こんにちは。富山で化学を中心とする技術翻訳をしていますヨシダヒロコです。
このエントリ、シリアスな上に長文です。よかったらおつきあいくださいませ。
少し古い話になってしまいましたが、政府が年間3万人の自殺者に対する対策として、ゲートキーパー=GKB47というのを打ち出しましたね。素人さんで異変に気づいて止める人、みたいな意味ですけど。ネットを中心に「ゴキブリを連想させる。ふざけているのか」と非難ごうごうで、結局撤回してポスター300万枚を廃棄したという。でも、イメージキャラクターにAKB48を起用するそうですね。やっぱりあまりまじめに考えてないみたいですね。
実は、わたしは何回か(10回くらい)死にぞこなったものです。21歳の時にアカハラから適応障害と診断され、いくつかの病名を経て、2005年(だっけ?記憶が曖昧)の離婚後しばらくして躁うつ病と診断されました。もう通算で20年ほど経ちました。
ある慢性患者さんの多い病院に外来で行っていた頃は、医師に「ベッドに縛り付けておいたって死ぬ人は死ぬんです。24時間見張っているわけにはいかないですからね」と言われてその医師の絶望を感じ取ったこともあるし、長くお世話になった医師には「そんなことしてると死んでしまうよ」と泣かれました。その頃やっていたのは処方薬の大量摂取でしたが、まああまり死ぬものではないようです。ですが、その時は医師の涙に何も言えなくなり、自殺企図を止めました。
ただ、それから時間が経って離婚前後にはもっと危なくなり、北陸に逃げ帰った頃には閉鎖病棟が必要になっていました。不幸な結婚をしていたときには、アパートのトイレで首をつろうとしたこともあったし(足の長さが合わなかった)、車がスピードを出している夜の国道に飛び込もうとして自力で思いとどまったこともありました。でも、ご存じでしょうか?あまりにも手がかかりそうだと判断されると入院させてもらえないことを。医師だってギリギリなんです。わたしはクリニック通いでしたから。結局入院はさせてもらえませんでした。政府はそういうこと、分かっているんでしょうか?
そして、ご存じでしょうか?そんな人間が周りの友達に助けを求めていると、どんどん人が減っていくことを。人によっては黙って電話を切ることを。誰も助けてくれません。だから、また死にたくなるんです。ただ、ツイッターで医師等専門職のツイートを見てると、黙って死ぬ人も多いそうですが。
相談窓口も(わたしの場合は事情があって警察にもかけました)必ずしも役には立ちません。自分の意見を押しつける人が多すぎる。北陸に帰ってきた7年前から、過呼吸になりながら自分の窮状を訴えて、それでも話を聞いてもらった気がしなくて、説教されたりして、腹が立つやら悲しいやらで電話をたたきつけたり投げたりしているうちに電話はボロボロになってしまいました。
今の相談窓口の、受付時間や相談員の質がバラバラなことはちょっとどうにかして欲しいと思っています。精神科の知識がろくになく、井戸端会議感覚で電話取ってる人もいます。1年ほど前から、必要性を感じなくなったのでわたしはもうかけてませんが。
いつかブログに書いたことがあるのですが、「自殺予防啓発の報道などには最後に伝家の宝刀のように相談窓口が書いてあるけど、その窓口が使えない」というのがわたしが経験から得た教訓です。
何が言いたいかというと、ゲートキーパーなんてバカらしいです。なにがしたいんでしょうね。匿名の相談窓口の人たちに何回も聞いたんですが、一応研修は受けているそうです。それでもあの程度……。もちろん、寂しいわたしの話に長々つきあってくれた心優しい人もいましたけど。
わたしはわりと病気の初期からオープンに語っています。そうすると、「実はわたしの友達が……」とか「祖母が……」とか言われるんですよね。自分自身はよくなってきたと言ってもまだまだで、人助けをする余裕なんてありませんし、あまりコントロールの効かない患者さんとつるみたくもないのですが、もうちょっと健康な日本人1人1人が知識をつけて、身近で患者さんが発生したときにさっと手がさしのべられるようにすべきではないでしょうか。それは、「いつでも電話して」とかべったりすることと同義ではありません(それをやると夜中に電話がかかってきます)。
ほんとうにね、1人でいいんです。親身になってくれる人がいれば。どこの誰か知らない人より、ネット上でもリアルでもいいからそんな人がいれば……精神科患者は、皆そう思っていると思いますよ。それに、いつ自分がうつとかになるか分からないんだから、結局はお互い様なのでは?