『エピゲノムと生命』読了&『エピジェネティクス』へ。

ヨシダヒロコです。

お正月終わったと思ったら連休で、いつもより少し手のかかる(原稿から起こす)仕事が割り増しできてます。最近は夜に雑用片付けていて、例えば片付け・掃除など。思わぬものが出てきます。

それで、去年だったか一昨年からだったか読み始めたエピジェネティクス関連の本、2冊目終わりました。ブルーバックスだから安いし、コストパフォーマンスのいい本です。ただ、図はどうしても貧弱になってしまいますが。

もともとHONZで薦めていて(下記)、仲野先生の『エピジェネティクス』の前に読む本として2回読みました。1回読んでも分かりにくいところが多々あったのです。夏から秋は専門書を読むのお休みしていて、11月末から残りの半分を読みました。しつこく読んでいるとラスト半分は分かりやすいし速く進みました。とは言っても、いろんな制御因子とか用語の数々、忘れましたけど。DNAとかゲノム周りの話はとりあえず複雑で謎がいっぱい、でも何か役に立ちそう(もう立っていると思う)と分かりましたし、不思議で面白いです。

DNAの一部にちょろっと飾りが付いたりなんだりするだけで、出なくなってしまったり逆に出てきたりする性質があり、がんや精神病、メタボリックシンドロームなどなど病気にも関係あります。わたしが読んでいる理由の1つがそれです。最初は誰かが「この分野面白い」と言っていたことから始まりましたが、今はわたしもそう思います。エピゲノム薬というのもあるし、iPSやクローンにも関係あります。例の騒動の前に出た本で、若山教授の名もあります。記憶にも関わることがあり、「アルジャーノン」もたとえに出てきていました。

9章中7章辺りから、今までの基礎的解説を踏まえて実例が色々出てきて楽しいのですけど、1つ「?」と思ったのは虐待(ネグレクト)をするマウスを作ると子に連鎖するので、人間でもそうではないかという結論になっていること。これはエピジェネティックな変化です。もちろん著者は「人間は成長するまで時間がかかるので救済策はある」というようなことを書いていますが、虐待についてはマウスの例がそのまま行くほど簡単な話ではないのでは(一例を挙げると、自分で気がついて役所に助けを求めるお母さんの話を福祉番組で見ました)という気もします。

『エピジェネティクス』は1章読んだところで、今のところ、今まで読んだ本の貯金もあるかもしれないのですがとても明快です。ただ、2章からいきなり難しくなるそう。

仲野先生はマスコミの人などにエピジェネティクスを説明するも、「難しいですねえ」と言われてしまい、「何か分かりやすい本ないか。なら自分が書こう」と。岩波文庫なので完全に文章だけで、これだけ読むと図がなくてイメージしづらいかもですが、文章が分かりやすいので期待できます。この先生は科学史というか、科学者などの伝記物が好物で、HONZでいつの間に「ミイラ取り」に回り、大村先生の伝記も受賞時にとっくに紹介済み(リンク)でした。

大阪弁でほんわかしたツイートしていらっしゃいます。Amazonレビューでは「高校生物の知識は必要」とあり、同意します。ついでですが、仲野先生は星占い師・ライターでファンが多い石井ゆかりさんとまで対談してます。「闇鍋インタビュー」ってのがあって、相手を何も知らずに会いに行くという。面白かったです。

本の前書きにあったのですが、「『エピジェネティックな特性とは、DNAの塩基配列の変化をともなわずに、染色体における変化によって生じる、安定的に受け継がれうる表現型である』などと、いきなり言われても、専門としないほとんどの人には何のことか分からないだろう。しかし、エピジェネティクスは、われわれの体の発生や成り立ちといった生命現象の根源的な現象に深く関与している」だそうです。

著者によると読み飛ばしてくれてもいいらしいですが、わたしは苦手意識があったし難しい分野と思ったので、この順で読みました。HONZで薦められていました。一番上の入門書を読んでいるうちに『エピジェネティクス』を含め次々出版されたのです。あと『エピゲノムと生命』にも言えますが、中身がぎっしりそうな割に新書なので安いですね。

『エピジェネティクス』を理解するために パート1 サイエンス通信番外編
『エピジェネティクス』を理解するために パート2 サイエンス通信番外編
『エピジェネティクス』を理解するために パート3 サイエンス通信番外編

上は『フェルマーの最終定理』や『暗号解読』など、理科系の翻訳家さんでは右に出る人がほぼいない、青木薫さんの軽妙で面白い文章です。

エピジェネティクス入門―三毛猫の模様はどう決まるのか (岩波科学ライブラリー)

佐々木 裕之

岩波書店

2005-05-12

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

エピゲノムと生命 (ブルーバックス)

太田 邦史

講談社

2013-08-21

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

エピジェネティクス――新しい生命像をえがく (岩波新書)

仲野 徹

岩波書店

2014-05-21

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

これは応用編と思いますが、去年だったかからうちにあり、最初開いても意味が分かりませんでした。今は少し分かる用語が出てきました。病気に分けて解説してありますけど、もうとっくに研究進んじゃっているのでは?専門書なので高いのが難点。

エピジェネティクスと病気 (遺伝子医学MOOK 25号)

メディカルドゥ

2013-08-31

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

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