「化学物質はなぜ嫌われるのか」レビュー。

こんにちは。富山で化学を中心とする技術翻訳をしていますヨシダヒロコです。医薬との2本立てが夢なのですが、なんだか寄り道ばかりです。

昨日、こちらで再三告知した、サイエンスカフェにいがた主催のサイエンスカフェに日帰りで行ってきて、佐藤健太郎さんのお話を聞いてきました。カフェ前後の話も含めると長くなるので明日に回すことにして、直前に読み終えた佐藤さんの↓の本の話をしたいと思います。

サイエンス・医学


化学物質はなぜ嫌われるのか ‾「化学物質」のニュースを読み解く (知りたい!サイエンス 33)

メディアやネットで「危険」とされてそのままの物質について、丁寧に解説。

一般的な話ですが、「合成添加物は危険」「界面活性剤は皮膚に悪い」などなど聞いたことありませんか? 結論から言うと、実はそうでもないんですよねーという本です。逆に天然指向は相変わらず根強いですが、それが必ず安全なわけでもないことが書かれています。

扱っている物質の分野は幅広く、ダイオキシン、DDT、界面活性剤、環境ホルモン、ホルムアルデヒド、バイオエタノール、合成着色料、甘味料、アスパルテーム、保存料・殺菌剤、(書籍)「食品の裏側」、プリン体、プリオン、中国製食品、アミノ酸、コラーゲン、活性酸素とポリフェノール、コエンザイムQ10、レスベラストール、アスピリン、サリドマイド復活、抗生物質(耐性菌)、タミフルなどです。折に触れて、よく売れたらしい「買ってはいけない」が引き合いに出されて批判されています。

「安全です」と言っても、ただ闇雲にそう主張するのではなくて、マウスにどれくらい与えると毒性が出て、われわれの食べる食品や使う化合物の規制値がそれよりどれだけ低いか、と筋道たてて説明してあるので、良く納得できます。

化学を苦手な人も多いでしょうし、元素記号見ただけでもう嫌という人も、化学への知識が足りなくて「化学物質=すべて悪」と思っている方もいらっしゃるでしょう。ですが、天然のものと化学物質の垣根は皆さんが思うより低いですし、そもそも水の摂取でだって人は死ぬのです。

(わたしは良く水を飲みますが、「水中毒」って言葉もありますね。本書中で述べられたのと同じ現象だと思いますけど)。

最後に、もちろん一部で頑張っている理系記者もいらっしゃるのですが、メディアの科学リテラシーが低すぎます。こないだの福島第一原発事故に影響されて蝶に奇形が見られたという論文のニュースも瞬く間に世界に拡散しました。ということは、記者に科学方面の検証能力がないのは各国で見られることなんでしょうかねえ。文系・理系の出身は問いませんが、正しくものを見る力を、特に若い世代に付けて欲しいです。

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