ヨシダヒロコです。
精神科の患者でもありますが、症例報告など訳してみたいと思っています。もちろん仕事として。
さて、この本はハウス加賀谷&松本キックの漫才コンビ「松本ハウス」の本ですが、わたしがネットでお見かけする精神科医が2人大いに褒めていたので、期待して買いました。
病人にとって、闘病記とはある意味辛いものです。病気が違っても底を流れるものが似ていて、うるうるしてしまうのです。もちろん感動の涙ではありません。どちらかといえば、自分のつらかった闘病体験の追体験に似ています。ですから、健康な人に「感動した」的に片付けられてしまうと、「著者がこれだけ書くのにどれだけ苦労したと思っているんだ!」などなど、反発心を感じることがあります。
この「統合失調症がやってきた」は年末に仕事が切れたとき、一気に読み終えました。非常に読みやすい本であり、それは加賀屋さんの体験が多少要領を得ないところをキックさんや編集さんが頑張ってくれたのらしいのですが、加賀屋さん自身吐きそうな思いをして書いたそうです。確かに、その気持ちは少し想像できます。
10日以上考えましたが、本の抜粋がネット上にあり、それを読んで頂くのが一番と判断しました。わたし自身、幻覚など、非常に統合失調症のリアルな症状に近づけたと思っていますし、先に上げた精神科医の1人は「当事者本は数あれど、エポックメイキングな1冊」というようなことをツイートしていらっしゃいました。
加賀屋さんはある新薬がぴったり合ったおかげで寛解(ほぼ症状がないけれど、薬はいる)状態までに持って行けました。誰でもそううまく行く訳ではないけれど、世の統合失調症の患者さんで薬がうまく見つからない方に、早く合う薬が見つかればいいなと思います。
なお、この後躁うつ病の本を2冊読んだので、そのうち書きます。病状の説明もありますが、どちらかといえば研究寄りの本です。躁うつ病の当事者本も読む予定です。