカデミーセミナーの梶田先生講演聴講(2017/08/06)。

梶田先生の講演の後も、いろんな先生方が講演していました。わたしはもともと重力波サイエンスカフェに応募したのだし(研究者さんが4人も!市役所の方に「こんな機会ないです」とメールで言われました)、図書館1階でウロウロしているときに、サプライズで梶田先生が飛び入りすることを聞いていたのです。

チラシは告知の時pdfでも出しましたがこちらです。プラス、スペシャルゲストで途中まで梶田先生。

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日曜日のためバスが少なく、わたしはカフェが終わる前に終バスが来るため抜けなくてはなりませんでした。

尾関さんが進行役、どの方か分かりませんが眼鏡の朗らかな方が話を進め、紅一点の苔山さんがあの重力波を検出したLIGO(ライゴ)で研究していたと分かって驚きました。この方は、去年のKAGRA見学会(今年のは落ちました、残念)で颯爽とヘルメットにつなぎ姿で説明していた研究者さんでは?私服なので分かりませんでしたが。他に、研究者さんのご身内か何か?手伝い要員さんが市役所や飛騨アカデミーなどの方の他にもいました。

まず、スライド表紙、そして横顔の梶田先生とサイエンスカフェのゲスト全員。

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まず最初は「梶田先生は謙虚」という尾関さん(元ジャーナリスト)と客席の編集者さんの話から始まりました。受賞当日、翌日締め切りの原稿があったそうで、編集者さんと梶田先生の間でやり取りがあったそうです。「梶田先生、今年は授賞ですよ」みたいな。先生が「いや、わたしなんて」とおっしゃっていた20分後かそこら、電話がかかってきたそうです。その他に、「神岡は第2のふるさとです」とも先生はおっしゃっていて、その他は黙って話を聞いていました。40分くらいいらっしゃったでしょうか。次の予定が……と去って行かれましたが、嬉しいサプライズでした。

講演の機会はいろんな場所であるようなので、是非。でも今回のような話は現地で聞くのが楽しいです。

わたしは今回のテーマである重力波についてよく知っているわけではなかったので、前にも書いたこの本を読んでいきました。東大系だけでなく世界の施設に関わっている安東さんの本ですが、いきなり読むと物理物理しているかもです。本当の入門書はないのかな。

『重力波とはなにか』(ブルーバックス)読了&スーパーカミオカンデ一般公開(2017/09/04より申し込み受付)。

以前から「(重力波は)アインシュタインの最後の宿題」と言われていたことは知っていて、このサイエンスカフェもその辺から始まりました。まずLIGOでの初検出があったときの騒ぎをユーモアを交えて紹介。重力波のゆるキャラがあったり(と聞いたのですがググっても出てこない)、号外が出たりしました。その中で香川だけは特異な反応をし、何かというと「かけうどんが値上がりした」が1面トップだったのでした。お話してたゲストは四国人だそうで、「分かりますけどね」と言ってました。

重力波って何?というかどういうときに出るの?という例で、ウィーンの舞踏会の動画が。質量(重さ)を持つものが回ると出るので、スライドに「出てます!重力波」とあったのは可笑しかったです。腕をグルグル回しても出ますが、振幅(波の幅)が0.000~(0が全部で49個)~1(=10の-50乗)くらいなのでとても観測できず、星ほど重いものを測定する場合で近くないと人類には測定できません。測れるのは0.000~(0が全部で21個)~1(=10の-22乗)くらいです。太陽と地球の間で水素分子が1個動いた位の小ささです。

測定の仕方はレーザーの干渉で、つまり光は波でもあるので重力波が来ると山と波がずれ、それで分かります。こんな模型を休憩時間中に見せてもらいました。

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重力波「望遠鏡」で、赤外線の赤いレーザーを使います。撮るの下手でしたが、できたばかりらしいKAGRAの模型が会場にあったので動画を撮りました。

この望遠鏡では、L字の腕の長さが長いほど重力波の影響が大きいのです。重力波の音を聞かせてもらいました。音が低いので高くしたそうですが、後で質問すると、周波数を電気信号に変えているそうです。実際の音と言えば、例えばすごく大きな音だったら直接鼓膜が揺れるかも、だそうです。

LIGOでは2つの大学が恐らく同じものを出してます。chirp(チャープ)とは「さえずり」で、小鳥のさえずりのように聞こえるらしくそう言われているそう。

 

上に貼った写真の模型にある鏡(字が見えないですが上と右にあります)は-253℃に冷やされ、厚み150mm、直径200mmの合成サファイア(無色)、ビームスプリッターは旭硝子製です。

途中でこんなスライドもありました。引き延ばして見えやすいようにしたので画面粗いですけど、このカフェのしばらく前にネットで『君の名は』の舞台が神岡の研究所からあまり離れていない、という説が出ました。それにあやかったものです。夜景の写真をアニメと比べたりしてました。

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次に、LIGOでの発見秘話です。苔山さんが発表している研究者さんとの対談形式で語ってくれました。LIGOは延べ4000人近い研究者が20年頑張っていた施設で、2015年の1050人の研究者のうち日本人は5人くらいだったそうです。あの発見で「ブラックホールの存在」「重力波の存在」が観測できたそうです。研究発表の時は2016年2月、アメリカの文科省のようなところで記者会見し、もう日本に帰っていたので夜中にYouTubeのライブを見ていたそうです。壇上にいたのはLIGO創設者だそうです。

信号は2015年9月に観測され、箝口令が敷かれました。「本当にみんな黙っていたんですか?」と尋ねられて「自分は黙っていたけどTwitterで噂が流れて。日本に帰ってからは『これは』と思うようになりました」と。

意義としては、1.重力波によるゆがみ 2.相対性理論との矛盾なし 3.連星ブラックホールの観測 4.連星ブラックホールの合体観測 5.太陽の30倍の質量のブラックホール観測(X線では今まで小さいものしかなかった)

観測は今年6月にもあり、合体して50倍になりました(このサイエンスカフェからほとんど1ヶ月ですが、1週間ほど前?から観測を始めたばかりのVirgoとLIGOが共同でまた何か発見したと噂になっています)。天体観測として新しい発見で、1万倍のブラックホールもあるそうです。

太陽質量30倍のブラックホールがどうしてできるかというと、メモがあやふやですのですいません。1.寿命を終えた星が超新星爆発をする 2.ファーストスター(重金属がなくガスが集まっている)→後になってから核融合、超新星爆発→大きなブラックホールになる

KAGRAの特徴を話しているところで、1人のおばさんが「難しい。重力波は一体何の役に立つのですか」などと質問しました。それで、バスの時間も迫っているし聞きたかった内部の様子(鏡を何段階にも糸でつるやり方など)を聞かずに帰ることになりましたが、聞きたかったところだったのでこれは残念でした。

研究者さんが話す途中だったのは、

KAGRAの特徴は、地下なので

  • 地面の震動がない。望遠鏡が揺れに弱いので安定する(揺れるとデータが取れない)
  • サファイアの鏡。熱とは原子の振動なのですが、鏡にもし熱があり振動すると、レーザーが反射するところがバラバラになります。だから絶対零度(これ以上ない低温)くらいまで冷やしている、という意味だったと。

この辺の話も「何の役に立つ」の話があったので気もそぞろだったのですが、研究者さんも予想していたのか、「その技術はこういうところに役に立ちます」というスライドを出して、「役に立たない研究、しようよ」の大隅先生の写真まで用意していたりしました。

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そんなこんなでなんとか高速バスをつかまえ富山へ帰りました。近い場所にいるのに梶田先生をお見かけしたことなかったし、飛騨のサイエンスカフェに出られてよかったです。

この日の神岡は暑く天気もよく、こんな風に晴れ上がっていました。この写真はまだ猪谷(富山)ですが、研究施設が県境ですので。

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飛騨市のHPに当日の写真があり、後ろ姿の丸いおばさんとしてわたしもいます。

 

『出張CiRA(iPS細胞研究所)カフェ × 聞イテミル・考エテミル!?「iPS細胞の現在:じん臓・すい臓・肝臓の再生医療」in 金沢』に参加して(前編・2017/07/09、2017/08/25主催追記)

ヨシダヒロコです。

すぐにエントリが書けなくてすみませんでした。この翌日富山県高岡市でのCiRA講演会ともども、iPS細胞でどっぷりの2日間でした。最初このサイエンスカフェをどこで知ったか良く覚えていません。講演会のほうはネット経由でTV局のHPに行き当たりました。サイエンスカフェは地方での開催が初めてだったらしく目を疑いましたが、こくちーずという予約システムですぐに予約ができました。

CiRA(iPS細胞研究所・サイラ)にはわずかですが寄付をしており、1回目には丁寧なお礼状とその後はニュースレターを送ってもらっています。ニュースレターはHPにpdfでもありますし、頼めば送ってもらえます。どういう研究をしているのかを薄い雑誌のような形式で教えてくれます。

さて、この7月9日のサイエンスカフェは、金沢・片町ど真ん中なのにわたしが知らなかった場所で開かれました。金沢学生のまち市民交流館という場所で、古い家屋でしたが本家HPには書いてありません。2個目に貼ったHPに、大正時代の町屋を改築とありました。

木倉町という写真のような趣のある場所で、小さな食べ物屋や飲み屋があります。片町バス停からはすぐですが、この時間に富山から行く電車が少なく、最初の挨拶は逃してしまいました。

金沢学生のまち市民交流館

http://www4.city.kanazawa.lg.jp/22050/shiminkouryukan/index.html

金沢 まちなび

http://www.kanazawa-machinavi.com/detail/shop.php?shop=1307

富山・新潟などでもこういう場所で行われるサイエンスカフェに出席したことはなく、不思議な雰囲気でした。

(2017/08/25 21:59追記→)主催は、疾患当事者や市民が研究者と共に研究についてコミュニケーションする場作りを進める研究者のグループ「聞イテミル・考エテミル!?」とCiRAの共同主催です。

 

サイエンスカフェの様子は、短くまとめたものがCiRAのHPにあります。

http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/seminar/170712-143000.html

最初は国際広報室サイエンスコミュニケーターの和田濵裕之さんから、iPS細胞の一般的な話。他の方もですが、スライドに出てくる細胞や血液や器具などが、水彩と思われる濃淡の付いた何とも言えない素敵な描かれ方をしていました。翌日お聞きしたところ、「難しいイメージを和らげるため」(2017/08/25 0:34追記:原稿のコピペミスを追記)外部のデザイナーに依頼したそうで、なにか理系っぽくなく絵画のようで気に入りました。iPS細胞は紺まで行かないブルーで塗られていました。

チラシは別の方のデザインで、以下のような可愛らしいものでした。

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和田濱さんのお話では、iPS細胞とは何かということを、さっきお話ししたようなデザイン性が高く美しい絵のようなスライド、そして鮮やかな細胞などの写真を使って成り立ちから分かりやすく説明してくれました。まず、受精卵は育てばどんな細胞にもなることができます。2012年ノーベル生理学・医学賞はジョン・ガードン博士と山中伸弥博士が授賞しましたが、最初にガードン博士がカエルを使って大発見をしたのです。1962年のことで、体の細胞もまたどの細胞にでもなれるという発見でした。その後、1980~90年代に受精後の胚細胞からヒトでもES細胞(胚性幹細胞)が作られ、iPS細胞は皮膚の細胞からマウスで2006年、ヒトで2007年に作られました。10周年になります。

iPS細胞の作り方は、簡単にいうと下のリンクの一番上の「iPS細胞とはどのような細胞ですか?」にあるのですが、

http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/faq/faq_ips.html

最初に発見されたときは遺伝子4つとレトロウイルス・ベクターを入れていました。そのときは細胞ががん化することがあるという問題がありました。今ではその4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)にLIN28 DN-p53という遺伝子を加え、レトロウイルス・ベクターの代わりにエピソーマルプラスミドを入れてがん化などが起こりにくいようにしているそうです。

最初は皮膚から細胞を採っていたのですが、深いところなので一針くらい後で縫う必要がありました。今では血液の単核球という細胞を使います。

iPS細胞のコロニーの写真が出てきました。iPS細胞というとよく出てくる青い大きな細胞です。何個だと思いますか?と聞かれました。1個と答えてしまったマヌケはわたしくらいでしたが、実際は数千個(後日談:概算では9000個ほどあるそうです)くらいの細胞があっちにもこっちにも固まっているそうです。無限に増えるのですが、くっつくと働きが悪くなるのでバラして別の皿に入れるそうです。200くらいの様々な細胞になれるそうです。

iPS細胞はもちろん再生医療にも使われますが、病態の再現・創薬・治療法発見にも使われます(2日通して後者の話もよく聞くことができました)。例えば軟骨ができなくなる軟骨無形成症で、病気でない方と病気の方からiPS細胞を作ります。軟骨ができる、できないという病気の状態を実験室で再現できます。患者さんには行うことのできない、いろんな薬を細胞に試してみることができます。これはCiRA妻木範行教授の研究で、既に他の病気で使われている薬が、ネズミを使った実験では軟骨無形成症に効果があるかもしれないという結果も出ています。

アルツハイマー病では個人差があり、iPS細胞から神経細胞を作ると違いがあるので効く薬が違う可能性があります。

ここまででQ&Aタイムです。

  • iPS細胞になることのできる細胞の種類は?

大体何でも。分裂する細胞のほうがいいです。

  • iPS細胞から他の細胞へと分化させる際、発生過程はわかっていなくていいのですか?

薬の評価系でははっきり分かっていなくともいいですが、分かっていたものの方がデザインしやすいです。

  • 初期化で時間は巻き戻りますか?

短くなると細胞が老化した目印とされているテロメアは長くなります。

  • 子供さんからの質問。どんな病気でも皮膚から細胞取れば治りますか?

どんな病気でも治るかどうかは分かりませんが、皮膚からとった細胞をiPS細胞にすることで、色々な病気の研究ができると考えられます。

  • 軟骨細胞の薬が見つかってどう投与するのですか?

薬の候補がみつかっても、どうやって投与するのが良いかは改めて調べる必要があります。まだ現在のところどうするのが良いのかはわかりません。

 

iPS細胞を誰かが研究で使いたいときの話が最後にありました。倫理的なことは特別審査がなく、維持費用は計算が難しくて誰も知りません。研究だけで(人件費なし)200~300万、臨床用だともっとかかるとのお話でした。

最後に、以前HPで見かけましたが幹細胞かるたとiPad向けのiPSマスターがあるそうで、これ書きつつ見てると、ほかにもゲームがあるようです。興味ある方はどうぞ。

参考書も紹介されましたが、次回まとめて出します。

これでおひとり目のゲストのお話は終わりです。和やかな雰囲気だったのですが、次の長船(おさふね)先生のお話の時に思いがけないことが起こるのでした。

#こういう内容に間違いがあっては困るので、CiRA国際広報室でチェックして頂きました。どうもありがとうございました。

~後編に続く~

後編 出張CiRA(iPS細胞研究所)カフェ × 聞イテミル・考エテミル!?「iPS細胞の現在:じん臓・すい臓・肝臓の再生医療」in 金沢に参加して(後編・2017/07/09)

夏、神岡へ(1)――中高生向け「夢のたまご塾」飛騨アカデミーセミナーの梶田先生講演聴講(2017/08/06)。

ヨシダヒロコです。

この1ヶ月前にiPS細胞の講演やサイエンスカフェに参加しているのですが、どこまで書いていいか許可を取ったりすることも含めもう少しお待ちください。

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宇宙線研究所の神岡でのイベントは、飛騨アカデミー(リンク)や市役所の方々(地域振興課とか)に協力してもらってます。飛騨アカデミーはGSA(ジオスペースアドベンチャー)も仕切ってますし。その飛騨アカデミーは、夏に中高生向けの科学合宿セミナーのような催しを行っており、小柴先生が名誉総長だそうです(アカデミーHPより)。参加すると神岡のいろんな施設を見せてもらえます(いつまで見せてもらえるか分かりませんが、今年はKAGRAもあったのかな?もうすぐ見られなくなりますが)。今年の内容はこの魚拓からどうぞ。

もともと、同日の重力波サイエンスカフェに申しこんだら、「梶田先生も講演されますよ」と市役所からのメールの返事に書いてあり、それはラッキーと申しこみました。今年の冬は雪が多く、飛騨市であった講演を大雪で逃していたのです。サイエンスカフェについてはその2で書きます。

講演内容は下の2つのビデオと似てます。ただ神岡は地元なので思い出話が多かったです。残念だったのは、恩師である故・戸塚先生の話を梶田先生が3分ほど触れたときに、隣のおばあちゃんのケータイが鳴り出したことで。全部聞きそびれました。すっごい残念。梶田先生は今どんな風に思い出を振り返っているのかなというのは知りたかったのですが。

一般の観衆は2階にいたのですが年配の方も多く、地元住民の研究への興味を感じました。

わたしの聞いた講演では小柴先生の業績についても時間を割いていました。1983年、実験が始まって数ヶ月後、小柴先生が「太陽ニュートリノをやろう」と言い出したそうです。それでカミオカンデIIに改造、タンクの底などにもぐり、泥だらけになって検出器に変えたそうです。作業中の写真もありました。1987年1月からデータ取得を始め、2月23日に大マゼラン星雲で超新星爆発がありました。当時は情報や起こるというシミュレーションはできませんでした。下でご紹介する本に当時の生々しい話があります。

ご紹介する2本のビデオでは昔話は少ないです。上のビデオは東大(40分)、下は京大(1時間)のオフィシャルなもので、東大のはいろんな関連動画にリンクが貼ってあります。神岡の講演では重力波に触れている時間がなかったそうです。

上のビデオの静止画はカミオカンデ建設メンバーですが、スーパーカミオカンデ(この後SKと略します)になると30人くらいになり、研究者は10ヶ国160人になりました。先生がニュートリノ振動の発表をしたときの話で、中高生にOHPでの発表を(もちろん今はもうないですよね)説明するのにちょっと苦労されていたかな。「フィルムに手書きで」とか。その発表について翌日にクリントン大統領がスピーチで触れてくれたのはとても嬉しかったそうです。余談ですが日本ではもう分かったんだからと予算を減らされる瀬戸際になったと関係者のツイートで読んだこともあります。

過去の超新星爆発で出たニュートリノをつかまえる(1世紀の間に多くて3回と言われている)ことを10年くらい開発・検討しているそうです。SKで超新星爆発ニュートリノをつかまえたシミュレーションを見せてもらいましたが、これでも暗くしてるんですとおっしゃってましたけどダイヤモンドダストみたいに(青いけど)キラキラ光っていました。実験は再来年くらいから開始するそうです。その施設は、まだ予算がきちんと通っていないと聞いた気がするけど、SKよりさらに大きいハイパーカミオカンデ(リンク)です。いろいろテーマがあって、下のビデオで一番最後に出ている光は、是非起こってほしい陽子崩壊でしょう。

あと、SK-Gd(スーパーカミオカンデに微量のガドリニウムを入れて感度を上げる)の話もされていたような(SKのHPへのリンク)。

Q&Aの時間。

前からこのようなところに出てくると、若くて勉強している子に圧倒されます。塾には全国から来てました。意外と飛騨からが少ないらしいです。

一番驚いた質問はこれでした。

Q. (その2日前に発表&報道された)ニュートリノCP対称性の破れ(研究所へのリンク)は、95%の確率で確かだということでしたが、実際はどれ位の確率が必要ですか?

(CP対称性の破れについては、東大発のビデオラスト5分で分かりやすく説明しています)

A. 研究者的には99.999%です。SKでは小さすぎるので、その10倍くらいの装置で10年くらい研究が必要です。今若い人が頑張ってます。

その他数個挙げると(メモが正確でないかもしれません)、

Q. 陽子崩壊とニュートリノのパターンはどう違いますか?

A. 陽子崩壊はもともと水の中に陽子があるから、左右に分かれます。ニュートリノは外から来ます。

Q. ノーベル賞を取って何が変わりましたか?

A. そういうことを考えている暇がなくなりました。

この辺は一般の方の質問だったと思います。

Q. ニュートリノの応用にはどのようなものがありますか?

A. 東北大Kamland、地中のコアなどから来るニュートリノを観測しています。地球がどのように作られたか、地熱の起源などを研究しています。

Q. 純水について

A. 鉱山の中の流水を純水にする装置を通して入れています(フィルター、イオン交換)。わたしは飲んだことがありません。

(わたしもこの質問は研究者さんにしたことがありました。下でご紹介する戸塚先生&梶田先生の本で、戸塚先生は「鉱山のわき水は綺麗だし美味しかった」というようなことを書いています)

そういうわけで、先生はいつもそう言っているようですが、「この中から数人は是非研究者に」と締めくくりました。

図書館の1階に降りようとしてエレベーターに乗ったら、市職員と一緒にこの方が。同じく乗り合わせたおばちゃんたちと「何していいか分かりませんねこういうときー」と言ってました。ちと緊張した。で、これです。

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最後に参考書。もとは1995年出版で、カミオカンデからSK建設までの裏話が色々あってお好きな人には楽しい本。近く改めてレビューしますが、梶田先生の授賞で、昔梶田先生が岩波『科学』に書いた文章を増補して去年出版されました。戸塚先生のユーモラスだったりちょっと豪快な性格なのかな?という人柄が文章にさりげなく出ていて文章も読ませるし笑わせもしてくれます。

(2017/08/21 21:31追記:昨日のJ-PARCの一般公開で、GSAに続いてこれが売ってたらしいです。SKと一緒に研究してるので出店してたのですね)

(2017/08/29 22:33追記:続き書きました)

夏、神岡へ(2)――重力波サイエンスカフェに梶田先生現る(2017/08/06)。

 

『重力波とはなにか』(ブルーバックス)読了&スーパーカミオカンデ一般公開(2017/09/04より申し込み受付)。

ヨシダヒロコです。

6日日曜の神岡にはなんとか行ってきました。まだ虚脱感がありますけど。宙ドーム辺りで見たいものがあったのですが、会場の図書館に着いて梶田先生の講演は誰に話をすれば?などでうだうだしている間に機会を逃しました。飛騨アカデミーがやっている中高生向け『夢のたまご塾』の一環で梶田先生の講義を後ろのほうで聞かせてもらい、その後飛騨サイエンスカフェ(重力波)でした。

この本はサイエンスカフェの予習として読んだものです(普段予習はしないですけど)。前日はすごく暑くて家の冷房が効かず、読み終わるのギリギリでした。

くしくも読んでいる途中にAdvanced Virgo(ヴィルゴと読むそうです)、イタリア・ピサにある重力波望遠鏡が改良して運転を始め、Twitterでお祝いのメッセージをもらっていました。LIGO(ライゴ)もKAGRAも、協力した方がよいデータが得られるので一緒に会議など開いていると読みました。

 

著者の安東さんは東大理学部物理学専攻准教授で、重力波研究30年。KAGRAはじめ、国際的にもいろいろ関わっている方です。

本を読んで、一番印象的だったのはラストに将来の重力波研究の姿が予想されており、とても楽しみなことと思いました。こういう概説書で出版が新しいものはあまりなかったのですが、コンパクトにいろんなことを知ることができます。物理は苦手、という方には、重力波研究の歴史とか面白いかもしれません。LIGOが箝口令を敷いたりして結果発表に慎重だったのには、それなりの訳があるのです。難しい式が一応見せるためだけに出てきて、「分からなくていいです」と書いてあります。各施設の仕組みや大きさも表にしてあるし説明もしてあるし、それにブラックホールって不思議な天体ですね。

もっと知りたい人には、巻末に参考文献がどっさりあります。

つぎの宇宙系の本はこれです。

神岡に行った話はまた今度。

もう1つ、スーパーカミオカンデ一般公開は今年もGSA(ジオスペースアドベンチャー)に続いて秋にも行うようです。今日の午前に発表されたのですが、見学は11月4日で9月4日から受付開始です。近くなったらまた書きます。

SK2017

夏~初秋の重力波関連イベント、サイエンスカフェ&梶田先生講演会、KAGRA見学会2017(2017/08/06、2017/09/17)。

ヨシダヒロコです。

こちらは梅雨明けもせず変な天気ですが、いかがお過ごしでしょうか。

飛騨市はファンクラブを募ってみたり、ふるさと納税が何か美味しそうだったり攻めていますね。無料のファンクラブには申しこんだので、今デザインの投票中の会員証がどんなのになるか楽しみです。

フォローしている研究者の方がリツイートした飛騨市のお知らせと宇宙線研究所のツイートから芋づる式に分かったのですが、8/6に13:30~神岡町公民館で梶田先生講演会、その後に神岡町図書館(公民館の向かい)で15:30~KAGRA研究者さんたちが揃ってのサイエンスカフェがあります。5時で終わるのであまり遠方からでなければ何とか帰れますかね。サイエンスカフェは飛騨市役所に申し込みです。何回も書いてますが、高山線で来ると結構面倒です。

申しこんだら市の職員の方に「梶田先生の講演会もありますよ」と言われ、なのにどこにも告知がないんですよ。一応書いておきます。この日に先生は子供向けの講演で神岡にはいらっしゃるようです。

KAGRA_sciencecafe

サイエンスカフェのゲストは、科学ジャーナリストの尾関章さん、宇宙線研究所の大橋正健教授、三代木伸二准教授、宮川治助教、苔山圭以子特任助教の5人の方です。なかなかここまで揃いませんよ、と飛騨市の担当者さんがメールで書いてました。

チラシのpdfはこちらです。上はスクリーンショット。

290806_Science Cafe

梶田先生講演会は申し込みできたんですよね?と窓口が違うらしいので市役所に確認しています。今年の冬に、講演会を大雪で諦めた経緯があるので今度は暑さを何とかして行けたらいいな。今月のジオスペースアドベンチャーの展示も結局暑くて諦めたので。

KAGRA一般公開はもうないのかなと思っていましたが、稼働直前にまだあるようです。前は5便まであった気がするのに今度は第3便までしかないので、狭き門でしょうね。あと、「実験に備えて清浄になっているので、中央実験室には入れません」と書いてあるので、去年より入れる場所が限られるのかも。

再来月KEKにもし行けたらよい誕生日プレゼントだと思っていましたが、これに当たったらもう言うことないです。去年一度見たので落ちても贅沢は言いません。

KAGRA2017_visiting

きっと、できたてほやほやのKAGRA模型がGSAに続いて出てくるのかな?一般公開は限定ものを売ったり、ミニイベントがあったりしてお祭りみたいでした。こちらは来週ダメ元で応募します。

こちらがチラシpdfで、上がスクリーンショット。

290917_KAGRA

ハードカバーの『重力波は歌う』が積ん読になっていたので、もっと基本に近いところから読むことにしてこれを注文しました。ブルーバックスには巨大ブラックホールの本もあり、そっちも注文しましたが、神岡に行くまでには間に合わなさそうです。

おまけで、国立天文台の重力波望遠鏡TAMA300(春に地中に埋まっている前まで行ったけど、普段見られない)と東海村のJ-PARC一般公開を見るツアーが飛騨から出ます。8月19、20日です。
魅力的ですが、近所の富山でも多分前後に1泊いりそう。

夏休みの物理・天文系イベント(一般公開など)と、おまけでNewtonライト創刊(2017/08/24、KEKポスター追加)。

ヨシダヒロコです。

2日前に37℃越え+フェーン現象がありまして、あまりにだるいのでOS-1飲んだら普通ならまずいはずなのにすごくおいしくて。まだゆるゆる運転です。

それでもGSA(ジオスペースアドベンチャー)の日程は迫っているので書いておきます。

  • 東京大学宇宙線研究所附属神岡宇宙素粒子研究施設

まず、わたしがよく言及している宇宙線研究所神岡研究施設の一部が見られるGSAが今週末に迫りました。スーパーカミオカンデと東北大カムランドの見学ができる年に一度のチャンスで、すごい倍率です。

今年初めて応募して見事落ちましたが(去年のGSAではない公開でKAGRAとスーパーカミオカンデには別個に行きました)、当選しなかった人にもイベントがありますよ。

GSA準備中。ボランティアベースらしいです。

日中はまだ行けるか分からないですが、夜の講演行きたかったなあ……公共交通機関でも1時間で近いんですが、この時間だと帰れないから泊まりで、それだと無理そうなので。

GSA2017体験型展示・イベントのご案内  魚拓

KAGRAの模型いいですね。遠いJ-PARC(コラボしている)から来てもらえるのもありがたいですが。

それに、ここ数日出ているのが『君の名は』関係で、GSAにもボランティアで出るという飛騨市長も言及。

それと、非公式KAGRA Twitterアカウント「かぐらららー」(@KAGRAGW)ができました。非公式だったはずが公式になっていた宇宙線研究所アカウント(@ICRRpr)もあります。かぐらららーが面白い音楽&重力波コラボアカペラYouTubeをツイートしていたのでそこから探したら、わたしの好きなFoster the Peopleの曲でも面白いアカペラやってました。この曲が流行った2012年以来、今年サマソニに来るそうです。でもブラックホール関係の用語はまだ発展途上です。

Chirpはそのまま訳すと「さえずり」ですが、これで作った曲も「かぐらららー」は紹介してました。

  • KEK (高エネルギー加速器研究機構)

つくばキャンパスと東海村J-PARCの2ヶ所あると知りませんでした。

デイリーポータルZで取り上げられて大反響でした。理屈が分からなかったとしても、電気工作とかメカ的なものが好きな人にはアピールしそうな写真が沢山です。

素粒子物理をうまいことたとえる

「素粒子物理学をうまいことたとえる」by デイリーポータルZ – Togetterまとめ 

一般公開は9/3。見に行けないか機会は狙ってます。Twitterでフォローしてくださった研究者さんにお誘いを受け、「院試があるので」と言ったんですが物理の試験&テーマに関係あるのでイメージが湧くかとも思いまして。体調とお財布次第です。

先日まで好評のうちに終わったBelle II実験の高校生キャンプへのクラウドファンディング、Tシャツ目当てもあって申しこみました。再来年また募ってお金集まるか心配されてましたが、高校生には本当にいい経験だと思いますので、また募金集まるといいですね。このキャンプに来た高校生が院生になって入ってきたという話もあったそうですから。

 academist – 素粒子実験の未来を担う研究者を育てたい! 魚拓

7月のサイエンスカフェは以下の通り。サイエンスカフェはできる限り行っていて(今の所隣県まで)、最近も非常に北陸ではレアなもの(ライフサイエンス系、時間かかりますがまとめます)に行ってきました。
研究者さんなどのゲストが少人数の近い距離でいろいろ質問に答えてくれます。出張版もあるらしい。最近富山高専に来たようで、いいなーとうらやましかったです。

(2017/08/24:遅くなりましたがKEKのポスター追加します。行くのが無理になって残念…)

KEK2017

  • J-PARC  (大強度陽子陽子加速器施設)

こちらも8/20に一般公開あります。7/28にサイエンスカフェも。

特設ページ。できたばかりで随時更新。 魚拓

公開は8/26です。ここも遠くはないんですがね。いつの間にか「長野県は宇宙県」になったんですね。 特別講演はネット中継だそうです。当日はシャトルバスが出るから駅から楽と春に東京で聞きました。

野辺山特別公開2017 魚拓

  • 国立天文台

こまこまイベントやってるみたいです。FBで特にアルマ望遠鏡の研究成果が多すぎて読み切れません。

ところで最近のJAXAの話ですが、はやぶさ2の会見全部見たかったなー。先日式が分からないと思いながら放送大の力学の授業を見ていたら(はやぶさ登場)、スイングバイなどを除けば力学の法則で説明できると先生が言ってて、えーーー!となりました。もっと複雑なんだと思っていました。

  • 寄付とNewtonライト

毎度ですが、宇宙線研究所若手支援基金 不安定な若手の雇用を支えるためです。

梶田先生のこの連載も話題になりました。その2のタイトルが「若い研究者の待遇は、あまりにひどい」です。あとお二方は、根岸カップリングでノーベル化学賞の根岸先生と、青色LEDでノーベル物理学賞の天野先生です。

日本の科学とイノベーション、再生への道筋
“間違い”の原因を自分の目で知りたいと思った ニュートリノ振動でノーベル物理学賞の梶田隆章氏に聞く(第1回)
魚拓 P1  P2  P3

若い研究者の待遇は、あまりにひどい  ニュートリノ振動でノーベル物理学賞の梶田隆章氏に聞く(第2回)

魚拓 P1  P2  P3  P4

研究者の頭脳と時間を、違うことに使いすぎている    ニュートリノ振動でノーベル物理学賞の梶田隆章氏に聞く(最終回)

魚拓  P1  P2  P3  P4

これから東北が誘致しようとしている国際的な加速器です。どの研究施設も予算は大変なはずなので。寄付すると確定申告の時に免除対象になります。

河北新報 <ILC>誘致へ「勝負の年」東北推進協総会  魚拓

国際リニアコライダー(ILC)加速器開発  (KEKのサイト)

(動画は日本語字幕あり)

最後になりますが科学雑誌Newtonにミニ版ができるそうです。Newtonライトと呼ばれお値段も安い。第1弾は統計だそうです。

JTFセミナー東京道中(セミナー以外)(2017/05/20~23)。

ヨシダヒロコです。

JTF翻訳品質セミナーに出席しに急に暑くなった東京まで行って、帰るくらいに調子をおかしくし、しばらくひどい風邪を引いていました。まだ喉が苦しいことがあります。病院行くと「風邪の人が多いです」とお医者が言っていたし、また気温の上下ありそうなのでみなさま気をつけて。

20日の夜行バスで東京に出て、朝の東京駅で探しておいたおそば食べました。ただ日曜だから八重洲の地下はお店のオープンも遅く、がらんとしてました。で、八重洲とは日本に住んでたオランダ人の名前から来た、というのが壁に貼ってあって驚きました。

宿に荷物放り込んで、高校時代に一緒の部だった友達と英国自然史博物館展へ。わたしの障害者手帳がかつてなく役に立ってしまって、すごい混んでいるのに「こちらへ!」みたいに並ばず入れてもらえ、申し訳なかったです。身体障害でないとはいえ、あの混雑の中見て歩くだけでバテましたけどね。

この博物館は昔ロンドンに1人で旅して気に入った場所でした。1人だったので、あと博物館を見たかったので治安のいい近場に泊まって、歩いて色々回りました。自然史博物館は長居できそうなゆったりした場所でしたが、上野はさすがに人が多くて。大英博物館から分かれたのを今更知りました。日英同盟の前に日本に研究・採集しに来ていた研究者(女性も)がいたのは驚きました。

今回見て新しかったのは、古代の動物、絶滅した動物をCGで生き返らせることでした。良くできてました。発生生物学の展示も別にあって見たかったのですが、午後の予定があったのでスペインご飯(前に科博行ったときもここになったのでしたが)。

友達は4年ほど会ってなかったので、ずっと手を振って駅で見送ってくれました。

下の写真は、昔の(20年前)自然史博物館パンフと、今回の展示を教えたら先に行ってきたお友だちがくれたお土産。CG見たら可愛らしくなってきたので、作らなきゃ。

そして向かったのが三鷹。放送大学の天文サークルがあるのですけど(顧問が天文台の先生らしい)、入会はまだだけど東京行くんですが一度行っていいですか、と言ったら集まりを設定してくれました。三鷹からバスで20分で国立天文台(「天文台前」)。とても広々とした敷地で、昔東京の真ん中(麻布だっけ?)から移ってきたそうですが、子供の時以来見たことないと思うような大きさの野っ原があり、ヘビイチゴ?が生えており、竹の子は職員の方が切っても切っても出てくるそうです。日本で最初の重力波望遠鏡になるのかな、TAMA300が地中に埋まっている辺りにも行きました。

文化財的な価値があるもの(古いもの)が沢山あって、太陽黒点を観察する望遠鏡をたまたま見ることができました。壁なども百葉箱の風雨に曝されたような感じで。話題ものどかだったしいいハイキングでした。入って守衛さんに名前など言えば誰でも入れます。4次元デジタルプロジェクトは予約制です。

http://4d2u.nao.ac.jp/

そして、東京駅に戻ってKITTEへ。去年よく見られなかったインターメディアテク。スーパーカミオカンデの超新星爆発ニュートリノ観測から30周年ということで、中畑先生の書いたノートと、それを観測した部品が飾ってありました。正確にはここに恐竜はいないけど、さっきの自然史博物館にもひけを取らないような大小の骨格標本、昆虫標本がかなりあり、生き物好きな人や子供には受けるかもなと思いました。

ほんとはミュシャ展とか見たかったんですが、ヒトを見に行くのはもういいと思い、帰ってのんびりしてました。

2日目、途中でくじけた結果になりましたが東工大すずかけ台キャンパスに向かいました。田園都市線で渋谷から1本。昔は駅を降りたら何もなくて、すぐに大学があったものでしたが(少しですがこっちで講義があったのです)予想通りすっかり住宅地になっていて、しかも町田市が隣接していてよく分からなくなり、ノーベル賞受賞者おふたりの(白川先生も)メダルのレプリカ自体は「1年くらい展示してますよ」と、電話したらこのなかに博物館があるらしいすずかけ台図書館の方がいうので、今回は諦めることにしました。

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この後風邪の前哨戦が起こったらしく調子が悪くなり、どうにかして夜のバスで帰りました。本屋さんとか見たかったので消化不良ではあります。次回セミナーの話を書きます。

スーパーカミオカンデ(東大)、カムランド(東北大)が見られるジオスペースアドベンチャー申し込みは20日まで(2017/05/08~2017/05/20)。

ヨシダヒロコです。

ジオスペースアドベンチャーことGSAの抽選申し込みが行われています。わたしはしばらく考えて、もう申しこみました。下の画像にもありますが、開催は7/15、16です。

http://gsa-hida.jp/

 

 

GSA

今回行けたら、ガッタンゴーに乗りたいです。

http://rail-mtb.com/