翻訳ミステリーシンジケート第9回金沢読書会『パンドラの少女』(2016/09/03)。

ヨシダヒロコです。

ちょうど1ヶ月前になりますが、幹事の北田さんに「ゾンビのディストピアもの(懇親会で聞いたのですが、版元はゾンビものとは言ってない)」と聞いてどんなのか気になってました。本は手に入れたのですがなかなか開始できず、かなりのページターナーだったのでなんとか会場到着までには読み終えました。

会場は前にも使った玉川子ども図書館。内装がおしゃれです。昨日10月2日に終わったけど、ボローニャの絵本展などもやっていたのですね。急いでいて蔵書をゆっくり見たことがないのですが、週末で家族連れが多かったです。上の階に話し合いに使える部屋やフリースペースがあります。周囲には木が植わっていてレンガ造りの建物があったり、水がめぐっていたりして雰囲気のいい場所です(住んでいた頃には行かなかった場所)。

わたしは電車の便都合で少し遅れ、1人明後日の方向に自転車で行ってしまった人がいたため開始が遅れましたが、参加者13人。隣の富山からはわたしを入れて2人、東京から1人、引っ越してきたばかりの方が1人でしたっけ。

パンドラの少女

パンドラの少女

  • 作者:M・R・ケアリー
  • 出版社:東京創元社
  • 発売日: 2016-04-28

会場で頂いた資料によると、著者M・R・ケアリーはイギリス、リパプール生まれ、オックスフォード大卒で英語学専攻、教師の後、マーベルなどでアメコミ原作を執筆。『X-メン』、『アルティメット・ファンタスティック・フォー』などを手がけました。2004年デビュー、2009年までに5作。最新作は8月に出た”Fellside”でホラー小説です。

この『パンドラの少女』(The Girl With All The Gifts, 2014)は、アーサー・C・クラーク賞とジェイムズ・ハーバート・ホラー賞最終候補作、原題は「あらゆる贈り物を受け取った娘」。元々はエドガー賞ノミネートの短編です。2015年アーサー・C・クラーク賞は、去年の読書会で読んだ『ステーション・イレブン』が受賞しました。

映画情報含めて、原書の版元のリンク(英語)。3月31日の記事に著者近影が。あと装丁が素敵です。

http://www.orbitbooks.net/tag/the-girl-with-all-the-gifts/

日本の版元。

http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488010546

翻訳は茂木健さんですが、今回初めて幹事さんとまったくつながりがなく、コメントなどはありませんでした。

自己紹介の時に、ゾンビに詳しい方がいるのを知りました。まえにもお会いしていたけど、そっちにも詳しいとは知らなかったです。なのでその方による「ゾンビとは」コーナーがありました。飲み会の時に聞き直しておいたので少し書いておきます。ゾンビの○○問題ってもっと話しておられた気がしますが。

まず、最初ゾンビは走らなかった。映画で走ったのは『28日後』(2002年)、『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)、あとバイオ・ハザード。それまではノロノロ動くだけでした。歴史についてはこんな感じでしょうか。http://mamono.net/zombie_about/

  1. 排泄問題(よく食べるけどそれに触れてはならない)
  2. ゾンビ映画で襲われる人はゾンビ映画を観たことがない(ゾンビだと分からない)問題
  3. 脳を破壊すると死ぬのだけど、襲われた人はなぜかそれを知っている
  4. 一体体が硬いの柔らかいの?死後硬直とか
  5. 結局、細かいことは気にしない

3の後半はちょっと自信がありません。ネットで裏取りできなくて。

最近は来てませんがバイオの翻訳を去年からやっているし、「理系の人はどう思うのか」とメールで振られていたのでその辺を答えました。わたしはゾンビには詳しくないけど、キングのホラーを沢山読んでいたことがあって、(設定とかは)深く考えないんだろうなと予想はしてました。

筋を簡単に言うと、未来のイギリスにて人類が奇病(きのこ類による寄生)で「大崩壊」という大損害を受け(2016/10/04 16:03:表現がおかしいので校正)、まだ冒されていない人類、《飢えた奴ら(ハングリーズ)》つまりゾンビ、《廃品漁り(ジャンカーズ)》(これはなんだかよく分からない集団)がいました。その他に、研究施設で授業受けていたりする子供たちがいるのですが、その中で一番賢い女の子がメラニー。でもその子供たちが研究されているのは普通ではないからです。授業する先生、見張る軍人たち、女性研究者などが出てきますが、施設の生活はある日いきなり終わり、新しい展開があります。

すごく先を読ませるんですが、わたしにとっては「この設定は(生物学的にetc.)ありなの?」と自問し続け、最終的に「なんか理屈っぽすぎるなあ」と思いました。ページが進むことではみんな一致していましたが、面白かったかというと意見が分かれ、ユニークな意見としては飲み会で聞いたんですが「きのこが菌糸でできていると知ってからダメになって」と。他に、「アメコミ書いていた人と聞いたら納得できるような」というような意見も。映像映えするというか。豆知識ですが、作中の車「ロザリンド・フランクリン」号の人名を調べてみてください。興味深い人です。

他にホラー的な死者が帰ってくる話をしていたんですが、ある人が「そう言えばキリストは復活するね。文化としてあるんだ」と。日本にも幽霊話はあって、ちくま文庫から出ている金沢出身・犀星の怪奇童話があります。犀星資料館に1作あって、切ない話でしたし本も欲しく思っています。

室生犀星集 童子―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

室生犀星集 童子―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

  • 作者:室生 犀星
  • 出版社:筑摩書房
  • 発売日: 2008-09-10

映画化の話はもうあって、メラニーとジャスティノー(先生)が原作では白人、黒人だったのだけど入れ替わっています。ラストの方がどう映像化されるのかな。原作ではメラニーが「パンドラの箱」を開いたパンドラなどギリシャ神話を好んで読むところがあります。映画は先月の23日にイギリスで公開されたばかりで、これを書くために検索してたらAmazon.com(2016/10/04 16:05追記:洋書だと追記)で洋書が売り切れていました。メラニー役は新人のセニア・ナニュア、ジャスティノーはジェマ・アータートン、コールドウェルはグレン・グローズ、パークスはパディ・コンシダイン、ギャラガーは扱いが小さかったそうです。映画の情報はところどころ頂いた資料を参考にしました。

話のあとは、いつも幹事さんが見つけておいてくれるどこかレトロなお茶屋に入って飲み会までしゃべり、飲み会ではゾンビやSFの区分やBabymetalはありか?とか話してました。お店は第1回と同じなのですが、気がつけばこの集まりも第9回で、同じメンツは3人かそこらだったりします。個人的には、自分の仕事は説明が難しいのですが聞かれて余計に説明しすぎたかな、と反省しています。普段人と合って口をきかないので。食べ物の写真は撮りそびれました。刺身が綺麗で撮りたかったです。

次は冬だと思いますが、何が来るのか楽しみにしています。

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