ヨシダヒロコです。
震災関連番組はたくさんは見てこなかったのですが、見だしたのはたしか1月頃からだったと思います。5分1分、60分その他のバージョンがあるようです。淡々としたドキュメンタリーで、そういうのを作れる日本の番組はNスペなど大御所以外のNHK、民放ではBSにあると思いますが地上波にあったら教えて欲しいという感じです。
『明日へ』は被災者や支援者へのインタビューを主に作られており、例えばこんな話がありました。
http://www.nhk.or.jp/ashita/bangumi/archives/
1.震災後現地入りして演奏したピアニスト。「自分なんかが何の役に立てるのか」と思っていたけれど泣かれんばかりに喜ばれた。それで中古などのピアノを被災地に寄付する活動を始めた。そのおかげで、ピアノが津波に流された保育所などでもまたピアノが弾ける。お礼の手紙が来て、「ピアノのおかげで音大に入れました」
これは『あの日わたしは』という5分番組で、こんな感じ。
あの日 わたしは 〜証言記録 東日本大震災〜
宮城県仙台市 庄司美知子さん
宮城県仙台市のピアニストの庄司美知子さんは被災地にピアノを送る活動に取り組んでいる。庄司さんは震災翌月に演奏を依頼を受け、南三陸町の避難所を訪れた 時、「ピアノを弾きたい」という少女の言葉が気になっていた。その後「被災地へピアノをとどける会」を立ち上げ、全国から寄贈されたピアノなどを被災地に 送る活動を始めた。庄司さんたちが届けたピアノの数は400台以上を超え、庄司さんたちの元へは、ピアノを贈られた人々から、たくさんの手紙などが寄せら れている。
2.これはとても悲しい話。岩手県釜石市。津波での死者が多かったところかと。遺体がどんどん増え、収容する場所も焼く場所も足りなくなり、他県が火葬を引き受けてくれたり一時的に土葬したり。でも家族にとっては土葬は可哀想と掘り返した例が多かった。葬儀業者さんの話で、亡くなったのは小さい女の子、お父さんが「最後にお別れをしたい」といった。ただその業者さんによると亡くなった人を最後に覚えているのはお別れのとき。なので、遺体の状態から「見られない方が良い」とアドバイスした。この回だったと思うのですが、10歳くらいの男の子とその弟さんが写真に写っていて、弟さんが流されて行方不明になったそう。「弟を探してくれた消防士さんを見ていて、私も消防士になりたいと思いました。今年、消防士になりました」。これは下の「こころフォト」からの紹介かも。
3.福島県浪江町の、「ふくいち」冷却その他に直接関わった消防士さんたちのドキュメント。この話だけが貴重なのではないが、仕事上いるかもしれないので保存。どうも、こういうドキュメントは初めてか、かなり稀だったらしいです。
名前がちょっとださいですが、こころフォトなるものがあります。亡くなった方や行方不明の方の写真を集めています。
NHKでは東日本大震災で失われた一人一人の命の尊さを忘れないために、また、残された方たちがどう生きようとしているのか、被災地の「いま」をお伝えす るために、写真とメッセージを募集しています。写真だけでなく、心のこもったメッセージをお伝えしたいという思いを込めて「こころフォト」と名付けまし た。
http://www.nhk.or.jp/kokorophoto/index.html
『明日へ』はずっと放送していたと思うのですが、今までせいぜい放射線について勉強したり、被災地関連情報でおかしいことはおかしいといったりすることしかできず、この手の話には冷静になれなくて避けてきたところがあります。1月頃に、自然に「そうだ、見よう」と思えました。他には、もともと気になった番組をチェックしているEテレ『ハートネット』(生きづらさを抱えた人についての番組制作)も静かだけど胸に迫るものを作っています。
震災直後、「絆」という言葉が流行るというかなんというか、「災害ユートピア」という言葉までありましたが、よく分からない絆の強調は苦手でした。ドキュメントを見ている限り、被災地では全くそれどころではなかった。『花が咲く』でお手軽に感動して、みたいなことをTwitterで言っている人がいましたが、言いたいことは少し分かります。でも仙台出身の羽生選手がお友達の指田郁也さんの歌に乗せて踊ったのは素敵でした。この映像のロングバージョン(メイキング)に歌手も出てきます。
NHK 仙台放送局のHPがきれいです。映像とか特に見られませんが。
http://www.nhk.or.jp/sendai/hanasakuhanyu/
浅田真央選手が『ジュピター』(わたしが歌詞が苦手な平原綾香ではなく、聖歌のようなバージョン)で東北の専門学校生に衣装縫ってもらい、子供たちと滑ったのを今頃頃知りいいなーと思いました。関わった人にはいい思い出になるでしょう。わたしが見た10分番組では、メイキングを入れてお姉さんの舞さんがナレーションしてました。
最後に、医師による5年前の諸外国からの寄付でクウェートが突出していたというツイートまとめを引用します。クウェートが額ではダントツだったらしいです。医師が1人いればたくさんの人が助かりますしね。他に台湾の寄付金で何かできたと読んだ記憶が。大変な被害だったとはいえ、その他各国の支援もありがたいことです。
新設される東北医科薬科大学医学部の莫大な修学金はクウェートからの東日本大震災支援金だった
3月11日は静かに過ごします。
(2016/03/10 15:45追記:『明日へ』は追悼特集番組があります)
http://www.nhk.or.jp/ashita/311/
あとこんなのもありました。
(2016/03/10 14:21追記:福島市の方からツイート引用の許可を頂いたので貼ります。他に番組情報。オンデマンドで放送がある場合もあると思いますので是非)。
福島市に住んでいて「これは、事実に近いな。こういう番組こそ見てほしい」と思うような震災関連番組はBSとかEテレとか深夜に放送され、「なんじゃ、こりゃ」みたいな番組が地上波ゴールデンタイムに放送されたりって・・・。本日の感想です。
— あふらん (@pinwheel007) March 6, 2016
@chiruru こんにちは。ハートネットは見ていませんが「明日へ」はいい内容が多いと思っています。ずっと地道に取材してきた番組があるのですから、それを再構成して震災特集番組として放送すればいいのにと思います。
— あふらん (@pinwheel007) March 8, 2016
震災特集のハートネットで見たのはこれ。去年のナチスT4計画など、Nスペになった番組あります。Nスペ嫌いですけど。オンデマンドにはないので、代わりに番組の書き起こしがあります。他にも避難に関する番組あって、まだ見られていません。『明日へ』は震災の日当日、特別番組をするそうです。
シリーズ東日本大震災から5年 第3回 帰還、されど…―福島・障害者福祉は今―
BS1スペシャル「廃炉の記録~福島第一原発・放射能との闘い~」
廃炉が技術的にどう進んでいるか知りたい方にお薦め。NHKはNスペばかりでアーカイブ残していませんが、有志が複数Youtubeに上げています。
ETV特集「ホームタウン~福島県南相馬市小高区で会った人々~」
これから再放送があります。