ヨシダヒロコです。
エピジェネティクスは分子生物学に関係しているというか、その一領域のような学問と理解しています。前から学問の名前としては知っていて、あるとき自分の持病である躁うつ病(知りたい方はHP「躁うつ病のホームページ」からメルマガを購読して下さい。最新の知見が読めます)に関連していると知ったことから、本を読んでみようと思いました。もちろん翻訳の勉強にも生かすつもりで。
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エピジェネティクス入門―三毛猫の模様はどう決まるのか (岩波科学ライブラリー)
佐々木 裕之 岩波書店 2005-05-12 |
この本は入門なのですが、遺伝子の話に弱いわたしは、他にも本を読みながら2回通読しました。2回目で半分ほど霧が晴れたような気がします。
まず、この本は三毛猫の模様にはさらっとしか触れていません(笑)。そこにあまり期待しないように。それを知りたい人は、次の本がお薦めです。絶版ですが、世の中には性遺伝子に奇怪なものがあるんですね。手元に本がないようなのですが、XXXXX/YYYYYみたいなのとか。この本はアマゾンでは以前よりずいぶん中古本がお手頃になってます。復刊ドットコムでもリクエストがかかっているようです。
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三毛猫の遺伝学
ローラ グールド 翔泳社 1997-09 |
エピジェネティクス本に話を戻します。
目次を書いておきます。薄い本ですし、1日に1章ずつゆるゆる読んでいけば1週間で読み終わりますが、DNAやゲノムの知識がある程度必要です。
1.個性はどこで決まるか
2.エピジェネティクスとは
3.さまざまな振る舞い
4.個性は伝わるか
5.もっと複雑な仕組み
6.病気との深い関係
7.便利な道具にハマる生物
これだけでは何のことか分からないので。
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1.アサガオの絞り模様、三毛猫の雄がなぜ発生するかの説明
2.エピジェネティクスという言葉の由来、なぜ受精卵由来の細胞が200種もの違う細胞になるのかの仕組み、遺伝子スイッチのオン・オフ、DNAメチル化、ニューロンのでき方。図が多いです。
3.単為発生マウス「かぐや」(父親がいない)、どうして哺乳類だけ単為発生が難しいのか(ゲノム刷り込みなど)、「かぐや」の発生、クローンはコピーか?
4.獲得形質(後天的に得た生物の性質)は遺伝するか
5.クロマチンやヒストンの説明。少々細かい。図多し。
6.ICF症候群、レット症候群などの難病、あと大きいのはがんとの関係。診断法や治療法の開発に使えないか
7.「便利な道具」とはDNAメチル化のことです。
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気が向いたら、もう1度くらい読んでみます。
そろそろ次の本を読みたくなったので、こんなのを考えています。
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エピジェネティクスと病気 (遺伝子医学MOOK 25号)
メディカルドゥ 2013-08-31 |
去年出た本で、著者のひとりは今回の本と同じ先生ですので、期待できるかと。内容について行けるかは、さっぱり分かりません。
もう1冊、羊土社のメルマガで目を付けていたのが、これ。メルマガはいつも本選びの参考にしてます。複数の出版社のを取ってますが、一番使えるかも。
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イラストで徹底理解する エピジェネティクスキーワード事典〜分子機構から疾患・解析技術まで
羊土社 2013-11-23 |
アマゾンの評価が☆2と低いですが、わたしは研究者などのプロではないですし、もともと気になるところだけをちらちら見るつもりですので(レビューには「図が多い」とは書いてありましたし)。出版社のHPで見本が見られて、何とか行けそうと判断しました。
両方専門書なので高いですが、大事に買って大事に読みたいです。
DNA関係の入門本が2巡目に入りますので、読んだらレビューします。