「躁うつ病とつきあう」「躁うつ病はここまでわかった」第2版・レビュー。

ヨシダヒロコです。

年末年始に時間があったので、かなり読書をしました。この2冊は、自分の病である躁うつ病(双極性障害)についていろいろ目を開かせてくれました。前者の本は初版の内容が少し古く(15年ほど前)、版を重ねるごとに加筆してあって、一番新しい版は昨年です。ですので、最後の方は新しいそうです。後者は元々が2007年初版なので、比較的新しく、最新の第2版は2012年です。

双方とも、理研で精力的に双極性障害の研究をされている精神科医である、加藤忠史先生の著です。

躁うつ病とつきあう[第3版]

加藤忠史
日本評論社
2013-03-20 by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

躁うつ病はここまでわかった 第2版: 患者・家族のための双極性障害ガイド

加藤忠史
日本評論社
2012-08-10 by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

まず、「躁うつ病とつきあう」から。これは著者が大学病院勤務だった15年ほど前からの患者さんの話を書いてあります。巻末に「躁うつ病を知ろう」と題し、ざっと治療のコツのようなものが書いてあります。

わたしはこの2冊とも、日本評論社のサマーセールの時に買ったのですが、Amazonでの評価は様々で、どっちかというといまいちなものもあります。患者さんのディテールを多少ぼかしたり改変しているのだろうと思いますが(大体精神科系の本はそう)、特定の患者さんについて書いた場合は許可を取ってあります。

HP「躁うつ病のホームページ」(今まで気付かなかったのか、医師・研究者向けのページがありますね)やそこから購読できるメルマガで、他の患者さんのことも読んでいたのですが、ここには沢山の症例があって、引きこまれて読んでしまいました。自分はこんなにひどくないと思っても、何かしら教訓はあるものです。自分も含めて、なぜこんな病気になるんだろうという学術的な疑問もあります。

15年ほど前の研究は原始的で、アメリカの論文を読んで同じようなことをやろうと思い、教授にアドバイスを求めたら「実験器具ははんだ付けでできるよ」と言われたり。はんだ付け……。躁やうつを押さえるには、化学周期表でおなじみのリチウムがよく効き、わたしも飲んでいますが、そのリチウムの作用の研究でした。研究者になりたかったわたしには、こういうことも面白かったです。

あと、これはこの本を読んでみて知ったのですが、修正ECT(有名な電気けいれん療法を、筋弛緩剤を用いてマイルドにしたもの)は全然怖く感じないなあ、と。

巻末にある注意点で、自分が徹夜してはいけないことを初めて知りました……まあ朝が来たら寝ていたのですが。一晩徹夜しただけで、躁転(躁に転ずること)が起こることもあると。どうりで睡眠時間が不規則になるといろいろ不調が出たり、他にも片頭痛がひどくなったりしたものです。あと、当たり前だけどできにくいことに、薬を絶対やめないことがあります。勝手にやめて再燃するケースは多いそう(精神科系の薬では基本です)。家族に患者がいることはあっても遺伝はないですし、妊娠・出産もできます(2016/01/04:わたしの場合年齢的にもう無理なので関係はないのですが、主治医は遺伝があるからやめなさいと言っていました。ちなみに遺伝要素は病因の半分だそう)。

さて、「躁うつ病はここまでわかった」の方ですが、より専門的な内容となっています。加藤先生の他に、4人の精神科医と、敷島カエルさんという患者さんの手記からなります。

加藤先生の章は上の本を詳しくしたような感じで、他の先生の書かれたもので注目したのは、岡本先生の躁うつ混合状態(p106)、名前通り両方が混ざるのですが、エネルギーはあるのにうつっぽくて自殺したがったりして危険なのです。わたしが去年なっていた状態はこれらしいです。双極II型と境界パーソナリティ障害との鑑別は、上の本にもありましたがこの箇所にもありました。どうも見分けにくいとか、同じ病気を違う角度から見ているとか、医師によって微妙に言い方が違うのですが、似ていることは間違いないようです。

基本的に薬で抑えられる病気だということは双方の本で一貫していたと思いますが、ラピッドサイクラー(躁うつの交替が激しい)やなかなか合う薬が見つからなくて入退院を繰り返す患者さんもいらっしゃるようで、大変だなあと。わたしも軽くはないので、気分安定薬(波を押さえる)が3種類出ている理由がよく分かりました。

敷島カエルさんの手記はずしりときました。躁とうつを繰り返し、満足に子供が育てられない苦しみが綴ってあります。この章はこの間東京に行ったときに、帰りの夜行バスを待ちながら読んでいました。

「たとえばある日突然アクシデントによってけがをして歩けなくなったとします。足に傷を負って松葉杖をついて元通り歩けるようになるまでリハビリをします。それと同じで、躁うつ病もある日それこそうつになったり、躁になったりして、体が止まったり、逆に動きすぎたりしてしまうのです。うつの状態では”歯磨きをしただけですごい進歩”という日がありますが、それで『よく頑張ったね』とは誰も思わないでしょう。ましてや外を歩けるようにでもなれば、着替えをして意欲も出てきているわけで、ずいぶんな進歩なのですが、別に誰も賞賛しない普通のことなのです。躁うつ病が理解されにくいのは当然のことかもしれません。」(p172)

ここの箇所は特に深く頷きました。

おまけですが、巻末のQ&Aによると、低用量ピル(普通に処方されるピル)は気分障害が減るそうです。つまり、わたしが飲んで感じたとおり、情緒が安定するようです。ピル関係の検索がよくあるので、参考までに。

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