こんにちは。富山で化学を中心とする技術翻訳をしていますヨシダヒロコです。医薬との2本立てが夢なのですが、なんだか寄り道ばかりです。
ここのところずっと寝る前は資格試験の勉強ばかりで、また何となくその気も起きず本が読めてません。いかんなーと思っています。読みたい本はたまる一方……。
下の本は、冬頃に読んだもので、去年の夏に出た時から注目していました。
最初の刑事: ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件
田舎の大家族で起きた悲惨な殺人事件に、スコットランドヤードの刑事が挑んだドキュメンタリー。
すごく詳しいわけではありませんが、ミステリは好きで一時は結構読んでいました。ちょっとユーモアのある「フロスト警部」シリーズやクレイグ・ライスが好きです。
それで「最初の刑事」ですが、まず登場人物の多いこと多いこと。普通、翻訳ミステリでは登場人物の短い説明が文庫などではどこかに書いてあることが多いのですが、この話何せ大家族ですし。著者の注や訳注も膨大です。
ロード・ヒル・ハウスというのどかな村にある大家族で、1860年悲惨な殺人事件が起こります。3才のサヴィルがベッドからいなくなっており、家族近所総出で探したところ、首を切られてトイレで見つかります。絶命していました。繰り返しますが、実話です。
地元警察がいろいろ手を尽くしても犯人は割れず、とうとうスコットランドヤードの刑事であるウィッチャーが呼ばれることになります。国中が事件を見守り推理をし熱狂して、のちにウィッチャーはカーなど様々な推理小説の探偵のモデルとなりました。
かなりの大部ですが、読み応え十分です。最後にペーパーバック版に着いたおまけが載っており、興味深いです。
帯には「ジョン・ル・カレ絶賛!サラ・ウォーターズ激賞!イアン・ランキン没頭!」とあります。ル・カレは映画「裏切りのサーカス」、原作「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の作者ですし、サラ・ウォーターズはあまり興味が持てませんが「半身」などで話題になった作家、ランキンはあまり知られていないかもしれませんが、「リーバス刑事警部」ものでロックとモルトウィスキーが好きなアル中のユニークな刑事像を書き続けている作家です。ル・カレは読むつもりですし映画館にかからないのでPAL版のDVDを買おうかなと思ってます。ランキンについてもまた書きます。