NATROM先生著『「ニセ医学」に騙されないために』のレビュー。

ヨシダヒロコです。

今日は他のことを書こうと思っていたのですが、軽く1ヵ月は前に読んだこの本の感想を書いてないことに気付きました。

この本は、ネットの特にニセ科学ウォッチャーには有名なブログ「NATROMの日記」のブログ主、内科医のNATROM先生による著作です。帯は産婦人科医の宋美玄(そん・みひょん)先生、解説はサイエンスライターの片瀬久美子さんです。皆さん、正しい科学・医学を知ってもらおうと頑張っている方々です。

この手の活動ってなかなか傍で見てると大変で、片瀬さんは長い間ひどい嫌がらせを受けて、最近訴訟を起こしました。ニセ科学をニセと言ってしまうと商売あがったりになる人とか、その他色々いるわけで。わたしもある人を似たような形で批判してPVがものすごく伸びたとき、何が起きたか、何かまずいことが起こるのかとびっくりしてしまいました。

わたしがこういう方たちを支持する理由は、わたし自身が「ニセ科学・医学」その他諸々のトンデモによって迷惑を被ったことがあるからです。21の時から命に関わる病になっているので、たとえそれが新興宗教でもなんでも、心が弱っていればつけ込まれることがあることをよく知っています。幸い宗教の人は親が追い払ってくれました。
他に、昔こんなエントリも書いています。「ニセ科学」を批判する理由のひとつです。

わたしもいっちょう黒歴史を曝すか。

さて、本の中身ですけど、読んで「こんな馬鹿馬鹿しい主張をする人がいて、それを信じる人もいるのか」と思う人もいるだろうし、「これはトンデモだったのか、知らなかった」という方もいるかもしれません。著者の狙いは主に後者でしょう。本が出たのが体の調子を崩していた6月で、すぐに買ったのですが3ヵ月ほど積ん読でした。ただ、非常に文体が読みやすく、するする読めます。ブログより読みやすくしている気がしますが、こういう分野の文章に慣れていない方には取っつきにくいかもしれません。ブログは最近再開するまでしばらく購読をお休みしていたのですが、そのせいか、知らない話もいくらか入っていました。

この本で出てくるようなトンデモは、結構SNSなどで「オススメ」として見かけることもあります。困ったことに、リテラシーが求められる医薬翻訳者で、明らかにわたしより知識のありそうな人がコロッと騙されていることすらあります。大体、言っても分かってくれることは少ないので、お医者様がこういう本を出してくださると助かります。それでも困った「オススメ」を続ける人は続けるんだろうけど。念のために書きますが、「困った」と書いたのは、それが人命に関わる場合もあるからです。

例えばわたしのような精神疾患の患者に「薬を飲むな」という人がいますけど、主治医と相談して減らしていいというならまだしも、素人とか専門外のトンデモ医者が薦めている場合があります。で、それを顔も見えないネットでやっている。わたしは断薬した患者さんが亡くなった例をネットを通じてですが知っています。自分だって、断薬したら命はないでしょう。

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

NATROM

メタモル出版

2014-06-25

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

Amazonには本の目次は書いてないようなので、書いておきます。

第1章 現代医療編

 日本人は薬漬け?/万能薬は存在する?/ステロイドは悪魔の薬?
がん がんは治療するな?/抗がん剤は毒にしかならない?/麻薬系の鎮痛剤は体に悪い?
ワクチン ワクチンは有害?/HPVワクチンは効果が薄い?
出産 病院での出産は不自然?/自然分娩だけが素晴らしい?

[コラム]標準医療は心の働きを重視している

第2章 代替医療編

伝統療法 ホメオパシーは安全?/瀉血でデトックスできる?/放射線ホルミシス効果は万能?
エネルギー療法 NAETでアレルギーが治る?/オーリングテストは科学的?/気功で、がんが消える?
独自療法 がんに炭酸水素ナトリウムが効く?/千島学説の治療でなんでも治る?/難病治療のカギはソマチッド?
その他 クリニックで幹細胞療法が可能?

[コラム]健康食品が治療に与える影響

第3章 健康法編

食 水で体が変わる?/健康によい特別な食品がある?/がんに食物療法は有効?/血液型ダイエットがよい?/米のとぎ汁乳酸菌で健康に?
健康食品 酵素を補うべきか?/健康食品は安全?
健康グッズ 抗酸化で老化を防げる?/健康グッズに効果はある?
その他 タバコでは肺がんにならない?

※※※※
ちなみに、Twitterの科学クラスタだったか医師クラスタだったか。トンデモのバズワードは「免疫力」、「血液サラサラ」、「デトックス」辺りです。こないだ胃カメラ受けたときに看護師さんが「血液サラサラ」というので聞いてみたら、分かりやすくするためにそういう言葉を(恐らくわざと)使っていると言ってました。

がんについては最近この本にもあるような議論が起きていて、ある有名通訳者さんの死にも絡んでいますので、いつか本を何冊か読んだら書けるかもしれません。

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