ヨシダヒロコです。
4~6月終わりまでに基礎医学に関わる本を3冊読もうと思っていて、これはその2冊目です。結論から言うと、理系文系関係なしにお薦めです。忙しかった日もありましたけど、トータル20日くらいで読み終えました。実際はもっと少ないと思います。
著者の山川氏は東進ハイスクールの先生。この学校、いま飛ぶ鳥落とす勢いですね。わたしが受験産業に関わっていた頃、予備校の先生の本はよく参考にしたり生徒さんに貸したりしてました。分かりやすいのが多いんですよ。著者は東大院でウニの精子のべん毛運動を解析していたそうです。マニアックなテーマですね。
下のAmazonリンクにもありますが、帯も付いた写真を載せておきます。フェレットがよくちょっかい出して下に落としたのでいいコンディションじゃないですけど。目次は細かく分かれているので、1ページ目を。生化学のパートと分子生物学のパートがあり、途中で「こうやってつながるんですよ」と書いてあった気がしたんですが、もう1回見直すと「生化学から分子生物学へ」という章があるだけでした。眠い目をこすりながら読んでいたので間違えたのかも。つながりが分かった気はしました。
これは生化学のクエン酸回路ですが、わたしが苦手としていたところです。学生時代に生化学の教科書買ったんですが(この本の参考にもあったコーン・スタンプだったかと)、
学生時代には詳しすぎてついて行けなかったりしました。この図には見ての通り、化学式がありません。ですから化学式が苦手な人にはいいかと思います。化学式は最小限になっていると思います。フルカラーなのも読みやすく、その割に2000円もしないのです。
分子生物学のパートに入ってからは、下に貼った2冊目の本(一昨年読んで、今半分以上再読終了)のおかげもあってか、ぐっと読みやすくなりました。学部時代の生化学の講義で、(その学部の学生はみんな)生物の知識ないのにいきなり組換えが出てきたことを大学教員やっていた方に愚痴ったら、たしなめられたことあったんですが。リガーゼとか、バクテリオファージの板書(絵)がエイリアンみたいだったことは覚えてるなーと思い出しながらでした。
特別コラムとして『初期化の研究史――核移植実験からSTAP細胞まで――』が巻末にあることもこの本を選んだ理由の1つです。この本は2014年4月26日に出版されており、理研がプロトコル出したのが3月で、まだ色々分かっていなかった時期でした。これ読むと、ES細胞、iPS細胞など、幹細胞まわりのことはざっと分かると思います。
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理系なら知っておきたい生物の基本ノート 生化学・分子生物学編山川 喜輝
KADOKAWA 2014-04-01 |
さて、今読んでいる本と次に読みたい本の候補を。1冊目はもう少ししたら再読レビューします。前に書いた解剖学も本が見つかりましたので、おいおい。
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新版 絵でわかるゲノム・遺伝子・DNA (KS絵でわかるシリーズ)中込 弥男
講談社 2011-10-29 |
これは、阪大・仲野徹教授の『エピジェネティクス』を読む準備です。もともと自分の病気に関係あるということで興味持ったのですが、不思議だし面白く、今熱い分野です。
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エピゲノムと生命 (ブルーバックス)太田 邦史
講談社 2013-08-21 |
最後に、いい加減読了したいこれ。記事1つしか読んでませんけど、今いろいろ本読んでからだともっと分かると思います。須田桃子さんの本も評判いいですね(ただ今積ん読中)。
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日経サイエンス 2015年 03月号日経サイエンス
2015-01-24 |