「あの日のことをかきました」。

あの日のことをかきました―ニューヨークとアフガニスタン 絵でつたえる子どもたちの心

あの日のことをかきました―ニューヨークとアフガニスタン 絵でつたえる子どもたちの心
講談社
黒い太陽。黒いツインタワー。子供達の傷が伝わってくる。

ニューヨークとアフガニスタンで子供達に絵を描いてもらったという、一見絵本だがかなり中身は重い。子供にも読めるようにふりがなが振ってある。壊れてないツインタワーや、壊れていないバーミヤンの大仏を書く子もいる。

そろそろ9/11だし、「ワールド・トレード・センター」や「ユナイテッド93」などの映画も公開される。後者は見てこようかなと思っているが。

他のところで書いたかもしれないが、たまたま当日、仕事から帰ってきたばかりで何が起こったのかわからず、よりによってマンハッタンのラジオ局(当時は有線で聞いていた)をつけた。それがまたよりによって、リスナーが電話をかけてくる朝の時間帯だった。泣いているリスナーを冷静にさばくDJたちにも恐れ入ったが、「人が上から降ってくるの。ああなんてこと」というような言葉を聞き取ってしまい、2週間ほど立ち直れなかった。

しかも、その後アメリカ国内では「パールハーバー以来」という、日本人が聞くとショックな言葉があちこちで出ることになる。

それから何年経ったのだろう。「テロとの戦い」だとかは終わっておらず、そもそも最初の言い訳だった大量破壊兵器も見つからなかった。どうせなにかアフガンやイラクに攻め入るついでが欲しかったのだろうけれど、結果的に一般のアメリカやイギリス市民にとばっちりが行くばかりだ。イラクもアフガンのように蹂躙されたあと放置されるということになるのだろうか。

そして、この本に登場する子供達は、絵を描いているうちに明るい色彩を取り戻してはゆくだろうが、目の前で見た光景を忘れることはできないだろう。おそらく一生。

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