化学・医薬方面の翻訳をしています。
久しぶりにちらっと化学の話を書きます、といっても佐藤健太郎さんのところで「まだこの世にない化合物」として既出なんですけどね。
「エリート!!~Expert Latitudinous Investigation TEam~」講談社月刊ヤングマガジン連載、2巻より。
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エリート!!~Expert Latitudinous Investigation TEam~(2) (ヤンマガKCスペシャル)
新條 まゆ 講談社 2011-10-26 |
佐藤さんが取り上げた次の号にもう少し大きく出てきます。単行本2巻第8話より。名前は書いてありませんが、ドデカニトロヘキサプリズマンだそうです。
「エリート!!」は警察の各所から選りすぐられた(とは言っても、一見そうは見えないものもいるけど)内閣府直属の広域捜査官たちの話です。主人公の幸(さち)なんて、「絶対死なない」だけで選ばれてますからね。何かあったときに生き残る捜査官がいないと困る、というわけです。バイクの運転に長けているとかプロファイリングの名手とか言うのは定番ですが、他に、死者の霊と話ができる捜査官がでてきて、しかも失敗したりもします(たまにミステリでは似た設定があります)。
佐藤さんもおっしゃる通り、化学式や珍しい爆薬の名前が出てくるのも興味深いのですが、わたしはむしろ新條まゆ氏がこういう方向に転向したことが興味深いです。まだ恋愛ものを辞めたわけではないのですが。
以前の新條氏は、性愛が大きなウェイトを占める少女漫画を描いていました。ご本人のブログで読んだことがありますが、必ずしも全部の連載がご本人の意向ではなかったようです。大体、女には不自由しないけど実は本気の恋を知らない不器用な男の子がヒーローで、本当に何も知らない平凡な女の子がヒロインで、って場合が多かったような。
「覇王・愛人」なんかでは、平凡なヒロインに一目惚れした香港人マフィアの若いボスが、彼女を香港までさらってしまうのが最初でした。しかも自分の気持ちを伝えられなくてすれ違ってばかりという。子供には見せられないような展開が、その後いろいろ9巻まであるのですが。
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覇王・愛人 1 (フラワーコミックス)
新條 まゆ 小学館 2002-06-26 |
今はほとんど残っていないけど、2,3作をまじめに読みました。で、転向したかった理由も納得しました。それで、転向したらしたでキュバンだのヒドラジンだの言い出してもうびっくりですよ。爆薬には詳しくないのですがね。
現在、第4巻が出たばかりで、3巻まで持っています。近く買ってくるつもりです。今度はテロリストとの戦いがあるらしいし、結構「ゴルゴ13」とかでなぜか和むわたしにとっては楽しみなのです。