ヨシダヒロコです。
ドラマの前評判は耳にしておりました。
スペイン語を学んで時間だけは長いですが、↓にある、最初見たダイジェストで「何だか色々ありすぎるドラマだな」と思って見ようかどうしようかと考えました。母が録画して見ていたこともあって2話から見始め、1話は再放送で。
恐らくスペイン発は初めてではないでしょうか。
公式サイト(下に貼る動画もここにあります)
http://www9.nhk.or.jp/kaigai/sira/
魚拓
トップページはあまり見えませんが、他の文字部分は見えます。
いつまで見られるか分かりませんが、公式サイトにある番組紹介ビデオ。
ちなみにスペイン語のだと、もっと後のシーンまで入っていますがこんな感じ。
原題は”El tiempo entre costuras”で、検索すると「縫い目の間の時間」が直訳という話が多いですね。アルゼンチン人のスペイン語の先生(遠隔Skypeレッスン)で、スペイン政府スペイン語認定試験官の資格持っている方に、今レッスンの時に聞いてみたところです。RAE(スペイン王立アカデミー)のオンライン西西辞書も引きましたが難しかった。
先生の意見は、「costuraは『お針子』なので、『お針子としての人生』というような意味だけど、メタファーがあって意味が何重にも取れる。だから『縫い目の間の時間』もありえる」だそうです。それにしても、スペインと言えば「情熱の」と必ず付けるのはなんとも……という感じです。
このドラマは、Wikipedia情報によると、日本やアメリカHuluの50分17話と違い、本国では70分11回だったそう。
ドラマには原作があり、赤坂のスペイン語・ポルトガル語教室イスパニカで翻訳クラスを1回担当してくださった宮崎真紀さんが監訳をされています。今でも教えていらっしゃるかは分かりません。中巻が出たばかりで、下巻は予約受付中です。
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情熱のシーラ 上マリーア・ドゥエニャスNHK出版
2015-05-28 |
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情熱のシーラ 中マリーア・ドゥエニャスNHK出版
2015-06-25 |
情熱のシーラ 下マリーア・ドゥエニャスNHK出版
2015-07-24 |
原書はこれですが、なんと624pもあり、「スペインのダウントン・アビー」と呼ばれたらしいです。
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El tiempo entre costuras: Una novela (Atria Espanol)Maria DuenasAtria Books
2011-11-08 |
翻訳クラスは実力不足で休んでいるのですが、この先生を含め文法の大切さを学び、今度別エントリでも繰り返しますが「訳出が楽しいからと言って正しい訳とは限らない」という名言を頂きました。最近さらに活躍されてて、読んだもので気に入ったのはバルセロナ舞台のミステリーで『死んだ人形たちの季節』です(翻訳クラスの課題になった)。2月頃に読んだのですが、そのうち書きます。他に『ネルーダ事件』も話題になり、気になっています。
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死んだ人形たちの季節 (集英社文庫)トニ ヒル集英社
2014-10-17 |
さて、脱線してしまいましたが、このドラマは上のベストセラー小説を元にしています。ミステリーでも最近スペインものを見かけるので嬉しい限りです。アルゼンチン人の先生によると本当によく売れているとか。
筋は公式サイトにもありますが、書いてないことも書きます。シーラ(Sira、綴りが変わっているとドラマ中で言われています。普通はShielaとからしいです)は1911年マドリード生まれ。母がシングルマザーで、小さい頃からお針子として訓練を受けます。娘時代、友達と夜祭りに出かけたときに公務員志望のイグナシオと知り合い、おつきあいをし婚約します。
しかし、公務員試験に受かったイグナシオが、シーラも公務員になって手に職を付けてもらおうとタイプライター屋さんに連れていったところから話は変な方向に。そこにはやたらと色気のあるラミーロが働いていました。シーラはすっかり心を奪われてしまい、婚約者が「心変わりしたとしても、それでも」と言ってくれているのにラミーロと一緒にモロッコに行ってしまうのでした。
ラミーロを見ているととても危ない感じがするのですが、案の定ということがモロッコ・タンジールで起こります。シーラはさんざんな目に遭ったけれど、色々な人に助けられてモロッコで生きてゆきます。しかもそうこうしている間に母国では内戦が起こり、母の消息もつかめません。スペインの話や映画に接すると、内戦は避けて通れませんね。
そして、時代が戦争に向かっており、シーラもそれと無関係ではいられないのでした。
***
イグナシオにしとけば大事にしてもらえたのにねえ。とわたしなんかは思うのですが。他に、第4回で出てくるスペインとモロッコの関係というのもなるほど、と。アラブに関係が深いって知っていましたけど、モロッコにも(スペイン人が)住んでいたとは知りませんでした。
そういうわけで、見ている方も見たくなった方も、今後の展開をお楽しみに。