サイエンスカフェとやま「2015年ノーベル物理学賞はこうして生まれた:ニュートリノ振動の発見」その2/3(TOYAMAキラリ、2016/01/15)。

ヨシダヒロコです。

その1から

今日は本題の前置きくらいに入ります。

その前に、中畑さんは以前(2014年)にもこのカフェのゲストで来られたのですが、その時の記事を見てみるとご本人によるYouTubeが出てきました。1999年と古いですが、貼っておきます。わたしは一昨年のカフェ、確か何か用事が重なって欠席したのでした。

サイエンスカフェとやま第12回「ニュートリノでお星さまの謎を解き明かす」(7/5)

サイエンス・チャンネル テクノ・ギャラリー (9)謎の素粒子「ニュートリノ」!

さて、カフェに戻って、こんな感じで説明する中畑さん。

2016-01-15 18.05.27.web

まずニュートリノとは何か?から始まりました。

パウリが1930年頃に予言し(この人化学にも出てきます)、45年にノーベル賞を受賞します。

β崩壊(原子核崩壊→原子が壊れると)

アインシュタインの有名な法則、E=mc2がほぼ確立し、この際にエネルギーが保存されていないので他の粒子があるのか?それはするする抜けていくような粒子?と言われていた(注:どこで知ったのか覚えていませんが、幽霊粒子とも言われているそうです)。

1950年代、ライネス(1995年ノーベル賞受賞)、コーワンがニュートリノを発見、ライネスは初期カミオカンデに関わりました。1956年にアメリカでニュートリノ測定器ができ、液体シンチレーターと光検出器からできていました。

1962年、また違うニュートリノの発見(ミューニュートリノ)。発見したシュタインバーガー、シュワルツ、レーダーマンは1988年ノーベル賞受賞。こう見ていくと、実験結果が出てからノーベル賞まで20年。

文科省の資料なども参考にすると、湯川先生の予言した中間子(後にπ中間子)が関わっており、陽子にπ中間子をぶつけて測定器で測定します。

参考:http://t2k-experiment.org/ja/neutrinos/sources-and-experiments/

素粒子とは?

水分子を分けていくと、水分子→原子(O2, H2)→原子核、原子→陽子、中性子→クォーク(アップ、ダウン他)

クォークはそれ以上分解できず(今のところ)、だから素粒子と呼ばれています。

素粒子の種類です。小難しいけど図で見た方が良いと思いまして、お借りしました。こんな感じのスライドが出ました。

名古屋大がアメリカとの研究で見つけたのはタウニュートリノで、反応したときに何が出てくるかで名前が決まっています。

素粒子と力

強い力―湯川

弱い力―中性子と陽子の間(重い粒子のやり取りがあるので力が弱い)

電磁気力

重力―素粒子とはあまり関係がない

クォークは2/3とか-1/3とか、変な電荷を持っています。

ニュートリノはνe, νμ, ντなどと書きます(2個目のギリシア文字は下付き、小さい)

  • 弱い力しか働かない
  • ものと反応しない
  • 地球を通り抜ける、反応しない

ニュートリノが飛んでくるのは、1)太陽や星、超新星、2)宇宙線(大気ニュートリノ)。梶田さんの研究は後者です。

太陽からのニュートリノは人の体を1秒に数百個、大気ニュートリノは1秒に10万個通り抜けています。ビッグバンの直後に沢山作られ、エネルギーの固まりから粒子が生まれます。粒子が生まれれば反粒子も生まれます。その当時のニュートリノが、1立方メートルに3億個くらいあり、とても身近な存在です。

アンケートと一緒に頂いたのがこのしおり。非常に貴重なので大事にします。

2016-01-15 17.47.59_web

その3に続く~次はいよいよカミオカンデのお話です。スライドいろいろ出ます。

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