夏、神岡へ(1)――中高生向け「夢のたまご塾」飛騨アカデミーセミナーの梶田先生講演聴講(2017/08/06)。

ヨシダヒロコです。

この1ヶ月前にiPS細胞の講演やサイエンスカフェに参加しているのですが、どこまで書いていいか許可を取ったりすることも含めもう少しお待ちください。

2017-08-06 13_Fotor

宇宙線研究所の神岡でのイベントは、飛騨アカデミー(リンク)や市役所の方々(地域振興課とか)に協力してもらってます。飛騨アカデミーはGSA(ジオスペースアドベンチャー)も仕切ってますし。その飛騨アカデミーは、夏に中高生向けの科学合宿セミナーのような催しを行っており、小柴先生が名誉総長だそうです(アカデミーHPより)。参加すると神岡のいろんな施設を見せてもらえます(いつまで見せてもらえるか分かりませんが、今年はKAGRAもあったのかな?もうすぐ見られなくなりますが)。今年の内容はこの魚拓からどうぞ。

もともと、同日の重力波サイエンスカフェに申しこんだら、「梶田先生も講演されますよ」と市役所からのメールの返事に書いてあり、それはラッキーと申しこみました。今年の冬は雪が多く、飛騨市であった講演を大雪で逃していたのです。サイエンスカフェについてはその2で書きます。

講演内容は下の2つのビデオと似てます。ただ神岡は地元なので思い出話が多かったです。残念だったのは、恩師である故・戸塚先生の話を梶田先生が3分ほど触れたときに、隣のおばあちゃんのケータイが鳴り出したことで。全部聞きそびれました。すっごい残念。梶田先生は今どんな風に思い出を振り返っているのかなというのは知りたかったのですが。

一般の観衆は2階にいたのですが年配の方も多く、地元住民の研究への興味を感じました。

わたしの聞いた講演では小柴先生の業績についても時間を割いていました。1983年、実験が始まって数ヶ月後、小柴先生が「太陽ニュートリノをやろう」と言い出したそうです。それでカミオカンデIIに改造、タンクの底などにもぐり、泥だらけになって検出器に変えたそうです。作業中の写真もありました。1987年1月からデータ取得を始め、2月23日に大マゼラン星雲で超新星爆発がありました。当時は情報や起こるというシミュレーションはできませんでした。下でご紹介する本に当時の生々しい話があります。

ご紹介する2本のビデオでは昔話は少ないです。上のビデオは東大(40分)、下は京大(1時間)のオフィシャルなもので、東大のはいろんな関連動画にリンクが貼ってあります。神岡の講演では重力波に触れている時間がなかったそうです。

上のビデオの静止画はカミオカンデ建設メンバーですが、スーパーカミオカンデ(この後SKと略します)になると30人くらいになり、研究者は10ヶ国160人になりました。先生がニュートリノ振動の発表をしたときの話で、中高生にOHPでの発表を(もちろん今はもうないですよね)説明するのにちょっと苦労されていたかな。「フィルムに手書きで」とか。その発表について翌日にクリントン大統領がスピーチで触れてくれたのはとても嬉しかったそうです。余談ですが日本ではもう分かったんだからと予算を減らされる瀬戸際になったと関係者のツイートで読んだこともあります。

過去の超新星爆発で出たニュートリノをつかまえる(1世紀の間に多くて3回と言われている)ことを10年くらい開発・検討しているそうです。SKで超新星爆発ニュートリノをつかまえたシミュレーションを見せてもらいましたが、これでも暗くしてるんですとおっしゃってましたけどダイヤモンドダストみたいに(青いけど)キラキラ光っていました。実験は再来年くらいから開始するそうです。その施設は、まだ予算がきちんと通っていないと聞いた気がするけど、SKよりさらに大きいハイパーカミオカンデ(リンク)です。いろいろテーマがあって、下のビデオで一番最後に出ている光は、是非起こってほしい陽子崩壊でしょう。

あと、SK-Gd(スーパーカミオカンデに微量のガドリニウムを入れて感度を上げる)の話もされていたような(SKのHPへのリンク)。

Q&Aの時間。

前からこのようなところに出てくると、若くて勉強している子に圧倒されます。塾には全国から来てました。意外と飛騨からが少ないらしいです。

一番驚いた質問はこれでした。

Q. (その2日前に発表&報道された)ニュートリノCP対称性の破れ(研究所へのリンク)は、95%の確率で確かだということでしたが、実際はどれ位の確率が必要ですか?

(CP対称性の破れについては、東大発のビデオラスト5分で分かりやすく説明しています)

A. 研究者的には99.999%です。SKでは小さすぎるので、その10倍くらいの装置で10年くらい研究が必要です。今若い人が頑張ってます。

その他数個挙げると(メモが正確でないかもしれません)、

Q. 陽子崩壊とニュートリノのパターンはどう違いますか?

A. 陽子崩壊はもともと水の中に陽子があるから、左右に分かれます。ニュートリノは外から来ます。

Q. ノーベル賞を取って何が変わりましたか?

A. そういうことを考えている暇がなくなりました。

この辺は一般の方の質問だったと思います。

Q. ニュートリノの応用にはどのようなものがありますか?

A. 東北大Kamland、地中のコアなどから来るニュートリノを観測しています。地球がどのように作られたか、地熱の起源などを研究しています。

Q. 純水について

A. 鉱山の中の流水を純水にする装置を通して入れています(フィルター、イオン交換)。わたしは飲んだことがありません。

(わたしもこの質問は研究者さんにしたことがありました。下でご紹介する戸塚先生&梶田先生の本で、戸塚先生は「鉱山のわき水は綺麗だし美味しかった」というようなことを書いています)

そういうわけで、先生はいつもそう言っているようですが、「この中から数人は是非研究者に」と締めくくりました。

図書館の1階に降りようとしてエレベーターに乗ったら、市職員と一緒にこの方が。同じく乗り合わせたおばちゃんたちと「何していいか分かりませんねこういうときー」と言ってました。ちと緊張した。で、これです。

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最後に参考書。もとは1995年出版で、カミオカンデからSK建設までの裏話が色々あってお好きな人には楽しい本。近く改めてレビューしますが、梶田先生の授賞で、昔梶田先生が岩波『科学』に書いた文章を増補して去年出版されました。戸塚先生のユーモラスだったりちょっと豪快な性格なのかな?という人柄が文章にさりげなく出ていて文章も読ませるし笑わせもしてくれます。

(2017/08/21 21:31追記:昨日のJ-PARCの一般公開で、GSAに続いてこれが売ってたらしいです。SKと一緒に研究してるので出店してたのですね)

(2017/08/29 22:33追記:続き書きました)

夏、神岡へ(2)――重力波サイエンスカフェに梶田先生現る(2017/08/06)。

 

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