ヨシダヒロコです。
(2015/03/08追記:これを書いた後で、アメリアは単価が出ていることがあると知りました。応募前に分かるのはなかなか助かります。それに最近の経験で、メルマガを見ていたら自分の登録エージェントが得意分野の募集をかけていることが分かりました。このエージェントはアメリアやムックで他分野の募集を知ることがあって、改めて2回応募したのですが、そのうち1回合格、1回は落ちたけど再挑戦はいつでもOKだし、登録があるので類似案件回すかもと言われました)
このシリーズ、1ヵ月以上間が空いちゃったけどこれで終わりです。
アメリアは以前お世話になったフェロー・アカデミーのつながりで、ご紹介した中で唯一、有料でないと入れないサービスです。お試しも特にないみたいですしね。
わたしは10年ほど前から何回か出たり入ったりしていて、開拓できたエージェントもありますが、結局コンスタントな受注にはつながっていないというのが結論です。ProZのところで前に書いたように、無料会員をやっていて、条件が比較的まともな海外会社が残ったというところでしょうか。しかし、中には某ブラックリスト入りしているものもあります。
Yuno Dinnie(杉本優)さん経由で見せて頂いた海外のブラックリスト入りエージェント
http://translationethics.blogspot.se/p/blog-page.html#.UwBzruLlXzo
話を元に戻します。日本の翻訳会社はレベルが高いのか、まだわたしはメディカル専門ではトライアルに落ちることがほとんどです。1000円ちょっとでレベルチェックをしてくれる「定例トライアル」というのがあって、成績がいいと「クラウン会員」になり、応募するとき有利なんですが、クラウン会員はあまり興味なくても、自分の訳文のできていないところを知るため、今後応募してみようかと思っています(採点基準が納得いかないという噂がネットで流れたこともありますが)。他には「翻訳トライアスロン」というのがあって3分野だったかの翻訳をこなし競い合う、という企画もあります。会員にはメルマガが送られてきて、求人状況など教えてくれます。会報「Amelia」も毎月郵送されてきて、最近始まった高橋聡さん(帽子屋さん)の連載は楽しみにしてます。
アメリアのいいところは、トライアル出した後それっきり返事が来ないということがない、ということ。問い合わせれば対応してくれます。それに、某コーディネーターさんが仰っていましたが、アメリアと翻訳ディレクトリでそれぞれ人を募集したところ、前者の質が圧倒的に良かったと。あと、入会金と年会費で2万くらい取られますが、どうも翻訳会社に送るパンフのようなものに化けているらしいです。
以前は友達の紹介で入ったら入会金が免除だったのですが、今は双方にAmazonギフト券が贈られます。何回出入りしても変わりません。
悪いところは、どのサービスでもそうなんですけど、紹介される会社がまともだとは限らないこと。この間も、英日なのに「英語で論文が書ける程度の英語力」という訳の分からない条件がありました。
もうひとつ、わたしが体験したすごく嫌だったことは、ある(とても安い単価の)占い本の仕事でした。10年ほど前、広島にいた頃の話です。原稿が送られてきたのですが、前書きに夢解釈で有名なユングの名前を出して何とか書いてあって、かなりまじめに夢の話を扱っている本だと思いました。しかし、エージェント(編プロかも)から出たお達しは「若い女の子に受ける占い本にして欲しい。あなたにして欲しいのは翻訳ではない」だそうで。もちろんそんな案件は受けず、アメリアに文句を言いました。その後どうなったかというと、そういうことを何も考えていない人が2人安く仕事を請け、「こんな本になりました!」的にAmeliaの後ろの扉に写真入りででかでかと載りました。それで「もうだめだ」と1回見限ったのです。その本はうちの近所にまだ売っていますが、原著者の名前は出ていなくて、日本人の占い師の著作ということになっており、著作権的にその辺どうクリアしたのか不思議で仕方ありません。
今は、そういうことを見極めるのも自分の仕事や目利きのうちと割り切っています。翻訳者の間で、「あそこは単価が安い」「トライアルがヘン」とか言われている会社は色々あります。もちろんアメリアの中にもいます。わたしもここには書かないし、表に出てくることはないでしょうけれど。アメリアは仕事に困ったときや開拓したいときの保険程度に考えておくことにします。
ただし、メディカルのトライアルに落ちるのはわたしの実力が足りないので、もっと勉強しなければですね。