翻訳ミステリー大賞シンジケート 第1回金沢読書会レポ(2013/08/24)。

ヨシダヒロコです。

金沢には熱心なミステリー倶楽部があって既に読書会をしているのですが、主にそのメンバーが中心となって参加し、今回は金沢出身(正確には富山の血も入っているそう)の越前敏弥先生をお招きして「シンジケート」の方の読書会が行われました。ミステリーをバリバリ訳していらっしゃる文芸翻訳者さんが旗振り役でした。

越前先生は昨年石川県立図書館での講演会で、はじめてお話を直に聞きました。本当は先生が望まれるように「さん」付けで行きたいんですが、いくらわたしが畑違いとはいえ、翻訳者には「さん」づけは恐れ多くて無理ですw

この日の金沢駅を、バスの中から。

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今回の課題書はこれ。「氷の闇を越えて」というハードボイルドです。原題は”A Cold Day In Paradise” で、パラダイスというミシガン州の何もない(昔の版がでたときに先生が地図で調べたら、交差点1つしかなかったとか)町での殺人事件です。「パラダイス」とは普通は暖かいものなので、”cold”と言っているのは何か対比させたかったのかな、と読書会でも話していたんですが。

氷の闇を越えて〔新版〕 ハヤカワ・ミステリ文庫

スティーヴ・ハミルトン

早川書房

2013-07-10

by [Z]ZAPAnetサーチ2.0

この日は街中で用事があって、ランチして歩いてきてまだ時間があったんですが、しばらくすると参加者が集まってきました。それで皆で椅子を並べたり。

今回の会場は南町に近い玉川こども図書館で、瀟洒な煉瓦造りの玉川図書館のそばにあります。玉川公園というところもあって、せせらぎのような、側溝というには綺麗だし幅がありすぎる流れがめぐっています。実際、少し中央の方に行くと「せせらぎ通り」という地名があるくらいです。

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駐車場が入りにくかったかなかったかしたらしく、ツイ友が1人遅れましたが、三々五々始まっていました。たしか参加者は11人(1人欠席でしたが、熱い感想文をくださいました)。自己紹介をして、1人1人感想を述べてゆくのですが。

この本は普通の本と出版された経緯が異なり、同じハミルトンの「解錠師」が「このミステリーがすごい」で高評価を受けたことから再版が決まったそうです。それまでは、続編2作共に絶版でした。続編はこの本の売れゆき次第だそう。

絶版になっている「氷の闇を越えて」。

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それで、これがレジュメ。その次の日に福島の郡山で「解錠師」の読書会があるので、絶版になっているマクナイトシリーズの後書き、未訳作品のあらすじなど共同作業で。9作か10作でています。

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で、皆さんのおっしゃっていたことですが、出だしが素晴らしいということ。「わたしの心臓のすぐそばには、一発の銃弾が眠っている。」マクナイトは警官時代に、精神疾患を持つローズという男に撃たれ、その時同僚を失いました。そのトラウマを13年引きずっています。だから私立探偵にはなりたくなかった。銃弾は奇跡的にそこで止まったものです。

皆さんの感想を他にも思いつくままに。

  • あるかっとんだ医療職の方。おかげで他の方の言っていたことがかすんだくらいなんですが、精神科の患者さんとしてはローズはよく書けている、他にマクナイトはトラウマがあるとはいえ引きずりすぎ、あと不倫関係にある(あった?)シルヴィアという女性がいるのですが、彼女に対してウブすぎ(マクナイト、結婚経験ありますからね)。シルヴィアはキツくて、こういう女性はごめんだと。
  • 狂気の表現が興味深かったと。あとで飲み会でお聞きすると、臨床心理専攻の、学部は違うが後輩に当たる方と分かりました。金沢大には昔は統計心理しかなかったので意外でした。
  • ある本格ものファンの方。さすがに謎解きがお得意で、キーマンの名前が最初の方で登場していないこと、単位の表記にばらつきがあることなどを指摘していました。単位は気がつかなかった……学生時代散々やらされたのに。
  • なんだかんだ言って、マクナイトは負傷したことで年金もらっているし、ロッジも何軒も持っているし、結構いい生活なのではないかと。

わたしが言ったのは、ローズは統合失調症の患者さんとして書かれているけど多分重症で、最近は軽い患者さんも沢山いる(注:作中でローズが犯罪を犯したのは1984年だったはず)、あとシルヴィアは友達の奥さんなので、どうも作中では何がどうなってこうなっているのか分かりませんが、ツンツンしているシルヴィアもまだマクナイトを忘れてないことがなんかバレバレで、切なかったと。

最後の方は一気に進んだし、もっとかかるかと思っていたのに2日くらいで読み終わっちゃいました。久しぶりにミステリーを読めて良かったと。

先生がおっしゃるには、出だし5行がものすごくいいことと、マクナイトはトラウマを抱えている割に軽口を叩く、それがキャラクターの弱さかな、とも。軽口を訳すのは楽しいそうです。

あとは「アメリカのバーではドライバーに酒を出していいのか?」みたいな話もしたんですが。

北國新聞の方が取材に来てくれて、こんな感じで載りました。慣れない話で眠そうだったらしいですw

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図書館の画像を2,3枚。

子供向けなんですが、内装が面白かったので。下の画像は、金沢弁をちりばめてあります。

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そんな訳でいったん会はお開きとなり、1時間後に飲み会ということになりました。

その間、越前先生を含めて、数人で町屋作りの一見民家にしか見えないカフェに行っていましたが、今は翻訳者(文芸系)が集まって切磋琢磨する場所がネット上にないね、という話になっていました。わたしはその辺に足を突っ込んでいた時期があるのですが、訳者になろうとは思っていませんでした。本名で調べるとお分かりかもしれませんが、皆に突っ込まれながらもメルマガでレビューを書いていた時期があります。まあ、でもその時期にいた皆さんが「綺羅星のような」方々ばかりで、畑違いの、単なるファンに近いわたしは教えて頂いてばかりでした。

カフェはこんな感じ。風情がありました。金沢にはこういう場所が他にもあるらしい。

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さて、飲み会ですがこんなところに行きました。飲み放題です。どうせなくなるから、と皆大ジョッキを頼んだのですが、目測で1Lくらいあり、人によっては飲むのに苦労していました。グラス入れ替え制だし。何だか色々喋ったなということしか覚えていない(と言うことにしておく)のですが、先生もツイートなどしてらしたある参加者の体験談が大笑いでした。

斉藤栄という、本人に言わせれば西村京太郎程は売れない紀行ものを書く作家がいて、金沢を舞台にしたものがあったので読んでいたら、なんと犯人の住所が自分のうちの住所だったと。この方はあまりにもキャラが立っていて、是非他の読書会にもおいでなさいと先生に誘われていました。ミステリー系の飲み会ってかなり騒がしく、まあそんなものらしいです。

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わたしは電車の時間があったので小走りで駅に行き、まあセーフでした。
金沢にはちょくちょく来ているので、また読書会に来よう、と心に誓いました。仕事がデスマーチでなければ……。末筆になりますが、まとめ役の北田絵里子さん、いろいろとお疲れ様でした。また来ます。

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