福井爽人:美術/日本経済新聞社

福井爽人:美術/日本経済新聞社

東京から帰る飛行機の中で読んでいた。平山郁夫のお弟子さんで、東京芸大教授の画家。日本画だけでなく、パステルの画集もある(未見)。この本には作者自身の言葉が入っている。アマゾンには表紙画像ないのでこっちをリンク。

表紙の絵は「野の花」という絵だが、それについて画家はこう書いている。

咲かなければならない。その一心で野の花は開く。見えぬ風にも、そっと揺れる姿は慎ましい。このような形で飾られた花たちは、さぞ迷惑なことだろう。

そうですね。野の花の立場に立ったことないから分からなかったけど、もし野草がしゃべれたら「自由に咲かせてください」と言うことだろう。他にもすごい感性を感じさせる名文がたくさんある。たとえば、

絵を描く為には、数字のない数学と、言葉のない詩が必要だと思う。

上の引用は、理科系の人にも訴えるのではないかと思う。絵じゃなくて研究をするにも「美」って大事ですしね。