ヨシダヒロコです。
(2018/08/09 1:06:加賀屋さんのお名前が間違っていたのをやっと訂正しました。失礼しました)
躁うつ病の患者ですが、医学系の翻訳者もぼちぼちやっており、精神科の案件も受けられたらなと思っています。一番やってみたいのは症例報告です。ストーリーがあるところが好きです。
精神科医ぷしこま先生(@psykoma、Facebookページもお持ちです)がハウス加賀屋さんの本を散々薦めていたので、たまたま今日は早く起きたことだし、1時間じっくり見せてもらいました。
加賀屋さんは子供の時から自己臭に対する幻聴(周りが「臭い」と言っているのが聞こえる)があって、色々あったけどそのまま大人になって松本さんとともにコントでボキャブラで売れ、2年休みがなかったそうです。ボキャブラ、よく見てたのに覚えてないなー。
その後調子を崩し、閉鎖病棟に入ったりなど治療・リハビリ10年。やっと復帰でき、今は寛解状態です。要するに、一見病気とは分からないまで治ったと言うことです。薬は継続です。プレッシャーをかけず待っていた相方さんもすごいなと思いました。松本さんは加賀屋さんのことが本当に分かっていて、精神科医の診察室で心配してくっついてくる家族のようでした。もちろん、ちゃんと認めてあげているんです。わたしはうちで家族とよく喧嘩になりますが、なかなかこういうやりとりは出来ないなと。
それで、これが新しい「統合失調症漫才」。統合失調症には、失礼ながら陽性症状と呼ばれる症状に幻覚・妄想・幻聴など派手な症状が多いので、コントにもしやすいのかもしれません。陰性症状と呼ばれるのもあって、コントの中でさらっと述べられていますね。これは、「幻聴妄想かるた」よりインパクトすごいかもしれません。少なくとも、非当事者には分かりやすいです。
あと2人患者さんが登場しますが、ひとりは映画にもなっている英国人ハーブ専門家のベニシアさん、その一人娘のジュリーさん。(2018/08/09 1:05追記:「ジュリーさんは」)シングルマザーになったのをきっかけに発症、14歳の息子さんはお母さんの症状がよく分かっていて、例えば「ヒレカツ食べた」という言葉が出てくると、「ヒレカツとは何か」を丁寧に説明します。ジュリーさんがすぐ忘れてしまうからのようです。
最後のひとりは一般人の優太さん。専門学校生の時に発症、多くの薬を飲みましたが今は1日1錠だけ。東邦大学の若い人向けのデイケアが功を奏し、今はフルタイムで週5働いています。
どちらかといえば理想的なケースばかりかもしれません。紹介されたFaxの中には深刻なものもありました。例えば患者さんに病識がない(病気であると思っていない)とか。だから医者にも行かないとか。
NHK総合の精神医療関係の番組はほぼ見放していたのですが、これは良かったです。こんな感じで、他の疾患や難病も扱って欲しいですね。難病については今、患者さんの負担増とか騒がれていますし……。
最後に、加賀屋さんが松本さんとネタを考えていて、「そこでおまえの決めぜりふ」「『そうですね』」に爆笑したんですが、おそらくこの「そうですね」は精神科医がよく使いそうな言葉だからでしょう。
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統合失調症がやってきた
ハウス加賀谷 イースト・プレス 2013-08-07 |
今日は読みたい本の話ばかりですが、これも読んでみたいです。