スペイン語とイタリア語を勉強しています。
最近この両言語の映画の割合が増えてきました。
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ルイーサ [DVD]TOブックス
2011-12-23 |
これは結構前にDVDで観た映画です。今なかなか読めてませんけど、スペイン語圏の映画専門ブログで褒められていたはず。
大体の内容はトレイラー見ると分かっちゃうんですが、ルイーサはブエノスアイレスで夫子供を何かの事情で亡くし、その傷を抱えたまま葬儀社の受付と有名女優の家政婦さんみたいな仕事を掛け持ちしていました。心の支えは猫だけ。60歳。ヒロインの設定がリアリティに乏しいというamazonレビューもありますが、わたしはこの辺だけで惹きつけられてしまいました。
もうすぐ定年だと思っていたある日、彼女は両方の雇用先から突然クビを言い渡されました。退職金は葬儀社からはばっくれられました。女優さんもロクにくれなかったんじゃないかな。
そして、追い打ちをかけるように可愛がっていた猫の死……なのにお金がなくて埋葬することもできない。ルイーサは苦肉の策を編み出します。
人好きのするマンションの管理人さんは隣人でもあり、「何かがおかしい」と思っているのですが、しっぽがつかめません。ルイーサはいつもの通り出勤してますし。
実はルイーサはsubte(スブテ、アルゼンチンの地下鉄)に初めて乗っていたのです。そこでいかさまでも何とかしてお金を稼ごうと。こういう人は旅行中に見たことがあるのですが、1人1人に事情があるんだろうなとその時考えてしまいました。
何もかもが希望がない中、ルイーサはある人物と出会い、救われます。管理人さんも心配していました。たとえお金がなくたって、絶望していたって、自分が心を開けば血の通った人とのつながりがなくなるわけじゃない。そういうことを感じさせてくれる良作でした。ただ、ヨーロッパやラテンアメリカの映画には米国映画のような爽快さは控えめです。救いがないこともあります。
映画にはコメンタリーが付いていました。
歴史のありそうなブエノスアイレスの見事な町並みの映像。そこにかかる音楽はSUPERCHARANGOというミュージシャングループが演奏しています(CMの音楽など手がけているようですね)。タンゴのようなもの悲しい音楽ですが、とても印象的です。音楽だけなら、いつリンクがなくなるか分からないのですがミュージシャンのここで聴けます(リンク)。わたしは一応録音しましたけど、DVDを買ってBGMと流してもいいかもと思うくらいですね。
以下、監督やスタッフの言葉のメモを起こしておきます。「タンゴが入っていないのに、世界の映画祭や日本の観客にも認められて驚いた。日本にもルイーサはいる」。脚本はsubteの映画脚本コンクールで入選したものらしいです。
アルゼンチン映画は、「ル・コルビュジエの家」が先週までだったので見ようかなと思っていたのですが、検診で疲れたのと、どうも好みとは違うようだったので諦めました。大体トレーラーを観て感覚で決めます。