ヨシダヒロコです。
めんどくさいので詳しくはブログ内検索して頂きたいのですが、この石川県生まれの作家については何回もブログ記事にしています。元々は、昔tDiaryのころの文章を読んでいた精神科医の風野春樹先生が、傍から見ると急激に島田清次郎、と言い出すようになったので。
結局先生は一昨年島清(しませ)についての本『島田清次郎 誰にも愛されなかった男』を書かれ、ゆかりの地である金沢でトークイベントもされました。当然ですが、行きました。本についてはAmazonレビューを書いてあります。
『島田清次郎 誰からも愛されなかった男』出版記念トークイベント@金沢レポ(2013/08/25)。
20歳そこそこで大ベストセラーを出した作家ですが、やたらと困ったことばかり起こし、仕舞いには女性スキャンダルで文壇から追われ、最後には精神病院で若くして亡くなるという波乱の人生でした。
そして、過去に金沢で何回か島清の展示はあったそうなのですが、今回先生の著作で分かったことも盛り込んで展示が行われました。本当は展示をやっている間にこのエントリ書きたかったのですが。内容が濃くなりそうだったしこっちもバタバタしてて遅くなりました。行けなかった皆さんに雰囲気だけでも。
まず、お洒落なピンクのチラシです。表、裏です。
パンフ、入場券、先着500名にもらえた赤い風船(詩の付いた袋に入っていました)、その詩のアップ。
あとは、展示品以外の建物や館内。展示品以外は撮っていいかお聞きしました。本来、重いのでデジイチの写真をサイズそのままで沢山は載せないのですが、ファンの方のために。
これは見終わったあとの風景です。向こうにあるのは香林坊大和というデパート。
展示には自筆原稿が本当に沢山あって、中には入院中にぎっしり書かれたものもありました。気になったのは、入院中に著者の元に届いたという著書に主治医が「病は不治」(今でいう統合失調症ということになっていた)という文章を書いていて、そこが白く削れているというもの。島清が見つけてしたのだとしたら悲しい話だと思って見ました。
他には、文壇の作家、親友、いろんな人々が島清について書いた文章がパネルになっていたり、詩のパネルにたしか実物の赤い風船が。詩は、一編風野先生の本にもあったのですが、とても素直な良い感じの作品たちでした。中には、ふるさとの美川弁(現・白山市)のものも。「赤い風船」はこの詩の中の一編に由来するそうです。
1回目の訪問では見落としたところもあって、まあわたしも精神科の患者で、そろそろ通院に急がねばだったのです。見落としたものの1つに、誇大妄想的な印鑑がありました。ツイートで皆笑っていたので、ここに引用しておきます。
石川近代文学館の島田清次郎の企画展いろいろと面白かった。東京からはるばる来て良かった。Twitterで見ていたけれど『革命』『開元』『勝利』『釈迦』の遺品の印鑑にわらった。厨二病も突き詰めればこうして後世に残るんだ。
— serumisu (@serumisu) 2015, 2月 27
この月末に風野先生の講演が再びあり、その翌日にイタリア語検定があったので、泊まりがけで再び金沢へ行きました。講演についてはできるだけ近いうちに書きます。
嶋清は、地上の第一部だけで、後は、全く関係ないのない、例えば、エンターテイメント的な作品とか、歴史的な小説とか書いて、長く文壇にいれば、評価も変わったかもしらんが、もったいないね。
そうですね。患者として風野先生の講演聞いての感想ですが、島清は入院中にも書いていたそうですし、作家としての方向性よりもまずはきちんと体調を整えられたらあるいは、と感じます。