自殺報道とWHOガイドライン。

ヨシダヒロコです。

落ち着いてこの話題が書けるのを待っていました。

藤圭子さんの訃報で大きなショックを受けた1人です。自分は藤さんのファンではありませんが、宇多田ヒカルさんは大好きで、彼女が「わたしはママの大ファン」と言っていたのを知っていたから。

前日に少し落ち込むことがあって、それでも大口になるかもしれない翻訳案件のテスト原稿を終わらせたところでした。最初の一報はTwitterで。

もともと情緒不安定だったところだったので、怖くてツイートのリンクが踏めなかったです。ちなみにあっちの方に自分が引っ張られるというのは今回なかったんですが(今までも有名人の模倣で、という考えはわたしの発想にないです)、とにかくショックで。宇多田ヒカルさんと元夫の宇多田氏の文章をしばらく後に読んで2度ショックでした。精神疾患だったのかと。

「自殺」については今まで結構書いてきました。自分が生き残りであるということもありますが、そんなわたしでも精神医学の翻訳もやりたいし(ちょうどやっていたテスト原稿はそれに関するものでした)。小さなことでも何か役に立つことを書いていきたかった。それで数年前に知ったのが元NHK職員だった清水さんが始めた「ライフリンク」です。ここの清水さん経由でWHOの自殺報道ガイドラインを知りました。

今回、その方面で一番まとまっていた記事はこれです。

藤圭子さんの自殺 テレビのニュース報道は、国際的な「ルール違反」だらけ

こちらから、WHOガイドラインを引用します。

それらは以下の通りだ。(番号は便宜的に筆者がつけたもの。)

(1) 努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う。

(2) 自殺をセンセーショナルに扱わない、当然のことのように扱わない。

あるいは問題解決法の一つであるように扱わない。

(3)自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない。

(4)自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない。

(5)自殺既遂や未遂が生じた場所について、詳しい情報を伝えない。

(6)見出しの付け方には慎重を期する。

(7)写真や映像を用いる時にはかなりの慎重を期する。

(8)著名な人の自殺を伝える時は特に注意をする。

(9)自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする。

(10)どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する。

(11)メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る。

 

― 自殺既遂や未遂の方法を詳しく述べることは避けなければならない。なぜなら、それをひとつずつ順を追って述べることで、自殺に傾いているひとがそれを模倣するかもしれないからである。

元未遂者から見ると、特に↑の(4)でしょうか。今回も詳しい手段(書きませんが)を報道したところがあったようで、自殺対応窓口の方がTwitterで嘆いてました。そういう話題を提供されたときに、死に傾いている人が考えるのは、「この方法、使えるかも」でしょう。わたしがそういう状態にあれば、そう考えます。

あと(10)ですが、「いのちの電話」を紹介して終わっているところが多い。基本的にあそこはつながりません。「自殺」とかつくと基本的につながりません。だから、地元で話を聞いてくれるところを探した方が良いし、「そうしょっちゅうでなければ」、話を聞いてくれる友達や家族を確保しておくのもいいでしょう。お医者さんに通っている人は、頓服をどこまで飲んで大丈夫ですか、と日頃から主治医に相談しておくのもいいと思います(わたしはそうしています)。

こうして書いていてもまだ複雑ですが、涼しくなってきた昨日、久しぶりにスーパーに買い物に出て、落ち着いて女性週刊誌を読むことができました。宇多田ヒカルさんの突然の「人間宣言」はお母さんのためだったと。なんとか壊れてしまった母子関係を修復したかったのだと。そう書いてありました。

上記の記事がものすごくSNSで拡散されたことは救いでした。

藤圭子さんのご冥福をお祈りします。

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